とある原石の自由選択《Freedom Selects》   作:エヴァリスト・ガロア

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本章
001-Ds 現実味のある幽霊とは


 

 

 

学園都市———

 

東京都の西部に位置するその街は、東京都の3分の2の面積を占め、その人口は約230万人、その約8割が学生という学生の街。その内部は23の学区に分かれていて、学区ごとに各々の特徴を持っている。またその科学技術は、学園都市外部と比べ20年から30年ほど進んでいると言われている最先端都市である。

 

そこで行われているのは、「記憶術」や「暗記術」という名目での学生達での超能力研究。そしてその過程で特殊な能力を得た学生は、七つの段階でその力の程度を区切られている。

 

 無能力者(レベル0) 測定不能や効果の薄い能力

 低能力者(レベル1) スプーンを曲げる程度の日常では役に立たない能力

 異能力者(レベル2) レベル1とほとんど変わらない程度の能力

 強能力者(レベル3) 日常生活において活用可能で、便利と感じられる能力

 大能力者(レベル4) 軍隊において戦術的価値を得られる程の能力

 超能力者(レベル5) 単独で軍隊と戦える程の能力

 

そして学園都市の最終目的とされ、未だ誰一人として到達した者のいない領域である

 

 絶対能力者(レベル6) 神の領域の能力

 

学生達はそのレベルに見合う環境を提供され、その力をより向上させるべく日々努力しているのである。

 

故に、学園都市が彼らを評価する基準はその能力のレベルに因るところが大きく、レベルが低ければ他にどんな特技を持っていたとしても、その評価が上がることは稀にしかない。

 

そしてその中にはそのことを不快に思う輩もいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その少年は、とある裏路地を歩いていた。

 

 

ここは第十九学区。再開発に失敗し、急速に寂れてしまった学区である。廃ビルや廃屋が多くそびえ立ち、スキルアウトと呼ばれる大部分が無能力者で構成された不良達の巣窟となっている。よって、あまり治安がいいとは言えない。

 

 

そんな学区の裏路地をその少年は歩いていた。

 

 

当然、そんな場所を歩いていれば不良に囲まれてしまうし、彼の体付きからして返り討ちにしてしまうなんてことができるとは到底思えない。

 

そして案の定、

 

「ねえ、キミキミ。こんな所一人で歩いてちゃダメでしょ?」

 

「そうだよ。ここらにはね、僕らみたいな恐〜い人達が沢山いるんだから、用心しとかなきゃ。と言うわけで、君には少しばかり痛い思いをしてもらうんだけど準備は出来てるかな?」

 

とまあ、こんな感じにとても危なそうなお兄さん達が話しかけてくる訳だが、肝心の少年の方はというと、そんな言葉は気にも留めず真っ直ぐ道の真ん中を歩いていく。

 

「おい、何か言ったらどうなんだ?」

 

しかし少年は何も答えず、目的の方向へと進んでいく。

 

「こりゃあ、少しばかりじゃ済みそうにねぇなぁ!!」

 

そう言うと、不良の一人が少年に殴りかかった。それに対し、少年は身構えるどころか不良を視界にすら入れようともしない。

 

そして不良の拳が少年に触れた時、思わぬことが起こった。

 

不良の拳が、腕が、体が、少年の体をすり抜けたのである。その不可解な出来事に、不良は一瞬だけ呆然として、叫ぶ。

 

「てめぇ、能力者だったのか。くそっ、一体何だこりゃあ。幻影か!?」

 

そこでようやくその少年は口を開いた。

 

「違ぇよ。幻影なんかじゃない、俺は確かにここにいる。だがお前は俺に触れられない」

 

至って冷静な少年は続ける。

 

「待ち合わせをしているんだ。邪魔しないでくれるか?邪魔するならここで全員殴り倒すが、それでもいいか?」

 

「威勢のいい餓鬼だな。お前にそんなことできんのかよ?」

 

少年はうんざりしたような顔をし、はぁという大きなため息をついた。

 

「(やっぱりお前ら、俺の事知らないのか。情報開示してないだけに知名度は全然高くないか……)」

 

残念そうに神命は呟く。

 

「ごちゃごちゃ、言ってんじゃねぇぞ」

 

再び不良達が襲い掛かると少年は、

 

「って言うか、お前等みたいなすスキルアウトが付けた『万物透過(ビジブルステルス)』って呼び名はどうしたんだ?まぁどうでもいいか。とりあえず、お前達にはここで御退場願おうか?」

 

そう言って、その少年は不良の群れの中に突っ込んで行った。

 

 

 

 

 

 

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