相模京介の冒険   作:ジョン=ドイル

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観察と証言

相模京介は事件現場に行くとき、いつも、インバネスコート、鹿撃ちを身につけて(いわゆるシャーロック・ホームズの格好)で行く。今回もそうだった。

 ともかく、東京駅についた後、横須賀線の久里浜行きに飛び乗った。列車は品川、川崎、横浜、大船、鎌倉と西へ、そして南へ進んだ。海が少し見えてくる。横須賀に近づいてきた証拠だ。なぜか京介は下宿を発った後からずっと黙っている。数分前からパイプをふかしはじめた。考え事をしている証拠だ。

「提督・・・。」

京介はぼそっと言った。私は、

「どうしたんだい?」

と京介に問いかけたが

「何でもない。」

と言われてしまった。となりを見ると、どうやら警部も考え事をしているようだ。そんな事をしているうちに、横須賀に着いてしまった。そこからまた辻馬車に乗り、鎮守府へ行く。

 午前8時、鎮守府に着く。見ると大層な建物だ。私たちはその建物へ入って行った。警部に案内され、私たちは遺体のある場所に入った。おでこにぽっかりと穴が開いている。多分撃たれたときにできたものだろう。あとは、その穴から血が流れていることと遺体が仰向けになっていることしかわたしには分からない。こう、私が試行錯誤していた間にも、彼は遺体にルーペをあてたり、かがんで遺体のにおいをかいだり部屋全体を見わたしてたりしていた。

 数分後、京介はかがんだ姿勢から立ち直り、口を開いた。

「この遺体は死後10時間。死因は銃で撃たれてだ。遺体の背中のほうから出血しないのをみると、弾は貫通しておらず、まだ体内にある。わかることはまだあるが。確証はないから、ここの提督を呼んでくれ。・・・何、いない?だったら目撃者を呼んでくれ。」

目撃者は、例の加賀である。

 京介は加賀に質問しだした。

「窓は昨日の夜から開いていました?」

「はい。冷房設備が故障中で、窓を開けないと眠れません。」

「故障はいつから?」

「昨日からです。」

京介は、「ほう」と言って窓を見てみた。窓は開いている。そして、今度は警部に

「現場はいじっていませんか?」

と聞いた。すると警部は

「ええ。いじっていませんよ。我々が踏み込んだ時から、窓はあいたままでした。」

と言った。すると、今度は例の加賀の方に向き、

「気分はご察しします。しかし、貴女にこの捜査に協力していただきたい。昨日のことを詳しくはなしてくれますか?」

加賀は、一呼吸置いてから、

「はい。」

といった。そうして、話を続けた。

「昨日の就寝前、私は本を読んでいました。・・・(次回へ続く)

 

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