オリ主と衛宮士郎との友情ルート   作:コガイ

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教会と神父

「はあっ、はあっ、はあっ……。」

「こらこら、話を止めてはいけませんし、スピードも緩めないでください。」

「いやっふぁ!?解りました!!だから、電撃は止めてください!!」

 

 俺は走っていた。並走しているジアナに今までの状況を説明しながら。

 

「そこで……衛宮を庇って……ペンダントを……使って……はあっ、はあっ……」

「なるほど、だから魔力増幅回復装置がないのですね。あの人達の形見でしたが友達を救うという目的の為なら仕方ありませんね。あ、そこは右に曲がりましょう」

 

 目的地の家の方向は左なんですけど!?

 

 ……こんな事になった説明をしよう。遠坂が教会に行くと言った所まで戻る。俺もそれに同行すると言い、ジアナもそれについては異論は無かったのだが、ジアナは家に晩飯を置いたままだから、それを食べてから追いつくと言ったのだ。それは教会に言った後でもいいんじゃないかと言ったのだが、料理が冷めてしまうとかなり強引に押し切られてしまったのだ。

 

 そして今、俺は魔力を俊敏力に()()()()()全力で走らされている。スピードを落とすと電撃を打ち込まれるというスパルタ条件下で。そして、家への最短ルートからわざと遠回りをするように。多分、説明を終えるまで家につかないようにしてるなこれ。

 

「また、足が遅くなってますよ。」

「はむなぷとらっ!?」

 

 これ絶対怒ってるよ。帰るって言ったのに道草食って連絡もしなかったことを怒ってらっしゃるよ。俺は電気ネズミを狙う二人と一匹並みにタフじゃないんだよ。もう嫌だ、帰りたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぜえ……ぜえ……」

 

 説明を終えてやっと家に帰れた。寝たい。ちなみに家は普通の一軒家で他の家と違うところは地下室がある事ぐらいだ。その地下室は工房になっており、今はほぼ使われていない。

 父さんはここを一括払いで買ったようでローンが俺の代までこなくて良かったと思っている。

 

「家に着きましたね。それじゃあ、晩御飯を食べましょう。」

「いや……無理……食べたら吐く……。」

「吐いたら、それを食べさせるだけですよ。」

 

 なにそれ鬼畜。さっきの特訓まがいの拷問の時も思ったが、あれだろお前絶対に前世はスパルタ教育を最初に作った人だろ。

 

「前世が何ですか、ソウタ?」

「いや、なにも……。」

 

 心を読むな!!

 

 ーーーーー

 

 ふざけた事をやりながらも、俺たちは家に入り、作り置きされていた飯を食っていた。そして、その途中でジアナに質問をされる。

 

「しかし、良かったのですか?」

「ああ、あのペンダントは両親の形見だったが、あの時の状況じゃ使わざるをえなかった。友達の命とどっちが大事かなんて考えなくても分かるだろ?」

「いえ、それではありません。」

「じゃあ、なんなんだ?」

「彼らが教会に行くことです。」

 

 そっちのことか。

 

「以前にも私たちはこの聖杯戦争調べていました。そして、その時に死にかけていた女性がいたことを覚えていますか?」

 

 そう、俺たちは前からこの戦争のことを調べていて、ジアナが言った女性、バゼット・フラガ・マクレミッツを発見した。彼女は死んではいなかったものの、後一歩遅れていたら死体と化していただろう。

 

「ああ、覚えている。つまり、ジアナはあのバゼットっていう人が言った言葉が気になるんだろ?」

「はい、簡潔に言うとそうなります。」

 

 バゼットを見つけた時、俺たちはすぐにそいつを助けた。そして、話を聞いていく中で彼女が聖杯戦争の参加者でランサーのマスターだった事、ある知り合いに騙し討ちをくらい左腕と共に令呪を奪われた事、そいつに殺された事、その知り合いは衛宮達が向かっている教会にいる神父、言峰綺礼だという事が判った。

 

「あの人は少し前からの知り合いだったんだがな。嫌な所はあると思ってたけど、まさかあそこまで堕ちてたとは。」

「だから言っていたでしょう、あの神父は歪んでいると。私も同じ神の子を敬う者として信じてはいましたが……」

 

 知り合いで歪んでいるのはもう一人いるけどな。

 

「でもジアナは聖堂教会には所属してないんだろ?」

「ええ、私の信じているものとはかけ離れているので。と、話が逸れてしまいましたね。」

「そうだった。まあ、今から俺たちも同行するし、もしやばかったらセイバーとアーチャー、それにジアナが応戦すればランサーがいても倒せるだろ。何が起こるのかはわからないが、それだけ充分な戦力がいれば何が起きても大丈夫だ。バゼットさんが嘘をついている可能性もあるし。」

「まあ……そうですね。まず行動が一番です。」

 

 別に、楽観視している訳ではない。もしかしたら、衛宮はないが遠坂が裏切る可能性だってある。・・・いや、もしそんなことがあるなら学校で俺を助けるなんてするはずがないか。

 

 ちなみにそのバゼットさんから助けた報酬としておじさんのきんのt……黒い球をなんとか譲ってもらった。その球は宝具でフラガ家しか使えないが俺はちょっとしたズルで使えるようにするつもりだ。だけど、複製できるかもしれないので今は工房に置いてある。

 その後は親戚の家、古崖家の当主こと叔父の家に行かせた。叔父には許可を取ってある。他にどんな協力者が綺礼さんにいるのか判らないし、そのままほっといてまた倒されちゃったなんていうのはごめんだ。

 そういえばバゼットっていう人、封印指定の執行者だったけ。古崖家も半分封印指定に浸かってるけど大丈夫だよね。叔父さんの魔術を前にも見たけど、あの人も人間じゃなかったしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先に着いちまったみたいだな。」

「そのようですね。」

 

 食事を終えて俺たちは教会の外壁の門前にいた。ここに来る途中、吐きそうになった。食事のあとの運動はだめだね。

 

「あれ、創太!?」

「何言ってるのよ衛宮くん、古崖くんが先に来てるはず……本当にいた……」

「よっ、三人とも。」

 

 衛宮、遠坂、セイバーが遅れて来る。アーチャーは霊体化しているのだろう。セイバーは……ノーコメント。笑ったら負けだ。ていうか最悪殺される。

 

「……プッ。」

 

 おい、ジアナ。笑って差し上げるな。いくら鎧の上に黄色い雨合羽を被せたからと言ってシュールすぎるとか思うな。俺も我慢してんだからさあ。霊体化できないとジアナから聞いていたがそれをこう隠すとはな。

 

「飯食って来たんだろ?なのになんで先に?」

「ドラナリクさんにおぶってもらったんじゃないかしら?かなりの超人だし。」

「いやー、あっはっはっ……。」

 

 やべぇ。乾いた笑いしか出てこねぇ。本当はその人にスパルタ特訓されてたとか言えねー。

 

「ま、まあいいじゃないかそんなこと。それよりもさっさと教会に入っちまおうぜ。」

 

 少し強引に話を進めるが、二人ともそれに賛成してくれるようだ。だがセイバーはここに残る事を主張。衛宮はしょうがないと思ったのかそれを承諾した。

 

「ジアナはどうする?」

 

 綺礼さんは前回の戦争の参加者だったというのはジアナから聞いている。昔、どういう関係だったかはこいつの口振りから大体察することはできる。

 

「私は一緒に行きます。」

「解った。」

 

 セイバーは顔を合わせたくないだけだろうが、ジアナは本気で警戒している。本当に何があったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 教会の扉を開け中に入る。

 

「遠坂、ここの神父さんってどんな人なんだ?」

「エセ神父です。」

「お、おう……。」

 

 衛宮は遠坂に質問をしたはずなのに、ジアナから即答で返ってきたので少し困惑している。

 

「え、ええそうね。一言で言ってしまえばそんな感じかしら。ドラナリクさん、綺礼とも知り合いだった?」

「ええ、まあ。」

 

 うわ、明らかに不機嫌そうだ。

 

「俺も知ってるぜ。泰山でよく会ってるからな。」

「「えっ!?」」

 

 泰山というワードに二人とも驚いている。

 

「古崖くん、泰山ってまさかあの麻婆豆腐で有名なあの……」

「その通りだ凛。彼とはそこでよく遭遇するのだ。」

 

 噂をすればなんとやらだ。

 

「再三の呼び出しにも応じぬと思えば、変わった客達を連れてきたな。」

「あっ、言峰さんじゃないっすか。」

「誰かと思えば、創太か。君からは魔力を感じられなかったがこちら側の人間であったか。」

「まあ、事情がありましてね。でも、本題があるのは俺じゃなくてあっちのほうですよ。」

 

 そう言って俺は衛宮のほうを指差す。

 

「ふむ、彼が七人目のマスターということか、凛。」

 

 そこからは本当に眠かったので衛宮たちが話している途中は椅子に座って仮眠をさせてもらった。さっきまでずっと走ってたからな。しかたないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソウタ、ソウタ、起きてくださいソウタ。」

「んあ?今日は日曜だろ……ムニャムニャ」

「確かに日付を越えて日曜になっていますが……仕方ありませんね。」

「やなかんじ!?なんだかんだ、敵襲か!?」

 

 なんか電気ネズミの十万ボルトを食らった気がした!

 

「本当に敵襲ならあんたはとっくに死んでるんじゃない?」

「へっ?……ああそうか、仮眠しようとしたら本気で寝ちまったんだ。」

「そうみたいね。話は終わったから帰るわよ。」

「ああ、そうみたいだな。ふあ〜……。」

 

 まだ眠い、もう少し寝たいが帰るまでの辛抱だ。

 俺はふと、衛宮の顔を見る。どうやら決心はしたみたいだ。

 

「衛宮、お前はこれからどうすんだ?聖杯戦争がどんなものかは改めて知ったんだろ。」

「ああ、その上で俺はこの聖杯戦争に参加する。もう十年前の繰り返しはさせない。創太もそうだろ?お前も十年前に失った。だから、こんな下らない事(聖杯戦争)に関わっている。」

「まあな。」

 

 こいつは戦う事を決めたようだ。さて、衛宮の心を聞いたところで帰ろう。ここはなんか居心地が悪いし。

 だが俺は聞いた。後ろで綺礼さんが

 

「衛宮士郎、お前の願いはようやく叶う。」

 

 と言ったことを。

 

 意地悪っ。あの意味を理解した上での感想だ。

 俺、あの人に敬語を使うの止めようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 教会から出てきた俺たち。

 

「シロウ、話は終わりましたか。」

「……ああ、事情は知った。」

 

 外に居たセイバーが衛宮に話しかける。この聖杯戦争に参加する意思を聞きたいんだろう。衛宮は俺に伝えたことをセイバーにも喋る。

 

「そうですか。なら、今まで通り貴方の剣であることを誓いましょう。」

「ああ、未熟なマスターだけどこれからもよろしくな、セイバー。」

 

 そういうと衛宮は握手を差し出す。セイバーは戸惑いながらもそれに応じる。

 二人ともいい相方(パートナー)になりそうだ。

 

「ふぅん、その分じゃほっといてもよさそうね。」

「っ!?」

 

 おい遠坂、いいところで邪魔するなよ。

 

「仲いいじゃない。さっきまでは話もしなかったのに、大した変わり様ね。セイバーの事は完全に信頼した訳?」

「え、そんなことは……いや、そうなるのかな?まだセイバーの事はよく分からないけど、これから一緒にやっていくんだから。」

「そっ。なら覚悟しなさい貴方達がそうなった以上、こっちも容赦しないから。」

「?」

 

 遠坂はさらっと戦線布告をしたが、衛宮のほうはよく解っていない様だ。俺はそれを見かねて衛宮に話しておく。

 

「衛宮、遠坂は今までは素人だからという理由で情けをかけてきたけど、お前がはっきりとこの戦争に参加するって言ったから、同じ参加者として敵同士だと言いたいんだよ。」

「あ……、む?なんでさ、遠坂と戦う気なんて俺にはないぞ?」

 

 そうきたか。衛宮の目的は勝つことではなく聖杯戦争での被害を出さないことだ。だが、結局遠坂は勝つために自分以外の参加者を蹴落とす。その主張の食い違いが起きているのだろう。

 

「凛。」

「なによアーチャー。」

「このままでは埒があくまい。なら、ここで叩き潰すまでだ。」

「おっと、そうなれば、俺たちは衛宮の味方をするぜ。そうなれば不利になるのはお前達だ。このまま、おとなしくするんだったらこっちも攻撃はしないが?」

 

 衛宮以外は戦闘態勢に入っている。

 

「数が多いからといって勝敗が決まるわけではあるまい。何より私はアーチャーだ。手札の多さには自信がある。」

「ちょっとアーチャーいい加減にしなさい。」

 

 煽るアーチャーを遠坂が止める。

 

「今ここで戦っても勝ち目はないわ。セイバーとドラナリクさんは一緒に戦ったことがあるみたいだし。歪みあっている隙を突くなんてできそうにないわ。」

「そういうことならここでの戦闘は控えておこう。」

 

 どうやら、今は戦わなくてすみそうだ。

 

「戦闘は無しってことでいいんだな。なら、さっさと帰ろう。眠くて眠くて仕方がない。」

 

 俺がそういうと、皆もそう思っていたのか、こぞって帰ろうとしていく。

 

 

 

 

 

 

 深山町まで戻ってきた俺たち。交差点に着き、遠坂と衛宮の家はそこから別の方向に分かれる。俺とジアナの家の方向は衛宮のとはまだ同じだ。

 

「それじゃあ、一緒に行動するのはここまでね。明日からは敵同士になるから、覚悟しておきなさい。」

「いやでも、俺、遠坂と戦う気はないぞ?」

 

 まだそんな事言ってる。俺、お前の味方すんのやめるぞ?

 

「だからさあ、えみ……っ!?」

 

 寒気がする。誰かがこちらを見ているからだ。ここにいる全員が気づいていた。強大なその存在に。

 

「……ねえ、話は終わり?」

 

 声のするほうへ向く。そこには黒い巨漢と肌も髪も白い雪のような少女が立っていた。その二人の外見は全く違うモノであった。だが、それであるが故に恐怖を感じてしまう。

 俺達はあいつを前に戦えるのか。いや、そもそも戦闘になったところで三秒後の未来で果たして生存できているのか。まず、戦うというのがそもそもの間違いで逃走すらも危ういではないのか。家に一度帰った時、このメンバーならなんとかなると思っていたがそれはただの間違いだった。自己嫌悪に陥りそうだ。

 

「……バーサーカー。」

 

 遠坂がそう呟く。ああそうだ。あれはそれ以外の何物でもない。寧ろ他に何があるのだろうか。

 

「こんばんはお兄ちゃん。こうして、会うのは二度目だね。」

 

 お兄ちゃんとは衛宮に言ったモノだろう。妹か何かかと思ったが衛宮も恐怖で震えているから、多分違うのだろう。

 

「初めまして、リン、それにジアナと……そこにいる彼はだれかしら?まあ、私が知らないくらいだからそこら辺にいるただの魔術師でしょうけど。私はイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンって言えばわかるでしょう?

「アインツベルン……」

 

 アインツベルン、始まりの御三家のうちの一つだ。まさか、そんなやつといきなり出会うなんて。運が悪過ぎる。

 

「それじゃあ、やっちゃえ、バーサーカー。」

 

 そんな無垢な少女の声によって俺にとっての初戦の幕が切って落とされた。




どうも、作者です。会話をさせると誰かしらが空気になり続けてしまうという事態が発生します。どうすればいいんですかねぇ。

さて、今回はバゼットが生きていると判明しました。これでホロウのようなことにはなりませんね。(そこまでいくかどうかもあやしいけど。)しかし、バゼットはこの小説でちゃんと出てくる予定はありません。ご了承ください。

次回!!バサカちゃんとの戦闘シーン!!絶対に迫力不足になる。
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