視界が切り替わり周囲は円球型の大きな広間へとなる。
これはモモンガの持つ不思議な指輪(リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンという名前らしい)の力である。
壁にいくつも掘られた穴に置かれた悪魔の像を見て無事に目的地の手前の場所へと移動できたことを確認し、そのまま目的地である玉座の間へ続く扉に向かう。
「何回見てもスゴイ作りこみだなー」
今日の日の為の練習とテストとしてログイン地点である円卓の部屋と玉座の間の往復は何回か行っている。
その度ごとに呟く独り言を今回も呟きながら扉に触れると、いつものようにその重厚な扉はゆっくりと開きだす。
扉が開き、とんでもなく広く豪華な部屋が目の前に広がる。3か月前に初めて見た時にはその豪華さに圧倒され
2,3分ほど動けなかったものだが練習の成果か今は止まらずに動ける。まぁ少し緊張でぎこちなくなる程度だ。
なぜか居る女性型のNPCの横を通り過ぎ玉座へと腰を掛ける。
「少し時間が余ってしまったかな?」
時計を見るとユグドラシル終了まであと20分以上あるようだ。
「まぁ間に合わないよりはいいかー」
玉座からこの広大な部屋を見渡す。
そして隣になぜか居る女性型のNPCを見る。やたらと玉座に近い位置にいるのが気になる。
「もしかしてモモンガさんの恋人設定のNPCなのかな?」
もしそうなら最後に写真でも撮ってユグドラシル外の記録媒体に保存して後日の時間があるときに鈴木悟氏のいる共同遺骨センターにお供えするというのも良いかもしれない。
鈴木悟氏からは実はかなり良い報酬を貰ってることもあるからそれぐらいのサービスはしても良いだろう。
早速コンソールからヘルプを開いて拠点NPCの設定を確認する方法を調べる。
そしてその通りにコンソールを操作してその女性型NPCの設定テキストログを開く
・・・・・・・
目の前に出来た圧倒的な文字の壁に軽く頭が混乱するが、そのまま読み続ける。
判明した事を要約すると、この女性型NPCの名前がアルベドであること、この拠点のNPCの頂点であること、ちなみにビッチであることの3点であった。
それとこのアルベドを作った人物がかなり変態だという事
そしてNPCの頂点をつくるのは普通に考えてギルドの頂点=ギルマスであろう事から
残念ながらモモンガさん=鈴木悟氏が変態であったのだろうということだ。
・・・・・・・
「・・・・・・時間潰しにはなったかなー」
軽く頭を振ってから呟く。結果として故人の黒歴史ノートを勝手に覗くようなことをしてしまった。
心の中で鈴木悟氏に謝罪して気分を切り替える。残り時間はいつの間にかあと2分を切っていた。
モモンガは玉座にしっかりと座り直し、背筋を伸ばし、腹に力を入れる。
「あと1分・・・・・・」
極悪にして偉大なるギルド≪アインズ・ウール・ゴウン≫の長、モモンガとして相応しいであろう姿勢を維持しながら心の中で数を数えだす。
「あと10秒・・・・・・」
9,8,7,6,5,4,3,2,1…、
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