チビチビと書き続けてはや2カ月やっとのことで完成致しました。テスト許すまじ。
というわけで今回も急展開続きでございますがどうぞ。
文化祭から2週間が経ちその熱気は冷めいつも通りの日常が戻っていた。
季節は10月に入り時々寒く感じる風も吹き始めている。
そんな時学校では今、前期終業式が行われており、週末を挟む形で後期始業式が行われる。2回に分かれているがいちいち2回行うのもどうかと思うんだよな。俺的には。
「続いて理事長による挨拶です」
司会による進行で相変わらず美人な理事長が出てくる。
「起立、礼…座ってください」
卒業式程ではないがいつも以上に多い上下運動という名の申し訳程度な礼によって話が始まる。
講堂であるため体育館で体育座りをしなければならない状態にもならないため話を聞くだけなら楽だ。1列前の涼輝はグッスリみたいだが…
「あいつ…寝てんのか?」
先程から俯いて動かない涼輝。
ということで涼輝の座っている席を足で蹴った。
「ぐあ?なんだ今の」
涼輝の反応にクスクスと笑い声が聞こえる。
「…起きとけ、それ以外は何も言わないから」
「…はいよ」
「はぁ〜涼輝と和也何してんの…」
少し遠くでため息をつく陸斗。
「前期を振り返ることも大切ではないでしょうか。それを後期に活かせるよう今一度振り返ってみてください」
「起立、礼…座ってください」
あ、理事長の話あんまり聞いてなかった…死にはしないしまぁいっか。
案外早く終業式は終了し、文化祭後から恒例となり始めた男子で集まり飯を食べていた。
「和也さっきの蹴ったやつやばすぎだろ」
「ちゃんとした友達でない限りは絶対しないけどな」
「笑い堪えるので必死だったわ…」
「涼輝ドンマイすぎる」
「マジ勇者だよなー和也って」
今日は午前授業のため昼食後は終礼だ。さっさと部活に行けるかと思っていたのだが、
『ピーンポーンパーンポーン。1年2組の波野和也君、生徒会室に来てください。繰り返します、波野和也君生徒会室に来てください。ピーンポーンパーンポーン』
「「「「………」」」」
「お前何かやったの?」
「いやいや何もやってねえよ!」
「じゃあなんでこんな時に生徒会長の絢瀬絵里から放送がかかるんだよ!」
「その通りだ!」
なぜか周りからヤジが飛び出し収集がつかないうえ、女子からヒソヒソ話をされている始末なので、
「一旦静まれ!!」
「…行って用件を聞いてくる。その後なら愚痴はなんでも聞くし」
「ま、行ってら」
「無事に帰還しろよな」
その中には神妙な顔をした園田もいた。
*
「着いた…」
生徒会室と書かれた扉を3回ノックすると先輩達であろう返事が返ってきた。
「はいってー」
「失礼します」
初めて入る生徒会室の感想は意外と質素ということだった。長机が正方形に並べられ対応するように椅子が置かれている。棚には資料と思われるファイルが年度ごとに並んでいた。
「えりちは放送室から帰ってきてると思うからもう少し待っててな」
「分かりました」
*
ガチャ
「あら、もう来てたのね。そういや生徒会室の場所を言い忘れてた気もしたのだけれど」
「そういや言ってなかったかもね」
「とりあえず急に呼び出してごめんなさいね」
「クラスで色々言われたんですよ?」
「直接行くよりはマシやと思うけど?」
「その通りです…」
「じゃあ早速その呼び出した理由なんだけど、君も後期に入ると本格的に生徒会役員として活動してもらうわ。後期始業式の時に生徒会役員選挙もするんだけど今回の立候補は私たちと君だけだから選挙はなし」
「でな、そこで一言ずつ今期の役員の挨拶みたいなんがあるねん。それを波野君にも言ってもらわんといけないから伝えようと思って」
「なるほど、全校生徒と先生の前で意気込みを語れということですか」
正直な話面倒以外の何物でもないけどやらないと認められないなら仕方ない。
「そう捉えてもらって構わないわ。生徒会の仕事についてはまた後日連絡を入れるつもりだから」
「そんなに難しいことをやるわけじゃないし波野君ならすぐに会得できると思うで」
「分かりました。今度はスマホに連絡してくださいね…」
「ええ分かっているわ。今日は直接説明した方がいいと思ったから。私も放送室の雰囲気で結構緊張したしできるだけ使いたくないわ…」
「じゃお開きやね。うちらは教室戻るわ」
「失礼します。わざわざありがとうございました」
「あとこれも渡しておくわ」
「これは生徒会室の鍵ですか?」
「私たちも持ってるし波野君個人で保管してくれて構わないから」
「勉強とか集中してやりたい時とかも使ってくれて全然いいよ。役員になったからには自由に使う権利があるから」
「了解しました」
「ただいまー」
「お、意外と早かったな」
「何の話だったわけ?」
食いつく男子共とこちらに向かないながらも確実に耳は傾けている女子共。
「実はな、俺生徒会に入ることにしたんだ」
回りくどいことをしても誤解を招くだけなので正直なことを言ってみたところ、
「「「えーっ!?」」」
「本当?」
「本当、先生に誘われて断りきれなくて仕方なくでもあるんだけど」
内心少し楽しみなのは照れ隠しで嘘をつく。
「俺たちは応援してるぜ、日本男児としてやれることやって来いや」
「これで男子にも活力が?」
「「「生まれるー!Foo〜!!!」
なんだこのテンション。応援してくれるのはありがたいけど。
「はぁ…期待に応えられるように頑張るよ。なんかしらの挨拶もあるみたいだし」
「じゃ俺たちは生温かい目で見守っておくな」
「やめとけや」
*****
「続いて後期生徒会役員の挨拶です」
司会から絢瀬先輩がマイクを受け取り壇上に立つ。俺は東條先輩の後要するに最後なのだが心臓は鼓動を繰り返して止まない。
「後期生徒会長を務めさせていただく絢瀬絵里です」
その一言で半端なものを一蹴するそんな強さを秘めた堂々とした意志が見えた。
「前期も会長を務めさせていただいたことを活かしこの音乃木坂をより良いものとなるよう努力いたします。皆さまの意見によってこの学校はもっと、さらに良くなると思います。今期はそれぞれ校外学習などの大きな行事が良いものとなるよう励みます」
「続いて波野和也さん、よろしくお願いします」
一瞬で自分の番になり絢瀬先輩の演説は感想なんて言えない精神状態かつ、東條先輩の演説においては耳に入ってすらこなかった。
落ち着け波野和也。ここでこけると笑い者だぞ。
「…1年2組波野和也です。生徒会役員として生徒の見本となれるようにし、発想、追求、転換を繰り返しながらこの学校を生徒にとってより良いものとなるように精一杯頑張ります。
また、共学化から初の男子役員ということで多方面の視点からも様々なことを見ていき小さなことでも取り組めていければと思っています。よろしくお願いします」
礼をすることもちゃんと忘れず司会にマイクを渡し元いた椅子に座った。なんとか終わったものの眩暈がして仕方ない。
…唖然としてる涼輝がいる、なんでだっけ。
「和也ーーーー!!!」
「ラリアットォォォ!!!」
勢いよく突っ込んでくる涼輝をラリアットでぶっ飛ばそうとしたものの普通にすり抜けやがる。
「お前、生徒会に入るとはどういうことだ!」
「いや…どうだっていうんだよ」
「別になんとも思わないけど」
「え?あうん」
「みんな頑張ってって言ってたぞ。じゃあまたなー」
そういって俺の来た方向に嵐のように去っていったなあいつ。
その後部活でボロクソイジられたのは言うまでもない話。
園田でさえもイジる側に回ってんだからどれだけ事が大きいかシミジミと感じた波野和也でございました。
***
後日
再び召集がかかったため生徒会室に集合した。
「今回はLINEsで連絡していただきありがとうございます」
「お安い御用やで」
「そういうものなのかしら…」
「そういうもん、そういうもん」
「はぁ、で集まってもらった理由なんだけど」
「部活動調査かな?」
「ええ、正解」
「ついに波野も裏側につくことになったんだな。我ながら感心s」
「波野君?キャラ壊れてるわよ。あなたがしっかりやらないとこの生徒会もっと成り立たなくなるんだから」
「内容を聞かないとどうしようもないので説明お願いします」
「もう…疲れてきた」
「エリチ、今日チョコレート持ってきたんやけど」
「え?ほんと!?」
「ほんとのほんとや。でもそれをあげるのはこの話が終わった後やで」
「そ、そうだったわ」
「先輩も似たようなものですね」
0円スマイルを売っていくスタイルです。
「時間なくなっちゃうよ?あと波野君、その不敵な笑みやめておいた方がええで?」
「えっ…」
「さ、流石に本題に移りましょ。えっと調査なんだけどそれぞれの部活に専用の紙が2枚ずつあるわ。1枚は表向きの部活側から書いてもらうもの、片方は生徒会側が調査するものになっているわ」
「でやな、さっきエリチから渡された小さい紙なんやけど机の上に裏返しにしてるからそれぞれが順番に開けてそれが担当する調査ということにせん?」
「見た感じ拒否権なさそうですけどね」
「That's right。エリチから開いていって」
「何よそれ…バスケ部」
「次はうちが…軽音部」
「じゃえーと…弓道部出ちゃったんですけど」
「あ、それは自分が所属してる部活は調査できんからうちの2回目と交換や。もう1回引いてみ」
「なんかすみませんね。…アイドル研究部?」
こんな部活の名前この学校では聞いたことがない…と思うけど。
「おもしろいの当ててくれるやん」
「よりにもよって…最初から苦労しそうね波野君。この部活は任せるの?」
「せやね、ちょっとクセがあるけど普通の女の子やから」
「なんか嫌な予感しますけど了解しました」
振り分けも終わり俺の担当はアイドル研究部、テニス部、柔道部、剣道部の4つ。アイドル研究部はまず謎でしかないし、柔道部と剣道部は涼輝と陸斗がそれぞれいるし入り辛くて仕方がない。ま、気長にやるか。
「…いや、先輩方より早く終わらせるか。1番楽そうなのはテニス部だな。そうとなれば準備だ」
ということで双眼鏡を持ってテニスコートが見える校舎3階の端に移動した。
が、いつまでたってもテニスコートに部員らしき人は現れない。
「ん〜、来ないぞ…」
時間を無駄にするわけにもいかないしどうする…。
ずっと眺めているとテニスコートに併設された部室の窓に内側から光が反射している。
「もしかすると…」
自然と俺の足は部室へと向いていた。
「馬鹿らしい」
部室に近づいた結果笑い声が聞こえ遊んでいるのが丸聞こえ、と。これは報告で。じゃあ表側の用紙を持って訪問しますかね。
「柔道部、剣道部に関しては問題ないと思うんだけどなぁ」
剣道部はいつも竹刀のぶつかる音や声がするしなんなら朝練までしてる時もある。柔道に関しては受け身を取った際の音が響いてた。この様子だと仕事も早く終わりそう。涼輝と陸斗にもバレてないと思うし。
「で、厄介なやつの件だな」
事前に東條先輩に伝えてもらったメモ書きには部長『矢澤にこ』と部室の場所が書かれてた。
紙を持ちその部室の前にいるわけだが変化がなさすぎる。徹底的に時間を無駄にしている気がしてならなかった。
「扉は2つ?いや正規の入り口は1つか」
正直なところ思考停止感が凄まじい。こうなったらバレる覚悟でノックだ。
ノックしようと扉に手の甲を向け叩こうとした時
「にっ…に…こ…にー」
部室から声が聞こえたのだ。これは突撃あるのみ。
素早くノックをする。
内側からはドタバタと慌てた様子がすぐにわかった。
「な、なによ!」
「生徒会の者ですが調査書を書いてもらいに来ました」
「お…こ?ま、まぁ入りなさい」
なんか違う言葉も聞こえた気がしなくもないがチャンスはチャンス、きっちり利用させてもらうことにした。
「失礼します」
扉を開けるとそこには俺の人生の中では体験したことのない領域のものであふれていた。
アイドルの百科事典からDVD、Blu-ray特典までついた初回限定版、グッズ、ポスター…アイドル研究部ここまでとは。
「なにボケーっとしてるのよ」
「いえ、なんでもありません」
「そこの椅子に座りなさい。はい、粗茶だけど」
「ありがとうございます」
口調こそ悪そうだけど悪い人ではなさそうだな。
「ねぇ、あんたこの前生徒会で話してたえーと」
「波野、です。あなたはアイドル研究部部長の矢澤にこ先輩でよろしいですか?」
「ええ、そうよ」
「では早速本題を。これに記入をお願いします」
「あぁいつものね。分かったわ。部長はにこで部員は1人と」
1人…なのか。だが聞かないふりを、知らないふりをするしか方法はないと口を結んだ。
「これでいい?」
「はい、ありがとうございます。あとこれも」
「似たようなものじゃない。また同じことを書かせる気?」
俺が提示したのは裏の方の調査用紙。初仕事でこんな規則破りも甚だしいが信用はできると思ったから。
「この用紙には自分の部活に対する思いや考えを書いてください」
「役員要記入って書いてるじゃない」
「あなたの考えを自分が全て理解できているとは到底思いません。だからこそ矢澤先輩に書いてもらいたいんです。もちろんいい意味で」
「仕方ないわね〜。このスーパーアッ…矢澤にこ様が思う存分書かせてもらうわ!」
「今なんて「うっさいわよ」…はい」
「これでいい?」
「ありがとうございます。これで初任務は無事に終わりそうです」
「いや、規則破りした時点で無事に終わらないでしょ」
「はは、どうにかなりますって」
「全く恐ろしいやつ、でも久しぶりに楽しかったわ。ありがとう」
「お役に立てたなら光栄です。ご協力ありがとうございました」
*
「これでよろしいですか?」
まとめた調査用紙を先輩に渡したところ大変驚いていた。
「え?これってこの前の調査用紙」
「めっちゃ早いやん」
「そうよね…不備も特には見つからな、ん?これはどういうこと?」
絢瀬先輩が例のアイドル研究部の件に気づいた。
「その件に関しては自分では矢澤先輩の意図を十分に汲み取ることができないと思ったために書いていただきました」
絢瀬先輩と同じく目を見合わせ続ける。
「面白いことやってくれるやん。これはこれで伝わりやすいし、エリチそんな見んとったってーや。波野君照れるで」
「えっ!?いやそういうわけじゃ」
「まぁ別に照れてないですよ」
考えてみれば音乃木坂でも指折りの美人である先輩に見つめられてると思うと…いや赤くなっちゃ負けだろ。
「悪くない方法だと思うけど今度からは相談してよね…」
「これで解決やな」
「よかったです」
なんだかんだであっさり終わったな。めでたしめでたし。
「無事に仕事も片付いたし、久しぶりに光さんのところに遊びに行くか」
でも、なんか手土産が欲しいなぁ。お?いい感じの店あるじゃん。
「うーん光さん和菓子好きだっけ。まぁ嫌いならマスターの方に渡せばいいと思うし」
じゃあ入ろう。いかにもな和菓子屋『穂むら』へ。
「いらっしゃいませ」
1つ疑問を持ったのは挨拶をしてくれたことではなくその容姿だった。こういう老舗っておばちゃんが店番してるもんだと思ったけど、店番してるの多分中学生だよねこれ。
「「………」」
普通に考え事をしていたら反応が遅れ気まずくなった件。
「あの、その制服って音乃木坂ですよね?」
中学生から話させるとは自分がとてもダサく感じた瞬間。自分のコミュ力の低さに頭を抱える。
「あぁ、そうだよ?」
「私の姉も音乃木坂に通ってるんです」
「学年は?」
「1年なのでお客さんと一緒だと思うんですけど」
同じ学年かぁ…たしかに見たことあるような顔してるけどなぁ、わからん。
「ゆきほーおちゃー」
「「………」」
その言葉で場が凍りついたのは言うまでもない。
「ちょっと待っててくださいね」
「アッハイ」
その後少し怒っている声が聞こえたがガチギレほどではなく慣れている感じだったのでホッとしつつ売り物を見てた。
「すみません、お恥ずかしいところを」
と頭を下げる中学生。今どきこんなできた中学生ってあるもんなんだなぁと感心してた。俺何歳なんだよ。
「いえいえ、楽しそうじゃないですか」
テンプレの0円スマイル再び。
「そうですね。お姉ちゃんといると楽しいことが多いですし」
「じゃ、そんなできた妹さん。餡蜜を2つと饅頭をサイズ中箱で、種類はオススメを4種類いれてもらえますか?」
「ありがとうございます。少々お待ちください」
彼女は慣れた手つきで箱に注文したものを詰めていった。
「お待たせしました」
「お、ありがとう。えっとお金はこれで大丈夫?」
「はい、ちょうどいただきました。レシートです」
「じゃ、また買いに来ると思うわ。あ、名前聞いてなかったな」
「高坂雪穂って言います。お客さんは…」
「波野和也だ。ん?」
「どうかしましたか?」
「いやなんでもないよ。話に付き合ってくれてありがとう」
さっきあの子高坂って言ったよな。いい感じに話切ったし今から話すのは気がひける。また今度の機会にしておこう。
「私も楽しかったです。また来てくださいね」
「はいよー」
カランカランー
「お久しぶり…って」
「あー久しぶりだな和也」
「あれマジで波野?成長したなぁ」
「え、誰だあいつ?」
光さんの他に2人、1人はよく知ってる人だけども。
「俺と光がよく話すやつだよ」
顔が俺の方向に向く。
「滝井先生じゃないですか!」
「ははは、久しぶりだなぁ波野。楽しくやってるか?」
す
「楽しくやってますよ。あと光さん宛てのつもりでしたけど」
「お?気が利くなー。ってこれ穂むらの饅頭か?」
「そうですよ」
「最高だ。ここの饅頭うめぇんだよなぁ。4人で食おうぜ。光コーヒー用意しろ」
「いや、ここは紅茶だろ」
「自分も今の気分は紅茶ですね…」
「じゃあコーヒーと紅茶2:2だ」
「…わかったよ」
光さんは重たい腰を上げて裏の方に入って行く。彼もパシリになるんだな…
「君が波野君か?」
「はい、それと滝井先生も和也って呼んでもらって構わないですから」
「了解、俺は光の兄の
メガネをかけた理系っぽい顔立ちの方だ。冷静に物事を見れそうなその目の感覚は見習いたい。
「はい、おまたせ。ミルク各種はセルフで」
滝井先生が箱を開け、光さんがテーブルに飲み物を並べる。
「「「「いただきます」」」」」
「いやさー和也最近いい子とか見つかったの?」
「年下にそんなこと聞くなよ…」
「別にそういう関係になっている人はいませんけど」
「答えなくていいから…」
「明義兄さんは最近先生は慣れてきたのか?」
それは俺も気になった。卒業後は面識なかったし。
「まぁな、楽しくやれてるよ。光あの子はどうなったの?」
「あの子ってもうとっくに別れてるよ」
「え?あれマジだったのか」
「マジ中のマジだよ」
こういった風に会話は結構ドッチボール気味だ。投げたボールは辛うじて誰かがキャッチし別の人に投げる。それを他が受ける。
「明義こそいないのか?」
「ん〜そういう感じになりそうな人はいないことはないんだけどな」
「「えっ」」
俺と光さんは同じ反応をして互いに目を合わせた。
「大学の時に年の差ひっくるめて8人くらいで遊んだんだよ。まだなにか進展したわけじゃないしこの話はまた今度な」
滝井先生は話を強引に切り饅頭を口に入れる。
「ま、明義ならその時になれば話すだろ」
「はぁ俺のもとにも現れねぇかなぁ」
「とか言って未練あんじゃねぇの、光」
「よく自分にも話してくれますもんね元カノの話」
「あれは経験談だよ経験談。和也はまだまだ世界を知らないからな」
「ほんとかよ…」
「俺だってやる時はやってみせますよ。将来いい妻をもって結婚式呼んでやりますからね」
あ、やべ俺凄いこと言ったんだろうなぁ。
「ほーう、言ったな?」
「大胆な奴になったもんだ和也も」
「俺の目からすればこういう奴は大抵有言実行するけどな」
明さんからそう言ってもらえるのは嬉しい。でも、彼は何者なんだろう。謎は深まるばかり。
「お前にもいい奥さんがくるといいな」
「余計なお世話だ。明義」
「はは、俺も中学生見てるだけじゃいかんしな。気にかけるわ」
そんな男4人の恋愛話はこの後も続き外はいつのまにか暗くなっていた。
「ひかるーコーヒーもう一杯」
「ちゃんとお代とるんでそこらへんよろしくお願いします」
「じゃやめとくわ」
「ふぁ?」
「皆さん何時までここにいるつもりなんですか?」
「もう8時かよ。流石話しすぎたなこりゃ」
「ん、お開きか?んじゃ俺は帰るかなぁー」
「マスター、ここかしていただいてありがとうございました」
小さく手を上げて返事の代わりだろう。本当にいい人だ。
「じゃまたな。今度4人で会う時は誰かに彼女ができた時で」
「LINEsも交換してグループ作ろうぜ」
「話は合いそうだなこの4人」
「そうですね。じゃあこのへんで失礼します」
「おう、またなー」
「さいならー」
「おつかれー」
「あの3人となら飽きることはなさそうだな」
あれだけ話が弾むのは正直予想外だった。大人の年上の男性と話すってのも実際久しぶりな話でして。
「あ、結婚式呼ぶとか言っちゃった…」
まず結婚できるかすら危ういし、更に言えば付き合う経験すらどうこうって話になってくる。
でかいため息が出そう。幼馴染のあるある展開があるわけでもなし、道端でぶつかってとか、靴箱にラブレターがとか、いやうーん無理でしょ、はは。
…完全に息の根が止まった。
「今そんなこと気にしてる場合かぁ?」
ベットに潜り息の根が止まらないことを祈りつつ今日は寝た。
今回も読んでいただきありがとうございました。
和也以外の山ほど出てくるキャラの関係性がそれなりに頭を抱えていたりします。他にも出てきていない人はまだまだいるのでなにか補完するべきなのかなぁとも考えてます。
次話ですが極端な2択を12話、13話どちらに投稿するかを決め兼ねているのでそれが決まれば投稿は早くなるかもしれません。主的にはシリアス回の方がまとまりつつありますがそこはなんとも言えません。
では次の投稿まで失礼します。
最後にwhitesnowさん、√Mr.Nさん、杉並3世さん、hokkaiさん、石切さん、オセロガチ勢さん、ハイパームテキさんお気に入り登録ありがとうございます!