一人称 僕 二人称 相手の名前(さん)
バドル
一人称 私 二人称 あんた お前 (貴方)
イルム
一人称 俺 二人称 貴方 君
です。毎度見てくれてありがとうございます!
なぜか8700文字超えてます。注意
そろそろ記念に何かした方が良いですかね?
何かあったら感想or活動報告欄などにお願いします
〜朝 宿屋〜
シオン達はテーブルを繋げ、2パーティー用に作られた席に案内された。
バドルとその護衛、イルム、シオン、フミ。追加でレオとミキが合流して丁度8人だ。
運ばれてきた料理はどれも大人数用...だが。
朝から食欲全開のバドルやレオ、ミキたちが凄い勢いで皿を積み上げていく。
どこに大量の食べ物が入るのか、皿の山は3つ目に突入し始め...
「お、お姉ちゃん!ストップ!!」
周りからの視線に耐えきれず、シオンは1番近いバドルに待ったをかけた。
食事の中断を強制されたバドルは不機嫌そうに顔を上げシオンを睨む。
それも一瞬のことで、自分の横に積み上げられた皿の量を見て納得したように頷いた。
「デザート持ってきて〜」
「違うお姉ちゃん食べすぎ!!」
シオンはいつもこんな感じなの?という視線をバドルの部下達に向ける。
...お金を余分に持ってきていたのは食事代だったようだ。
バドルを止めることに失敗したシオンは諦めて食事を続けることにした。
〜Now loading〜
2パーティーにしては多すぎる山積みの皿が片付けられ、王族、流浪人、ハンターの食事会は終わりへ向かう。
「それで、あんた達はシオンを連れて行くわけね。」
緩んだ空気を緊張させる声。
声の主、バドルは先ほどまでと違いとても機嫌が良いとは言えない表情をしている。
シオンはバドルが昨日話し合った中で、最後まで納得しなかった事...自分がハンターに連れ回されることにひどく怒っていたことを思い出す。
同時に背筋を冷たい汗が伝うのを感じた。
「シオンさんを危険に晒すつもりはありません」
「ハンターといるだけで十分危険な状態なのよ?」
「それは否定できません。しかし、私は...私達は全力でシオンさんを守ります。」
バドルの威嚇するように細められた目を真っ直ぐ見返して、フミがはっきりと宣言する。
バドルは口を開きかけ、閉じた。
一触即発。
そんな空気が流れる中、バドルが....目をそらした。
「....シオンを守るって?あんたにそんな力がある?」
「シオンさんは私達の仲間です。命ある限り、守り通します。」
バドルが俯き聞き取れないくらい小さな声で何かを呟いた。
その顔は少し引きつっている。
昨日会ったばかりの他人を信じろと言われても無理な話。
沈黙。
その時間は1分も無かったが、シオンにはとても長く感じられた。
「シオンは、嫌じゃないの?」
「うん」
フミはシオンがモンスターだと知っても態度を変えず、人に馴染む手助けをした。
それがシオンにとって1番信用できる理由だった。
旅を通して知ることも楽しく、まだ続けたいと思っている。
『だが、それは無理なことだ。』
突然聞こえた声にシオンは固まる。
なんで、ここでこいつの声が。
警告をしてきたあの黒い影...その声が夢でもないのに聞こえる。
「シオンさん...?」
「え?あ、何か言った?」
外に向いていた意識が戻る。
シオンは自分に視線が集まっていることに気づいた。
「だからー、嫌になったらすぐに私かイルムのとこ行けって言ったの」
「うん。わかった」
困惑しつつもそれを顔に出さないよう気をつけ、シオンは返事を返した。
嫌な予感に心臓が早鐘を打つ。
もし、あれが夢じゃないとしたら....?
『ああ、そうさ。夢じゃない。』
「ッ!」
夢で聞こえた声は低く、しかしはっきりと、シオンに告げる。
シオンはフミに不思議に見つめられていることに気づく。
これ以上はもう、隠しきれない。
「シオンさん?」
ゆっくりと立ち上がったシオンにフミが声をかける。
怪しまれないように....シオンは必死に笑顔を見せて、
「ちょっと、外の空気を吸ってくるね」
逃げるように宿の外に出た。
『フン。嘘はつけるのか。』
「僕になんの用だ」
バカにするような問いにシオンは質問で返す。
その問いを声は軽く笑った。
『返事をまだ聞いてないぞ?お前はどうするんだ?』
ぁ、とシオンの口から声が出る。
夢だと思ってた。
きっとこれからも変わらずみんなで旅ができると。
でも、もし男の言う通りならそんなことはできなくなる。
みんなと会うことも。
『自分で何も思い浮かばないなら....俺に体の主導権を寄越せ』
「なん..!?」
『大丈夫。お前の心配していることは起きない。誰も殺さないさ。』
シオンは迷うように視線を動かし....ゆっくりと自分が思っていたことを声に出す。
「僕が...いたら全員死ぬの....?僕がいなければみんな死なずに済む?」
『「僕が助ければ」と考えているなら無理だ。お前がいたところで何も変わらない』
「どうして....」
『お前に寄ってくる...と言えばわかるか?....そうだな..あいつらはお前が人間と関わるのがお気に召さないのさ。だからお前が人間達から離れれば何も起きない』
シオンは訳がわからず混乱する。
自分がいなければ何も起きないのにいたら何かが起こるなんて理解できない。
『今すぐに、とは言わんが....日没。それまでに考えておけ。』
「待って...!僕は!」
正解がわかない。
シオンがまとまりきらない頭で話しかけようとしたが、何を言っても声は聞こえてこなかった。
「シオン〜!遅いぞー!」
シオンがなんとか頭を整理して宿に戻ると、不満げなバドルがデザートを食べていた。
5皿目だが。
「お姉ちゃん、食べすぎ...」
シオンは一言だけツッコミを入れると席に座り、心配げなフミに「ちょっとボーとしてた」と言いって食べ途中だった料理を掻き込んだ。
〜Now loading〜
「じゃあさ〜、前から俺がいってた怪しい店行かない!?」
「怪しい店と言っていながら常連になっているあなたが理解できないのですが。」
「おぉっとそこは突っ込まないでくれる?まあ理由としては金銭的なね??うん。あとね、なんか使ったら狩がスムーズに進む...というか?」
「なんで疑問形なんですか?」
楽しげに話すフミ達をシオンはボーと見つめる。
その視線にフミ達は気付かず、レオに押される形で行き先を決定した。
...日没までに。
短すぎる制限時間にシオンは頭を抱えそうになる。
先ほどバドルは王族の集まりに出席するため先ほど宿を出て行き、イルムは体調が優れないと言って部屋に戻った。
僕は...みんなと....。
「シオンさん、出発しますよ?」
「うん」
シオンは思考を中断して仲間との時間を精一杯楽しもう、と心に決めた。
宿の外は人のごった返す大通り。
その中をシオン達一行はレオを先頭に進む。
「さあ、まずは大通り!あそこに見える怪しい路地に向かいます!」
「もうその時点でついていくのを躊躇うのですが。」
「まあまあそう言わず〜」
「ついたよ〜!ここから先は?」
「おぉっと、抜け駆け厳禁...さらに奥に見える看板を曲がると到着です!」
薄暗い路地を歩き、会話を挟みながら進む。
看板(文字はかすれて見えない)のある路地を進むと怪しげな建物が建っていた。
その入り口に立ち、シオン達が一言。
「「「怪しすぎる(ですね)」」」
「えぇ...何も全員が言わなくていいじゃん」
珍しくシュンとした顔でレオが無理な注文をつける。
いくら耐性のあるシオンでもさすがにこの建物は怪しく感じた。
ふてくされた顔をしているレオを見てフミがため息をつく。
「普通ならここで引き返すのですが....まぁレオがいますし、入っても大丈夫でしょう」
「俺ってどういう役割!?」
フミの言葉に機嫌を直しかけていたレオが、思わずツッコミを入れる。
おそらく弾除け程度に思っているだろう。
自分に対しての評価がいまいち納得でいないレオだったが、よほど嬉しいのかすぐに笑顔になる。
コロコロと変わるレオの表情にフミが冗談めかして眉を寄せ、、
「いつもはあんなあなたがここまで上機嫌だと気味が悪いですね。」
「だからなんで!?あんなってどんなこと!?」
レオとフミが討論しているのをシオンは楽しげに見つめる。
その中に同行者の一人、ミキが見当たらない。
あれ....?
キョロキョロと辺りを見渡すシオン。
その後ろから入り口のドアを開けて入っていく一人の少女....。
「おじゃましまーす!」
「「ああー!!」」
残念そうなレオと心配そうなフミ。
レオは「案内役は俺...」と肩を落とし、フミは「無警戒で入るなんて」と少し身構える。
二人の感情に気づかないミキはズカズカと奥へと入っていく。
背後を取られた驚きでシオンは反応が遅れ、3秒ほど硬直していた。
その間にミキが顔だけ出す。
「みんな来ないの〜?面白いものたくさんあるよ!」
「知ってる....だって俺が全部教えようと思ってたから....」
「レオ、なんかキャラ違くない?」
いつも元気いっぱいのレオは、先を越されたのが残念だったのかテンションがいつもより低い。
それでも気合を入れなおすように首を振り、案内を始めた。
「ここが、俺の行きつけの店!試作品を安く売ってくれるんだ!」
「へ〜!それで、どんなものがあるの?」
試作品という言葉には突っ込まず、店内を見て回る二人。
その間にフミとシオンは奥のカウンターに向かう。
「あなたが、ここの店長ですか?」
「ああ、そうだ。よく来たな。」
奥のカウンターには中年の男が座っていた。
「どうだ?ここの物は。なかなか良いものも安くしてるぞ。」
「そのようですね。レオとはどんな関係で?」
「全く、少しは警戒を解いたらどうだ?こっちまでピリピリして敵わんよ」
敵わない、と言いながら少しだけ殺気を放つ男にフミは眉を寄せる。
「おー怖いな〜ちょっとふざけただけだってのに」
そう言って男はおどけた調子で笑った。
同時に殺気も消え、緊張から解放されたシオンはホッと息をつく。
「あいつには色々試作品を安く買ってもらって、その結果をもとにまた作品を作るんだ。最近は客が少なくて随分助かってるよ。俺の名前は....店長とでも呼んでくれ」
名前は明かさず、男....店長は面白そうに笑う。
完全に無防備な店長を見て、フミは警戒を解いた。
それを見て店長は満足げにもう一度笑った。
何がおかしいのか理解できないシオンは、首をひねる。
「うん?そんなに不思議そうな顔しなくても良いじゃないか。俺はただ、久しぶりに面白いのに会えて嬉しいのさ。なんせここには人が来ないからな。しっかし、お兄さんはちょっと違った匂いがするね。」
一発で店長はシオンが他の人と違うことを見抜く。
シオンはびくりと肩を跳ねさせた。
「えっと、シオンです」
「シオン....うん。良い名前じゃないか」
シオンの反応を気に留めず店長は頷く。
それからフミの方を向き、
「お嬢ちゃんはなんて名前だい?」
「その呼び方、やめてください。虫唾が走ります」
ふざけた店長にフミは割と本気で睨みつける。
睨まれた店長は首を引っ込め、「随分と威勢のいいお嬢ちゃんだ」と反省の色を見せない。
「私の名前はフミです。」
「おじょ...フミって名前なのか」
口を滑らせかけた店長はフミの殺気にすぐに言葉をなおす。
そうこうしているうちに、店内を見回っていたレオとミキが戻る。
「んー?店長フミに睨まれてやんの!一体何して...痛い痛い!!」
「この馬鹿とは面識があるのですか?」
「いだだだ!ば、馬鹿って何!?痛い痛い」
言葉の途中でフミに耳を掴まれ、レオが悲鳴をあげる。
....今のは馬鹿にしたレオが悪い。
そのままの状態でフミが店長に問う。
店長は面白そうに目を細めた後「そうだよ」と答えた。
フミは何か言おうと口を開きかけ、片手で馬鹿を引っ張っていた事を思い出し手を離す。
勢い余って床に転がったレオは文句を言いながら立ち上がる。
「痛ったいなぁ!もうちょっとで落とすとこだった」
そう言ってレオが取り出したのはペイントボールに似たもの。
ただ、その匂いは誰もが知るあるものの匂いに酷似している。
「おお、それはペイントこやし玉だな。俺の試作品第43号だ」
モンスターの位置を教えるためにペイントするのに逃がしたら意味がないということに気づけていない。
探究心は常識を忘れるようだ。
「ま、店長はこんな感じで43個もガラクタを作って日々遊んd痛い痛い痛い!!」
懲りずにズケズケものを言ったレオに今度は店長が爪先を踏みつける事で罰を下す。
メキメキィッと音がしたのはご愛嬌。
相当のダメージだったのか、レオは薬草を噛んでいる。
「ま、役に立つものもある。存分に見てってくれ。」
追い打ちでレオの足をグリグリ踏みながら店長が言う。
シオンたちはゆっくり店内を見回りながら時間を潰すことにした。
▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
「ありがとうございました」
「おう!また来い!」
久しぶりの客にライン・トーネル...否、店長は口に笑みを浮かべていた。
その興味対象は主にシオンに向いている。
シオン、か....。随分と変わった気配...いや、あれは匂いで間違いないはずだが。
彼はこう見えても数々の死線をくぐって来たG級ハンター。
シオンがいくら擬人化しようと、モンスターの匂いに気付いていた。
少し前の自分なら斬りかかっていただろうがそれも昔のこと。
昔は古龍すらソロで討伐する猛者だったが、今はこうして日々ガラクタ...試作品を作っている。
店長は久しぶりに同格の、もしかしたらそれ以上の実力を持っている可能性のあるハンターと、その仲間に気分の高まりを感じていた。
だが入れ違うように店に入って来た人物を見るとその笑みをさらに大きくして迎える。
「おっ!お前が来るとは珍しいな〜前あったのはどれくらいだったか?」
「今来たから忘れた」
「おいおいひでーな骸さんよぉ。そうそう、お前に頼まれてた武器、完成したぞ」
使いこなせるかどうかは別だが。と付け加え骸に武器を放る。
鞘が2つ、真ん中を紐で結ばれた双剣。
骸はそれを引き抜き、一瞬驚いた顔をする。
骸のなかなか見ることのできない顔を堪能して店長は上機嫌に笑う。
「これは....どういうことだ?」
「どうもこうも、見たまんまだが?」
「俺の見たまんまだって言うなら双剣が四属性もってる気がするんだが?」
「ま、その通りだ。属性も自由に変えられるようにした。大変だったんだからな?」
「店長が言っても説得力が感じないな」
正確には鞘で属性を切り替えるわけだが、店長はわざと説明をしない。
体で覚えた方が早いからと言うのとただ困った顔が見たいと言うのも半分。
何回か練習すればこいつは使いこなしそうだがと思っていた店長の予想は、
「あ、出来た」
という少し興奮した声で見事に白旗をあげる。
やはり元々の才能にあの鬼が指導を入れたからか...。
全く。飛んだ天才が出たもんだ。
どんな戦闘狂もこいつに会ったが最後、血の海に伏せることになるんじゃないか?
いや、それは前までとつけた方が良いか。
「あいつらには手を出すなよ」
「さっきのやつらのことだろ。今のとこ手を出すつもりはない。」
さも当然のように言われ店長は驚く。
てっきりターゲットにしていると思ったんだが....。
ま、油断は禁物か。
「お前、この前また潜入したパーティーを潰したろ」
「利用価値がなくなったからな。」
「だからって潰すことはないだろに」
「それ以外は面倒くさいんだよ」
「お前なぁ....」
思考がぶっ飛んでいると言うか冷酷なんだよな。
あれがあったから仕方ないか。
店長が昔を思い出していると骸が出口へ向かう。
「体に気をつけろよ」
「わかってる」
店長はしばらく骸が去った扉を眺めていた。
前より傷が増えていたのが気になる。
変なところで優しすぎるのがあいつを苦しめてるんだろうな。
だから愛されるのかもな。
「死ぬなよ」
誰もいない店内に店長の呟きが響いた。
▼△▼△▼△▼△▼
森の中にシオンたち一行はテントを設置していた。
日暮れが近づきいたこともあり、今日は野営しようということになったのだ。
シオンはテントから離れた森の中にいた。
もう、時間が無いことをシオンは痛感する。
もうすぐ日没。
太陽が森の木を赤く照らす。
何が一番最善なのかシオンは考えた。
意識を体に向ければ、何かが蠢いているような感覚がある。
「いるのか?」
『ああ、いるぞ。で、どうするんだ?」
「....」
『今、龍に戻って飛べばいいだろ?』
「僕は.....」
.....
...
..
「シオンさん」
どれだけ時間が経ったのかシオンにはわからなかった。
フミに声をかけられて初めてシオンは人が近くまで来ていたことに気づいた。
フミなら答えを知っているだろうか...
シオンはそんなことを考え、フミを見つめる。
....だめだ。
フミなら私たちがいるといって聞かないだろう。
...僕が、ここにいなければ。
『準備はできたか?』
誰も傷つけずに。
「シオンさん?」
ごめん。とシオンが呟いた瞬間、シオンの意識とは別に龍脈が体に流れ込み...
「ーーーーーーーーッッッ!!!!」
紫がかった漆黒の龍の咆哮が夕暮れの空を震わせた。
大地を踏みしめる4本の足、二対の翼、先端に向けて大きく広がる尻尾。
久しぶりに龍へ戻りシオンは歓喜する。
それと同時に、体が自分の任意で動かないことに恐怖を覚えた。
そして、シオンの恐れていた事態が起きる。
「きゃあッ!」
前足を振るう。
地面を抉る一振りはフミに直撃しフミが吹き飛んだ。
とっさに背中の太刀を自分とシオンの間に挟んだのかフミは空中で体制を立ち直す。
その目には困惑の色が濃く、シオンは自責の念にかられる。
『やめろ!殺さない約束だろ!!』
『ふん。俺は殺さないとしか言ってない。多少怪我をしてもこいつらはすぐ治る』
『そんなっ』
「ーーッッ!!」
咆哮を上げ、突進。
横に回避したフミを右前足を軸にターンし尻尾で一撃を入れる。
フミはそれを太刀で受け流し、体の下を通って反対側へ抜けることで被弾を防いだ。
全て自分が戦っているような感覚。
地を踏みしめ、尻尾を振るう。
鳴鱗を飛ばしフミの着地地点を潰す。
攻撃をしていても手加減をしているのかシオンが繰り出す技より威力は落ちている。
それでも突進や前足を使って殴る攻撃は地面を抉り、木をなぎ倒す。
次に何をするのかわかっていてもシオンはその命令にブレーキをかけることができない。
ついに、シオンの鳴鱗爆発がフミにあたりフミは木にぶつかる。
体がターンし、シオンは次に突進をしようとしていることに気づいた。
フミとの距離は15mほど。
一気に加速しフミとの距離が残りわずかになった瞬間、
『と、まれぇええええ!!!!』
シオンは全力で突進を前足叩きつけにキャンセルする。
地面が震え、クレーターができる。
そのクレーターはフミの足に届くギリギリにできていた。
シオンは体を震わせ、激しく息をつく。
いつのまにか男の気配は消えて体の主導権はシオンに戻っていた。
「シオン....さん...?」
あたりには大小様々な穴や抉れた地面がある。
それを見てシオンは動揺した。
「シオンー!!フミー!大丈夫!?」
「なに!?え!!?穴空いてる!?」
ミキとレオが駆けつけ、シオンとフミ、地面に空いた穴を見て目を見開く。
そして、見覚えのあるモンスターに殺意の目を向ける。
シオンには一瞬二人の姿がかき消えて見えた。
「ーーッ!?」
脳を焼く痛みにシオンは咆哮する。
いつのまにか右肩、左の脇腹にそれぞれ赤い線ができ、血が流れている。
「くそッ硬い!!」
「フミ!今のうちに逃げて!」
混乱するシオンの頭に二人の声が聞こえる。
そして、気づく。
シオンは本当の姿になり、ミキたちはシオンが龍だと知らない。
フミがモンスターに襲われているようにしか見えていない。
シオンは急いで逃げようと翼を広げ、一瞬躊躇う。
説明しなくていいのか。
謝らずにこのまま逃げて。
その躊躇いが命取りとなった。
「ッッ!!!」
翼、足、尻尾、そして頭に無数の傷が刻まれた。
あまりの痛みにシオンは本能的に防御に入る。
ギイィイイイン!!!!
金属をするような高い音波が無差別に繰り出された。
シオンが得意とする衝撃音波だ。
シオンの周辺から地面が吹き飛び、その破片すら粉々に粉砕される。
龍としての誇り高き本能が怒りに震える。
シオンは痛みに脳を焼かれ苦悶しながらもなんとか本能の暴走を抑えようとした。
だが、ハンターはその隙を逃さない。
上空から、一閃。
無数の斬撃がシオンに降り注ぎ、鱗を砕き、貫通し、傷跡を抉る。
レオが得意とする双剣の空中乱舞のアレンジだ。
シオンは声を上げることすらできず、大きくフラつく。
追い打ちをかけるようにミキの盾コンがシオンの胴に決まる。
G級ハンターが誇る圧倒的火力と連携に、シオンは満身創痍になりながらも倒れない。
倒れれば命が無いことくらいわかっていた。
「ーーーーッッッ!!!!!」
衝撃波を伴う咆哮で追撃を防ぐ。
鳴鱗を撒き散らし、砕かれた破片すらも使い、音の防御層が完成する。
たった数秒間の戦闘でシオンは動けなくなるほどの傷を負った。
「ま、待ってください!」
シオンの防御層を突破しようとしたミキとレオにフミの声が届く。
と、同時に力尽きたシオンは地面に倒れた。
フミは急いでミキたちのとなりに行き状況を説明した。
受け身もとらずに倒れたシオンは激しく肩で息をしている。
体の下には血だまりができ、とても動ける状態では無い。
それでも気力を振り絞りシオンは立ち上がった。
(巻き込むわけにはいかない!)
そのシオンの目の前にフミが立つ。
「シオンさん...どうして」
そこから先はシオンの羽ばたきに遮られ聞こえることは無かった。
〜Now loading〜
雲より高い上空をシオンは一直線に飛んでいた。
ほとんど意識も消えかけ、いつ落ちてもおかしくない出血量でもなお飛び続ける。
それはただひたすらフミたちを巻き込まないためだった。
だが所詮は気力で持っていた体。
ガクリと高度が急激に下がり、シオンに体の限界が訪れたことを告げた。
雲を突き抜けた眼下に、濃霧がかかる森が広がっている。
その森を視界の端に写したのを最後にシオンの意識はブラックアウトした。
えっと....その、あの〜....ハイ。
シオンはフミたちが大好きなんで、ハイ。
え?別ゲー感が凄い??すみません
ちょくちょく過去話直したりしてます。駄文は変わらず....
バドルがあんなに敏感なのは6,7話が原因です。
あの、もし良ければここまで読んでいるみなさんに評価をお願いしたいのですが....ついでに感想も((殴
感想はちゃんと返信します。
いや〜しかしなんで8000文字も行ったんだかさっぱりですw
リメイク版は
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見たい(いる)
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見たくない(いらない)
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モンスターの活躍を楽しみにしてる
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ハンターの活躍を楽しみにしてる
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両者の活躍を楽しみにしてる