撤退中の戦艦が見た光景。それは赤い光に包まれる戦闘区域だった。
「、、、っ」
土の上で眼を覚ました少年。纏っていた黒の軍服はどす黒く濡れ、足に装備していたジェットストライカーももはや原型を留めていない。
足のユニットを外し、ふと周りを見る。
死体。
死体、死体、死体、、、
ついさっきまで共に戦った戦友達の死体が視界を埋め尽くす。もはや常人が見れば発狂するだろう。まだ幼い少年もまた、発狂までは行かずとも胃の中身をその場にぶちまけた。
「おぇ、、、うっ、、、っ」
あらかた出し終え隣に目をやると、そこにはまた死体。だが、ただの死体ではない。
「、、、たいちょう?」
少年と共に編隊を組み戦っていた男、隊長のものだった。その体は損傷が他の死体よりも激しく、体中の皮膚が焼けただれ、左半身は完全に消し炭になっていた
「、、、、」
だが、少年は涙を流さない。いずれこうなると教えられていた。覚悟していたからだ。決して任務で誰かが死ぬことになっても涙を流すな。我々は人の為、守るべき者の為に戦うのだ。涙を見せるよりもこう言ってやれ。「よく戦った」と。そして、その死を忘れるな。お前がその者の死を、人の為に戦った証を死ぬまで讃えてやるのだ、と。
だから少年は黙々と、隊長や他の男達の体から認識票を取り祈る。よく戦ったと、皆のことは絶対に忘れないと。
そして、少年は隊長の死体の側に座り残っている片手を握った
「、、、ありがとうございます。守ってくれて」
少年は憶えている。撃墜される寸前、大型の敵が現れ、今まで見たこともなかったビーム兵器で味方達を撃ち落とし、自分が撃たれる寸前に、隊長が身を挺して庇ってくれたことを。
「あ、ありがとっ、、、う、、、!おにいぃ、、、ちゃっ、、、!」
少年は走った。その場から逃げるように走った。幼い顔を涙で歪めながら。家族のように慕っていたのだ。隊の皆を。覚悟はしていた。だが、幼い少年にはやはり辛いのだろう。走り続けたその一日、少年の顔が乾くことは無かった
もう何日目なのだろうか。少年は雨に打たれなが、ひたすら歩き続ける。合っているかも分からない、何処に続か分からぬ道とは言えぬような山道を。
「、、、おなかすいたなぁ」
少年のお腹から可愛らしい虫の音が聞こえる。持っていたレーションも底をつき、それからは雨水や草などで飢えを凌いでいたのだ。
甘いお菓子でも降ってこないか、そんなことを考えながら歩いていると、突然開けた場所にでた。もしや、少年はそう思うとすぐさま走った。そこから街が見えるかもしれないと思ったからだ。
そして、少年の顔にしばらく浮かばなかった笑みが浮かぶ
「、、、まちだ!だれかいるかも!」
決して大きいとは言えないがそこには街があった。距離もそれほど離れては居ない。少年はすぐさま頭に犬の耳、尻に尻尾を生やし、全力で街に走った。
少年の期待とは裏腹に、その街はならず者達が巣食っているなどとは、少年は知る由もない。