side 草の根妖怪ネットワーク
どこの勢力にも属していない弱小妖怪たちの集まり、それが草の根妖怪ネットワークである。そこに属する彼女らは特に大きな動きを見せることはなく、互いに情報交換しあうことで身を守っていた。
「影狼さん。もう少しで吸血鬼達が永遠亭に攻め入る。竹林は危ないよ。」
「あら、ありがとうございます、リグルさん。魔法の森なら今は安全ですかね。」
「あ、小傘ちゃん!命蓮寺っていまどんな感じなの?」
「ミスチー!えーと命蓮寺はね、中立を貫こうとしているよ。あそこにいれば安全だから危なくなったらすぐおいで!」
・・・しかしこうして身を守り合う中、殆ど全員が考える事があった。
『いつか強い勢力の奴らに一泡吹かせてやりたい。』
それが実現するのはもう少し先の話になる。
side 妖精群
幻想郷に山ほどいる妖精たち。しかし彼女らを脅威と感じる妖怪は一人もいないだろう。
何故ならいくら数がいると言っても一人一人はたいした力を持たず、また連携を取って戦うようなことも無いからである。殆どが目の前にいる妖怪に向かって適当に弾を撃ち、返り討ちにあって一回休みとなる。
しかし例外もいる。
「はっはっは!こんな時代を待っていたわ!いまこそ私達妖精が天下を取るときよ!」
「といってもねぇ、サニー。特に何か考えがあるわけでも無いんでしょう?」
「う、、まぁそうだけど・・」
博麗神社近くの木の中で盛り上がっているのは光の三妖精である。彼女らもこの戦乱の空気に当てられて、気が大きくなっていた。
「あ、そうだ。じゃあこういうのはどう?」
「なに、スター?」
「ほら、あの氷精いたじゃない。」
「あぁ、チルノ!あいつに協力させてみるか!」
「そうそう、三人じゃ無理でも四人集まれば・・」
どうやら意見が纏まったような三人は霧の湖目指して飛んでいった。
side 博麗神社
「はぁ、全く。なんで皆勝手に集まってくるんだか・・・」
「まぁまぁ良いじゃないか、霊夢。戦力は多いに越したことが無いだろう?」
博麗神社にはこの戦乱の中にも関わらず数多くの人妖が集まっていた。
代表的な所では、人間の霧雨魔理沙、鬼の伊吹萃香、妖怪の風見幽香、人形遣いのアリス・マーガトロイド、寺から抜け出してきた二ッ岩マミゾウ、封獣ぬえなどそうそうたる顔ぶれである。
霊夢の人柄に集められた者、打算で来た者、思惑はそれぞれであろうが、単純な戦力だけで見るならばどこの集団にも引けをとらない大勢力となっていた。
しかし、霊夢は今のところ動きを見せる様子はない。ただただ幻想郷の各地に目を光らせながら集まった人妖を眺めるだけである。
そんな所に慧音の手紙を携えた妹紅がやって来たのは紅魔館の永遠亭攻撃開始ちょっと前である。
「霊夢、これを。慧音からの手紙だ。」
「うん? ・・・ふーん、なる程。人里が危険だから何とかして欲しいと。 そうねぇ。わかったわよ。もう少しで一つ大きな動きが始まるからそれが終わったら対処するわ。それまでは自分でなんとかしろと慧音に伝えて頂戴。 」
「ん、わかった。」
その後、霊夢の取った方策に幻想郷中が震撼するがそれはもう少しあとの話。
次に起こるのは紅魔館の永遠亭侵攻と、その隙をついた天空連合の紅魔館攻めである。