ファンブル卓外伝 〜俺の彼女が何故か画面から出てこない件〜 作:釣りキチ
「ーーおーい、起きろー!……三枝さん三枝さん、この人全然起きないんですが」
俺を呼ぶ声がする。凄くうざったらしい声だ。
「まさか、職の言葉を出しただけで気絶するなんて…」
「職ってお前…引きこもりだって聞いてたがまさかここまでとはな…」
あ、なんか来た。なんか凄いムカつく。
何これ。凄くチャラチャラしててムカつくぞこれ。
「仕方ない。ハロワに放置しーー」
「じゃかましい!!」
思いっきり上体を起こす。見知らぬ天井だ。
何処だここ。凄い事務所的なあれだ。
「ああ、ようやく起きましたね。あと五分待って起きなかったらハロワに投棄しに行こうと思ってましたよ」
「やだ何それ怖い。てかここ何処すか?」
「ここは私の探偵事務所ですよ。ちなみに従業員は私を除いて一人しかいません」
「よっす」
恐らくこの人が従業員だろう。
凄いチャラチャラしてるが大丈夫なのかこの事務所。
「えっと…名前は?」
「名乗る時は先ず自分からと言うだろう?」
何だろう。コイツ凄いムカつく。
平たく言うとうざい。
「全く…白澤は…。雑賀くん、彼は白澤 達也。ウチの浮気調査担当です」
「浮気調査…うわぁ、何て言うか似合ってますね」
「そうだろう?どちらかと言うと間男側だよ彼は」
「オイ、それは俺に喧嘩を売ってると言うことで間違いないな?」
ヤダもう。凄いキャラ濃い。
この事務所凄いキャラ濃い。
てかパソコン何処だ。俺のリエルコレクションが入ったパソコン何処だ。
「てか、俺のパソコン何処?私あれないと生きてけないネ」
「ああ、パソコンはありませんよ」
「えっ」
パソコンがない…だと…⁉︎
待って、俺死んじゃう。リエル分が足りなくて死んじゃう。
「待って、俺パソコンないと死んじゃうんですけど!リエル分補給出来なくて死んじゃうんですけど!!」
「はぁ…先ずはその依存症から治す必要がありそうですね…。白澤、確かキミ、これから浮気調査に行くんだったね?」
「うん?まぁ、行くっちゃ行くけども」
「わかった。じゃあ雑賀くんを連れて行ってくれ。良い職業体験になるはずだ」
「えぇー…マジかよ…。俺ちゃん浮気調査は一人でやらないと上手くいかないんですけど」
「まあまあ、そう言わずに、ね?」
あれ、なんかトントン拍子で話が進んで行ってるぞ。
俺、一言も行くなんて言ってないぞ。
「オイオイ、待ってくれよ。俺は行くなんて一言もーー」
「いいや、君には白澤について行ってもらう。こっちも仕事なのでね」
「よし、じゃあ行くぞ新人!」
「え、ちょっと待ーー」
「じゃあ頑張って来てくださいね。キミのお母さんから依頼されたことですから」
母さんの依頼?仕事を見つけるってだけじゃなかったのか?
そう考えている間に車に乗せられ、俺は目的地へと向かって行った。