2、3日前にはある程度形にはなっていたのですが、色々ありまして遅れました。
相変わらずの物語進行速度なので同じことの繰り返しでつまらないかもしれませんが今回もよろしくお願いします!
「またかぁ」
「仕方ない仕方ない」
今日も涼輝が家から出てこず、陸斗と一緒に待つ羽目になっている。昨日の夜に注意したはずなんだがなぁ。
そんな間にふと園田海未のことが浮かんだ。
俺自身もまさか尊敬している人にあんな出会いを果たすとは思わなかった。あっさり出会い、その場で咄嗟に初めて会ったかのように装ってしまった。俺が勝手に見たことがあるだけなのだが、それがバレていないのなら今は大丈夫だ。
しかし、そのうちバレる、またはその事実を告白する状況になった場合関係は…どうなるのだろうか。でも、そんなことを考える意味が今はない。俺は園田に尊敬の念を隠し続けるから。その時はその時、結局は先になれば分かる話だ。
「…おーい和也ー」
「ん?あぁどうした」
「涼輝来たから行くよ?ボーッとして反応なかったから」
「あぁ、ごめんごめん。今日クラスで一人一人自己紹介するらしいからなんて言おうかと考えてたんだ」
自己紹介が今日あるのは事実だが、言っていることが考えていることとかすりもしていない。まぁ陸斗に追求されると面倒だから仕方ないな。
「1組は昨日に終わったぞ」
「涼輝スベってた気がするけどね」
「そ、そんなわけないぞ?」
「あーあと、涼輝に似た元気なオーラ増し増しの女の子いたね」
「そんなに似てたか?」
「陸斗の説明を聞く限り多分似てるだろうね」
「あと男子を悩殺するかのような声で話す子もいたよ」
「あれはエグいな。入学式早々にあの子に落ちた奴もいると思うぞ」
「結構色んな人が揃っているもんだね」
「他にもさ…」
通い始めた高校と同級生に興味を持ちつつ、高校に向かった。
***
席に着き「ふぅ」と溜め息をつく。中学生の時から言われていたのだが俺は溜め息をつくことが癖になっているようだ。
隣を見ると園田はまだ来ていないようだ。今から涼輝と陸斗に会いに行くのもありだが時間もあまりなく、行っても先生に自分のクラスに戻れと言われるのが目に見えている。なので暇潰しがてら何かないかと通学カバンを漁る。
「えーと…うわぁ見事に何もないな」
俺は無駄な時間は極力省きたい人だ。あくまでそれは1人の時。もちろん友達なんかと過ごす時は無駄な時間なんてものはないし1秒1秒が1人でいる時よりよっぽど大切に思える。
授業はまだなくいらないと思い、教科書を持ってこなかったことや読書用の本を持ってこなかったことを後悔している。家の父の書斎にある本を読み続けているのだが中学3年間でも読みきれなかった。中学の間に自分の特技やためになることを習得するための本を何度も読んでいたことも書斎の本を読みきれなかった原因だ。
「この間に父の本読みたいんだがな」
空が映るわけでもない天井を眺めながら、ダラダラとする。
「お、おはようございます」
声が聞こえた方向を見ると園田がいた。
「おう、おはよう」
「「………」」
「あの「は、はい!」」
「あわわすみません」
「深呼吸、深呼吸」
「すーーはーー。お、落ち着きました」
「えっと話しするね。俺の都合押し付けるのもあれかと思うんだけど今暇だから話して時間潰さない?」
「構いませんよ。他にすることもないですし」
「なら良かった。でだ、今日HRの時にクラスで自己紹介あるみたいだけど、考えた?」
「え…そんなこと言ってましたか?」
「言ってたはずだよ。1組は昨日に終わったらしいし」
「確かに穂乃果がそんなことを言っていたような…あぁ思い出しました…うぅ最悪です」
「自己紹介がどうかしたのか?もしかして人の前で話すの苦手か?」
「そのもしかしてだったりします…」
「人前で話すのは俺もあまり得意じゃないんだよな。はぁ親友が堂々と話せている様を見習いたいなと思うよ」
「全くその通りです。自己紹介といえば、名前ともう1つ何か言うのが定番ですよね」
「担任の先生の気分にもよるが趣味、入りたい部活とかかな」
「部活は決めているので簡単なのですが、趣味となると周りとは少し異なるかもしれませんね」
「何か特殊な趣味をお持ちで?」
「少なくとも波野さんが考えていることではないと思います。真っ当ではあるのですがあまり女子高生がするものでもないと思うので」
「なるほどな。ある意味それが人の興味を誘うかもしれないけど逆もまた然りだよね」
「その通りです。一種の賭け事なのかもしれませんね」
「入学早々賭け事なんて危険な橋を渡りすぎな気もするけどな」
「その道を設けたのは私たち自身ではないですか」
「正論すぎて何も言えないよ。今はこの賭け事に勝利しないとね」
「はい、お互い頑張りましょう」
*
担任の山田先生は名前と趣味+一言を加えて話すようにと注文を付けてきた。出席番号1番から順番に言っていく。
あっという間に10番が過ぎる。
園田の番だ。
「そ、園田海未と申します」
緊張してるなぁ。いざ本番となると俺も緊張するんだろうなぁ。あともう少しだ園田、無事に終わってくれ。
「し、趣味は書道と読書です。1年間よろしくお願いします」
何とか終わったみたいだな。それにしても書道か、確かに珍しいと言えば珍しいな。お疲れ様と言った具合に園田にウインクでもしておくか。
パチッ
「…頑張ってください」
「サンキュー」
この次だ。
「えーと波野和也と言います。趣味は…読書とマジックです」
流石にゲームが好きだとはいえ初対面の場で発言するのは印象として良くないだろうな。
「1年間よろしくお願いします」
素っ気ない感じだったが、しょうもない人間が俺の周りに集まるよりは全然マシだ。このあとマジックをして欲しいと言われるのだろうな。マジックに使えるものあったかな…
「何とか終わったな」
「はい、変ではなかったでしょうか」
「大丈夫だろう。最悪俺も気休め程度にいるし…」
「そうですね。ありがたいです」
「あーあと書道?確かに珍しいかもしれないけど、別におかしいことでもないと思うけど」
「では賭けには成功したということで良いのでしょうか?」
「まだ終わってないぞ。休み時間が山場だな」
「油断はできませんね」
*キーンコーンカーンコーン
「なーマジック出来るってほんとか?」
「簡単なやつしかできないけどな」
「見せてー見せてー」
彼はもう数人の方に囲まれています。大方先ほど自己紹介で言っていたマジックでしょうか。
あまり生徒間での話題が作りにくいこの時期だとマジック1つでクラスの輪に入れるものなのですか…
でも彼の顔は嬉しい、楽しいといった顔ではないように見えます。
「おぉ〜すごいな」
「どうやってるの?」
「別に大したことはしてないよ」
*キーンコーンカーンコーン
「ふぅ」
「溜め息ついてますけど、どうかされたのですか?」
「いや、あの人たちだって所詮最初だけなんだろうなと。最初から分かっている結末にわざわざ時間を割くほど人生暇してないからな」
「そうと決まったわけではないでしょう」
「確かにそうだな。でも、利用されるなんてごめんだ」
「では、1つお聞きしますがあなたはなぜ私と話しているのですか?」
「と言いますと?」
「質問に質問を返さないでください。あなたはなぜ利用されるかもしれない私と関わるのですかと聞いているのです」
ぐっ予想外だ。それを聞かれるのはまずい…冷静に思えばこうなることなんて簡単に予測できたはずなのに。
「なぜだろうな、俺もわからないわ。運命なのかもな」
「う、運命だなんて…そ、そんな」
なぜか園田の顔が赤い。何かまずいことでも言ってしまったか。あぁなるほど運命ってことね。畳み掛けて誤魔化す方法もあるが、今はこの質問から逃げることを優先しよう。
「おい、そこちゃんと聞けよー」
素晴らしい助け舟が現れた…
「はーい、すみませーん。…また後でな」
「は、はい…」
***
今日は午前中で授業が終わり、午後からは部活動見学となる。
「和也ー!!」
「うるさい」
軽く手刀を頭に食らわせておく。
「で部活どうするんだ」
「俺は弓道部に行くよ。他に行こうと思うところもないし。陸斗はどうするんだ?」
「僕は剣道部と新聞部を掛け持ちしようかなって思ってるよ。新聞部は掛け持ちオッケーみたいだから」
「俺はもちろん柔道部に行くぜ。みんな頑張ろうー」
「「おう」」
*
「えーと弓道場はこっちか…ん?あの後姿、声かけてみるか」
「おーい」
「!…波野さんでしたか」
「驚かせてすまないな。今からどこ行くのかと」
「あぁそういうことですか。と言ってもこの先にあるのは1つの部活だけだと思いますよ?」
「園田も弓道部に入るのか?」
「はい。中学生の頃から続けていますし、高校でもやりたかったので。波野さんはなぜ弓道部へ?」
「俺も中学生の時にやってたからな。高校も続けようと思ってたところなんだ。まぁさっさと行こうか」
「偶然もあるものです」
「確かにすごいな」
*
「ここか。結構設備整っているみたいだな」
「そうですね。外見も落ち着いた感じです」
「話つけてくるよ。少し待ってて」
「ありがとうございます」
波野さんが手招きをしています。彼は何でもこなせる人なのかもしれませんね。
「えーと2人でいいのかな?」
「「はい」」
「あと今日は一応仮入部期間になっているけど、もう弓道部に入ること決めてるなら今から入部用紙渡すから家で書いてきてもらえるかな?」
「じゃあ用紙もらっていいですか」
「私ももらいます」
「はいどうぞ。2人とも弓道衣似合いそうだねぇ。これは弓道部の美男美女誕生かなぁ」
「え、ええ?」
「はぁーなんですか突然…」
「いやなかなかのイケメンと美女だからさ。ついつい口が滑ってね。そういえば、私の名前言ってなかったね。2年の
「恐ろしい爆弾投げてきますね。とりあえずよろしくお願いします」
「よ、よろしくお、お願いします」
園田大丈夫か…
「じゃあ着替えてきてもらえるかな。向こうに弓道衣あるからさ」
「「わかりました」」
…あれ?あの子達弓道衣の着方分かってたっけ?
*
「これでいいでしょうか」
「きっちりできてるよ。俺も確認してもらっていい?」
「構いませんよ。…はいしっかりとできてますね」
「これでいいですか?」
「うん。2人ともバッチリみたいだし杞憂だったみたいだね。即決で入部を決めたり、弓道衣をあっさり着こなしてるあたり経験者だったんだね」
「はい。中学生の頃やっていたので」
「同じく」
「じゃあまた呼ぶからそれまでゆっくりしてて」
その間言われた通りゆっくりしていたが隣にいる弓道衣姿の園田のせいで気が気でなかった…
***
呼ばれたから来てみたがいきなり弓を持って矢を射ってみようとのことだった。初心者には先輩のサポートもつくらしい。
俺は先輩のサポートを断り、準備をする。仮入部の人たちの中で先輩のサポートを受けていないのは園田と俺だけだ。
的を狙え…ここだ!
パーン
なんとか的を射抜くことができた。
園田も見事命中したようだ。見ていた先輩も少し騒ついているな。
その後も何度か射って部活体験は終了ということになった。
制服に着替えたあと園田と話していると岡城先輩が声をかけてくれた。
「いやーやっぱりすごいね。私の見込んだ通りだ」
「まだまだですよ」
「まだまだ鍛錬が足りません」
「2人とも恐ろしいほど限界がなさそうだね…先輩の褒め言葉はそのまま受け取るが吉だよー。部長に呼ばれているから行くね。是非弓道部に入ってねー」
「はい、今日はありがとうございました」
「了解しました。絶対入ります」
***
「先輩良さそうな人だね」
「はい。頼もしいです」
「で、これからどうする?」
「特にやることもないので帰りましょうか」
なら少し踏み込んでみるか。
「じゃあ俺もお供してよろしいですか?」
「え…良いですよ」
「あ、いいんだ」
「波野さんなら大丈夫だと思ったので」
「根拠は?」
「女の勘ですかね?」
「なら安心だな」
***
で帰るのはいいのだが会話がない。
「「………」」
またか。どう解決すべきかな。
「園田…さんってなんで弓道始めたんだ?」
「今更さん付けで呼んだところで遅いですよ。呼び捨てて構いません」
「分かった。改めてよろしく園田」
「はい。えっとなぜ弓道を始めたかでしたよね。私の家は元々日舞の家元なんです」
「へーそれで…ん?なぁなんて言った?」
「私の家は日舞の家元だと言いましたが」
「それってすごいことでは」
「そうかもしれません。将来は家を継ぐことになると思いますし」
さらに上に行くかこの人は…俺と桁違いじゃねえか。流石だよ。
「折角日舞の家元に生まれたのだから武道のひとつでもやってみたいとなったんです。やってみると魅力にハマり今に至ります」
「理由はやっぱりまともだね…それよりも日舞のインパクト強すぎたけど」
「日舞のことは気にしないでください。そのせいで変な扱いを受けるのは嫌ですから」
「分かった。これからそんな態度はとらない。約束するよ」
「ありがとうございます。あっ、家ここです」
瓦屋根の和風の家だが見た感じでも相当な広さだ。
「おう…デカいな…」
「他の家と比べればやはりそうでしょうか」
「この家が大きくなかったら世の中の5割からは苦情がくると思うけどね…」
「それは恐ろしいです…これから控えめにしますね。わざわざ送っていただきありがとうございました」
「家からの通り道だし気にしなくていいよ。じゃあ、また学校で」
*
さっきとはうって変わり静かに自宅に向かう。今日は園田がすごい人だと改めて思えた1日だった。これからの弓道部での活動に期待を込めつつ美しい夕陽を眺めていた。
今回も読んでいただきありがとうございます!
弓道衣姿の海未ちゃん…ゴクリ
今回の和也のクラスメイトに対する反応は伏線でもなんでもございませんのであしからず…
あと弓道に関してはwikiさんに大変お世話になっております。
3話3300文字 4話5400文字という自分自身でも何が起こったのかよく分からないことになりました笑
弓道の話をするつもりが実は4話の弓道の話は2200文字程しかないというこちらもよく分からない事態に…
それと遅くなりましたがスクフェスでの海未ちゃんの誕生日限定ガチャの結果をここで報告します。
60回ほど引いてUR2 SSR6 SR14という結果でした。私としては最高の結果でテンションhighでした笑
次回は何を書くかは決めておりません。なので構想がすぐに固まれば早く投稿できるかと思います。
クールサードさん、take05さん、gjbさん
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