想いのカタチ   作:新茶

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1週間ぶりの投稿となりました。
今回の話はいい感じに区切ろうと思った結果、文章量が前回に比べ少なく関係のない文章を無理矢理繋げる結果となりました。ですが、この物語に重要な人物も登場します。是非楽しんでもらえたらと思います。





第5話 Promise

仮入部期間も終わり正式に弓道部に入部した俺は土曜日の午前7時頃昼食用の弁当を作りつつ朝食を丁度済ませたところだ。食器は浸け置きし、カバンを持ち玄関に向かう。

 

今日は授業はないのだが、部活のために音乃木坂学院に行くことになっている。集合は8時なのだが多少早めに行って先に練習しておきたいと思い、今は高校まで走っているわけだ。

 

で、もうすぐ学校に着くのだがもしかしたら運動としてもいい感じに使えるかもな…通学路が

これからは家から高校までタイムアタックでもしてみるか。3年間でどれだけタイムが縮まるかな。

 

 

よく分からない目標ができたついでに時計を確認したところまだ7時半にもなっていないようだ。

 

更に加速し弓道場に急ぐ。

 

 

 

 

まだ誰かいるとは思えなかったのだが…

 

 

 

 

「波野さん。おはようございます」

 

そこには弓道衣にすでに着替え、弓を持っている園田がいた。

「…マジか。おはよう」

 

「どうかされましたか?」

 

「いや、何でもないんだ。着替えてくるよ」

急いで更衣室に行き着替える。

 

「まさかもう来てるとは思わなかったなぁ。見習うべきかも…」

 

園田以外はまだ来ていないようで2人静寂の中、練習をする。

 

しばらくしてある程度練習し休んでいるようなので話しかけてみた。

「なあ、今日何時くらいに来たんだ?」

 

「まだ7時になっていなかったと思います」

 

「早すぎないか?」

「そうかもしれませんが朝の空気って気持ちいいものですよ?」

 

「確かにな。この季節だと寒すぎないくらいの風が吹いているし。よし、俺もやってみるよ」

 

「ふふ、三日坊主にはならないでくださいよ」

 

「あぁもちろん分かっているさ」

 

「へーお二人共仲よさそうにしてるね。朝から2人でデートですかー?」

 

この先輩は突然何を言いだすんだ。園田は動かなくなってるし…

 

「岡城先輩おはようございます」

 

「相変わらず素っ気ない返事だね。まぁその反応をしてるうちは付き合ってないんだろうけど」

 

「そう考えてもらえるとありがたいです。で、隣の人をどうにかしてほしいのですけど」

 

「あちゃーそういうの弱い子だったのね…」

 

「そうみたいですね。もう集合まで時間もないみたいですし、俺が園田はなんとかしておくので、岡城先輩は着替えてきてください」

 

「ごめんねー。私からやっておいて」

 

「これからは注意してくださいよ」

 

その後なんとか練習前に園田を元の世界に引き戻すことができた。

 

 

 

 

「じゃあこれで午前の練習は終わりです。午後の練習は40分後から始めます」

部長の声かけで練習を止め、各自で昼食を食べ始める。男子と女子の比率は1:3程度なので自然と男子が集まって食べる。そして、今日は初めて弓道部員同士で食べるわけだが…弁当なのは俺だけみたいだな。

となるとやっぱり話題になるわけで、先輩からの質問が飛び交う。

 

「波野くんだけ弁当だな」

 

「それ波野の手作りか?」

 

「はい。これでも一人暮らししてるので」

 

「波野一人暮らしだったんだ…。俺なんてお母さんに任せっきりだぜ!」

 

「それ胸を張って言えることではないですよ…」

 

「卵焼きいただきぃ!」

 

「あっ先輩!」

 

「なんだこれ…普通にうまいだと…お前にも半分あげるわ」

 

「!?…これはお母さんのよりも美味しいぞ」

 

「波野は料理ができて一人暮らしと…さらにはイケメンで賢いだと。こんなハイスペックな奴いてたまるか。ぶっ飛ばすぞ」

 

「「「「おう」」」」

 

「え?やめましょう?なぜ弓と矢を持ってるんですか?ヤル気満々じゃないですか…」

 

 

その後追いかけ回されたが顧問に注意されたためおとなしく昼食を済ませた。先輩に3割ほど弁当を食べられたが。

 

 

 

 

 

「はぁー疲れた」

 

「お疲れ様です」

 

「聞くつもりはなかったのですが一人暮らしなんですか」

 

「仕事の都合で親が引っ越してな。今は家を1人で使ってるんだ」

 

「さっきの騒ぎ様では相当恨まれてそうですね」

 

「ははは…冗談にならないよ」

 

「さっきから視線を感じますよ?」

 

「えっ?あ"…次また会えたらいいね」

 

「2回目ですがお疲れ様です」

 

「ありがとう。逝ってきます」

その後ドス黒い笑顔で先輩達に迎えられたのは言うまでもない話。

 

 

 

 

 

 

3時ごろに練習を終え帰宅した俺は制服から着替え、LINEsを開く。「今暇ですか?」とだけ打ち込み返信を出かける準備しつつ待っている。

意外とすぐに「もうすぐ休憩終わるし人もあまりいないからグッドタイミングだ」と返信があり、すぐに「了解しました。すぐに向かいます」と返してスマホをカバンにしまい玄関に向かう。

 

 

 

ここまでの会話だと闇取引のような感じたが決してそんなことはない。

 

 

 

訪れた場所は『Mondschein』という喫茶店だ。4月にしては暑く感じる日差しの中、扉を開けると鐘が鳴り、明る過ぎない照明と古風な店内が心を落ち着かせる雰囲気を出している。

 

カウンターに向かい、席に座ると「やぁ2週間ぶりくらいか。今日は友達連れてきてないんだね」と声をかけてくれる男性が…彼の名前は八重野 光(やえの ひかる)さんだ。この喫茶店自体は中学2年の終わりに滝井先生が「お前になら教えてもいいだろう」という謎の発言から連れられたのだが今ではすっかり常連客だ。

 

「今日は2人とも用事あるみたいでね。俺は俺でたまには1人で来たいですよ。まぁ新学期だと忙しいので仕方ないと割り切ってほしいです」

 

「分かってるさ、たまには来てくれよ。今日は何にする?」

 

「えーとアールグレイで」

 

「流石だな。今日のオススメの紅茶だよ」

 

「じゃあお願いします」

 

「とびっきりのやつ淹れてやるよ。俺もコーヒー飲もうっと」

 

「いつも思いますけどコーヒー飲んでいいんですか?」

 

「この時間客も少ないからな。大丈夫さ」

 

「そういう問題じゃないと思うんですけど…」

 

しばらくすると両手にコーヒーと紅茶を持った光さんが戻ってくる。

目の前に出された紅茶から良い香りがする。

 

「もう4月かぁ。ここで働くのも高1からだから5年目かぁ」

 

「5年もバイトしてるんですね」

 

「バイトの条件も良かったし、面白そうな人にも出会えたからな」

 

「もう21歳ですよね?色々考えた方がいいんじゃないですか?」

 

「はぁーやめろやめろ話変えるぞ。そうだ肝心なこと聞いてなかったな。高校どこよ」

 

「言いませんでしたっけ?」

 

「この耳で聞いたことを俺は忘れないんだよ。要するに聞いてないということだ」

 

「はいはい。音乃木坂ですよ」

適当にあしらったあと言うと、光さんが驚いたような顔をしている。

 

「俺と高校一緒じゃねえか」

 

「えぇ?ほんとですか。でも音乃木坂は5年前に共学に…あ」

 

「気づいたか。俺は5年前高1で共学になりたての音乃木坂学院男子1期生として入学したんだよ。最初は男子も少なくてさ苦労したけど楽しかったなぁ」

 

「光さんにも楽しい時期があったんですか…」

 

「なんだよその言い方。まぁ今は俺の話なんていいや。どうだ?2週間ほど経過したけど」

 

「今のところは充実してますね。弓道部にも入って毎日楽しいです」

 

「なら良かったよ。彼女とかできたのか?」

 

「残念ながら今のところはそんな予兆はありませんね」

 

「ほんとに残念だな。和也モテそうな顔してるのに」

 

「中学の時も好きになる人とかいませんでしたし、高校でもそうなのではないかと予測してますよ」

 

「俺が予知してやろう!和也は高校で必ず彼女ができる」

 

「なんですか急に…」

 

「貴様のような器量の良いイケメンで賢いやつが彼女の1つ作れないなんてこの世界は狂ってる!」

 

「それ弓道部の先輩にも似たようなこと言われましたよ」

 

「やっぱりそうだろ?灯台下暗しとも言うし意外と自分のことに気づいてなかったりするんだよ」

 

「そういうことにしときますよ」

 

「俺だって高校で彼女ができたんだから大丈夫さ」

 

「意外に光さんにも彼女できてたんだ」

 

「意外には余計だ。高校を卒業する時に別れたんだけど有意義な時間だったな。だからさ彼女できたら俺に教えろよ」

 

「光さん接続詞の使い方分かってますか?というかなんで教える必要があるんですか…」

 

「ダメなのか?教えてくれよー頼むから」

 

「そこまでこだわる意味も分からないですけど仕方ないですね。付き合った時は特別に教えますよ」

 

「流石やってくれるねぇ」

 

「光さんが言えと言ったんじゃないですか…」

 

「ははは、悪い悪い」

彼は楽しそうに笑っているが今日までその笑っている顔をぶん殴ってやろうと思ったか…

 

「あー大事なこと忘れてた。おい和也よ高校での最大の敵って何だと思う?」

 

「唐突に話変えますね。…人間関係」

 

「なかなかに恐ろしいことを言ってるが違うな。正解は勉強さ」

 

「シンプルですね」

 

「これがなかなか恐ろしいものでさ、俺もよく赤点取ったんだよ」

 

「俺はあなたとは違うんですよ。というかなんでも覚えているその耳を使えばいいじゃないですか。それとも都合のいい耳してるんですか?」

 

「残念だがそのような耳をしているようだ…でだ、貴様はまだ勉強の恐ろしさを知らないだけだ!」

 

「まぁ忠告としては受け取っておきますよ。テストの点数に関しては堂々と見せられるものを持って来ます」

涼輝には厳重に忠告しておくか。

 

「期待してるよ。おっともうそろそろいい時間になってきたみたいだ」

 

「そうみたいですね。じゃあまた今度。紅茶ご馳走様でした」

 

「おう。また近いうちに来てくれや。今日の約束忘れんなよ!」

 

扉を開けると来た時と同じく鐘が鳴る。対して外の雰囲気はガラッと変わり夕暮れの淡い朱い光が差し込んでいる。

光を浴び、人よりも数倍長くなった影は足元になるほど黒くなり、別れのもの悲しさを伝えさせる。楽しい時間とは楽しいほどすぐに過ぎてしまう。俺の高校生活は短くなってほしいと切に願い、帰路についた。

 

 

 




今回も読んでいただきありがとうございます。次回は比較的書きやすいと思われるので早くしたいです。

私自身4月から新生活が始まり、忙しくなると思われます。今までのような更新ペースは保てなくなるとおもわれますが、完結できるように頑張りますので気長に待っていただけると幸いです。

龍辰さん、星絆さん、なでかたさん、おとひめさんお気に入り登録ありがとうございます!


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