腹ペコ騎士と白き犬   作:月見肉団子

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第2話

 その村は喧噪に満ち溢れていた。男たちが怒号を飛ばし、小僧に指示を出す。 

 女達も負けず劣らずの声を張り上げ、客を呼び込んでいる。人の足が市場埋め尽くし、ドタバタとした歓声を上げていく。

 しかし、この中にはどこか浮ついた雰囲気が漂っていた。若い男は仕事に精を出し、若い女は仕事の合間をぬっては服屋に出向きにらめっこ。炊事の煙があちこちから漂い、雑然とした街並みに甘い色を付けていく。

 パンの試作があちこちに出回り、恰幅の良い中年女性が道行く旅人を呼び止める。川魚を挟んだパン、普段ではお目に掛かれないような蜂蜜をふんだんに使用した柔らかいパン、動物を型取ったパンなどが店先を彩り、売り上げを競っていく。

 雑踏の中には旅人たちも多く入りこんでおり、各々が祭り直前の空気を楽しんでいる。

 

 

 

 ガヤガヤとした光景を目の前に、馬車から降ろして貰う。

 

 

「おじさん、ありがとうございました!! おかげで祭りに間に合いました!」

「いやいや、こちらこそ騎士様のお蔭で楽しい旅だったよ、願わくばまたどこかで会いたいものだね」

「えぇ、是非ともまた会いたいものです。おじさんはまだ旅を?」

「いいや、しばらくここに逗留する予定だよ。色々仕入れてからキャルトルに向かうつもりだ」

「おぉ、では祭りの最中会えるかもしれませんね!」

「そうなる様に願っているよ、何かあったらアンドール商会にいるからレナルナンまでよろしく。この村には商会は二つっきり無いからすぐに分かるはずだ」

「はい、何から何までありがとうございました!」

 

 そんな挨拶を皮切りに手を振りゴロゴロと行ってしまうレナルナンさんを見送った後、私たちは宿を探し始めた。

 祭り直前の空気の中、ブランシェと宿を求めて練り歩く。今日はいい日になりそうだ。

 

 

 

「ま、また満室……」

 

 と、思ってブラブラ歩けていたのは最初だけだった。よくよく考えなくとも分かる事。このお祭りは遠方にも話が伝わっているくらいのお祭りなのだ、人が集まらない筈がない。

 

「うぅぅ、どうしよう……」

 

 思わず声が漏れてしまう。おまけにブランシェを連れている身だ、獣はお断りだよ、と断られる事も度々あった。

 村の喧噪が遠くに聞こえ始める。パンのいい香りが更にみじめさを募らせる。途方に暮れ始めたオリヴィエに腹の虫が追い打ちを掛ける。そろそろお腹もすいてきた。

 結局、いくら頭を捻ろうと解決できる問題では無い、とオリヴィエはその問題の直視を避け、村の空気楽しみつつ腹を満たそう、と考えをシフトさせる。

 

 

(まぁ、いざとなれば野宿でもいいかー) 

 

 なんて考えていると左下から突き刺さる視線。ブランシェが呆れかえるようにこちらを眺めていた。

 

「うぅぅ、ごめんよぉブランシェ。私が不甲斐ないばっかりにー」

 

 白い頭をわしわしと撫でると、いつもの如く諦めたのか、ブランシェはそっぽを向いてしまった。私が何か失敗するのはいつもの事。それでもついて来てくれる彼には感謝しかない。もう一度、彼の頭を撫でると、白い相棒殿は鬱陶しそうに尻尾を振った。

 

「さて、相棒の了解も得られたことだし……」

 

 もうお腹も訴え始めている。やる事は一つだ。

 

「いっぱい食べるぞーー」

 

 私はそう宣言し、パン屋へと突撃する。まだ祭りまで2、3日あるが、パン屋は通常営業では無くお祭りムード。値段こそ固定だが色々なパンが店先に並んでいた。白パン、クルミパン、ジャムパン、その中でも特段目を引いたのは、ワイン色をしたパンだった。

 

 奇跡のパン、と名付けられたそのパンは、お祭り中の目玉商品だそうだ。爽やかなブドウの香りを放つそのパンは製造方法が秘匿されており、この村でもここだけにしか売っていないと言われる、限定の王様と言えるパンなのだ。そんな幻のパンを購入しに遠路はるばるここまでやってきた、と言っても過言では無いのだ! 

 なんて心の中でガッツポーズを決めつつも、商品に眼を輝かせていると店主らしき人物から声を掛けられる。

 

「お嬢ちゃん、随分と別嬪さんだが観光客かい?」

「えぇ、王都の方からやって来ました」

「王都!? はぁ、そりゃ随分と遠い所からご苦労様さんだ。まぁ、そんな遠くから来たんだゆっくりしていってくれ!」

「はい! ……ところで、ここらへんで宿とか知ってます?」

 

 会話しつつも宿を探ってみる。私達にとっては死活問題であり、早急に解決しなければならない一大事。ここはどんな細かい事でもヒントが欲しかった。

 そんな言葉におじさんは頭をガシガシと掻き、店の外を見遣る。外にはブランシェがお行儀良くおすわりしていた。

 

「アレ、お嬢ちゃんの連れだろう? となるとだ……牡鹿の宿にはいったかい?」

「はい、そこにはもう……」

 

 鹿のはく製が掛けられてた宿の事を思い返す。宿の支配人さんの申し訳無さそうな顔を思い出す。あの顔の前では私も引き下がる他ないくらいには人が良さそうだった。

 そんな答えを返すと、おじさんは難しそうな顔をして悩み始める。

 

「その犬同伴ではオススメ出来るのはそこくらいだな。力になれず申し訳ない」

「とんでもないです! そんなに真剣に悩んでくださり、ありがとうございます」

 

 見知らぬ私にきちんと対応してくれた事に感謝をしつつも、チラチラと商品に目を泳がせる。そんな視線に気づいたのか、おじさんはニカッと笑い、こちらに声を掛ける。

 

「まぁ、宿の事は助けになれねぇがパンの事なら別だ。うちのパンはどれも絶品。好きなのを買っていきな!」

「本当ですか!? でしたら奇跡のパンと、クルミパン、ミルクパン、それに食パンを一斤と……」

 

 私が欲しい物を伝え始めると、おじさんは目を丸くしつつ、こう言った。

 

「なぁ、他にも連れがいたりするのかい?」

「え? いませんよ? ブランシェだけです」

「じゃあこれ、全部食うってのかい?」

「えぇ、そうですよ?」

 

 おじさんが驚いた顔を浮かべているが、そんな反応に慣れている私。そんなスレンダーな身体でどこに詰め込めるんだ。なんて良く言われていた。

 5、6個頼んだところで、おじさんは我に返る。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれお嬢ちゃん。まだ祭りじゃねーんだ。そんなに頼んだら破産しちまうぞ?」

 

 白パンは銀貨にして1枚分。一般的な労働者は平均して一日の賃金は銀貨10枚前後。小麦が安定している地域でも安定していない地域でも、これは絶対的に定められている。銀貨一枚あれば一日はしのげる、なんて言われているくらいでそれ位、パンは生活に欠かせない存在であった。

 更に、今から買うのは菓子パンの分類に入るものばかり。日常品では無く、砂糖の供給が無い所では高級品にすらなりえるもの。おじさんが心配するのも仕方のない事だ。

 

 そんな心配そうなおじさんに笑顔で返す。親身にしてもらっていたし、祭りは楽しみだし、と私も浮かれており、つい、おじさん相手に格好つけたくなってしまったのだ。

 

「大丈夫ですよ。心配してくれてありがとう。おじさん」

 

 そう言いつつ、私は「金貨」を取り出し、テーブルの上にことんと置く。それを見たおじさんは更に目を丸くさせた。

 

「お、おい、お嬢ちゃん、これは……?」

「王都製ですので充分足りると思います。それともまだ足りないですか?」

「い、いやこれで充分だ。むしろ、おつりがくる」

「あぁ、お釣りは大丈夫です。親切にして頂いた御礼という事で」

 

 銀貨を取り出すおじさんを留めると、まだ驚きが抜けないおじさんは素直に頷き、金貨をしまう。それから怪訝そうな顔で私を見る。

 

「こんな大金をポンポン使うなんてお嬢ちゃん何者だい? というか、そんだけ金があるなら宿だって選びたい放題だろうに」

 

 そんな当然の疑問をおじさんは飛ばしてくる。祭りの雰囲気で浮かれていた私は、この時点ではっ、と我に返る。無駄遣いをしないように、今まで慎重に金銭のやり取りをしていたのはず。まさしく今回はマヌケとしか言いようがない事態に頭を抱えたくなりつつ、おじさんに返答する。

 

「た、大したものでは無い。……ですよ?」

 

 声が裏返った事を自覚しつつ、ちらりとおじさんに目線を投げる。すると、おじさんは、はぁ、ため息一つ吐きやれやれと頭を振る。

 

「まぁ、深くは追及しねぇけどよ、祭りには揉め事は付きものだ。お嬢ちゃん小柄なんだから巻き込まれんようにな?」

「大丈夫です、優秀な相棒がいますから!」

 

 その言葉とともにブランシェを見遣る。彼は身じろぎもせずに先程の姿勢を保ち続けていた。その視線に気づいたおじさんは苦笑いし、パンを紙袋へ詰めてくれる。

 そんな姿を見つつ待っているのは、まるで宝石を待っているお嬢様、だなんて馬鹿な事を考えていると、紙袋をポンと手渡される。

 

「はいよ、お待ちどうさん。一番上のパンは試作品だ。お嬢ちゃんが初のお客様って事になるな。滞在している気なら、感想でも言いにまた来てくれ」

「わぁ、何から何までありがとうございます!」

「代金は多すぎる位貰ってるんだ。これ位しないとな。それにおめぇさん位の娘が居るんだ」

 

 可愛いぜー、なんて娘自慢を聞きつつ店を後にする。煙突と小麦が描かれた看板をしっかりと目に焼きつけ、雑踏へと再び戻る。

 

 さて、時も経ち、日も一番高い時を超える。私は試作品と銘打たれた木の実ジャムパンを頬張りつつ、諦めずに宿泊先を探していた。爽やかな甘酸っぱさが口の中に広がり、気分を上げていく。何となく、何とかなりそうなんて思わせてくれるくらいには幸せの味。そんな幸福を噛みしめつつ雑踏をかき分ける。

 確かにお金で解決できる事は多くあるし、事実私もお金に頼っている。しかし、すべてをお金任せでは楽しくないし、何よりかっこ悪いのだ。なんて心の中で言い訳をしつつ、舗装された道を歩く。

 

 村なんていっても、ここは大穀倉地帯であり、ここはその中心地に近い場所。伝説になぞらえて村としているだけで、規模だけいうのであれば大きな街と然程、遜色が程には広い。

 だからこそ、まだ入れる宿があるのでは……? なんて探しているといつの間にか人通りの少ない裏路地に辿り着いていた。建物と建物に挟まれ、日が届かない薄暗い路地。お世辞にも綺麗な場所とは言えず、ブランシェも顔をしかめている。

 

「や、やめてください!」

 

 そんな裏路地の中で女性の声が響く。その音が聞こえるか聞こえないかの内にブランシェが一つ吠え走り出す。当然私も後へ続く。

 薄暗い路地を右へ左へと進んでいくと、おそらく村の女性であろう人が、三人の傭兵の様な人物たちに絡まれていた。

 

「だからよぉ、案内してくれるだけで良いんだって。君に悪い事なんてしないよぉ?」

 

 下卑た声を上げる一人。傭兵さん達は女性を取り囲み、徐々に詰め寄っていく。気丈にも伸ばされる手を振り払っていた女性だが、そろそろ限界が近い。獲物を狩る様な態度で傭兵三人は女性へと手を──

 ブランシェが威嚇の声を上げ、男たちが止まる。大型なブランシェの威嚇はまるで狼のソレ。男たちも反応しない訳にはいかなかった。

 

「なんだぁ?」

 

 三人の顔が一斉にこちらを向く。戦場でも良く見た髭面にでこぼこの顔。どちらが悪いかは聞いてみるまでは分らないなんて言われるが、この時点で判決は下ってもいい位には、分かりやすい状況であった。

 男たちは私を認めると、にやにやと笑い出す。

 

「お嬢ちゃん、こんな所におつかいかい?」

「犬連れて騎士ごっこだなんて随分と勇ましいなぁ」

「貧乳には興味ねぇ。あっち行ってな」

 

 口々に好き勝手言う三人。態度は最悪だし、侮辱もされた。……いや、まだ侮られるのはいい。もっと許せない、許してはいけない事がある。

 

 ちらりと自分の皮鎧を見る。……悲しい程に平坦だった。それから怒りがふつふつと沸いてくる。あれだけ毎日食べているのにっ、これだけ運動しているというのにっ、……そんな努力を奴らは踏みにじったのだ。

 

「……許さない」

「は?」

 

 ポツリと溢した言葉に傭兵の誰かが反応する。いや、もうそんな事すらどうでもいい。あるのは世の中の理不尽さと、巨乳に対する怒りだけだ。

 

 つかつかと歩み寄り、傭兵との距離を詰める。傭兵は私の態度に一瞬怯んだ後、はっと気づき威嚇する。

 

「おい、お嬢ちゃん、てめぇから先に──」

「巨乳は敵!!!!!」

 

 私はそんな態度なんてお構い無しと、思いの丈をありったけ拳に乗せ、振りぬいた。

 

 傭兵が宙を舞い、ゴミの山へと頭から突っ込む。それを見た残り二人は驚愕しつつも、流石に訓練されているようで、私は敵と認識し、一斉に飛び掛かって来る。

 

 一人目の傭兵の拳を躱し、二人目の傭兵に……いや、貧乳を馬鹿にした鬼畜野郎に、先程よりも強烈な一撃を顔面にめり込ませる。

 

「お前、だけはっ、ゆるっさない!!」

 

 メキャ、とおおよそ人が出してはいけない音を立て、ド鬼畜ド外道野郎が吹っ飛んでいく。そんな様子を眺める事無く振り返り、拳を振りかぶる傭兵に足を思い切り振り上げ、股ぐらに強烈な一撃をかます。要は金的だ。

 

「あ”っ!?」

 

 獣の様な声を上げ、その男は崩れ落ちる。フルプレート相手には出来ない、男相手限定必殺技。なんとなく汚れてしまった様な気分を感じながらも、怯えていた女性の手を引っ張る。

 

「行くよ!!」

「えっ!?」

 

 あのままでは再び起き上がって来るだろうし、不意打ちでも無ければ、ブランシェを入れても数的に圧倒的に不利。だからとっとと逃げる事に。

 薄暗い道を右へ左へ、ブランシェが並走し、女性も私に引きずられていく。女性は事態が飲み込めない様な態度で、声を上げる。

 

「あ、あのっ!?」

「後で!」

 

 今はそんな声に応えている余裕も無く、来た道を引き返す。ゴミを踏み分け、光の差す方へ走り抜けるはず。……だった。

 目の前には塀があり、その奥から光が差していた。おずおずと女性が声を上げる。

 

「そっちは、行き止まり……」

 

 その声を聞いた瞬間に顔が真っ赤に染まる。土地勘が無い場所で闇雲に走ればそうなる事は予見できただろうに。と頭を抱える。

 女性も、困っているように別の道を指し示した。

 

「出口は、あっちです……」

「……はい」

 

 ワン、とブランシェも呆れ顔。やれやれとばかりにこちらに視線を寄越す。私はそんな視線を意図的に見ないようにし、女性に案内をお願いした。

 幸い先程の傭兵さんもこちらを見つけられなかったらしく、無事に人通りのある所に出る事に成功する。

 

「あの……ありがとうございました!」

 

 女性が、ホッとしたように私に声を掛けて来る。おっとりとした、たれ目がちの瞳が微笑みを浮かべ、日向にあたる金髪が眩しい。ウェーブした金の髪達が街をすり抜ける風と共に揺れた。

 背は私よりも少し高く、……羨ましい事に胸もある。少しやせ気味な私とは対象的に全体的に柔らかい雰囲気漂う美人さん。それが彼女だった。

 

「いえいえ、どういたしまして。じゃあ気を付けてね!」

 

 とは言えじろじろ見るわけにもいかないし、宿を日が昇っている内に探さねばならない。とそそくさと去ろうとすると、女性が声を掛けて来る。

 

「あ、あの! 何かお礼を!」

「……お礼?」

 

 その言葉に私はピクリと反応する。宿無しな現在、少しでもヒントが欲しかったのだ。バッと振り返り、女性に近づき、問いかける。

 

「あの、ここら辺で空いている宿とか知ってますか?」

「宿……? うーん、どこも満室だった様な……?」

「そうですか……ありがとうございました……」

 

 それを聞き野宿の覚悟を決め、がっくりと肩を落とす。さようならフカフカのベットよ……こんにちは、ブランシェの暖かい身体。

 なんて思いながら踵を返す。そんな私に女性は声を掛ける。

 

「あの、どちらへ?」

「野宿の準備をしに……」

「野宿!?」

 

 女性は大層驚き、しばらく悩む所作をする。どうしたのだろうと眺めていると、彼女は良し、決めた! と呟いた。

 

「私、お父さんにあなたを泊められないか交渉してみます!」

「え? いやいや! それは流石に迷惑……ですよね?」

 

 突然の彼女の申し出に驚きつつも、流石に初対面の人間を泊めるのは迷惑だろうと申し出を辞退する。少し辞退する際に迷ったのは秘密。

 そんな私の態度なんて耳に入らなかったように女性は、首を振る。

 

「いえ、恩人をそのままにはしておけません! ましてやあなたの様なかわいい子が野宿なんて危なくて見てられません!」

「へ? いや、私は……?」

「問答無用!」

 

 と、今度は立場が逆転し、彼女が私を引っ張る形になる。意外と彼女は力が強く、握る力も強い、確かな職人の手だった。なんて考えている内にどんどんと引っ張られていく。

 振り払う事も出来たは出来た。けれど、振り払って逃げてしまったら今度こそ野宿確定になってしまう。という脅迫じみた現実が私の腕を引き留めていた。

 

 そして、辿りついたのは何故か見覚えのある看板前。煙突と小麦が描かれた看板は、先ほど入ったパン屋と寸分違わない。というか先程の店だった。

 少し待っててと言われ、外でそわそわする事、数十秒。先程の店主さんが彼女に引っ張られ外へ連れ出されてきた。店主さんは困った顔で彼女の話を聞いている態度を見せ、そしてこちらを向いた。

 私と店主さんの視線が交わる。店主さんは固まり、私も言葉が出てこない。何にも出てこない喉から。何とか絞り出した言葉はこれ。

 

「あ、あの……コンニチハ……?」

「お、おう。先程はどうも……?」

 

 

 私たちが困っている姿を見て、女性は首を傾げる。

 

「あれ? 二人とも知り合い?」

 

 

 

 とりあえず、宿は決まりそうな感じではあった。

 

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