※この作品は遊戯王ルールとカードだけを用いられて作られた小説です。
歴代遊戯王のキャラなどは出ません。
オリカや、独自のルールも追加していくので苦手な方はご遠慮ください。
「なんだよ......これ......」
俺の眼に映るのは‘人が人でなくなった’ものだった。
それはただ出会った人とデュエルをし、ものすごい力でデュエルした相手を負かし、負けた者もその何かになる。
まるで、ゾンビ映画を見ているかのようだった。
それでゾンビになった者は目に見える黒いオーラをまとっているのが分かる。
それのせいか余計絶望を俺に与えた。
俺の周りにいる人全員がデュエルだけをただひたすら求める、ゾンビになってしまった。
手でいくら目をこすっても、頬を叩いても目が覚めない。
これは......現実だ。
事は2日前までさかのぼる。
「佳織姉、どうしたんだよそんなに慌てて」
俺は日曜の朝から慌てている姉の佳織に寝癖を手で直しながらそう言った。
「あっ、遊鬽それが大変なの!私の占いによると今日何かが起こるの!」
俺の姉は占い師で、それが嘘みたいによく当たるせいで結構人気だ。
だから、今姉が言ったことも本当だと俺は思った。
「それで、何が起こるかわかるのか?」
「それが......3日で人類は滅ぶだろう......だってさ」
いくら占いが得意な姉でもさすがにこれはないだろ。
嘘をつくならまともな嘘をついて欲しいと俺は捨て台詞を吐き、姉とは別れた。
その時一瞬だけ姉の顔が見えたが、その顔は少し寂しそうだった。
俺の姉は小さい時から俺に対して過保護だ。
デュエルで誰かに負けたりするといつも俺にカードを買ってくれたりして、俺を強くしてくれた。
そのおかげか、俺は高校生チャンピオンとなり今や遊戯王が世界中に広まったこの世界では有名人ってわけだ。
まあ、嫌ってわけじゃないが、俺だってもう子供じゃないから過保護なのは卒業して欲しいと俺は思っている。
俺は朝ごはんを食べ、いつも通りデッキのチェックをしていた。
俺のデッキは魔術師デッキで環境の中では特別強いというわけじゃないが、このデッキで高校生チャンピオンを獲れた。
そのせいか、最近魔術師デッキを使う人が増えてきたため、対魔術師用のカードに必要なカードを探していた。
高校2年生の大事な時期にもなって遊戯王をしているって母親には怒られるが、姉は今も賛成してくれている。
だから、今更ながら姉に少し酷いことしてしまったなと感じ、俺は姉の部屋に行った。
ノックをしたが、返事がなかったので俺は姉の部屋に入ることにした。
「久しぶりだな......佳織姉の部屋」
姉の部屋は特別女っぽい部屋とは言い切れず、よくわからない占いの物が多かった。
姉ももう20歳なため、ぬいぐるみは少し減っているが、姉が中学生の時はぬいぐるみが大量に置いてあったのを思い出した。
そこで俺はふと1つの物に手を伸ばした。
「これ......俺と佳織姉の写真か」
机の上に俺と姉がピースして笑っている写真が置いてあった。
写真か......俺は写真が嫌いだ。
写真があるとその時の思い出が鮮明に思い出され、少し悲しくなってきたりする。
難しく考えすぎなのかもしれないが、俺はなぜか写真というものが嫌いになっていた。
「写真の裏に......これはカードか?」
写真の裏に1枚の遊戯王カードが挟まっていた。
見たことのないカードで、効果も意味がわからないが、俺はなぜか自分のポケットに入れた。
その後家中を探したが、姉の姿は見つからず、デッキ調整中に俺は寝てしまった。
「え......嘘だろ......もう朝かよ」
時計を確認すると8時を超えていた。
いくら寝落ちしたと言っても、さすがに寝すぎだろ俺。
ていうか、なんで昨日の夜ごはんとか誰も起こしてくれなかったんだよ。
俺は少しイライラしながら制服に着替え、デッキとカバンを持ち、学校に向かった。
たが、学校まで誰にも会わず着いたのはいいが、学校は空いていなかった。
仕方ないので俺はまっすぐ家に帰り、ただ家の中で時間を潰した。
でも、姉のあの言葉が頭の中でずっとよぎる。
『あと3日で人類は滅ぶだろう......』
正しくはあと2日だけど、何かがおかしいと感覚がそう味わう。
人がいる気配がせず、音がない。
その日俺は何もせずただ眠っていた。
なぜか睡魔が襲ってきて俺はまだ寝てしまった。
今日はいつも通りの時間に起きることができた。
そして、今日こそはと学校に向かうことにした。
制服に着替え、寝癖も直し、ご飯はずっと何も食べていないためパンをいつもより多めに焼いた。
親も姉もいないこの世界。
俺は......何をしているのかわからなくなってきた。もし本当に俺以外の人間がいなくなったらどうなってしまうんだ......
考えれば考えるほどネガティヴな思考になるので、考えるのをやめすぐ家を飛び出した。
学校に向かう道のりを歩いていると、久しぶりに人に出会った。
その人は隣の家の人で曽井おじいさんという人で、優しいひとだ。
「曽井おじいさん、おはようございますー!」
俺はいつも通りに挨拶し、横を通り過ぎた瞬間、俺は吹き飛ばされた。
いや、吹き飛ばされたというより、ものすごい力で曽井おじいさんに腹を殴られ、俺は宙を舞った。
「えっ......な、何するんですか!ぐっ......やば......痛みが」
俺は背中を思いっきり打ち、口から少し血を吐いた。
すると、曽井おじいさんが俺の方へゆっくりと向かってきた。
やばいやばいやばいやばいやばい!!!!
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!
殺される!!
今までにないくらい俺は頭をフル回転させ、今の状況を理解しようとした。
だが、全く俺の想像を超えたことが起きている。
俺はただひたすらがむしゃらに走って逃げた。
「ださいな俺......老人に殴られて逃げるなんて......」
少し弱音を吐きながら、俺は大通りに出た。
大通りには人がたくさんいた。
だから、人がいなかったってのはたまたま俺が人と会わなかっただけで、母さんと佳織姉は何か用事があったんだな。
ただ勝手に美化していた。
「デュエル......デュエルしろ......」
横を歩いていたサラリーマンがそう呟いた瞬間、そのサラリーマンに黒いオーラ?みたいな何かが出ていた。
さらに他の人たちも俺の方へ寄ってきて、ただデュエルしろと言ってきた。
これが、俺がこんなこ状況になった原因だ。
こんな漫画にしかないと思ったが、現実にこんなのも出るのか!
いや、感心している場合じゃなかった。
デュエルしろってか......
「わかった、何か知らないがやってやる!」
「ちょっと待った」
俺がサラリーマンとデュエルしようとした瞬間、後ろの赤い紙に、真っ黒な服装の男に呼び止められた。
「なんだよ......お前」
「私の名前はヒィル・ガリウレ。この町のゾンビ化現象担当だ」
ゾンビ化現象の担当って......なんだよそれ。
「お前、何者なんだよ!」
「まあ、この隔離された町である隔海町担当の者だ。そして!ゾンビ化現象というのは人類をデュエルしかやらないゾンビにさせ、世界征服を目的としている」
この町は隔離というか、本土と接していないため島となっている。
だから、この町から出るのは難しい。
多分それが理由で、この町がゾンビ化現象の対象になったのだろう。
電気などがまだ繋がっているため、日本本土はまだ無事なのだろう。
「この町はもう君以外ゾンビとなっている。さあ、抵抗せずに君もゾンビになるんだ」
俺が......最後の一人?抵抗せずに俺もゾンビになれってか?
ふざけんなよ!
「ゾンビってのはデュエルで負けたらなるのか?」
「おお、よくわかったね。ならば私とデュエルするかい?」
俺は遊戯王を何十年もやってるんだ。
頭の回転には人一倍自信があるってんだ。
「ああ......デュエルして俺が勝ったら全員をもとに戻せよ!」
「いいだろう、君が勝ったらの場合だけどね」
「「デュエル!!!」」
「俺から始める!」
こんなに緊張するデュエルは初めてだ。
なんてったって、命がかかっているんだから......それに、俺だけじゃなくこの町みんなの命が!
「俺はスケール3の相克の魔術師とスケール8の時読みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」
よし、俺のカードは乗っている。
このまま勢いを上げてやる!
「ペンデュラム召喚!調弦の魔術師!」
「ほほう、なかなかやるみたいだな」
「調弦の魔術師の効果でデッキから慧眼の魔術師を特殊召喚!そして、オーバーレイ!星刻の魔術師を特殊召喚だ!」
「星刻の魔術師の効果!ORUを使い、墓地の調弦の魔術師を手札に加える!」
「カードを2枚セットしてターンエンド!」
よし、ここまでは順調に回っている。
さあ、相手はなんのデッキを使うのやら......
「私は手札のダークリベラーを通常召喚!」
こんなカードあったっけ......?
俺は少し疑問に感じた。
そのカードから怪しげな雰囲気がとても漂っていたから。
「その効果で、デッキからダークリベラーを特殊召喚!そして、今特殊召喚されたダークリベラーの効果を使い、もう一体ダークリベラーを特殊召喚だ!」
「な、同名1ターンじゃないのかよ!」
「私は3体のダークリベラーでオーバーレイ!」
その瞬間、周りに暗雲が立ち込み、とても暗くなった。
「来い、我が相棒よ!ダークソリベート!」
ダークソリベート...ランク4で攻撃力2700か。
どんな効果かわからないから気をつけないとな。
「ダークソリベートの効果発動!ORUを2つ取り除き、相手のフィールドの効果をこのターン封じ、相手のすべてのモンスターの攻撃力を500下げる!」
星刻の魔術師 2500→2000
「行け!ダークソリベートよ!攻撃だ!」
「うああああああ!!!!」
遊鬽 8000→7300
なぜかデュエルでライフを削られただけなのに、身体的攻撃を食らったような感覚に陥った。
「おお、気付いたか。そうだ、ライフが削られると体にもダメージが入るようになっている。さあ、ライフがなくなる前に君がサレンダーする場合もあるかもしれないなぁ!」
相手の挑発に乗ってはダメだ......俺は強い!高校生チャンピオンなんだからちょっとやそっとのことでは負けないはずだ。
「そして、私はカードを1枚伏せてターンエンド」
あの伏せカードは気になるが、俺はただ自分のデュエルをする!
「ドロー!ペンデュラム召喚!来い!調弦の魔術!相生の魔術師!」
「伏せカードオープン!魔法カード ワンステップマジックを発動する!このカードは伏せて次の自分のターンに発動できる!墓地にあるエクストラデッキから召喚された自分の融合、シンクロ、エクシーズモンスター1体を召喚条件と効果を無効にして特殊召喚!」
よし、上手くいってる!
ここからが俺の本当の力だ!
「そして調弦の魔術師と相生の魔術師でオーバーレイだ!」
「エクシーズ召喚!来い!克生の魔術師!克生の魔術師のORUを一つ使い効果発動!前のターンで破壊された自分のXモンスターの攻撃力をこのモンスターに与える!」
克生の魔術師 2500→5000
「もう一つの効果!ORUを使い、星刻の魔術師にも同じ効果を発動する!」
星刻の魔術師 2500→5000
「ほお、なかなかやるな!」
「いけえ!!!!」
「私はダークソリベートのORUを1つ使い効果発動!このモンスターはこのターン戦闘効果では破壊されない!」
ヒィル 8000→3400
「そして、速攻魔法 リ・マジシャン・ハイリターンを発動!戦闘ダメージを与えたターンに、自分のモンスターをもう一回攻撃できる!」
ヒィル 3400→1100
「ふっ......いいダメージだ」
なんであいつ......こんだけのダメージをくらって痛そうな顔をしない?
まさか、相手にはダメージが入らないとか?
「安心しろ、私にもちゃんとダメージは入っている。ただ、これくらいは私に効かない。君のちか不足ってわけだ」
こいつ......次のターンで絶対に倒してやる
「私のターンドロー!ライトリベラーを召喚!そして、ダークリベラーと同じで、ライトリベラーを3体呼び出した!」
なんだよあいつの展開力......なかなかやるじゃないか。
「ライトリベラーは3体フィールドにいる時、レベル2トークンを一体召喚できる!」
「それで、お前は何する気だよ」
「ライトリベラーはシンクロ召喚の素材にしかできない。私はトークンにライトリベラー3体をチューニング!」
暗雲から雷が落ち、周りが照らされる。
俺はただ呆然と立っているだけだった。
こいつは......強い。
想像以上の強さを持っているかもしれない。
「来い!ライトソリベート!」
レベル8のシンクロモンスター......嫌な予感しかしなかった。
「ライトソリベートの効果発動!前のターンで発生した戦闘ダメージを半分だけ回復できる!そして、その数値が2500を超えていた場合、相手のセットされたカード2枚を破壊する!」
ヒィル 1100→4550
「俺はPゾーンにセットされた相克の魔術師と時読みの魔術師を破壊!そして攻撃だ!」
ライトソリベートは攻撃力3700
ダークソリベートは攻撃力2700だから戦闘は絶対に負けるのか。
遊鬽 7300→5900
「そして、私は速攻魔法 DXM ディファレントクロスマジック:ソリベートミックス」
「私は自分のライトソリベートとダークソリベートを合体させる!」
「な、シンクロモンスターとエクシーズモンスターを融合だって!?」
「来い!デリートソリベラー」
カードの絵が......上がシンクロの白で、下がエクシーズの黒......
なんだよこれ......未来的すぎるだろ。俺、ついていけねえよ!
「これはクロスモンスターといって、レベルでもランクでもなくてオーラというものを持っている。ちなみにこのモンスターはオーラ4だ。まあ、レベル4だと思ってくれ」
思考が追いつかない......
「よし攻撃だ!デリートソリベラーの効果で、攻撃終了時、相手の墓地のカードを全て除外し、その数だけ400ポイントのダメージを与える!」
デリートソリベラーの攻撃力は3000で、墓地のカードの枚数は7枚......
遊鬽 5900→100
「うああああああああ!!!!」
今まだに味わったことのない痛みが俺の体に響いてくる。
そして、俺は立つ気力を失った。
「私はターンエンドだが、君はもう立てないのか?ならば、もうゾンビ化させちゃうね」
俺はまだ決着がついていないのにデュエルを終わらせていいのか......?
デュエリストなら、最後までたたかう......
それが俺のモットーだ!
そう考えていた瞬間、体にものすごい力が入ってきた。
「ふふ、後もう少し私の力を与えていれば君はゾンビ化する。楽しみだなあ、君みたいな強いデュエリストがゾンビになってものすごい力を手に入れた時が」
信じられないくらい、体から力が入ってくるのを感じる。
この力があれば......まだ俺は......
俺は立ち上がり、ヒィルが出していた黒いオーラ?みたいなものを避けた。
「おお、まだやるのかい。いいだろう、さあドローしな!」
手札ゼロ、墓地ゼロ、エクストラには相克と時読みのみ。
このドローで決まるっ......!!!
負けた場合はもう負けだ。
俺の力が足りなかったってだけだ。
だから、俺は負けるまで全力で戦う!
どんな結果になっても今の俺なら楽しかったって言えるだろう......
「ドロー!!!」
今回登場したオリジナルカード(一部のみ)
Xモンスター 克生の魔術師 ランク4 2500/2000
レベル4魔法使い族×2
①ORUを1つ使い、前のターンに破壊された自分のモンスターを選び、そのモンスターの攻撃力をこのモンスターに加える。
②ORUを1つ使い、前のターンに破壊された自分のモンスターを選び、自分の他のモンスターの攻撃力に加える。
魔法 ワンステップマジック
このカードは伏せた次のターンに発動できる。
墓地にあるエクストラから召喚された融合、シンクロ、エクシーズモンスターの召喚条件と効果を無効にし、1体特殊召喚。
速攻魔法 リ・マジシャン・ハイリターン
自分の魔術師モンスターが戦闘ダメージを与えたターンに、自分のモンスターを1体選び、もう一度攻撃することができる。