ファンブル卓外伝 〜俺の彼女が何故か画面から出てこない件〜 作:釣りキチ
楽しんで行ってね……
俺の名前は雑賀 峰人。何処にでもいる引きこもりだ。
何故引きこもりになったのかを説明したいが長くなるので簡潔にしよう。
両親に多額の入学金を払ってもらい東京の大学に入学したのだが馴染めずに中退。
そこから一年も経たずに地元へと帰ってきた。
本当の事を言いますと、田舎者と虐められて心身共に限界を迎えただけですごめんなさい。馴染めないとか嘘ついてごめんなさい。
最初の頃こそ両親も気を使ってくれていたが、もうダメっぽい。超働けとか言ってくる。
だが、俺はもう外に出たくない。俺は
「ああ〜…もう尊い…めっちゃ尊い…何これ可愛いよこれ…」
俺は二次元しか愛せないのだ。
ぶっちゃけ三次元には絶望したので一生二次元でいいです。二次元万歳。
名前はリエルって言うの青髪の超絶可愛い娘です。尊すぎます。
「うわぁ…超結婚してぇ…二次元行きたいっす二次元…リエルと一生生きたいよこれ…」
両親にも一度紹介した事があるんです。
でも「頼むから現実を見てくれ…」「お願い…働いてちょうだい…」って言われた時は泣いた。超泣いた。
これでも俺はSNSでフォロワー1万もいる有名人だぞォ!偉いんだぞォ!
……なんか虚しくなってきたぞ。
てかそろそろ画面から出て来てくれねえかな。
リエルはシャイだから仕方ないけど、そろそろ結婚したいから出て来てくれないかな。
婚姻届けも書いてあるんだよリエル…結婚したい。
「んあ〜…リエルたん可愛いんじゃ〜」
そんな事を言っていたら扉がドンドン叩かれ始めた。
どうやら母のようだ。俺に働けと言っても無駄だぞオイ。
「あのね峰人ちゃん…そろそろ仕事をーー」
「母さん、言っただろう?俺は働く気はないの」
「そうよね…でもちょっとでいいのよ?本当にちょっとでいいの」
やけに今回は押しが強いな。どうしよう。
せや、考えるから暫く待ってくれ、って言えばええやん!
「分かった…少しーー」
「遂に働いてくれるのね!」
「え、いやちょーー」
「三枝さん!それじゃあ連れて行ってください!!」
ん?三枝って誰ぞ?まさか不倫相手?
そんな事を考えていると扉が開き、男が現れた。
歳の頃は二十代と言ったところですかね。若い、若いよ母ちゃん。
てか俺にシリアスは似合わないよ母ちゃん。
「君が雑賀くんですね?」
「ええー…そうっすけど…アンタ誰?」
「すいません、申し遅れましたね。こう言う者です」
名刺を渡して来た。超フレンドリー。
えー…何々、ロッキング探偵事務所所長…なんだロッキング探偵事務所って。
てか探偵なのかこの人。やだカッコいい。ネーミングセンスは無いっぽいけど。
「探偵っすか…で、探偵が何の用?」
「いえ、貴方のお母様に依頼されましてね」
「依頼?」
「ええ、貴方の職業体験の依頼です」
職業と聞いた瞬間俺の目の前は真っ白になった。
目の前が真っ白になる前に思ったことはこれだろうな多分。
あのババア遂に実力行使に出やがったな!!!
まだチャラ男してない頃の雑賀