このすばIF~カズマがチートを選んだら~   作:にゃるめす

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今回は短いです。


第7話

「おいアクア、アイさん、俺の仲間のところに行く・・・きます・・?」

 冒険者登録が一通り済み、仲間の元に行こうと二人に声をかけたのだが、

 

「なに、カズマ?あんた言葉遣いが滅茶苦茶よ?流石はヒキニート、教養ってものがないのかしら?」

 アクアが馬鹿にするように言ってくる。

 そしてアイさんも不思議に思ったのか、「どうして?」とばかりに、首をかしげながらこちらを見てくる。

 

「ちげーよ、だれがヒキニートだ。お前にはため口でいいけど、アイさんはそういう訳にはいかないだろ。両方に話しかけんのに、どっち使えばいいか分かんなかっただけだ。」

 

「ちょっと待ちなさい、あんた私を誰だと思ってんの?女神よ?女神に敬語は使って当然でしょ、悩む余地なんてないじゃない。そういえば、なんで愛には敬語使って、私には使ってないのよ。おかしいじゃない。」

 当然とばかりに言ってくるアクア。

 しかし、

 

「いやだって、お前って見た目的に俺と歳変わんねーけど、アイさんは俺よりたぶん年上だろ?それに、アクアには品はないけど、アイさんにはちゃんとあるし。同じように扱うのはおかしいだろ?」

 こいつに敬語はなんか嫌だ。

 

「はああああ!?女神よ、私女神!聖なるオーラを身にまとう、水の女神アクアよ!気品なんて存在するだけであふれてくるの!なんでそんな私よりワキガ女のほうが痛いっ、って、なんで拳骨打つのよ!?」

 

「お前忘れたのか?アイさんにその呼び方するなって、次言ったら、同じ宿に泊まらせないからな。」

 

「う、う~~~っ」

 言い返せないのか、そんな声を出して、目を潤ませながら睨みつけるアクア。

 散々バカにしてくれたこのくそアマをこんな風にできるとは、なんともまあ、気持ちがいい。

 そんな風に悪い笑みを浮かべていると愛さんが、

 

「あの、カズマ君。私には別に、ため口で構わないからね。」

 と、いってきた。

 

「良いんですか?」

 

「いいの、だってアクアにだけそんな口調で、私にそんな気を使われるの、なんか嫌だし。」

 

「・・・ならそうするよ。じゃあこれからよろしく、アイ」

 

「こちらこそ、よろしくねカズマ君。」

 そうして愛と俺は握手を交わす。

 すると、

 

「ちょっと、いつの間にアイまで私に敬語使わなくなったのよ。」

 アクアが非難がましくそういってきた。

 

「だって、さっきのカズマ君とアクアのやり取り見ていたら、本当に威厳もなにも無かったし。見た目的に年下そうだからもういいかなって。」

 

「よくないわよっ。何度も言うけど、私女神!あらゆる生命体の頂点!敬われるのは当然なのよ!」

 そんなアクアの発言に、俺とアイは互いに顔を見合わし、

 

「「ていう夢を見ていたのか」」

 

「むきーーーーーっ!!」

 

「ちょ、へんなとこ叩かないでよ!」

 

「おい、ッこ、こら暴れんな!落ち着けっ、悪かったよ。それに、明らかに俺と同い年で、アイより年下に見えるお前が敬語なんて使われてたら、周りのやつが不振がるだろ!」

 

「・・・確かに」

 叩く手をとめ、顎に手を当ててようやくおとなしくなる。

 

「ようやく止まったか。いいか、これはお前の正体を隠すためだ。この世界でも、お前ぐらいはっきりとした青髪なんて見たことがない。それに見た目も良いからな。そんなお前が、同い年や年上に敬語を使われてみろ。絶対変な勘繰りする奴が出てくるからな」

 

「・・・それもそうね、なら我慢してあげる。この寛大な私に感謝なさい」

 なぜか上から目線なのが腹立たしいが、とりあえずほっとこう。

 俺たちはそのままダクネスとめぐみんの元に向かう。

 

 

 

「遅かったじゃないかカズマ、ん?そちらの方たちは確か、」

 到着と同時、ダクネスが聞いてきた。

 

「俺の知り合いの、アイとアクアだ。二人には急で悪いんだが、二人を仲間に入れたいと思ってる。」

 

「本当に急ですね。私としては、爆裂魔法が打てればそれで構いませんが。」

 仲間が増えるというのにこの反応。相変わらずというか、実にこいつらしい。

 爆裂に支障がなかったらたいていのことはオーケーなのだろうか?

 

「私も別に構わんぞ。あとはクリスだが、まあ、いいだろう。あいつならオーケーしてくれるだろし。では愛とアクアだったな、二人はどんな職業なんだ?」

 ダクネスは表向きは落ち着いて、けれど仲間が増えるのが嬉しいのか、そわそわしている。

 たしかこいつは昔、いろんなパーティーに断られていたらしいから、仲間が増えるのはこいつにとってありがたい話なのかもしれない。

 そういえばクリスは、なんでこいつの仲間になったんだろう?

 見張っとかないとすぐモンスターの群れに突っ込もうとする変態なのに。

 確かに盾としては優秀だが、普通のパーティーに入ってダンジョン探索をしていたほうが、よほど効率的に金を稼げるだろう。

 気のいい性格ではあるが、クリスはお宝が結構好きで、お金も好きなのだ。

 もちろん困っている人よりお金を優先するような奴ではないが、馬鹿な悪評のあるダクネスとわざわざパーティーを組もうなんて、まともな神経をしてれば思わないはずだ。

 もしかすると、二人は幼馴染だったりするのだろうか?

 

「おいカズマ、なにをぼーっとしているんだ?」

 

「えっ、?」

 一人でそんなことを考えていると、ダクネスが声をかけてきた。

 

「い、いや、ちょっと考え事をな」

 こいつに対しちょっと失礼なことを考えていたため、どこかバツが悪い反応になってしまう。

 

「そうか、ならいいんだ。」

 それだけ言うと、ダクネスは席に座り、座っていた残り三人とテーブルを囲み談笑し始めた。

 どうやら俺が考え事をしている間に、自己紹介を終わらせたようだ。

 アイがめぐみんとダクネスに苦笑いを向けているのが良い証拠だ。

 どうせ中二病と、変態発言をそれぞれぶっ放したのだろう。

 まったく、少しは自重ができないのだろうか。

 

「ねえ、カズマ君。そんなところで立ってないでこっちにすわりなよ。」

 アイはそう言って、自分の隣の席をポンポンと叩く。

 

「じゃあ、遠慮なく。」

 おれは言われるまま、アイの隣に座る。

 

 この後俺たちはたくさんの料理を頼み、お祝いパーティーをして宿に帰った。

 お祝いパーティーにクリスがいればもっと良かったのに、なんて考えながら。


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