オリ主と衛宮士郎との友情ルート   作:コガイ

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戦闘準備

「士郎、セイバーを抱きなさい。」

「アホか‼︎」

 

 以上が対バーサーカー・作戦会議の内容を簡潔に纏めたものだ。

 嘘です。

 ちゃんと説明をすると、まず遠坂に古崖家の魔術の説明をした後、バーサーカーの能力について話した。十二の命を持ち、同じ攻撃は二度目以降が通用せず、一定以上の攻撃力でないと効き目がないと言うことも。

 そこからはどうやってこの状況を乗り切るかを考えていた。このまま相手が来るのを待ち迎撃するか、それとも街へ逃げるか。

 前者ならば、バーサーカーを倒すという事と同意義だ。あれを十二回……いや、三回ほど削ったから九回……けど、回復している可能性もあるし……とにかく、最少九回、最多で十二回倒さなければならない。

 後者の場合は、セイバーと衛宮の体力が持たない。回復させるというのもあるが、それはそれで誰かが労力を使うことになるので、プラスマイナスゼロだ。遠坂が持つ宝石ならば魔力を使わなくてて済むが、あいつが渡してくれるかどうかが怪しい。

 となると、前者の方がまだ可能性がまだあるという事で、セイバーを起点にバーサーカーを倒すという作戦にした。アーチャーでも良かったが、俺がバーサーカーを倒せる程の威力がある攻撃を他にあるのかと訊いたら『生憎、もうそんな手は使い果たした。火力が高いものはあれで全部だ。』と返してきた。なんか隠してる気がしてならないが、どうせそれ以上訊いても何も答えないと思う。理由とかはない。ただの直感だ。

 セイバーを起点にと言ったが、勿論このまま朝を迎えて決戦へとは行かない。そうすれば、本来の力を出せずに、ヤラレチャッタになるかもしれない。いや、なる。

 そこで、繋がっているのかいないのかよく分からん衛宮とセイバーのパスを強化する事にした。

 遠坂に俺とジアナがよくやっているような儀式も準備も要らない魔力譲歩をセイバーにしたらどうだと言われたが、生憎あれは俺たちだからこそできる事だ。他人に魔力を渡すという事はその人に合った魔力へと変えなければならない。

 その点、魔力属性が力である俺とジアナは、ほんの少し調整が必要なものの、変換魔術を習得していることもあり、スムーズに魔力の譲歩ができる。

 あと、パスを強化する方法についてだが、遠坂もその提案をしたが、手法は肌を直接触れ合わせるというような拡大解釈をすれば冒頭で言ったようなことにもなるので、その案は却下させてもらった。こんな状況下で誰がそんな行為に走るんだよ。

 他にも作戦とかもあるが今は敢えて、その辺の話は控えさせておこう。

 

「二人とも準備はいいか?」

 

 俺の顔は真剣な表情へ変わり、声も重みが増す。その質問に二人は同時に頷く。

 ここにいるのは、俺とジアナ、衛宮、セイバーの四人。遠坂とアーチャーは外で見張りだ。今から行う事はあまり人に見せたくない物だからな。あの二人には出ていってもらった。

 

「よし、それじゃあやる事をもう一度確認するぞ。

 衛宮とセイバーのパスを強化するために、俺とジアナがそれぞれの魔力を操作する。二人は出来るだけ抵抗をせずにリラックスしてくれ。」

 

 二人は同時に頷く。

 何故直接パスを強化しないで二人の魔力を操作するのか、と言われれば答えは簡単で、できないからだ。パス自体は視えるのだが、外から加工しようとしてもできない。そもそも、パスは外部からの干渉はされにくい作りになっている。その為、衛宮とセイバーのそれぞれを通して強化を行われなければならない。

 あと俺はさっき、魔力を操作すると言った。俺とジアナの魔力で強化するのではなく、わざわざ言わない衛宮とセイバーの魔力を使う理由は、俺たちの魔力では消耗されてしまうからだ。衛宮達に魔力を合わせたとしても、結局それは他人の物。徐々に拒絶反応を起こして、元に戻ってしまう。

 分かりにくいのであれば人間の血液をイメージすれば理解しやすいだろう。白血球が異物を感知し、追い出してしまう。例として挙げるならばそんな感じだろう。

 

「それでは、始めましょう。二人はまず手を繋いでください。」

 

 その言葉に衛宮が一瞬反応する。何か嫌な事でもあったのか。

 手を繋ぐという動作をする事は、今初めて言った。しかし、それだけの行為に一体何を思っているのだろうか。

 

「はい、分かりました。シロウ。」

 

 セイバーは返事をして、衛宮に手を差し出す。差し出された本人は何か納得していない様子で、それに答えるかどうかを悩んでいた。

 

「……?どうかしましたか、シロウ。早く手を。」

「あ……ああ。」

 

 なんだか動揺しているようだ。照れているようにも見える。……まさかとは思うが、女の子と手を繋ぐのが恥ずかしいとか、そういうもんじゃねえだろうな?

 

「おい、衛宮。さっさと手を繋げ。そんな事でモタモタしてたら、あいつらが来ちまうぞ。」

 

 だからと言っていつまでも待ってやるわけにはいかない。衛宮には悪いが急かさせてもらう。

 だが、肝心の本人は

 

「あ、ああ……。」

 

 と言いつつ、手は行き場を失ったように、弱々しく空虚を仰ぐ。

 今ここで初心を出しても意味ねえんだよ‼︎さっさとやれ‼︎という言葉は口に出さないが、時間は有限なので早くしてほしい。

 

「すぅーー、はぁーー。」

 

 衛宮が、一つ大きな深呼吸をしてから、手をゆっくりと前に出す。

 そのぐらいしなきゃいけないことか?女性経験どころか、接点が間桐妹かジアナしかいないとは言え、そんなに恥ずかしがる事はないだろう。虎は知らん。

 

「手を繋ぎましたね。」

 

 やっと第一段階が終了したようだ。こんなのは一秒で済ましてほしかった。

 次は第二段階、メインであるパスの強化だ。俺の技量に少し不安が残るが、ジアナのサポートもあるから、それに頼りながらやるしかない。

 

「ソウタ、自信の力に懸念があるのは分かりますが大丈夫です。この一年間練習してきた事に自信を持ってください。」

 

 ジアナが俺の気持ちを察して、不安を取り除くような言葉を掛けてくれる。

 

「……ああ、ありがとう。」

 

 その効果は大きく、さっきよりはリラックスしてきた。だが、緊張はまだある。完全に無いよりかはマシだろうが、無駄なプレッシャーにならないよう祈ろう。

 そう思い、俺は準備を始める。衛宮の後ろに回り、手を背中に乗せる。ジアナも同じようにセイバーの背中に手を乗せる。

 

「それじゃあ行くぞ、衛宮。」

「ああ、頼む。」

「セイバー、なるべく力まないようにしてください。」

「可能な範囲でやってみます。」

 

 衛宮の魔力は俺が、セイバーのはジアナが操作する。

 なぜこの組み合わせなのかと言われれば、単純に信頼の問題だ。信頼が高ければ、それだけ無意識に行ってしまう抵抗が小さい。その分、俺と衛宮は友達だし、ジアナとセイバーは同じ戦線を張った者同士だ。セイバーは俺に対して比較的友好で、ジアナと衛宮も仲は良い方だろうが、今の組み合わせの方が互いに信用できる。

 

「「性質変化(フォース・チェンジ)。」」

 

 俺とジアナ、二人の声が重なる。その瞬間、無駄な思考は消え、集中力が極限まで上がる。ここからは本気(マジ)モードだ。

 

 

 

 

 

 

 

「……?」

 

 何か違和感を感じた。

 それは、衛宮の魔力を操作し始めようとした時だ。といっても、何かがつっかかるような感覚ではない。その逆()()()()のだ。

 

「ソウタ?」

「……なんでもない。続けよう。」

 

 俺が少しもたついていたからか、ジアナは不安な表情になる。

 人間の体というのは、外から刺激を加えられると何かしら反応がある。当然、この作業をするにあたって、自身の魔力を操作する事とは差異がある筈だ。しかし、その差異がほぼない。

 ……まさかな。

 

 

 

 

 

 

「はあー、疲れたー。」

 

 俺は、自身の役割を一先ず終えて、脱力する。やれるべき事はやった。後は出たとこ勝負になるだろう。

 

「あら、パスの強化は終わったのかしら?」

「遠坂?お前まだここにいたのか。」

 

 外の空気を吸おうと思い、扉を開けたら遠坂がいた。てっきりもう逃げたかと思ってた。

 今の状況で、こいつがここに残るメリットはないはずだ。こちらの勝つ確率なんてのは非常に低く、撤退して次の作戦を立てた方がマシだ。その事はパスの強化をする前に行った作戦会議でも言った。

 

「ちゃんと質問に答えなさいよ。成功?それとも失敗したのかしら。」

「成功はした。衛宮達には寝てもらってる。やった事はパスの強化であって魔力補給じゃないからな。無駄な行動は抑えさせてる。それよりもお前逃げなくていいのか?」

「それは……」

 

 こいつにはアーチャーがまだいる。態勢を立て直す為に、一度戻った方が勝算は高い。そう考えると、あそこでアーチャーを助けない方が良かったかもしれない。そうすれば、遠坂は俺たちと行動する可能性が高くなる。まあ、過ぎたことを考えても仕方ないかな。

 

「今ならまだ間に合う。こんな賭けの悪い勝負なんて降りた方が賢明だ。」

「……なら、なんで創太はその『賭けの悪い勝負』に乗ろうとしてるのよ。」

「バカだから、だろうな。」

「はあ?」

 

 予想外の答えに思わず間抜けな声を出す遠坂。それも当然か。俺もそんな答えを返されたら、同じような反応をするだろう。

 

「とにかく、よく考えてから選択しろよ。俺はそうして、この道を歩んでるつもりだ。」

 

 少し格好つけすぎた言い方だっただろうか。まあいい。これが本心であることに変わりはない。俺もジアナも覚悟して選んだ道だ。茨どころか、大量の剣が今にも自分の体を突き刺そうとしているような道を、俺たちは選んでいる。その先が過程に見合わないような結果だったとしても。




今までの後書きを見て思った事。私は虚言癖を持っているのかもしれない!

どうも作者です。
結局続き書いちゃいました。終わる終わる詐欺も甚だしいですね。今後もたまーに出すかもしれないし、出さないかもしれません。
あと、前回の後書きに書いてあったネタバレは削除済みです。

今回に関しては最後がかなり雑になりました。何も思いつかなかったんです。あと、説明ばっかりなってしまいました。どちらからというと、辻褄合わせの方が意味としては合っているかもしれません。

ホモ疑惑!(ホモは)ないです。
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