第七話目です
今回はあの子がでます
~再びアクセルの街の周辺~
「「……………」」
クリスとゆんゆんは微妙な表情でこちらを見ている
仕方ないといえば仕方ない。
なぜなら俺が気絶させた二人をそのまま街の外まで引きづっていったからだ。
俺達は再び採取クエストの《薬草を求めて》を受けている。
本当なら能力訓練の為だけのクエストなんだが……
今回は仕方ないので、とりあえずどちらかが起きたら事情を聞こうと二人に相談したのだ。
「話はわかったけどさ……いくらなんでも気絶させなくても…」
「えっと…私もそう思います」
「あ~……やっぱりやりすぎたかな?」
でもああしないと多分まだ争っていたと思うけどな…
そんな時である、ちょうど男の方が先に目をさました。
「うぅ…何か後ろから衝撃がきたような…あれ? 何で俺は街の外にいるんだ?」
男は首を傾げている。
「ああっと…その事なんだけど事情を話すよ」
「へっ? あんた達は?」
俺は男に先ほどまでの事情を話した。
受け付け前でかなり騒いでいたこと、後ろの方で他の冒険者達の迷惑になっていてこと。
そして収拾がつかないのて仕方なく首元に当て身をして気絶をさせた事を説明した
すると男は慌ててこちらに頭を下げてきた
「そ、そんなになっていたのか!? すまないな迷惑をかけちまって」
「いいよ、もう過ぎた事なんだしさ…それよりもいいかい?」
「君に聞きたい事があるんだけど…二人だけで」
「へっ? あぁ別にいいけど…」
男は頷いたので、俺はクリス達にまだ気絶してる女の子をみてもらいながら少し離れた。
もちろん聞きたい事は一つ
「君も転生者だろ? 俺もなんだけど、エリス様から聞かれた女神を特典にした凄い奴って君だろ?」
「あぁ~…凄いかはともかく女神を特典にしたのは俺だよ」
「俺はカズマ、佐藤和真っていうんだ。 そっちは?」
「俺はアキラ、進藤明っていうんだ」
「よろしくな、ちなみに貰った特典は《マインクラフトの能力》だよ(本人は此だけと思っている)」
「へっ? マインクラフトって…あのマインクラフトか?」
「物作りゲーの?」
「ああ、そうだよ。 まだ使いなれてはいないけどね」
「…………………」
「あれ? どしたの?」
「………くそったれがぁぁぁ!!」
「うぉっ!?」
突然カズマが叫んだので俺は驚いた。
すると頭をかきむしりながらさらに叫んだ
「そうだよ! 特典ってゲームの能力も選択出来たんだよ!!」
「なのに何で俺はあんな駄目女神を選んじゃったかなぁ!?」
「えっ…だ、駄目女神?」
カズマが叫んだ内容に疑問がでた
「何で駄目なんだろう? 女神ってエリス様みたいな凄い感じなんじゃないのか?」
「なぁ、カズマ。 どうして駄目なんだ? 神様なんだろう?」
「凄い特典内容だと思うんだけど……」
するとカズマはこちらを凄い形相で説明した
「あぁ? あれが凄い? 全然使えねぇよ!!」
「むしろ余計な事しか起こさないわ!?」
「余計な事って? たとえば?」
俺は首を傾げながら質問した。
「たとえばな……二日前なんだけど……」
カズマは暗い表情をしながら説明しだした
話をまとめてみるとこうだ。
つい最近まで街の外壁の拡張工事をやっていたらしい
冒険者に登録したのにやっているのは土木工事。
冒険とはほど遠いというか…全然冒険してない事に気づいたのだ
それで二日前に試しに討伐クエストをやってみようという話になったのだ。
…だが受けたのはよりにもよって《ジャイアントトードの討伐》
誰も受けてないので雑魚のクエストなんだろうと調子にのったら、まず最初に女の子、女神アクアという名前なのだがまっさきに喰われてしまったらしい
おかけで何とか2体討伐して2体分の報酬を貰ったのだが
受け付けの前で、アクアが「このクエストを受けなおしましょうよ」 とよほどカエルに喰われたのがこたえたのか《一撃熊の討伐》を持ってきたらしいのだ
そこまで聞いてやはり納得がいかなかった
どういう風に役にたたないのか分からない
そういう事を質問したら、カズマはため息を吐きながら説明してくれた
まず彼女、女神アクアはアクシズ教の神様なのだが、このアクシズ教というのが酷いものらしい
まず、なにがなんでも入信させようと姑息な手を使いなから入信してない人を捕まえる
神は全てを許すだろうと信者からお金を巻き上げるのは日常茶飯事
ある意味頭がおかしい人がほとんどなので関わってはいけない教徒なのだ
そしてそのアクシズ教の元凶が彼女なので、彼女自身も頭がおかしいとはいかないが、それなりに酷いみたいなのだ
まず、神様のはずなのにどうみてもその辺にいる女の子にしかみえない
その次に職業は《アークプリースト》なのはいいのだが、何故か他のスキルで宴会芸をカンストしている
そして、何よりクエストの他でもトラブルを起こしまくるらしいのだ
「………え~と…どんまい」
「……おう……」
とりあえず俺はカズマを励ます
ちょうどそんな時に彼女も目を覚ましたみたいだ
何やら遠くで騒いでいる
すると、彼女は凄い速さでこちらに走ってきた
「……何かあの子こっちに走ってきてるんだけど」
「……とりあえずアキラ、構えておけ。 多分あのバカは…」
カズマにそう言われたのでとりあえず防御の構えというか、いつも通りに瞬間移動の準備をする
すると彼女は勢いよく飛び上がって、蹴りの体制でこちらに襲いかかってきた!
「こんのぉぉぉ!! 女神であるアタシを気絶させたのはあなたね!」
「喰らいなさぁい! ゴォッド! キィィック!!」
「ゴッドキックとは女神の憎しみと屈辱を込めた蹴り! 相手は死ぬ!」
「…カズマ、ちょっと手を掴むな」
「えっ? ああ」
何か技名をいいながらくるので、俺はカズマの腕をとって能力を発動する
シュパッ
「ほぇ? ふぎゃあぁ!!」
ズガァン!!
当然、瞬間移動したので彼女は自滅した。
「……おおっ? 凄いなこれ、《エンダーマン》のテレポートだろ?」
「ああ、何か知らないけどモンスターの能力も使えるみたいなんだ」
プスプスと地面に埋まっている彼女のちょっと遠くで俺達は話している。
そうか、彼女はこんな感じなのか…
俺は改めて女神にも違いがあるんだなと思った。
《クエストクリア》
報酬 五百エリス入手
~冒険者ギルド食堂~
俺達はカズマ達二人と一緒に昼御飯を食べている。
仕方ないとはいえ気絶させたので御飯を奢る事にしたのだ。
カズマは事情が事情なので控えめに食べているが、アクアは普通にシャワシャワというお酒と昼御飯をおかわりして食べまくっている。
……本当に女神なのか? この子
「とりあえず、カズマ達はどうする?」
「俺達は3人でパーティーを組んでいるんだけど、よかったら一緒に組むか?」
「まぁその時はクリス達に相談するけど…」
クリスとゆんゆんは俺の言葉に頷いている
「うん、そうだよカズマ、よかったら一緒にやらない?」
「えっと…私も賛成です!」
カズマは驚いて応えた
「マジで? それなら御言葉に甘えたいんだけど…」
するとカズマの隣で食べているアクアが言ってきた
「ングング…えぇぇ、カズマこの人達と組むの?」
「女神のアタシを気絶させたのよ?」
どうやらアクアは反対のようだ
「お前なぁ、仮にも俺達が騒いでいたのが悪いんだろ?」
「しかもお前もう少し控えめに食べろよ、どんだけ食べてるんだよ」
カズマはため息を吐きながら言っているが、アクアはまったく気にしていないのか食べるのをやめない
「嫌よせっかく頼んだ御飯を残すなんて、それにパーティー募集なら間に合っているわよ?」
「何故ならアタシが事前にクエストボードに貼っておいたからね!」
アクアは胸をはって言う
「はぁ? 募集だぁ?」
カズマは呆れている
そう、クエストボードには依頼の他にパーティー募集を貼る事ができるのだ
募集内容によっては、うまくいけばすぐに組む事も可能なのだ
だが、大体は簡単には組む事はできないが…
「お前、いつの間に貼ったんだ?」
「えっ? 討伐クエスト受ける前よ」
「二日前のか? そのわりには全然こっちに来ないぞ?」
「どんな内容にして貼ったんだ?」
するとアクアはどや顔で紙を懐から出して見せてきた
「フッフーン! どうよ、アタシが全部考えて書いたのよ!」
「これならすぐに来るはずよ!」
俺達とカズマは紙に書かれた内容を見てみる
どれどれ……
『私達と一緒に冒険をしませんか? 今なら組んでくれた人には幸運が舞い降りるでしょう』
『私達と一緒に組んだおかけでうまくいっている人達も多くおります』
『ただし、上級職の方のみ募集です』
……………ナニコレ
「…なぁアクア、うまくいっている人達ってどこのどいつだ?」
「……前に食堂で一緒に飲んだ人達」
「…それって親方達の事を言っているのか?」
「……はいそうです」
「「……………」」
「…とりあえず、募集書き直すか?」
「何かあれだし……」
「……そうしよう」
俺とカズマは互いに頷き合い、募集内容を書き直す事にした。
御飯を食べた後に、ルナさんに聞きながら改めて募集をやりなおした。
数時間後……
「……来ないわね」
「……あぁそうだな…」
カズマとアクアはテーブルに突っ伏している
まぁ数時間前になおしたばかりなので仕方ないっちゃあ仕方ないか…
ちなみにクリスとゆんゆんは御飯を食べた後に街の散策をしにギルドから出ていた
「…まぁ最悪しばらくは俺達と組んでクエストを受ければいいさ」
「だから元気だしなって」
「おぉ…ありがとなアキラ、ほらアクアも」
「うぅ…ありがとう…」
ちょうどそんな時である。
俺がカズマ達を励ましている時に後ろから声をかけられた。
「すみません、パーティー冒険者募集を見てきたのですがここで良いでしょうか?」
「おっ? あぁそうだよ、募集を見て来てくれた子だね」
俺は振り返って来た子を見てみる
どことなく気怠げな、眠そうな赤い瞳、そして黒くしっとりとしたように見える質感の、肩口まで届くか届かないかの長さの髪。
声をかけてきたその子の格好は、黒マントに黒いローブ、黒いブーツに杖を持ちそしてトンガリ帽子まで被っていた、典型的な魔法使いの少女であった。
見た目は13~14位に見えるな…
するとその子はマントをバサッと翻し、自己紹介をした
「我が名はめぐみん! 《アークウィザード》を生業とし最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者……!」
「……冷やかしか?」
「ち、ちがわい!」
女の子の自己紹介にカズマはおもわず突っ込んだが、その子は慌てて否定した。
アクアはその子の見た目を見て尋ねた
「…その赤い瞳、もしかしてあなたも紅魔族なの?」
アクアの問いにその子は首を傾げながら頷き、自分の冒険者カードを俺に手渡した。
「私以外にもこの街にいるみたいですね…」
「先程も言いましたが我は紅魔族随一の魔法の使い手、めぐみん!」
「我が必殺の魔法は山をも崩し、岩をも砕く!」
「……というわけで、優秀な魔法使いはいりませんか?」
「そして図々しいお願いなのですが、もう三日位何も食べていないのです」
「できれば、面接の前に何か食べさせては頂けませんか?」
めぐみんはそう言って悲しげな瞳でじっと見てくる。
それと同時に、めぐみんの腹の辺りからキューと切ない音が鳴る。
「……とりあえず面接の前に何か食べさせてやろうか?」
「……あぁ、そうするとしよう」
と、俺とカズマは互いに頷いた。
……此が、カズマ達の三人目のパーティー加入の瞬間であった……
第七話目でした
ちょっと、調整中に何を血迷ったのか間違えて消去してしまったので慌てて保存していた文章を出して書きました。
変な所があったら感想でお願いします