できるように頑張ります。
みんな!どうかおらに感想を!(おい)
はい、いつも通り調子のりました。
それは、くだらない疑問。
何度もなんども。意味の無いことだと、答えの無いことだと自分に言い聞かせてきた。17年間、生まれてからずっと頭のどこかで考えてきた、そんな疑問。
ボクの全てであり、自分が嫌いな理由であり、全てにやる気が無い理由。
自分から気力が感じられない、という自覚はある。
周りに対する劣等感とか、物事に関する関心が無いとか、そういうことじゃなく。
どこか、肝心なとこで諦めている気がする。
師匠が言うには、「他人に頼れば分かる」らしい。
だけど、いつも他人の頼りっぱなしのボクが分からないのだ。これはどういうことなのだろう。師匠にも分からないということなのか?
師匠はよく意味深なことを言う。
いや、師匠に限らず天使は皆回りくどい言い方をする。
なんなの?かっこつけ?その年で厨二病なの?
ボクが天使が嫌いな理由の一つだ。
いつもいつも上から目線で物事を喋って。
偉そうなことを言っている割には物事の本質を全然理解してないで。
他人のことを見下して。
そのくせ自分ができないと、周りを巻き込んでそれらしい理由をでっち上げる。
周りもそれが間違っていても、自分も同じことをしているから何も言わない。
他にも、他にもたくさんある。
そして、もれなくボクもそんなクズな連中の仲間である。
少数だが、師匠のようなクズでは無い天使だっているにはいる。
でも、だめなのだ。
だから、ボクは答えが知りたい。
こんなくだらない、考えているだけバカらしいと分かっている疑問の答えを。
朝、顔を洗った後に鏡を見ながらまた考えている。
思わずため息が出た。
あぁ、生きてる意味ってあるのかなぁ、と。
あの後、王様に報告したら激おこぷんぷん丸されたの巻。
うん、黒騎士の話を信用されなかったのである。
姫さんは姫さんで「どうして信じてあげないんですかっ!」ってどっか行っちゃうし。
「ほんとわけわからん…」
これじゃサンディと二人で考えた「国民に感謝され、一気に星のオーラ回収大作戦」が台無しである。
『あの王様、なんなの、ちょームカツクしー!』
この通り、サンディもご立腹である。
「どうする?これじゃレオコオーンのとこ行った意味無いよー」
レオコオーンのためにだるいだるいLVあげを行い、レオコオーンの長〜い話で一徹、挙げ句の果てにはそこまで頑張ったのに王様には怒られる始末。
もはや哀れ。
「…笑えよ、サンディ…」
『いや、あたいも被害者だって…』
そうして、二人してリビングデット状態で城の中を歩いていると、
「あの、ナインさま、ですか?」
「あ、はい、ナインです」
とあるメイドさんに声をかけられた。
「私、ここでメイドをしている冥土と言います」
ややこしい。しかも名前がどこか不吉。
「姫さまから、ナインさまを姫さまの部屋にご招待しろ、と姫さまから仰せつかっていて…」
「姫さまから…?」
なんだろう、徒労ぷぎゃぁとか言うつもりだろうか?
『いや、そんな姫さま性格悪く無いでしょ』
そんなことを話しながらボク達は姫さまの部屋に辿り着く。
というより、今気づいたのだが。
「冥土さん、あなたLV20近くありません?」
「あれ?バレちゃいました?」
そう言っておもむろに腰を落とし。
「はっ!!」
ーーメイドAのせいけんづき!ーー
ボクの顔の横を必殺の拳が通り過ぎる。
そして、ぶぉん、という風をきる音。
あれ?音が、遅れて聞こえてくるよ?
「姫さまに何かしたら、この拳が突き刺さりますよ?」
「キモニメイジテオキマス」
怖い、勝てないよこれ。もう冥土さん全部あなた一人でいいんじゃ無いかな…。
恐怖を胸に、姫さまの部屋に入る。
「し、しつ、しちゅれいしま、しつれれいします!」
『コミュ障ーかっ!』
いや、冥土さんが怖すぎて。
「ふふ、そんなに緊張しなくていいわよ?」
さあどうぞ、座ってとフィオーネ姫が椅子を出してくれる。
「あ、いや自分立ってますから」
「あ、もしかして冥土になんかされた?」
くすくすと笑う姫さん。
その様子だと、あの冥土さんの被害にあったのはボクだけじゃ無いらしい。
「気にしなくてもいいのよ?あの子、私にとうさま以上に過保護気味なの。私とあまり年も変わらないのに」
過保護気味ですか、あれが。
警告で、鍛え抜かれた必殺の拳を問答無用で人の顔の横に撃ってくる、あれが。
「それより、あなたにお願いがあるの。簡単な依頼になるんだけど、聞いてくださる?」
あ、これ断ったら死ぬやつや。後ろの扉から殺気ががががが。
「わかりました、聞きます」
「まぁ、うれしいわ♪」
いや、だって聴かなきゃ死ぬし
「先ほど話してくださったルディアノ王国、私も聞いたことがあるの。
昔婆やが歌ってくれたわらべ唄にその名前があって。
依頼ってのは、そのルディアノ王国について調べて欲しいの。
どう?受けてくださる?」
「ぜひ受けさせてもらいます」
あ、殺気が減った。よかったよかった。一安心。
「嬉しいわ!感謝します、ナインさま!あ、それで婆やはいま、ここから北にあるエラフィタ村にいるの。婆やには私の名前を出せばいいと思うわ」
ここから北…。魔物、強くなるんだろーなー…。
「お願いしますね!ナインさま!」
「それでエラフィタ村までー?大変ねー」
「大変ってレベルじゃ無いよーリッカちゃん…」
姫さまから解放されしばらくして。
一応エラフィタまで行く準備はできたボクは、最近日課になりつつあるリッカちゃんに愚痴…もといおしゃべりをしに来ていた。
今はもうお昼近く。エラフィタ村は黒騎士と戦った麗しの湖畔よりさらに北、正確に言えば北西にある。普通に歩けば半日、魔物と戦いながら進むことを考えるともっとかかる。行ったことの無い場所なのでキメラのつばさも使えない。魔物が活発になる夜に歩くことは論外なので、必然的に朝に出ることになる。
ということでボクは今、暇なのである。
「それにしてもー」
リッカちゃんがボクを見ながら言う。
「本当に黒騎士を倒してきちゃうなんてねー。いつの間にそんなに強くなっちゃったの?」
「へへーん、どんなもんだーい」
耳をすませば、宿屋はボクの話題一色だ。
どうやら朝方帰ってきたボクが城に入ってしばらくして、表の看板に貼られていた黒騎士討伐依頼の髪が剥がされたのを見て、そういう推測になったのだろう。
王様は「そんな嘘をっ!」って言っていたので、剥がすように指示したのは多分姫さまだろう。黒騎士が万が一討伐されたら話が聞けないと思っての行動。
うん。無駄に行動力がある姫さまだな。
もちろん、褒めてない。だってそのせいでボクはエラフィタまで行く羽目になったんだもん。
しかも、王様がこの噂に気づく前に姫さまの依頼を終え、かつ王様に黒騎士がもう姫さまを狙わないって説得させないと大変なことになる。
主にこの街におけるボクの世間体が。
ボクが言い出したことでは無いものの、嘘つき扱いされること間違いなしである。
「あ゛あ゛ーーー、お腹がギリギリするんじゃー…」
「ま、まあ頑張って、ナイン」
リッカちゃんだけがボクの味方である。天使か。あなたがボクの天使か。いや、天使だとリッカちゃんが汚れる。
『あーたーいーはー?』
あーはいはい味方味方ー
『こ、こいつー…!』
だって、ねぇ?
そんなことはともかく。一つ真面目な相談事が。
『そんなこと!?』
「どうしたの、ナイン?」
「いやー、黒騎士と戦って思ったんだけど。やっぱ、パーティー作ったほうがいいかなーって」
つまり、ボクの代わりに戦ってくれる肉だt…もとい前衛が必要。じゃないと、本当にボク死んじゃう。チキンプレイじゃボス級と戦ったらジリ貧だ。
「うん、作ったほうがいいと思う。いくらナインが強くても、一人だといつか限界がきちゃうよ?」
ルイーダさんに頼めばいい人紹介してくれるよーと言ってくれるが、一応一人、誘いたい人がいるのだ。
「えぇ!?ほ、ほんと!?」
『ナイン、あんた本物?』
「ねぇ、ボクのことなんだと思ってるの?」
「『いや、ナインだし』」
ボクは泣いてもいいと思う。
それにしても、サンディの姿も見えないし声も聞こえないのに、声を合わせるリッカちゃんはすごい。さすがボクの友達である。
「それで?誰なの、その誘いたい人って」
『男?もしかして一目惚れ?』
「リッカちゃんは多分知ってる人だよ?」
彼は一目見たときから友達になれる気がした。
「私が知ってて、ナインのお眼鏡に叶う人?…うーん、いないんじゃ無いかなぁ…?」
分からないじゃなくて、いないときたか。これはあれだ、ボクに泣けと言っている。そうに違い無い。
「…、本当にわからない?ほら、最近有名な…」
そこまで言いかけて、急に宿屋の騒がしさが消え、代わりにざわつきがやってきた。
理由は簡単。最近有名な彼が来たのだ。
「噂をすれば何とやらっていうよね」
「え…?ナイン正気?」
おやぁ?本気でボクの心配をしてる顔だぞ、これ。
サンディだけでなくとうとリッカちゃんにまで正気を疑われた。鬱だ。死にたくなった。
しかし、僕は強い。こんなんじゃめげない。
「よし!思いついたら吉日、さっそくパーティーに誘おう!」
「ナインまって!もしかして黒騎士に呪いかけられたんじゃ無いの?」
『落ち着いてナイン!まずは深呼吸!すーはー、すーはー』
めげてなんか…、ないもん…!
精神的苦痛をたえ、声をかける。
「ねぇ、そこの冒険者さん」
「…」
え?目があったのに無視されたよ!何?今日のボク扱いひどくない!?
いや、聞こえなかっただけかもしれない。もう一回!
「ねぇ、そこの背のでかい冒険者さん!」
「え、本気なのナイン!?」
本気で泣いていいよねこれ!?