…だってそうしないと主人公たちの最初の絡みがぁ…
あの日、天使界から落とされたボクは、全力で慣れない防御系の呪文を必死に唱えた結果、生きてウォルロ村の滝壺に突っ込むことができた。
慣れない呪文を見様見真似で無理やり唱えた結果か、それとも別の何かか。
ボクは天使の光輪と翼を失い、人になった。
正直、かなり微妙な気分になった。
今まで散々言ってきた天使ではなくなったのだ。本来なら喜ぶことなのだが、なぜかボクの心には喪失感があった。
やっぱりなんだかんだ言ってボクは天使だったんだと、また自分が嫌いになる。
しかし、そんなボクにもウォルロ村の人たちは優しかった。
それに、リッカちゃんは居候のボクのことを『友達』と言ってくれたのだ!
ここまでしてくれたのだ。これ以上ボクがうじうじしているわけにいかない。
ということでボクは割り切ることにした。
人間として平和に生きればいいのだ、静かに。あれだ、激しい喜びはいらないから深い絶望も無い生活を望むってやつ。
ボクは天使をやめるぞ!ししょーーっ!!
そうしてボクはウォルロ村の一員となって静かに、平和に暮らしたのでした…。めでたしめでたし。
とはならなかったよコンチクショウ!!うん、知ってた!!
なんなの!なんなのニード!ボクはか弱い(自称)女の子なの!あんたの自己満足で魔物と戦わせんなっつうの!このMP0め!火炎斬り使えよ!あ、Lv3だったな雑魚がっ!
ルイーダ!あんた絶対ボクより強いでしょ!具体的にはLV28くらいあるでしょ!なんで瓦礫なんかにハマっちゃうの!?あんたを心配したリッカちゃんの頼みでボクがしょうがなく探すことになったじゃ無い!
しかも色々あった結果リッカちゃんセイントシュタインに行くことになったし!リッカちゃんいないとボクウォルロいる意味無くなるんですが。しかもあそこサルエルの領域!やだよ行きたく無い!テンシコワイ。
だぁーーー!なんでだ!どうしてこうなったぁーーー!!
ぜぇ、ぜぇ、落ち着けボク。お餅をつくんだ。ペッタンペッタンつるぺったん♪…うん、よし落ち着いた。
まあ、セイントシュタインに行く道中、サンディっていう妖精の友達ができたから悪いことだらけではなかったけど。今時のギャル妖精サンディ。マジいい奴。
そのサンディ、どうやら人を探しているらしい。店長さん、だっけか。リッカちゃんの宿屋、また人気が出てきたらしいし探すの手伝ってあげよう。
そのために天の箱舟を動かさなくちゃいけなくて、動かすために星のオーラを集めなきゃいけないのはあれか?天使をやめたボクにに対する皮肉か?
だが仕方ない。友達のためだ。
ということで黒騎士討伐開始。仲間募集しないかって?絶対気が合わない。(経験則)
そのためにはLv上げ。魔物を乱獲乱獲。ボクのLVも上がって魔物も少なくなって一石二鳥。まさに効率を優先する天使の鏡だよどちくしょう。
そういえば、サルエルに遭わなかったなぁ。(誤字にあらず)あの紫の閃光で他の場所に堕ちたのか、はたまたボクが完全に天使としての力を失ったのか。幽霊も妖精も見えるから後者は無いはずなんだけど…。合わないなら合わないに越したことは無いからいいか。
そういうわけで今日も今日とてLV上げ♪本日も快晴です!
「よし、VS黒騎士戦といきますか」
Lvも14。ソロでも十分黒騎士と闘えるであろう。
黒騎士の指定場所までは少し距離があるが、昼頃に出れば黒騎士が出るっていう夜には着く。それまで時間があるので、リッカちゃんに会いに行った。
すると、最近にしては珍しく宿屋が静かだった。
いや、ザワザワしているからいつもみたいに賑やかじゃ無いってとこか。
どうしたんだろうと奥を見るとその理由がいた。
「おいてめぇ、それは俺の依頼だ。さっさとそれを渡せや!」
でたー!自分が一番強いと勘違いして悪ぶってる奴ー!いっちょまえに子分なんか従えちゃって。LV二桁になってから出直せってもんだ。
さて、標的になったかわいそうな輩は誰かなーって見てみる。やじうまやじうまー。
「…」
『あ、あれ…』
サンディが指差したのは、三日前から急に出てきた謎の冒険者。
見た感じ
だけど、ボクは一目見たときに、ビビッときた。
「あ、こいつ私と同じボッチだ」って。
いつか話してみたいと思っている。なんて言ったらリッカちゃんにもサンディにも反対された。なぜに?
ともかく、謎の冒険者さんは無言。そのまま出て行こうとする。
「おいてめぇ、無視すんじゃねぇ!」
おおっと、雑魚の拳が謎の冒険者のほおにクリーンヒット!あれは痛い!
…痛い、よね?
「なっ…!」
微動だにしないんですが。
「クソがっ!死にやがれっ!」
キレた雑魚が剣をぬいてーって、
『ちょっ、剣はまずいでしょ!』
とっさのことで周りの誰も止めることができず、剣は謎の人に向かって振り下ろされーーー
「「「は?」」」
その場にいる皆の声がハモった。あ、ハッピーアイスクリーム!!
じゃなくて、えっ、え?
「…危ない」
二本の指で真剣白刃取りをした謎の人は表情すら変えず、そう言った。
いや、危ないとかそんな問題じゃなく即死コースでしたよ、今の。
なんですか?HSSでも患ってるんですか?あなた何者?
「あ、あ…」
ーーポチはにげだした!ーー
雑魚は剣を離して逃げてった。周りのお供も慌てて逃げる。
そりゃ、あんなバケモンに喧嘩売っちゃったら逃げるしか無いしね。
で、謎の人は…。
「…これ、あの人に返しておいてください」
「あ、はい、分かりました…」
律儀にリッカちゃんに渡してるし。困ってるよリッカちゃん。
ていうかボクにはわかる。あの人、内心めっちゃ混乱してる。
ますます同族感がしてきた。
「うん、あの人となら友達になれる」
『何言ってるのナイン!?正気!?』
サンディに正気を問われたよ。ボクまだSAN値55くらいはあるから。
というわけで、到着!黒騎士の地!
えー、時間はもう真夜中12時です、はい。
意外に時間が掛かって掛かって。ウパソルジャー追っかけてくんなし。
そんなこんなでなんとかここ、シュタイン湖、麗しの湖畔に着くことができた。
にしても、
『ここちょーいい場所じゃん!』
この場所、なかなかに、いやかなりいい景色だった。
「今生まれて初めて、ボクに詩のセンスがあったらって思ったよ…」
『うわっ、作詩してるナインを想像したら寒気したんすケドー』
「ひどっ!サンディひどっ!」
なかなかに酷い。ライフが2000くらい削れた気がする。だが許す。
『それにしてもー、この時間でいないってことは今日は来ないんじゃ無いのー?』
時間守れない男とか無いわーと言うサンディ。
『なーんて、振り返れば奴がいるみたいな!?』
「へんなフラグ建てないでよ…。ってどうしたの、サンディ?」
後ろを見たまま固まっている。
返事が無い、ただのしかばねのようだ、じゃなくて!
「まさか」
慌てて私も後ろをみると、
近くの高台。そこには漆黒の甲冑を身にまとい、馬に乗ってこちらを見下ろす騎士。
謎の黒騎士がそこにいた。
『マ、マ、マ、マジっすかぁー!?』
「ほら!サンディがフラグ建てるから!」
『アタシのせい!?』
そうやってボク達がギャーギャー騒いでいる間に、黒騎士は高台からこちらに降りてきた。
「誰だ、キサマ…?」
(あの、サンディさん)
(何!?こんな時に!?)
小声でとりあえずサンディに確認をとってみる。
(黒騎士=サン、めっちゃ怒って無いっすかね?)
(見りゃ分かるでしょそんなことーーー!!)
小声でキレるとは、なかなか凄いものを見た。
「何を話している…」
『ひぃ!』
黒騎士に睨まれたボク達。あまりの怖さにサンディが悲鳴をあげたよ。
「キサマに用は無い…。姫君はどこだ…」
そう言って背中の槍を抜く黒騎士。
「姫君を出せ!我が麗しの姫をッ!」
ーーなぞの黒騎士が現れた!ーー
「まぁ、こうなることはわかってたんですけどねーっと!」
先手必勝!不意打ち気味にボクは呪文を黒騎士に叩きつける。
「くらえっ!!ヒャドっ!」
ーーナインはヒャドをとなえた!ーー
氷の塊が黒騎士の頭を捉える。
ーーなぞの黒騎士に17のダメージ!ーー
しかし、黒騎士はひるみすらしない。すぐさま攻撃をしてくる。
ーーなぞの黒騎士のこうげき!ーー
ーーナインに16のダメージ!ーー
「おぅふっ」
いがいにも大きなダメージにこちらがひるむ。痛いっす。
「だらっしゃぁぁい!」
しかし負けてられない。こちらも攻撃!
ーーナインのシールドアタック!ーー
ーーなぞの黒騎士に10ダメージ!ーー
『このチキーン!!』
だって!だって痛いのやだし!いくらホイミとか薬草で怪我を治せるって言っても、数に限りがあるし、喰らったら痛いし!
じゃどうするのってなったらチキン戦法ってことになるじゃん!
便利だシールドアタック!負けるなシールドアタック!がんばれシールドアタック!
ーーなぞの黒騎士はホイミをとなえた!ーー
ーーなぞの黒騎士のキズがかいふくした!ーー
「」
「さて…、どうした、来ないのか?」
そうか、これが俗に言う「勝てる気がしない」ってやつか。
「おま、ホイミとか卑怯!ずるい!」
この鬼!悪魔!黒騎士!
「…ホイミは使ってはいけなかったか?」
真面目に返してきたよこの騎士。
心なしかき黒騎士からやっちまった感を感じる。
だが気にしない。
「最近の決闘はホイミ禁止なんですよ!ルール違反はやめてほしいですね!」
「そ、そうだったのか…すまない」
(あんた…よくそんな堂々と嘘言えるわね…!)
(ふ、勝てばよかろうなのだ、勝てば)
戦いに卑怯も何も無いからね。騙される方が悪い。
「…、勇敢な少女よ、お詫びと言ってはなんだが、私にホイミをかけさせてはくれぬか?そうすればもう一度決闘をしきり直せる」
「あ、お願いs…、当然ですね。さっさとかけてください」
(おいこら)
ーー黒騎士はホイミをとなえた!ーー
ーーナインのキズがかいふくした!ーー
「さて…、これでいいか?」
「はい、大丈夫です」
さて、あとは不意打ちからのー
「勇敢な少女よ、ここまでやっといてはなんだが、私に闘う意思は無い、と言ったら信じるか?」
突然、黒騎士がそんなことを言ってきた。
「一回攻撃されたからね、ちょっと…」
そう言って僕のこと攻撃するんでしょ!バトル漫画みたいに!バトル漫画みたいに!
「それは、キサマが攻撃してきたか…、いや、言い訳だな。すまない」
(ねぇ、ナイン)
(何?サンディ)
(すっごい罪悪感なんだけど。なんで100%ナインが悪いのに謝られてんの?)
無視。あーあー、都合の悪いことは聞こえないなー。
「これで信じてくれないか?」
そう言って黒騎士は槍を捨て、仮面をあげっ!
「?どうしたか?」
『黒騎士…!あんた、骸骨!?』
黒騎士の中の人は骸骨だった!
「そうだ。長い眠りから起きたらこうなっていた」
そう言って顔を伏せる。
哀愁を漂わせるその姿は、何があったのか思わず話を聞いてあげたくなる。
だがボクは油断しない。そう思わせて油断したとこを襲う気なんだろ!ボクは知ってるぞ!そういうのお約束っていうんだろ!
『いい加減にせいやー!』
ばちんとサンディに頭を叩かれる。痛い。
『明らかあっちに悪意無いやろー!』
「ごめんなさい調子乗りました許してくださいなんでもしますから」
『謝るの早っ!』
というわけで、気を取り直して。
「黒騎士、あんたの話聞いてあげるわ。か、勘違いしないでよねっ!サンディに聞けって言われたから聞いてあげるんだからね!」
『なんでツンデレ!?』
「わ、わかった…。すまない…」
『黒騎士も素直に受け止めないのー!あー!まともな奴は他にいないのー!?』
失礼な。それじゃまるでボクがまともじゃ無いように聞こえるじゃ無いか。
「私の名は、レオコーン。ルディアノ王国の騎士である」
黒騎士の名はレオコーンというらしい。
そこそこなのある騎士だと言っていたがボクは聞き覚えがなかった。
ルディアノ王国、には聞き覚えがあったがうまく思い出せない。
やたら話が長かったので半分うとうとしていたが、話をまとめると、
・ ルディアノ王国第一王姫メリア姫と永遠の愛を誓…婚約した。
・ 直後に魔女イシュダルが現れる。なぜかレオコーンにべったりしてくる。
・レオコーンがイシュダルを断り続けていたら、イシュダルが魔物を集めて国を襲撃する計画立ててた。
・自分の責任であろうので、止めるメリア姫を説得してイシュダルの元へ。
そこで彼女と戦い、自分もろとも彼女を封印。
・大きな地震で気がつき、自慢の視力で辺りを見回してたら城にメリア姫がいた。
・なのに会いに行ったら拒否られる←今ここ
つまり、
『三角関係の典型的なパターンてやつねー』
呆れながら言うサンディ。
しかしそんなつぶやきは筆頭騎士(笑)レオコーンには聞こえない。
「…なにゆえ…、なにゆえ、姫君は貴様のようなものを私の元に遣わした…」
悲痛な声が、彼の喉から漏れる。
「メリア姫はもう私のことを、あの時交わした約束は偽りだったというのか…!」
そこでサンディのツッコミ。
『いや、あの姫様はフィオーネ姫で、あんたの言ってるメリア姫じゃ無いって』
ーーサンディは現実を突きつけた!ーー
「な、なに…?そ、それは誠かっ!?」
ーー黒騎士は現実を知った!ーー
「そうか…、そうなのか…。言われてみれば、彼女はルディアノ王家に伝わる首飾りをしていなかった…」
落ち込むレオコーンだが、すぐに顔を上げて言う。
「いや、姫に会えなかったのは残念だが、この姿を姫に見せて悲しませるよりかはずっといい。迷惑をかけたな、勇敢な少女よ」
ものすごいポジティブ思考で気を取り直す。回復早すぎ!
「自らの過ちを正せねばいけないな…。今からあの城に…否、かえって迷惑になろう。すまない、勇敢な少女よ、私が謝罪していること、もうあの城に近づかないことを王に伝えてくれないか?」
さすがにこれはふざけられない。そういう雰囲気じゃないし、何より後ろでハリセン抱えているサンディが怖い。
「分かった。伝えておきます」
「ありがとう、勇敢な…、そうだ、名を聞いても?」
レオコオーンが名を聞いてくる。
「…ナインです」
「ナイン、か。
そう言って馬に乗る。
「ナイン、汝に天使と星々の加護があらんことを」
『ナイン?どうしたの?顔チョー怖いよ?』
「へ?あ、なんでもない」
気づくとサンディが顔の前でふよふよしていた。
『それにしては…
「なんでもない!ぼーっとしてただけ!さ、帰ろ!もう朝になるし!」
無理やり話を切ってボクはセイントシュタインに向かって歩き出した。
『ナイン…、どうしたんだろ。あたいの時もそうだったけど…、名前の話になった瞬間とても嫌そうな顔してた…』
設定2
ナイン
1 せいべつ おんな
2 たいけい 5 (一番小さい。つまりロリ)
3 かみがた 9 (ポニテ)
4 かみのいろ 9 (水色)
5 かお 2 (濁った目…を意識)
6 はだのいろ 3 (普通よりすこし白い)
7 めのいろ 6 (青 亀的に蒼を意識)
8 なまえ ナイン
その他
童顔。貧乳。低身長。具体的には身長148。そして17歳。
だれがなんといってもロリですありがとうございます。
合法…ではないな、うん。多分。