第4次聖杯戦争【その日、俺はFateに出会った】
その夜、間桐家の地下にある蟲蔵にて間桐 雁夜は英霊を、その中でも【
「素にっ、銀と鉄っ
はぁ……礎に、石と契約の大公
降り立つ……はぁ、風には壁をっ
四方の門は閉じっ、王冠より出でっ、はぁ……王国に至る三叉路は循環せよ⁉︎」
呪文の詠唱、その一句一節を唱える度に俺は血反吐を吐いた。
「
現当主である兄弟、兄には無かった生まれつきの魔術に関する素養は自分にあっても、この間桐の呪われた血に纏わる闇に深く食い込んでいる元凶ともいっていい魔術の存在を嫌い、その研鑽をまったくと言っていいほど積んでいない自分はその肉体に寄生させた多くの
「繰り返すっ……ぐっ……つどに五度っ……がぁっ
ただ!……満たされる刻を、破却する‼︎」
だが、だがそれでもやらねばならない。否、
「────告げるっ、
それが逃げてしまった自分が出来る唯一の償いで……馬鹿みたいな自己満足だとしても。
「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならばぁっ、応えよっ……ガァッ! 」
桜ちゃんに救いを、そして幸せを‼︎
嗚呼……、何が何でも救いたい少女がいる。たった1人、されど俺は、あの子をこの地獄から救いたいのだ。例えこの身が蟲に喰われ、魂が汚されようともその覚悟だけは失わない。失ってなるものか!
そして、その時俺は見た。黄昏と夜明けの狭間の世界に佇む影の男の、その姿を。
「
そして蟲の蠢く音かその羽音しか聞こえないはずのその場所にもう1つの声が響く。高みの見物を決め込み自分の事をただの暇潰し程度にしか思っていないが俺よりか遥かに警戒心が強くそして高度な魔術を扱えるはずのクソッタレの外道糞爺すら気付いていない、そんな声が静かに、だが確かに俺の呪文をなぞるようにして蟲蔵で響く。だがそんな事に気付く余裕などその時の俺には無かった。
「されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし‼︎
汝、狂乱の檻に囚われし者っ
我はその鎖を手繰る者っ──⁉︎」
蟲に喰らわれる痛みから涙を零し、血反吐を吐いてその文言を紡ぐ。それは
そして、その詠唱も最後の一節を残すばかりとなる。
「
蟲蔵の、その地に描かれた魔法陣が閃光とも言える強烈な光を発し放出された魔力が爆風となり捲き上る。
「せっ、成功した……のか」
黄金の光と風が収束し、今ひとつのカタチを成す。そしてその光が収まった後、その場に立っていたのは少し長めの夜色の外套に身を包んだ1人の男だった。外套のフードの下に元は綺麗な黒色だったであろう毛先が色褪せ、白髪化した髪が揺れその奥にある今開かれた夜色の瞳が間桐雁夜の姿を写す。
「サーヴァント【
【
……この日、俺は
そして俺の、アイツとの桜ちゃんを救う為の世界からすれば吹けば飛ぶようなちっぽけな、でも俺からすれば何よりも誰よりも大切なモノを守り救い出す為の戦いは幕を開けた。
さあ、