Fate/GrandOrder Carnival Automata(Fate/GrandOrder×NieR Automata)   作:ハナネット

1 / 2
熱に浮かされ書いたFateとNieRのクロス作品。ただAutomataの世界に健全な人間を突っ込みたかっただけ。NieRシリーズのネタばれはしないよう配慮はしました。展開はこのSS内の独自設定ですので本編に描写はありません。ご安心ください。


Fate/GrandOrder Carnival Automata(Fate/GrandOrder×NieR Automata)

 人理継続保障機関カルデアの施設にて人理消失事件解決後のごたごたで忙しく日々を過ごす藤丸立香とマシュであったが、突然特異点の出現の報を受けすぐさま呼び出されたカルデアスへと集合した。

 

「いつもながら突然ですまないね。例のごとく特異点が現れたよ」

 

「それで、今度はいつの時代に特異点が現れたんですか?」

 

 マシュの問いにダ・ヴィンチは普段の彼女らしくもなく困惑した様子で答えた。

 

「それが、私も何度かトリスメギストスの誤表示ではないかと再計算させたのだが、どうやら間違いなくそれで正しい結果らしい」

 

「次の特異点の座標は西暦11000年代。今の時代の我々からしたらもはや途方もなく遠い未来のものだ。前回の新宿のこともある。魔神柱の仕掛けた罠の可能性が高い・・・それでもいくつもりだね、君は」

 

 

 

「では始めよう。何しろ数々の特異点を経験してきた私たちにとっても歴史的知識が通用しない時代だ。こちらも万全のアシストをことにあたるとしよう、マシュ」

 

「はい!先輩、前回の新宿のことがあります。くれぐれも無茶はしないよう気を付けてください。今回も全力でバックアップします」

 

こうして藤丸立香の次なる特異点へのレイシフトが始まった

 

 

 

 

 

 

 

 廃墟都市中央にてレジスタンスからの依頼で調査を行っていたヨルハ部隊アンドロイドの2B、9Sは随行支援ユニットであるポッド042からの戦闘発生の報告を受け反応のあった地区へと急行した。

 

「有機体、及び強力な魔素の反応検知。対象:二足歩行タイプの有機生命体と人型魔素集合体と判断」

 

「二足歩行?類人猿は既に絶滅しているはずだけど、まだ希少種が残っていたの?」

 

 2Bからの問いにポッド042から引き継いで9Sの随行支援ユニットのポッド153が報告を続ける。

 

「否定。過去のデータをサーバーより参照。・・・司令部へのルートを省略、直接月人類サーバーより情報の緊急開示あり。過去人類データと照合・・・98%の情報との一致を確認。即時対象に対し接触及び確保を推奨」

 

「・・・ちょっと待って。あそこで機械生命体と戦ってる魔素反応の塊の後ろにいるのはもしかして・・・人類なのか!?」

 

「9S!!司令部に緊急連絡!人類種と思われる対象が機械生命体に襲われているのを発見!繰り返す、人類を発見!これより彼の安全を確保するため戦闘に介入すると伝えて!」

 

 

 

 人類発見の報に大いに沸き立つ衛星軌道上にある基地バンカーのヨルハ部隊員達と地上のレジスタンスグループのメンバー達。藤丸立香はその予想外の歓待ぶりに困惑しながら、基地司令官からの説明に納得と衝撃を同時に受けることとなった。人類は異星人からの侵略を受け月へと逃げ延び、現在この地球を支配しているのはその尖兵である機械生命体であること。人類側もアンドロイド部隊を地球へと降下させ奪還に動くも作戦は上手くいかず5000年もの膠着状態が続いていること。現在最終決戦用アンドロイド部隊『ヨルハ』がその戦闘の最前線で戦い続けているとのこと。

最後に司令官は立香の処遇を人類会議側と協議し、決定があるまで現地ヨルハ部隊員である2Bと9Sが護衛として就くことを伝え通信を切った。

 

「月に逃げ延びた人類が人造人間を使って地球を奪った異星人と戦っているねえ・・・」

 

司令官が話した内容に腑に落ちない表情のダヴィンチ。マシュが気になって問いかけると彼女はその疑問を開示した。

 

「いくら人類が衰退したからといって5000年もその姿を見せていないのはおかしいと思ってね。あと、異星人側も地球を支配する技術力を持ちながらその後は月に攻めこむでもなく地球に留まり続けているというのも気になる。どちらも随分と悠長に事を構えているじゃないか。気を付けたまえ、立香君。彼らは正しいことを言っているかもしれないが、本当のことは言っていない気がする。くれぐれも立ち位置を誤らないことだ」

 

 

 バンカーからの連絡があるまで聖杯の調査も兼ね2B達の活動に協力することとなった立香達はレジスタンスに協力する友好関係にある機械生命体の村への物資の配達の依頼を受け村に向かうこととなった。

 

「初めまして!私はこの機械生命体の村の村長をしていますパスカルと申します。この度は人類の方がわが村に来て下さったことを喜ばしく思います」

 

 先のレイシフトの際に問答無用で機械生命体が襲い掛かってきたこともあり警戒していた立香だったが、それを気にする暇もなく子供の機械生命体たちにもみくちゃにされた。

 

「オニイチャン、テガプニプニシテテオモシロイネ。ニンゲンッテコンナニヤワラカイノ」

 

「いてて!?少しだけ握ってる手の力を緩めてくれないかな!?」

 

「ゴメンナサイ。ニンゲンサンッテイタガリナンダネ」

 

「ネーネー、ボクニモサワラセテー!」

 

「ボクニモボクニモー!」

 

「ああ、慌てない慌てない。いいから順番にね!」

 

 一緒にレイシフトしていたアーチャー:アタランテにも一体の子供が近づく。

 

「オネーチャン、ナンデミミトシッポがアルノ?アンドロイドナノ?」

 

「お姉さんの耳と尻尾は本物だぞ~ってお、重いんだな君たちは!?」

 

「オネーチャン、ムリシナクテモイイヨ」

 

「だ、大丈夫だ。私には君たちの一人や二人軽いものさ」

 

(抱えている手が震えているんですが・・・)

 

 初めてな人類に興味津々な機械生命体の子供たち。

 

 

 

「ネーネーオジチャン!アレ?オジチャンダトオモッタケドチガッチャッタヤ。オバチャン?」

 

「・・・沖田さんの声はそんな年寄りなんですか・・・・」

 

 バスカルと非常に似た声の為村の住民にお年寄り扱いされるセイバー:沖田 総司。

 

 

 

『・・・蒸気機関が存在していないことは残念だが、我が技術がこのような遥か未来においても息づいていることを喜ばしく思う』

 

「おお、過去から現れました偉大なる方々と聞いていましたが、遥か過去の時代に人類は我々機械生命体と同様のテクノロジーを発展させていたのですね!チャールズ・バベッジ様、彼のような種族が人類の発展に貢献し英霊と呼ばれる人類の守護者に選ばれるとは!」

 

「ええと、信じてもらえないかもしれないけど、一応その人も俺たちと同じ人間です。どうしてかと説明すると色々と面倒な事情があるんですが・・・」

 

 数学者の権威であるキャスター:バベッジをパスカルに紹介したが、さすがに立香と同じ人類とは信じてもらえないのだった

 

 

 

「それじゃあ、森の王って人・・・じゃなかった機械生命体に会いに行こうか。皆、出会った機械生命体はみねうちでお願いね」

 

「?確認する。立香、ミネウチとは何?」

 

「殺さずに倒すって意味かな。パスカルさんの話を聞いた限り森の国の機械生命体は自我あるみたいだから出来れば撃退するだけで済ませようかと」

 

「なぜ機械生命体に対して気兼ねする必要があるんですか?あいつらは元々外宇宙からやってきた異星人の尖兵です。人類であるあなたが気に掛ける必要があるとは思えないんですが・・・」

 

「確かにそうなんだけど、オレ個人としてはちゃんと話せば分かり合える相手を一方的にやっつけるのは嫌なんだ。陰で聞いた限り彼らの王に対する忠誠は本物に思えるし。オレ個人の『感傷』なんだけどね」

 

「『感傷』・・・ですか。人類は僕たちが持っていない特殊な感情を持っているんですね。機械生命体のやることに意味なんてあるとは思えないんですけど、そういうならあなたの言うとおりにしますね」

 

 

 

 

 崩壊した世界を回る日々の中、多くのアンドロイドたちや機械生命体と友好や信頼を育む立香たちカルデアのメンバー。身に降りかかる危険もなくただ穏やかに日々が過ぎていく。過ぎていくように、思えた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遂に通達されたヨルハ部隊からの連絡で、すべては一変した。

 

「バンカーより2B、9S両名に通達。現時刻をもって人類個体、藤丸立香の排除を命ずる」

 

「彼の存在は我々にとって必要のない奇跡、存在してはいけない希望だ」

 

 

 

 

「大型機械生命体群の進行を確認!どういうこと!?いきなり反応が出現するなんて・・・」

 

「レジスタンスの拠点が機械生命体の襲撃に遭遇!こちらの損害は甚大!至急応援を要請する!!」

 

「嫌だ、来るな、来るなーーーーー!!」

 

 

 

 

「イタイ、イタイ、イタイ、イタイイタイイタイイタイイタイタイタイタイタ」

 

「ニンゲンメ、ヨクモワレワレノドウホウをコロシタナ。シネ、シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ、コロセ、カエセ!!!!」

 

 

 

 機械生命体たちの暴走、意思の発露にともない激化する人形たちの不毛な潰し合い。

 

 

 

「2B!やっぱりどう考えてもおかしい!どうして守るべき人類を殺す必要があるんです!僕たちは人類の為にここまで戦ってきたんじゃないですか!?」

 

「どいて9S。私は・・・あなたを殺さなきゃいけなくなる・・・」

 

 現状に疑問を抱き、立香たちに味方する9Sと向かい合うように、重装備、飛行ユニットを纏ったヨルハ戦闘型アンドロイド群を引き連れ立つ2B。呪いのような二人の関係に、また一つ傷が刻まれていく。

 

 

 

『先輩!!?』

 

「パスカルさん、どうして・・・」

 

「マスター!!パスカル貴様ぁ!」

 

「ごめんなさい、立香さん・・・あなたを殺さないと子供たちが壊されてしまうんです。だから・・・・死んでください!!」

 

 仲間だと思っていたパスカルに腹部を刺され戸惑う立香達に対し、パスカルはどこまでも申し訳なさそうに謝罪するが、その言葉の本気を伺わせるように手に持つ剣に迷いはなかった。同時に工場廃墟の物陰からかつて自分たちを歓迎していた村の機械生命体たちが一斉に襲い掛かってきた。

 

 

 

 

 無情に響くアンドロイドと機械生命体の悲嘆と怨叉の声。積み木を崩されるようにあっけなく吹き飛んでいく愛情と希望。悲劇の連鎖が怒涛のように押し寄せ最後に人形たちの残骸が無慈悲に積み重なっていく。

 その果てで立香たちは遂に特異点の元凶を発見するも、そこにあったのはわずかに魔力反応を残すばかりの聖杯と化石となり片言の言葉を発するだけの魔神柱だった。その結果にダヴィンチは悲しい結論を出すこととなった。

 

「これではっきりしたよ。この時代での私たちの行為は全て意味がない。ここは私たちが行くべき特異点じゃあなかったんだ。この聖杯と魔神柱がどういった手段かカルデアのシステムにクラッキングを仕掛けてデータの改竄をし、意図的にこの時代に送り込んだ形跡があった。私たちが居たのは何もかも手遅れとなった結末だ。バンカーのデータバンクにあった情報を考えれば、原因となった特異点の起点はここしかないだろう」

 

「2003年に起こった『■■■■』と『■』によって引き起こされた奇病と神代レベルの魔力の流入。それこそがこの歴史を汚染した特異点のトリガーだ。一旦カルデアに戻ってくれ、立香君!次にレイシフトするのは■■が落下したとされる場所、ああそうだ、『新宿』だよ!」

 

 

 

 再度レイシフトし、因縁のある新宿に降り立ったカルデアのマスター。そこにはどこまでも巨大な■■とその周囲を飛び回り謎の環をぶつけ合う■により空間をざわつかせる歌を響かせる狂気の空間が広がり、その■■の足元に、聖杯を手に持ち魔神柱人間体が彼らを待ち構えていた。

 

「待ちかねたぞ、カルデアのマスター。一万年後の私とは記憶の同期を済ませた。おおよそのことは把握している。それで、どうだったかね、人類が衰退し無惨な末路を迎えたあの世界は」

 

「バアルの特異点の歪みに便乗し私の足掛かりにさせてもらったよ。ここで私が別世界から持ち込んだ■■をこの世界に誘導し呪いを振りまいたことで全てが始まった」

 

「それで、君は私をどうする?滅ぼす?そうすればこいつが落ちてくる事実は無くなり君が最初に来た1万年後の世界は初めからなかった歴史としてこの世界から消滅し、人類は元の繁栄を取り戻す。放置するかい?知っての通りこの後の私は聖杯の魔力を使いきりなんの力もないただの石榑として人類を見守るだけの存在に成り果てる。君が本来いた歴史から切り離されたこの世界はここだけで完結し、人類の衰退とアンドロイドたちの何も実ることのない戦いの果てに終焉だけが残る。人である君にとっては、人類の存続こそ正しい選択であることは明らかだろう」

 

「だが、そこで私は君に問いかけたい。一万年後の世界の機械たちを君はどう思った?彼らにも意思や感情が存在し生きようとしていたとは思わなかったかい?そんな彼らを消すことをどう思う?」

 

 瞬間、立香の頭を掠めたのは一万年後の世界で経験した短くも、確かに愛しく感じた日々の光景だった。最後に悲劇が待っていたとしても確かに存在した彼らとの足跡。その未来が消えることに胸を掻き毟りたくなるような痛みを感じた。ようやく立香は気づいた。目の前の魔神は、二つの世界の天秤の秤を自分に突きつけるために悠久の時を過ごしこの瞬間を待ち望み続けたと。全て、自分への報復が為に、一万年後の世界からこの時代へと誘導させたのだと・・・!

 

「さあ、もう一度問おう。君はどちらを救う/滅ぼす、カルデアのマスター?」

 

 魔神柱が仕掛けたマスターのみを狙った悪辣な選択。藤丸立香は、どちらを選び、どちらを捨てるのか。

 

          それは呪いか、それとも罰か

 

         Fate/Grand Order 終焉人形歌劇 オートマタ

 

 

???「あなたはこの結末を諦めて受け入れますか?」

 

→はい いいえ

 

 

 

 

●登場人物紹介

 

2B・・・正式名称ヨルハ二号B型。戦闘用アンドロイド。感情を禁止するヨルハ部隊の規則を守るよう人に言うが本人は割とよく感情的になるのがかわいい。尻がマロい。

 

9S・・・正式名称ヨルハ九号S型。スキャナータイプのアンドロイド。2Bに甘えまくる短パンショタ。

 

ポッド042・・・ヨルハ部隊の射撃支援を行う随行支援ユニット。2B専属。アンドロイドよりも無駄に高性能かつ無敵。お父さん。

 

ポッド153・・・9Sの随行支援ユニット。お母さん。

 

機械生命体・・・異星人が生み出した機械兵。主に丸い頭が本体らしく頭部をベースに様々なバリエーションのものが存在する。

 

パスカル・・・穏健派の機械生命体の村の村長。通常の機械生命体と違い丸みのない角ばった体形をしている。声優が悠木碧。

 

 

『■■■■』と『■』・・・この世界の異変の元凶。ここでの設定は本来自分の世界だけで完結するはずだった戦いを魔神柱に利用され見ず知らずの異世界へと転移させられた可哀そうな方々。元々ヨコオ氏の別ゲーの主人公たち。アクションゲームをしていたら音ゲーをさせられていた。何を言っているのかと言われるとは思うが(以下略)。

 

 




 視点切り替えがキツイですが、演出から展開までプレイヤーに遊ばせることを重点に置いた作品として本当に最高のゲームと感じたのがきっかけでいつの間にか妄想が膨らみこうなりました。多分他の人が書いた方が面白い内容が見れそうなんで触発されて誰かNieRのSSを書いてくれたら嬉しいんです。

 
 ちなみにここでのラストバトル中延々と例の歌がBGMで流されています。

 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。