-5分前-
「こちらファーティマ連合王国空軍。警告する。貴機はファーティマ連合の領空を侵犯している。速やかに退去しなければ撃墜する。」
ファーティマ空軍の戦闘機パイロットは正体不明の『B・W・T(Bipedal Walking Tank)』に警告する。
正体不明のBWTは飛行を続ける。警告から5秒ほどだった。突如、正体不明のBWTが跡形もなく消え去った。
「か、管制塔!こちら02!BWTがレーダーからも視界からも消
言葉は途中で途切れ、機体が真っ二つになった。パイロットもろとも真っ二つである。02のシグナルがロストした。
「こちら01!02が
こちらも言葉は途中で途切れ、コックピットが無残に鉄くずになる。パイロットは肉片である。01のシグナルもロストした。
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2機が撃墜されたことでファーティマ空軍バクー基地は迎撃のため、戦闘機の発進準備にかかっていた。空軍所属のグライダー付BWTも1個大隊が発進準備満タンである。
「管制塔より各機へ!高熱源体が基地内に侵入!至急迎撃されたし!」
ファーティマ空軍大尉『ハサン・ジューコフ』は空軍所属のBWTパイロットである。このとき彼は最前線に投入される『特殊BWT空挺大隊』に所属し、バクー基地に配備されていた。どのパイロットも精鋭で、BWTはファーティマ連合が誇る新型『FT-64 マナート』。連戦連勝だった部隊には敵なしだと思っていた。この日までは。
「ハサン。君の中隊は待機していろ。ここには大量のデリウムが備蓄されている。万が一の防衛は任せる。」
歴戦の戦士である大隊長の指示でもハサンは不安であった。なにしろ、敵はたった1機なのだ。なにか秘策があるのではとハサンの感覚が告げていた。それと先ほどからレーダーと無線が使えない。おそらく強力な電子攻撃が仕掛けられている。
「大隊長。敵にはなにか秘策があるのでは?」
「こちらは1個大隊もいるのだ。心配するな。」
ハサンの不安はぬぐえなかった。いやな感覚がする。
「それに、1個中隊をここに置いていくのは、敵の狙いはデリウムではないかと思うからだ。」
「なるほど...合理的ですね...」
ハサンは大隊長を信じ、不安をぬぐった。敵はデリウムの破壊、奪取が目的なのだと言い聞かせた。
「大隊!目標座標に向かうぞ!」
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「なにもなければいいが...」
予感は見事に的中した。隊員がハサンに報告を上げる。
「中隊長!中隊長殿!先行した大隊長の部隊が全滅!」
「なんだと?!本当に全滅なのか?!」
その時、報告を上げていた隊員の機体が斜めに両断された。
「くそ!どこからだ!」
「迎撃急げ!」
ハサンの声には誰も反応しなかった。レーダーが回復し、モニターに状況が映る。自機以外オールロストだった。
瞬間、背後からの強襲。近接戦闘用の『ヒートソード』で敵BWTの近接武器を受け止める。はずだった。
ハサンの機体の右腕が切断。ヒートソードとそれを握った右腕が宙を舞って地面に落下する。
次の手、左腕でマシンガンを敵機に向けて撃つ。はずだった。
機体の左腕とマシンガンが宙を舞い、重力の法則に従って落下する。
ヤバイ
ヤバイヤバイヤバイヤバイ
ハサンの頭の中はそれだけで埋まる。確実に迫る死。確実に次は『コクピット』なのだ。
「あ...」
コクピットを突き破った鉄が、自分の右腕を切断している。
意識はここで途切れた。
設定はまた後日投稿します