本来ならGW中に2話投稿したかったのですが、疲労による風邪もありまして結局1話という結果になりました。
みなさんも無理はしないようにしてくださいね。
さて、前回の発言通り今回は弓道部のことを書かせていただきました(笑) 逆に次回予告を無視するドラマ、アニメってとんでもないですね。
μ'sのメンバーも今回いくらか出てきます。この物語でも結構主要メンバーなのでしっかり見てもらえればと思います(次話で登場させようと思っていたのは別の話)
ではどうぞ
涼輝と穂乃果が中間テストで赤点を取った頃、弓道部では…
「お疲れ様です。先輩」
スポーツドリンクを手渡し、先輩の隣に座る。
「なぁ、前から聞きたかったんだが波野って園田と付き合ってるのか?」
「え?いえ付き合ってませんけど…」
唐突に聞かれたために若干中途半端な答え方をしてしまった。これでは…
「ちょっと動揺してないか?やっぱり付き合ってるだろ!」
予想通りである。
「違いますって!」
「ほんとかぁ?」
「先輩の前で嘘をつくなんて言語道断ですから!」
「そこまで言われちゃうと引き退るしかないな」
先輩がなんとか諦めてくれたところで弓道場の入り口からノックと綺麗な声が聞こえた。
「すみませーん。生徒会の者ですが、入ってもよろしいでしょうか」
「今部長が入り口の方に向かいましたけど、生徒会の人が何か用があるんですか?」
「えっ?お前聞かされてないのか?今日生徒会の人達が部活動調査に来るんだが…さては岡城1年に伝え忘れてるな」
「そうだったんですか。まぁ部長が対応してくれますし任せておいて大丈夫だと思いますが…あのー部活動調査とは?」
「そのままだけど部がちゃんと活動してるか見にきますよってやつさ。部の名前に沿った活動じゃないとおかしいとなるわけ。その時だけちゃんとしてればいいみたいに感じるが、そう言って消えた部が今までに何回かあるみたいだぞ」
「事前に見られていた、または後でバレないように見られたということですか…でも弓道部ならサボりなどはないし、大丈夫ですよね?」
「特に何か思い当たる節はないし、大丈夫じゃないかな。あと生徒会で思い出したけど、なぜか生徒会には美人とイケメンな奴が集まるって噂らしいぞ」
「初耳ですけど言われてみれば、はなから見ても相当レベル高いですよね」
「今は女子しかいないから男子がどうだったのかは分からないけど、中でも来期生徒会長と言われている2年の絢瀬絵里、その親友の東條希はずば抜けてるみたいだ。狙っている人が撃沈されるなんてこともザラにないし2人とも残虐という噂まで流れる始末だ」
「なかなか色んなことをやってるみたいですね…」
「そろそろ休憩終わって練習始めよう!」
生徒会の人を2人引き連れ入ってきた部長の声が響き、部員がぞろぞろと立ち上がる。
「まぁいつも通りで構わないから、気にせず弓道部の力見せてやろうぜ!」
「当然いいところ見せた方が印象はいいですもんね!」
調査に来ていた人達は今先輩と話していた絢瀬先輩と東條先輩だった。絢瀬先輩はロシアの血が混じっているらしく金髪で水色の氷のような瞳が人を惹きつける要因みたいだ。
一方、東條先輩は包容力があり、年下の人間が幾度と狙ったがあえなく撃沈…あとはどうみても高校級には見えない胸かな。絢瀬先輩もなかなかですよね。不謹慎だとは思うけど流石に目線がいっちゃうかな…
俺はいつも通り練習をこなしていたのだが途中で鏡に向かい射形を確認していたところ、絢瀬先輩と東條先輩の声が聞こえてきた。
「なぁ、えりち…あの髪が青くてロングヘアーの女の子なかなかカッコいいと思わん?」
「急に何言い出すのよ希。まぁ私とは正反対なのかもしれないわね。純日本人って感じだし、大和撫子?というべきかしら?」
「えりちと一緒で女の子にモテるかもね」
「やめてよ希…」
意外と普通なのかもなあの人達も。
「あの子…ふふっ」
*
「では、もう帰ります。最後にこの用紙に部長のサインを貰えますか?」
「はいはーい。これでいいかな?」
「はい。結構です。ありがとうございました」
「帰ったかな?よし扉を閉めて…」
「みんなお疲れ様!ちゃんと動けてたし生徒会の人達の目にはいい感じに映ったはずだよ」
部長がそう言ったあとみんなはホッとしていた。でも、俺は違った。まだ、絢瀬先輩と東條先輩は来るんじゃないかと気にかけていた。別にサボっているわけではないけど再調査するのではないかと…
「あと2年、3年はもうすぐ大会があるから頑張って練習しておいてね。1年も8月に好きにエントリーできる小さい交流会に出てもらう予定だからよろしくー」
「「「「「はい」」」」」
***
数日後
「よし、これでいいな」
俺は今矢を洗うための水を汲んできたのだが…ん?あれは誰だ?
「裏道を通って背後を突いてみるか」
弓道場をぐるっと回り先ほど見かけた人がいるであろう道の曲がり角まで来た。
一応スマホのカメラ機能でレンズを少しだけ壁から出し向こう側の様子を伺う。少しだが制服のスカートが見えている。それを確認した俺は足音を立てずにそっと近づいた。
「!…えりち誰か来る!」
「えっ?」
「…絢瀬先輩と東條先輩ですよね」
「ひぇっ!?」
絢瀬先輩はびっくりして尻餅をついていた。
「えりち大丈夫?」
「えぇ。少し驚いただけだわ…」
「驚かせてすみませんね。早速本題に入ってもよろしいでしょうか?」
「えぇ」
絢瀬先輩俺に怯えてないか?
「では、単刀直入に聞きますが、ここで何をされていたのですか?」
「君は多分気付いたのかな?」
横にいた東條先輩が口を開いた。
「大方、部活動再調査といったところですか?先輩から軽く話は聞いていましたが、結局再調査は、全部活でやっているのですね」
「そこまで分かっているなら話した方が良さそうやね」
「希そんな勝手に決めて…」
「大丈夫や、彼は私たちの調査を見破った珍しい人やからね。話したところで秘密にしてくれるはずや」
「えぇ、ここで聞いたことは内密にすることは保証しますよ。もし約束を破れば、高校にどんな噂をばら撒いてもらっても構いません」
「良い度胸やね。では、えりち説明してあげて?」
「そこで私?まぁいいわ、君が言ったことはほとんど正解よ」
「まぁ通告した上で調査に来てもその時だけ真面目にされては生徒会側も口出しできませんし、妥当な判断、行動だと俺は思いますよ。俺がその立場でもそうします。やり方的にはクズもいいところですが」
現に弓道部の部長はいい感じだったと言って部員を褒めていた。再調査なんて思いもしていないだろうな。弓道部がサボりの部活でなくてよかったとつくづく思う。
「それに関してはこちらは何も言い訳しないわ。でも、より良い学校のために、仕事は仕事だしそこは割り切って仕方ないことと考えているわ」
「仕事…ですか。絢瀬先輩は生徒会を誇りを持って活動していらっしゃるのですね」
「音乃木坂が好きだから…」
「どんな手でも使い自分が悪になったとしてもですか?」
「手段は問わないし、周りからどう思われようと構わないわ」
「先輩方…そう思うのはいいですけどその意識にとりつかれないようにしてくださいね」
「良い機会やし、折角やからLINEsのアカウント交換しておかん?」
「何が折角なのか分からないですけど東條先輩が言うなら構いません」
スッとポケットからスマホを取り出しQRコードを提示する。
「ありがとう。あとでえりちの分も送るね」
「そんな勝手に!」
「いいやんいいやん」
「では、俺は練習に戻らなければならないので、調査の妨害すみませんでした。またあとで連絡させていただきます」
「はーい。また連絡してなー」
「希、1年生にあんな話してよかったの?」
「えりち、彼は1年生レベルの子じゃない。秘密を知ったところで堂々としていたし、うちでも崩せないかもしれんほんとに珍しい子やと思うねん」
「希が興味持つとは珍しいこともあるわ」
「そんなん珍しくないやんか。まだ回らないといけない部活あるんやし移動しない?」
「分かったわ。今度はバレないようにね」
*
先輩と別れたあと俺は弓道場に戻ろうと歩いていた。
「ふぅ…東條先輩と話してると陸斗といる時に似た焦りを感じるな。さっさと戻らないと」
「波野さんどこに行ってたのですか?」
「えっ?あぁ園田か…。親から電話がかかってきてな、ちょっと裏道で話してたんだ」
急に出てきたから焦った…
「弓道場に姿がなかったのでどこに行ったのか分からなかったので」
「それは申し訳ないことをしたな。わざわざありがとう。
「あと、今度の先輩の大会見に行きますか?」
「あぁもちろん行くよ。園田は行くのか?」
「行きますよ、逆に都合がつかない人が多くて誰と行こうか迷っていたところです」
「じゃあ一緒に行こうか。服装は先輩が自由で良いって言ってたしそれでいいよな?」
「観戦はプライベートですし、公共の場というのを弁えた服装であれば構わないと思います」
「了解した。開始は9時からで距離的に集合は8時15分に駅の改札でいい?」
「大丈夫ですよ。楽しみにしておきます」
***
「…こういうのって何時くらいに行くべきなんだろうな」女子より遅れるのは論外だし、早すぎるのもな。
大会当日、朝6時半に一応余裕を持って起きたが、逆に何時に駅に向かうかを考え中…
30分前くらいが妥当かな。ここから駅は7分くらいだろうか?あまり使うことがないから分からないな。まぁ着ければいいし他のことをあんまり気にしないでおこう。
男と女が2人でどこかへ向かうという一種の『デート』とも呼べるような考えが頭の片隅でグルグルと回っているが、急いでその回転を止め、投げ捨てる。
「まぁ普通に過ごそう」
*
「7時半…どうしてこうなったんだ」
結局暇を持て余したので早く出てしまった。足取りも早くすぐに駅についてしまった。うーんどうするべきか…。
とりあえず涼輝に教えてもらったゲームアプリを開き、時間を潰していると聞き覚えのある声が聞こえた。
「すみません。波野さん待たせましたか?」
「いや、そんなに待ってないよ?というか今何時だ?」
アプリを閉じ、時間を確認するが7時45分と表示されていた。…早くね?(特大ブーメラン)
次に園田の姿を確認したが、大人っぽい印象を持たせる服で、厳粛な場に行くにはぴったりの服装だと思う。要するに似合ってて園田の印象を引き立ててるってことだ。
「2人とも集合早いしとりあえず行こうか、時間有り余るかもしれないけど」
「確かに元の集合時間より30分も早いですし、向こうで待つことになりそうです」
*
会場までは電車で3駅ほど、意外とあっという間だ。その間に話したことと言えば先輩達の話だ。まぁ一言でまとめれば楽しみだね!ということです。
「着いたけど、まだ時間もあるしなんか買いに行く?」
「はい、飲み物は現地で購入しようと思っていたので」
「じゃあ、そこに見えてるコンビニに行こう」
いらっしゃいませと音楽のテンプレを聞き、店内に入って行く。速攻で飲み物売り場へ向かい何にしようか迷っていた。
「園田は何にする?」
「そうですね…これがいいです」
「うーん俺はこれでいいか」
手には新発売!水の恵みオレンジ味と書かれていた。美味しそうだし興味本位だ。一方、園田が手にしたのはレモンティー。
「他に買うものある?」
「いえ、ありません」
「了解ッ」
園田が持っていたレモンティーを手からスッと抜き2つのペットボトルを持って急いでレジへ向かった。園田は一瞬何が起こったか分からずボーッとしている。
いい感じにレジも空いておりそのまま吸い込まれるように入った。速攻で小銭を出して早く会計してくれるの願う。後ろから足音も聞こえて来た。
「45円のお返しです」
「ありがとう」
完全勝利…
「波野さん…急に何するんですか」
「はい、レモンティーどうぞ。園田は自分で払いますって聞かなさそうだったから奪って払った」
「自分の分は自分で払います」
そう言ってジュース代を出す園田の手にお釣りの45円を乗せた。
「じゃあ行こうぜー。ほら置いて行くよ?」
「え?えぇ…」
園田は想定外のことをされすぎて混乱しているみたいだな。それでも、引き際を捉えているのかそっとお金をしまってくれた。ちゃんと分かってくれる人でよかった。
会場に入るが早くに来た甲斐もあってまだ席もそこそこ空いており見やすい席を取れた。
開始時刻の9時になり開会式?が執り行われる。細かい話はすっ飛ばすとして、競技が始まった。1日目は男子、2日目は女子が行う。園田とは明日も来ようという話になっている。
しばらく見ていると男子の先輩が出て来た。いつもはチャラチャラとしている先輩達だが、人違いかと思うほど真剣な顔をしている。
「先輩達の気迫凄いな」
「圧倒されてしまいます」
「先輩…」
3人は4射中2射を的中させ、1人が4射中3射を的中させた。東京大会はレベルが高いため2射的中の3人は予選敗退となってしまった。もう1人も力を発揮できなかったようで後の射詰競射で1射目を外し敗退となってしまった。
「独特の緊張感だったね」
「はい、射詰競射となれば1射でも外せば終わりですから余計に雰囲気も重くなりますね」
今は表彰式だ。知りもしない人が表彰台に立っており、興味がないという訳ではないが嬉しさはないな。
そんな感じで1日目は終了した。
2日目の結果は部長、副部長、岡城先輩が射詰競射まで進んだが結果的には敗退となってしまった。
先輩達でも、緊張感に飲まれてしまうんだ。経験があるないなんて関係ない。特別なんだ、そう噛み締めながら会場を園田と後にした。
*****
そして、先輩達の大会から2ヶ月が過ぎ夏休みを迎えた。ほぼ毎日練習を続けている。
「みんな集まってー」
部長の声でみんなが集まる。
「今度、弓道部では毎年恒例なんだけど合宿をやりたいと思います。行程は2泊3日で場所はここです」
「え?ここかよ」
つい本音が出てしまった。まぁ便利がいいし下手にどこか山奥に行くよりは全然構わないが。
「そこ、なんか言った?」
「いえ何も」
「ここでやる分1日だけでも参加してほしいからできるだけ予定は合わせてください」
「「「「「はい!」」」」」
***
「朝から晩までやって次の日も…って意外としんどいな」
「家がどれだけ落ち着くのか分かりますね」
「あー愛しの我が家よ…」
「ふふ、私も我が家に戻りたいものです」
「さっさと帰れるように練習しますか」
「はい、もちろんです」
「あとさ、次の休憩の時に勝負してくれないか」
「…構いませんよ。容赦はしません」
少しの間があり、園田は一転して真剣な顔をした。
「ありがとう。そちらの方がありがたい」
*
「みんな休憩入っていいよー」
「園田…やるか?」
「構いません。ルールは射詰でよろしいですか?」
「あぁ当然そのつもりだ」
園田との一騎打ち…あの時は勝てないと思ったが今はどうだろうか。目標の出来栄えを確かめるにはうってつけだ。やるからには…勝つ!
「では、私からいきます」
園田は1射目を淡々と的中させた。
「…よし」
俺も1射目は的中。先輩達もその勝負に興味を持っているのか集まって話しているようだ。
2射目、3射目は2人とも的中。
そして、4射目…
「…はっ!」
園田は的中させた。
くっ…狙いを定めろ…
そうして放った1射は的を
外した。
「はぁ…ダメか…いい勝負だった。急に言ったのに付き合ってくれてありがとう」
俺は園田の元に向かい、握手を求める。
「久しぶりにこんなにいい勝負をしました。こちらこそありがとうございます」
そう言って園田は握手をしてくれた。周りからは拍手が起こっていた。まだまだ園田には届かないようだし、精進しないとな。今度は必ず…勝ってみせる。
矢取りのため的場に向かい矢を取っていたところ、岡城先輩が話しかけてきた。
「さっきの勝負すごかったね。まだ鳥肌立ってるよ」
「一応休憩時間にやったんですが、先輩方どうでしたか?」
「大丈夫だよ。怒ってなかったし、逆に期待できるって喜んでたくらい」
「ならよかったです。今度は必ず勝ちたいですね」
「もちろん応援してるからね。頑張ってよ未来の部長さん」
「部長なんて大袈裟なこと言わないでください。どちらかと言えば園田の方が部長でしょう」
「でも、女子が多いこの学校で男子が部長の部活なんて話題性たっぷりだけど?」
「そんな話題性いらないですから」
「あー話してたから休憩時間が」
「話しに来た先輩が悪いんですよ?…」
「ははっごめんごめん、今度の大会頑張ってよ。緊張するかもしれないけど」
「自分の力を発揮できるよう、頑張ります」
*****
「緊張するなぁ…」
岡城先輩の思惑通りがっつり緊張してしまっている。手の震えなどは感じないが心臓の鼓動が身体全身に伝わるような感覚だ。
「はい、高校で初めての大会ですよね」
「参加する学校数はそこまで多くないし、1年限定だから数は男女それぞれ100人くらいだな」
「新人戦ではもっと多くの人が競技を行うんですよね。ここで怖気付いていてはダメですね」
「あぁ、先輩方に実力を見せる貴重なチャンスだ。胸張ってやろう。頑張るぞ」
「はい!」
*
先に競技をするのは女子で、俺はその様子を観戦していた。
園田は堂々としていて周りとは別のオーラを纏っているようだった。予選は4射中2射的中で突破できる。だが、初めての試合で実力を出せない人は多く、突破できる人はそれほどいない。実際、女子の部は予選を終わり25人に減っており余程の緊張があることを伝えている。
園田は4射中3射的中で予選を突破、その後も順調に当て残り10人まで残っていた。
ここからは射詰…外したら終わりの1発勝負。
園田は1、2射目を的中した時点で3人に絞られており、表彰台は確実になっていた。
だが、3射目を外してしまった。
3射目を的中した人が1人いたため、優勝は逃したがそれでも2位という結果に終わった。
「頑張れ俺」
自分を奮い立たせるように言い放った言葉と共に待機場所へ向かった。
*
流石に予選落ちは避けたいな。そう思いつつ放った1射目は的中したが2、3射目を外し絶賛ピンチだ。
これを当てないと…悪い考えをするのはやめよう。必ず当てる思いで…
その願いは叶い4射目を的中させ、予選突破を決めた。
2回戦もなんとか突破、射詰まで駒を進めた。
まずは1射決めないと話にならない。
俺は園田に負けたくないんだ。合宿でも射詰をしたんだ。あの時を意識しろ!
1、2射目を的中させ残りは5人。
表彰台に上がるには3射目を的中させることが絶対条件だ。この壁を超えろ。やってみせろ俺!
放った1射はバンッという音と共に的に突き刺さった。
「ふぅ…」
3射目を終え、残りは3人表彰台は確実になったが、緊張は最高潮に達していた。手は軽く震え、息は少し荒くなっていた。
4射目は動揺が結果に現れたのか的を外し垜に矢が刺さった。
この交流会という名の初めての大会は2位で終えた。
表彰式では表彰者同士お互いを讃え合い入賞者含め全員と握手を交わした。小さいながらもメダルを手にし、表彰状を丸めて持って自分の荷物の場所に戻ろうとしたところ、
「波野く〜んよく頑張ったね〜」
観客席から手を振るその姿は紛れもなく岡城先輩だった。来てくれていたんだ。
「他の人にも言ってあげてくださーい」
手を振り返し廊下をサッサと歩く。
*
荷物を整理し、部の集合場所に向かう。
そこでみんなから
「「「おめでとう!」」」
と言われとても嬉しかった。自分の実力を発揮できてよかった。園田も囲まれているようで既に解散している状態なので会場を出ることにした。
「波野さん」
「おう、園田かおめでとう」
「そちらもおめでとうございます」
その時2人の話す方向とは違う向きから
「改めておめでとう」という声が聞こえた。
「岡城先輩でしたか。ありがとうございます。今日全て見てたんですか?」
「えぇ、期待の新人の初大会だからね。2人とも良すぎる結果で私達もすぐに抜かされてしまいそうだね」
「そんなことないですよね?」
「もちろん。まだまだ練習を積まなければ」
「これから練習バカとでも呼んでやろうかな」
「「なんでですか!」」
「そんな揃えて言われても困るね…でも2人ともこれからも上を目指せるように頑張ってね」
「「はい!」」
「じゃあ私は帰るわ。また練習でね」
「「ありがとうございました」」
帰り際何度も手を振る岡城先輩を見届けたあと、園田と2人になっていた。
「よかったな2人ともちゃんと表彰台に上がれて」
「優勝は出来なかったですが、良い経験になりました」
「新人戦でもお互い表彰台目指そう」
「はい。頑張りましょう」
「ライバルとしてもな」
「ふふ、面白いですね。勝負しましょう。どちらが上に立てるか」
「互いに高め合おうな」
喜びに満ちた夏休みの中頃、これからも園田を目標に、そしてライバルとして勝ってみせるその想いが大きくなっていった。
今回も読んでいただきありがとうございます。
私の物語にしては長かったでしょう(笑)
普通に筆が進んだ結果なんですよね。5〜8月までやっちゃうと必然的にそうなるのかもしれませんが。
絢瀬絵里先輩と東條希先輩が出てきましたね。この2人はこれからもそれなりに出てくるので一応2人ともタグは付けようと考えております。そのため、あらすじの部分にもキャラの出現内容であったりの書き足しをしたいとも考えております。
次回はテストが控えているため早くても5月下旬、下手すれば6月初旬となりそうです。できるだけ早く執筆しますのでよろしくお願いします。
テリアキさん、近衛はるかさん、四神さん、青龍さん、やまっちょさんお気に入り登録ありがとうございます!