オリ主と衛宮士郎との友情ルート   作:コガイ

11 / 61
魔術

 両手を魔法陣にかざすジアナ。その魔法陣は結界の基点でジアナはそれを解除まではいかないものの、魔力を取り除いている。

 

「どうだ、ジアナ?いけそうか。」

「……はい、今終わりました。」

「よし、ならそれで終わりだからあいつらの所に行こうぜ。」

「ええ。」

 

 俺達は現在、夜の学校にいる。怪談云々は前にもやったのでパス。何をしているかというとここにある結界を調査アンド魔力撤去をしている。その結界とやらが神代のものらしく壊すのは不可能らしい。そこでその魔法陣に溜まっている魔力を洗い流してしまえば良いとの事。そして、今、それを終えた所だ。

 

「おーい、衛宮ー、遠坂ー。」

「あら創太にジアナ。貴方達も終わったのかしら?」

「ああ、まあな。そっちも終わったみたいだな。」

「一通りはな。とりあえず、一旦帰ろうか。」

「そうね。」

「そうだな。」

 

 さて、皆さんは違和感に気づいたでしょうか。そう、遠坂の事です。今日の昼に俺が衛宮に説明を一通り終えて、俺とジアナが帰った後、衛宮はセイバーと少し話し合い、遠坂と同盟を組むと決めたらしい。そしてすぐに電話をかけて、それを伝えた10分後に来たのだそうだ。行動がお二人共お速いこと。

 俺とジアナが衛宮家に着いたときは驚いた。まさか、遠坂がいるとは思わないし、衛宮がすぐ決断したのは良いとしてそれを聞いて10分で来るとかお前ちょっと準備してただろ。

 

 それからというものの早速作戦会議を始めて俺達がやる事を決める事になった。そして、実行されたのが学校にある結界の調査で今に至る訳である。

 

 あと、それ以降遠坂が俺達の事を名前で呼んできた。少し違和感はあったもののすぐに慣れたが、やっぱり、普段はネコ被ってたんだな。

 

「しかし、衛宮が意外な所で役に立つとはな。」

「むっ、意外ってなんだよ。」

「意外でしかないでしょ。その結界基点発見機能。」

「遠坂までそんな事言うなよ。」

「事実を言ったまでよ。」

 

 

 衛宮の結界基点発見能力というのは最初にここへ来た時に衛宮がその名の通りの能力を発揮したモノだ。実際、ここに張られてある結界は存在自体は魔術師であれば誰でも感知できるものだが、その基点の魔法陣自体を見つけるのは困難だ。それは遠坂でも同じで学校中を探して見つけたのが屋上にある一個だけだ。

 しかし、衛宮はそれをいとも簡単に見つけるという大挙を成し遂げた。それを見た遠坂は少し悔しそうな顔をしていたような。

 ちなみに俺とジアナもできると言ったら更に悔しそうにしてた。

 

 

 

 

 

 

「やっと帰れた〜。」

 

 寝床への到着と共に脱力する俺氏。帰れる家があるのは安心するね。人(衛宮)ん家だけどな!!

 

「さて、明日の予定を確認するわよ。」

 

 居間に移動して遠坂を中心に少し会議をする。

 

「明日は各自普通通りの生活をしなさいよ。昼休みに屋上へ集合する事も忘れずに。それじゃあ解散。」

 

 時刻は三時過ぎ。普通の人なら夜ふかしし過ぎなのだがそうは言ってられない。むしろ、深夜が決戦とか夜明けになるまで戦うとかこれから普通にあるのだ。多分。

 

「さて、寝床はっと。」

 

 寝床で思い出したが衛宮とセイバーがその事で揉めていたな。セイバーはマスターである衛宮を護るために同じ部屋で寝ると言っているが、衛宮にしてみりゃそれは精神的殺人行為だ。なんとか妥協して隣に移動してもらったみたいだが、そうなってしまえば衛宮が危険だ。まあ、普段寝られなくて、咄嗟の時に判断能力が鈍るのも危険だがな。どっちもどっちだ。

 

「それでは、おやすみなさいソウタ。」

「おう、また明日。」

 

 俺?俺はジアナと隣同士で寝てるぜ?別に恥ずかしくはねえよ。ジアナは俺の姉みたいなものだし興奮もしない。ただし姉であって母ではない!断固としてそれは無い!!

 

 

 

 

 トイレ行きてぇ。

 なんか急にそんな事思った。寝ようとしてからは時間は経ってはいない筈で、ジアナも起きてはいるだろう。だからと言って子供みたいにジアナを起こして連れてってもらうとかはしない。そんな事したら一生の恥だ。それだけで死ねる。年齢的にはまだ子供だけど。

 

「トイレどこだっけ?ここ無駄に広いからなあ。」

 

 こっそり部屋から出てトイレを探している俺だが中々見つからない。前にも遊びに来て場所は案内してもらった筈なんだかな。全く、切嗣さん(あの人)は何の為にこんなでっかい屋敷買ったんだよ。

 

 

 

 

 

 

「ふう、やっと見つけた。」

 

 トイレを探して三千里。うん、こんなタイトルじゃ視聴率零%だな。それは置いといて、俺はやっとの思いでトイレにつき花摘みができるようになった。判った事は縁側を通ればトイレに着くという事だ。まあ、それも置いといて、本題はその帰りだ。

 行きは気づかなかったが土蔵の中に誰かがいる。その誰かは予想はつくが何をしているのかは分からない。興味に突き動かされた俺はその中へと入っていく。そこで見たのは……

 

「っ……!」

 

 自殺をしようとしている衛宮だった。

 

 いや、言い方に語弊があるなこれは。正しくは自殺紛いの魔術練習をしている衛宮だ。練習紛いの自殺の方が正しいか?待て待てそんなのはどうでもいい。大事なのはこの状況をどうするかだ。下手に止めようと刺激すればかえって危険が増す。だからと言って見過ごすのは……

 

「士郎君!今すぐ止めてください!」

「っ!」

 

 考え込んでいたらジアナかいつの間にか後ろにいて、叫んでいた。

 

「あがっ!ぐっ!」

 

 拙い。衛宮が苦しんでいる。刺激してはいけないと思っていた次にこれだ。

 

「衛宮!大丈夫か!?」

「士郎君、手を!」

 

 俺とジアナが駆け寄り、ジアナは衛宮の手を取る。

 

「少し我慢してください。」

 

 そう言うとジアナと衛宮の手からぼんやりとした光が出て、やがて衛宮の体全体がそうなる。

 

「うっ……!」

 

 待つこと数分。その光は消えて衛宮からは苦しみがいつの間にか無くなっていた。その代わりに少し汗をかいている。

 

「ふう、なんとかなりましたね。」

 

 ああ、なんとかしたな。自分の撒いた種を。

 

「シロウ君、大丈夫ですか?」

「ええ、なんとか。」

「おいジアナ。」

「はい、なんですか?」

 

 やべえ、こいつ自覚がねぇよ。

 

「お前今自分が何したのか解ってんのか?」

「えっ?はあ。」

「あのな、さっきのは刺激を与えちゃいけないんだろうが。それをなんで大声をあげるんだよ。」

「……あっ。」

 

 あっじゃねえよ。

 

「い、いえいえ、さささ、さっきのはあえて刺激を与えて素早く止めてもらい、魔術回路が暴走すれば私がコントロールするという算段だったんですよ。」

「それ、古崖家の魔術が無かったらどうするんだ?」

「えっ、そっそれは・・・」

 

 まったく、いい加減この天然を止めてほしい。()を操るという特有の魔術が無けりゃ今頃衛宮は危なかったっていうのに。

 

「ああいう時は刺激を与えずにそっとやるもんだぞ。」

「はい……解りました……。」

 

これでは、どちらが師匠兼保護者なのか分からなくなる。

 

「まあまあ、2人とも喧嘩はそこまでにして、なんでここにいるのかを説明してもらえないか?」

 

 喧嘩じゃなくて説教だ。そう言いたいが抑えておこう。

 

「そりゃお前がここにいたから、何やってんだろうなと思って。」

「私もソウタと同意見です。」

 

 ジアナもだったか。

 

「それで俺のやってた事を止めようとしてたけど。何をしていたか判って止めようとしてたのか?」

「ええ、判った上でです。貴方が自殺紛いの事をしていると判って。」

「なっ……」

 

 最初は魔術の練習を邪魔した事に叱ろうとしていた衛宮だが、立場を逆転されてしまった。

 

「どういう事ですか、ジアナさん。」

「言葉通りです。」

「……。」

 

 衛宮はジアナの答えにいまいち納得がいっていないようだ。

 

「シロウ君、貴方のソレは普通の魔術師の鍛錬とは程遠いものです。今のままではその身を傷つけるだけで成果は何も得られません。」

「そんな訳が……!」

 

 衛宮にとって魔術は切嗣さんから教えてもらった数少ないモノ。その鍛錬方法を否定されるのは切嗣さんを否定されるのとほぼ同義なのだろう。

 

「落ち着いてよく聴いてください。キリツグは元々、貴方を魔術師にするつもりはありませんでした。しかし、貴方はどうしても魔術を習いたいと言い、彼は仕方なく間違った方法を貴方に教えました。こちらの世界に関わらせないために。」

 

 この話を聞けばあの人もあの人なりに自分の息子の事を考えていたんだなと改めて思わせられるモノだ。そうなると切嗣さんとジアナには少し似通ったところがあるのかもな。

 

「そんな事が……」

 

 衛宮からしてみれば驚愕の連続……これ前も同じようなこと言ったな。

 

「うん?」

 

 土蔵を見渡してみると俺はあるモノを見つけた。

 

「なあ、衛宮。これって……。」

「それはただの失敗作だ。」

「失敗……作……?」

 

 俺は妙な違和感を覚えた。

 

「小さい頃にやった投影魔術で作ったんだけど、中身が無いガラクタになっちまったんだよ。」

 

 中身が無いというのは確かだ。失敗作であるという事も。しかし、これにはそんな些細な事はどうでもいいと思ってしまえる、ある性質(モノ)があった。

 

「貴方は本当にアレを創り出したのですか?」

「はい、そうですけど。」

 

 ならば衛宮は異常ということになる。下手をすれば封印指定になりかねない程の。

 

「士郎君、投影魔術というのは普通、制作されてから時間が経つと消えてしまうものです。」

「えっ?でも、あれは消えてませんよ?」

「普通は、です。貴方の魔術は例外なのでしょう。理屈は判りませんが現にそうなっています。そして、それは他人には極力見せてはいけません。良いですか?」

「わ、解りました。」

 

 少しジアナに気圧されている衛宮。真剣になるジアナの気持ちも解る。これが外へと漏れれば衛宮はその身を追われる事となる。少なくともあの神父さんには教えてはならないと本能が叫んだ。

 

「色々と教えたい事はありますが、今日のところは一旦寝ましょう。明日に影響するのは良くありません。」

「それもそうだな。衛宮もそれでいいだろ?」

「でも、それだと今日の鍛錬が・・・」

「い・い・か・ら、寝・ま・し・ょ・う」

「……はい。」

 

 完全に負けたな衛宮。

 

「後それからもう一つ、あなたの属性、起源は共に『剣』です。」

「何故それが判るんですか?」

「それも明日話しますよ。では先におやすみなさい。」

 

 そう言ってジアナは土蔵を出て行った。

 

「なんか釈然としないなあ。」

 

 そう言う衛宮の気持ちは解るが夜遅くまで起きているのは良くない。けれども俺は

 

「衛宮、先に行っててくれ。俺はちょっと調べたい事があるから。」

 

 考えと行動が一致しないのである。

 

「調べたい事って?」

「お前の投影品だよ。少ししたらちゃんと寝るしさ。」

「解った。じゃあ先に寝てるからな。おやすみ。」

「おう、おやすみ。」




どうも作者です。
前回の後書きでモチベーションが下がったとか言ってた次の日に投稿しちゃいました。説明パートが重なりめんどくさかった。今回もある意味説明パートなんですがね。

ちょっとした報告があります。第3話「情報整理」の文書が長くあまりにも読みにくいなと思い、第3話「乱入者」、第4話「情報整理」という風に分割しました。内容は変わりませんが話数で少し混乱するかもしれません。ご注意ください。

失踪するかもとか言っておいてなんだかんだ10話分をいつの間にか投稿していました。あの文章をそろそろ消してもいいかなと思いますが保険として一応残しておきます。(セコい)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。