インフィニット・レスリング   作:D-ケンタ

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やっとできました。

取り合えず、読んでください!!お願いします!!


第五十話 仮面の下は……

ついに始まったメインイベント。今回観戦に来たIS学園の生徒達の殆どは彼らのことを知らない。だがそれでも、目の前の試合に熱中していた。

雰囲気も、緊張感も、これまでの試合以上。

 

「す、すげえ……」

 

一夏は言葉がでなかった。プロレスに関しては少し、ほんの少ししか触れていない者にもそう感じさせる、そのような凄みがあった。

 

「動きだけでいったら、他の試合の方が躍動感はある。だがこの試合は……」

「惹き込まれる……何でか分からないけど」

 

箒と鈴の二人も同じだった。目の前の試合に、視線が釘付けにされていた。

 

「ハングズマンの二人のヒールっぷりもさることながら、あのマシンとレオの覆面タッグ、レベルが違う」

「ええ。基本の技術を、あそこまで高い完成度で扱える選手はそうそういません」

 

ジムにて実際に技術を体感したラウラとセシリアの目には、選手達の動きを他のメンバーとは違った見方で捉えていた。

全員が全員、試合に惹かれ、視線を向けるなか、シャルはまた違った思いで試合を見ていた。

 

(……あのライオンっぽいマスクの人の異名、どこかで聞いたことあるような気が……というか、どこかで会ったような……)

 

試合はまだまだ続く。

 

 

「オラァッ!」

「グォッ!?」

 

強烈なDDTを受けダウンした"金獅子"カール・レオを、"イタリアの知将"アルフ・C・ディケージの苛烈なストンピングが襲う。

 

「まだくたばるんじゃねぇぜ」

「うぅ……」

 

レオの頭を掴み状態を起き上がらせると、背後から顎を捕らえ捻り上げる。

 

『チンロックで極めていきます』

『徹底して首を攻めるつもりか』

 

ミシミシと頚を捻り上げると、今度は肘を振り上げ、勢いよく落とす。

 

「グァアッ!?」

『痛烈な一撃!これは効いたか!?』

 

捻られダメージが蓄積していたことで、食らった肘のダメージは予想以上に大きく、レオは悶絶しダウンする。

 

「フフフ……まだくたばるんじゃねえぜ」

「クッ……!」

 

ダウンしたレオの頭を掴んで無理矢理立たせると、またもやその胸板に強烈なミドルキックを叩き込んでいく。

 

「ウッグゥッ!?」

「そらそらぁ!どうした金獅子!」

『鋭く刺さるキックの嵐!さしものレオも動きが止まってしまう!』

「いいぞアルフ!」

 

その光景に、いまだ場外でマシンをいたぶる矢杉が声を上げる。フェンスにマシンをもたれ掛からせ、首根っこを踏みつけているが、やられっぱなしのマシンではない。

 

「フンッ……オラアッ!!」

「うおっ!?ガアッ!?」

 

マシンは踏みつけている矢杉の足、その爪先と踵を掴んで捻り、その痛みで矢杉が足を離したところで更に捻りを加えうつ伏せに倒す。

 

「フンッ!」

「がああっ!?」

 

倒したところですかさず矢杉の足を極める。その手際は鮮やかである。

 

『脱出したマシン、場外で矢杉にお返しの裏アキレス腱固めを極めた!』

「レオッ!!」

 

リング上ではアルフがレオの腕を取ってロープへ振ったところ。跳ね返ってきたレオに長身を活かしたビッグブートを放つ。

 

「何っ!?」

 

だがレオはそれを読んでいたのか、躱して横を通り過ぎる。更にロープの反動を利用して跳躍!アルフの頭を両足で挟み遠心力で投げ飛ばした!

 

「グァアッ!?」

『フライングヘッドシザースホイップだ!まるでジュニアのような身のこなし!』

 

ダウンするアルフを横目に、レオはマットを転がるように自コーナーに戻り、伸ばしてきたマシンの手に触れる。

 

「ズァッ!」

 

気合の声を上げ、トップロープからリングインしたマシンは立ち上がったアルフに組み付くと、肘で顎をカチ上げた。

 

『ヨーロピアンアッパーカット!知将の頭が跳ね上がる!』

『首を引き下げることで身長差をなくし、同時にカウンターの原理でダメージを増量させている。これは効いたぞ』

 

マシンはそのままアルフをニュートラルコーナーに振り、追走式の串刺しラリアット。

下がった頭を脇に抱えるとそのまま走り、リング中央でジャンプ。着地の衝撃でアルフの顔面を叩きつける。

 

『ブルドッギングヘッドロックが炸裂!そのまま返して押さえた!』

「ワン!ツー!」

「ウォアッ!」

 

カウントツーで跳ね返したアルフ。

 

「ふんっ!」

「ガアッ!?」

 

しかしそれを読んでいたのか、返すために伸ばした腕をマシンが捕らえ、肩と肘の関節を極めながらうつ伏せに返した。

 

『こ、これは!?返したと思ったアルフの腕が、サブミッションで捕らえられている!?』

『迂闊だったなアルフの奴。ついさっき十字をとられたから、警戒して海老で逃げたのはよかったが、それが裏目に出たな』

『しかしあの、リバースアームバーですか?ガッチリと嵌まってますね』

『アイツ得意なんだよ、あの入り』

 

本来であれば、アルフのような長い腕は極めにくいが、そこはマシンの上手さか、テコの原理を使われているためなかなか逃げられない。

力任せにアルフが立ち上がると、それを待っていたかのように片足を絡め、スタンディングのアームバーを極める。

 

『まるで蛇のように絡み付くマシンのサブミッションに、知将の顔が歪んでおります!』

『ああも集中して攻められたらもう感覚ないだろう』

 

空いている手をロープに向かって伸ばすが、リングの中央で極められているため、いかんせん距離が遠い。

ならばと抵抗して上半身を起こそうとすれば、マシンはあっさりとロックをはずし、いままで極めていた腕を肩越しに抱えて投げ飛ばす。

 

「グホォ!?」

『流れるように逆一本!キレがあります』

 

投げた後、すぐさま立ち上がったマシンはロープに走る。

反動を利用し、勢いをのせて跳躍と同時に水平に足を突き出し、アルフの喉元めがけて落下した。

 

「カハッ!?」

『怒濤の連撃、ギロチンドロップが炸裂!』

 

カバーには行かず、アルフの頭を掴み立ち上がらせようとするマシン。

だが!突如マシンを襲った背後からの衝撃により、掴んでいた手を離してしまった!

 

『ここで矢杉がカットに入った!ハンマーブローの連打が叩き込まれる!』

『いいタイミングで入ったな。これには流石のアイツも面食らったろう』

 

更に矢杉は鉄槌の振り下ろしからヘッドバットで攻め立て、ニュートラルコーナーへ振る。

 

「どらぁっ!!」

「ぐぉあ!?」

『串刺しランニングエルボー!マシンの顎を打ち抜いた!』

 

ふらつくマシンをコーナーから剥がし、回復したアルフを呼び、二人同時に組み付く。

 

『ツープラトンの体勢に入った!』

「「せーのっ……イリャアアッッ!!」」

 

二人同時のブレーンバスター。軽々と持ち上げられたマシンの身体が、強かにマットへと叩き付けられた。

 

「ぐほぁっ!?」

『ダブルのブレーンバスター!この連携がハングズマンの強み!』

『10分経過、10 minutes have passed.』

 

今度はアルフが倒れたマシンの上体を起こし、矢杉とアイコンタクトを交わすと、二人同時にロープへと走る!

 

「「セイヤアッ!!」」

「がああっ!?」

『サンドイッチシュートが決まった!!これはいくらタフなマシンといえども効いたでしょう!!』

 

イタリアトップレベルのストライカーの蹴りと、ハードコアファイターの激しく叩きつける蹴りの挟撃。まるで金床と鎚のように、マシンの身体に強烈なダメージを与える。

悶絶するマシンに、ハングズマンは更に連携で攻める。

レオがカットに入ろうとするが、そこはハングズマンが一枚上手。アピールを受けたレフェリーが止めているせいでカットに入れない。

だが、ただではやられないのがマシン。矢杉に無理矢理立ち上がらせられると、その手を振り払って袈裟斬りチョップで反撃した!

 

「ディヤッ!おらッ!」

「ぐぅっ!?抵抗すんじゃねえバカヤロウ!」

「ぐあっ!?」

 

しかし、矢杉の鉄拳により動きを止められ、その隙にボディスラムで抱え上げられてしまった!

 

「どおりゃあっ!」

「ぐぅっ!?」

 

高々と抱え上げられたマシンの体が、激しい音をたててリングに叩きつけられた。

 

「ヘイッ、アルフ!」

「オーケー!」

 

合図に合わせて、コーナーに上ったアルフがその巨体をマシンの上に降らせた。191cm、106kgの巨体が、マシンの体を打つ。

 

「ガハァッ!?」

『アルフのサンセットフリップが炸裂!!』

『アイツあれで結構身軽なんだよな』

「よし、行くぜっ!」

 

マシンの頭を掴んで無理矢理起こし、二人がかりで技の体勢に入る。

 

「させるかっ!」

「うおっ!?」 

 

しかしレオがアルフへとエルボーを喰らわせて阻止する。

 

『レオがカットに入った!ツープラトンには行かせない!』

「アルフ!?この!」

 

矢杉が背後からフルネルソンに捕らえるが、レオはクラッチを切るとそのまま背後に向けてエルボーを打つ。

しかしそこにアルフが襲撃。お返しとばかりに矢杉と二人掛かりで攻めようとする。しかし!

 

「ドラァッ!」

「うおっ?!」

「セイッ!」

「ガッ!?」

 

復活したマシンがアルフに背後から袈裟斬りチョップを叩き込み、その隙にレオも矢杉にヨーロピアンアッパーカット。

 

『復活のマシン!レオも反撃、ハングズマンの二人を場外に落とす!!』

 

リング上にはマシンとレオ。レオがマシンに近付くとそのままなんと!マシンのマスクに手をかけた!

 

『あーッとこれは!?どういう事だ?!レオがマシンのマスクを、脱がしているーっ!?』

『あー……ここでいくのか』

 

そして完全に紐をほどき、マシンは自らそのマスクを脱ぎさった。

 

『マスクを脱いだーっ!?マシンの正体はっ!?まさかのこの男!!?』

 

会場内は歓声とどよめきが入り交じった叫び声が埋め尽くしている。

 

「チッ。やはりテメエか」

「ほほう、面白い」

 

全員がその男に見覚えがあった。鍛え抜かれた肉体、それでいてしなやかさが伝わる筋肉。ボディビルダーのような、カットの入った見映えのする肉体ではないが、強者のオーラが滲み出ている。

 

『この男はっ!"ミスター・スープレックス"ッ!!』

 

リングの、会場の中心で、視線は場外の相手に向けたまま、クライマックスを宣言する。

 

『"投撃王"風魔龍輔だああッッ!!!!』

「さあ、お楽しみは―――」

 

観客諸君!ここから先は、まばたき一瞬たりとも見逃すな!!

 

「これからだッッッ!!!!」

 




次回でメインイベントもいよいよ大詰め!
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