インフィニット・レスリング   作:D-ケンタ

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今更かもしれませんが、これ、ISの必要なくない?
まあ、好き勝手に書いてこその二次創作だし、いいですよね!

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第四十六話 Who is KING of STRIKER

急遽決まったエキシビジョンマッチ。しかし、その内容は互いに新人とは思えないような高度な内容であり、目の肥えた観客も感嘆の吐息を漏らした程だ。

そのお陰か、この後に行われた試合も、予想外の盛り上がりを見せた新人達に負けじと選手達が燃えに燃えたため、観客達を大いに熱中させた。

 

―――第五試合、木本達巳(上川ジム・日本4位)と佐藤孝治(波木ジム・日本5位)のライト級キックボクシングルール3分3R。互いにヒット&アウェイを得意とする理論派だが、今日この試合においては違った。第1Rから互いに真っ向から打撃の応酬、予想だにしないインファイト合戦に、観客も興奮を隠せない。2R半ばで木本がボディ連打から、得意のスウイングブローを決めるが、佐藤はカウント8で立ち上がる。続く第3Rでは佐藤が主導権を握り、左肘からのショートアッパー、右ミドルでダウンを奪う。その後は互いに一進一退の攻防が続き、3R終了。結果は1-1で引き分けとなった。

 

―――第六試合では、忍関・ランサー・愛羽(勇義ジム・日本3位)VS吾孫江蓮(ドラゴンピット・日本5位)の女子バンタム級キック3分3R。序盤から仕掛ける忍関だが、吾孫はパリング等を駆使して捌き、所々でカウンターを入れていく。それが効いたのか、2Rから忍関の動きが悪くなり、ここぞとばかりに吾孫が攻める。しかし2R終了間際、忍関のリングネームにもなった槍のように鋭い膝が吾孫のボディを貫く。蹲ってダウンするも、忍関も消耗していたため威力がでなかったのか、カウント9で立ち上がり、そのままゴング。3R開始直後、一気に決めようとしたのか忍関がラッシュを仕掛ける。そして再び膝を打ち込むも、吾孫は狙ったかのようにそれを捌き、横に回ると忍関の振り向きざまにアッパー、ハイキックの連携。レフェリーがダウンした忍関を確認すると、カウントをとらずにそのままゴング。ランキングでは上の選手との対戦だったが、最後は吾孫が川戸仕込みの鋭いハイで勝利を掴んだ。

 

―――第七試合はまさに圧巻の一言。ドラゴンピットとメジャー団体大和プロレスとの対抗戦。ドラゴンピット三羽烏の星宮丈&中村翔琉&佐渡悠哉VSドーベルマスク(フリー)&甲伊和磨(大和プロレス)&赤石駿治(大和プロレス)の6人タッグマッチ。来月行われる、タッグ王者である甲伊&赤石と挑戦者組の星宮&中村との前哨戦とも言えるこの対抗戦。しかし先発は佐渡とドーベルマスク、互いにJr.の最前線で活躍する二人のスピーディーな攻防で幕を開ける。そして佐渡が星宮と交代するとドーベルマスクも赤石にタッチ、接触直後から激しいエルボー合戦を繰り広げるが、それは星宮が打ち勝つ。しかし赤石は直後のランニングエルボーを躱すとドロップキックで星宮を場外に落とし、そこから両軍入り乱れての場外乱闘に発展し、そこで流れは一気に大和プロレスチームに。リングに戻ってからも星宮が攻められる状況が続くが、赤石が放ったラリアットを躱してそのまま甲伊にエルボー、ドーベルマスクにトラースキックを叩き込み、自コーナーに戻ろうとするがそこは赤石がカット。しかしカウンターで延髄切りを放ち、赤石がふらついた隙に中村にタッチ。交代で入った中村は復活した甲伊、ドーベルマスクを場外に落とし、赤石を攻める。持ち前の身体能力を生かし、高角度のスープレックスやその場跳びムーンサルトで攻めるも、そこはチャンピオンの意地か悉く返す。そして大技を狙ってコーナーに上るが、復活した赤石が逆に雪崩式ブレーンバスターで逆襲し、そのままタッチ。交代した甲伊が中村を攻め続け、最後は自身のフィニッシャーのかち上げ式ラリアットを決めるが、ドラゴンピットサイドがカットに入り、そのままの流れで両軍入り乱れる。大和プロレスサイドが優勢になると、甲伊が赤石とのツープラトンを中村に決めカバーに入るが佐渡がカット。赤石が佐渡を場外に落とし、リング上には甲伊と中村が残る。だがしかし、甲伊が再びかち上げ式ラリアットを仕掛けた瞬間、中村はバク転で回避。そのまま組み付きロックボトムで逆襲。星宮とタッチすると、甲伊もドーベルマスクと交代する。しかしその直度、星宮がコーナーに走り、チャンピオン組の二人を場外に落とすと、三人でドーベルマスクを攻める。佐渡がシュバイン、中村がスターダストプレスを決め、そのまま場外の甲伊、赤石の妨害に移り、その隙に消耗したドーベルマスクを星宮が高角度フィッシャーマンバスターでマットに沈めた。試合終了後、チャンピオン組と挑戦者組の間に一触即発の空気が漂うが、先にチャンピオンサイドが引き上げ、残ったドラゴンピットの三人はそれぞれ風間とジムへの祝辞を述べてからリングを降りた。

 

現在のキック、プロレスの最前線で闘う者達が繰り広げた試合に、観客達は興奮を抑えきれず、場内はその熱気で充満していた。そして、その観客達の熱気をさらに煽るように、リングアナウンサーが次の試合を告げる。

 

『これより、セミファイナル、"Who is KING of STRIKER"を行います!!』

 

ワアアアァァァーーー!!!

 

その言葉を聞いた瞬間、観客達の大歓声が場内を満たす。

 

『青コーナーより―――三矢田和歩入場!』

 

(入場曲:『Inner Light』 Shocking Lemon)

 

その曲が流れた時、会場の観客達は一同に声を上げた。

 

『WBA(World Boxing Alliance:世界ボクシング連合)が定める、認定王者。規模が縮小したとはいえ、その権威はいまだ健在。その座を求めて、世界中のボクサーがリングの上で闘っています。そのWBA認定世界ヘビー級王者の座に就いたのが、日本の小さな巨人、"英雄"三矢田和穂!体格で劣りながら、その優れたテクニックと、国内でKOの山を築いた剛腕で見事世界王者を勝ち取り、防衛記録を伸ばしてきました。しかし昨年、三矢田は王座を返上すると、まさかのキックに転向を宣言。自分のボクシングを試したいとのことでしたが、その宣言に国内だけでなく、世界中から非難の声が上がりました。しかし!転向後の初試合にて、対戦相手を蹴りを使わずパンチだけでKO。その姿に人々は、ボクサー・三矢田和歩の挑戦を素直に祝福しました。キックの舞台でもその拳でKOを築いた三矢田が、今宵挑むのはあまりにも大きい、伝説という壁。しかし彼は、自分のボクシングを信じている限り、進むことを、挑むことを辞めることはない!!さあ三矢田が今、リングイン!!英雄は、伝説を超えられるのか!!?』

 

日本の誇り、男たちの夢。その拳だけで歩んできた男は、今リングの上で何を思うのか。その視線は、対角線上のコーナーに向けられている。

 

『赤コーナーより―――川戸翔入場!』

 

(入場曲:『仮面ライダーBLACK RX』宮内タカユキ)

 

そして、これから入場してくる男もまた、己の四肢だけで全てを築いた男である。

 

『かつて日本人でありながら、世界各国の強豪達を相手にWMF世界ヘビー級のベルトを守り続け、ついには無敗のまま返上した男がいました。強烈で鋭い蹴り、流麗な打撃の数々は、観ている者を魅了し、対戦相手の悉くをリングに沈めてきました。これから入場してくるその男こそ、日本キック界の"生きる伝説"!一時は家庭の事情と後進育成のためリングを離れましたが、今宵、記念すべきこの舞台で、現役の選手として再びリングに上がります。対戦相手はその拳だけで世界を掴み、並みいるキックの強敵達をも沈めてきた、日本の"英雄"。復帰戦として、これほど相応しい相手もないでしょう。しかし、川戸の表情に気負いは一切見えません!まるで家の廊下を歩いているようなリラックスした表情で花道を歩いています!彼にとってこの試合は、普段の日常と何ら変わりないと言うことなのか!?しかし、それが川戸!それが伝説!!本日我々は、伝説の伝説足る所以を眼にすることになるのか!!川戸翔、リングインッ!!』

 

笑顔すら浮かべているが、その眼差しは真剣そのもの。視線が交差した瞬間、周囲の人間は二人の間にバチィッと火花が散ったような感覚を覚えた。

 

『これより、セミファイナル、ムエタイルール3分5Rを行います!!』

 

歓声が響き渡る中、リング上だけが静寂に包まれている。

 

『青コーナァー。176cm、93.7kg。上川ジム所属、"キングオブナックル"三矢田あぁ…和ぅ歩おおーー!!』

 

ただ只管己の道を歩み続け、英雄とまで呼ばれた男、三矢田。伝説を超え、頂へ上ることができるか。

 

『赤コーナァー。183cm、95kg。ドラゴンピット所属、"絶対王者"川戸おぉ…翔ぅおおーー!!』

 

まだ格闘技界が旺盛であった頃、不動のチャンピオンとして名を馳せ、ついには誰にも勝たせぬまま一度はリングを去った男、川戸。伝説の、伝説たる所以を、現代の英雄に魅せつけるのか。

 

「二人とも、コーナーに戻って」

 

レフェリーによるボディチェックとルール確認が終わり、二人は互いのコーナーへ戻る。

コーナーへ戻った二人の行動は対照的で、三矢田はボクシングの時からそうであったように、両腕を顔の前で揃えて重心を落とし、すぐにでも飛び出せる構えを取っているのに対し、川戸はトンットンッと軽く跳ね、身体の力を抜いてリラックスしている。しかし三矢田はその姿に、異様なプレッシャーを感じ取っていた。まだ試合は始まっていないのに、頬を一筋の汗が伝う。

レフェリーは両選手を確認すると、本部席の方にアイコンタクトを送り、両腕を上げて勢いよく振り下ろした。

 

「ファイッ!」

 

ストライカーの頂点に相応しいのはどちらか。その決戦のゴングが今、鳴り響く。

 

カアァーーーン!!

 

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