IS~二人目の男と可能性~   作:アームズ

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IS~第三話 行動には大体理由が付きまとう~

 ──拝啓

     姉へ

 

 ちょっと色々とありまして、転校することになりました。

 

 理由は追々伝えるけども、明日から幾つかの服とかを寮に持っていったりして、多分家には殆ど居ません。なんで、居なければ僕の電話番号か、下に書く番号にかけてください。急な事で困惑するかもしれないけど、変えられない事なんで、まあ、申し訳ない。

 

 

──陽が昇り始めたばかりの5時過ぎ。夏らしい熱帯夜だった昨日は、気温的にもそうだったが、何より炎の熱が体を焼いた。そんな昨日から日付は変わり、保健室の奥で、ベッドの上で一人、手紙を書いていた。

 

 未だに体の節々が痛い。だが、耐えられる程度の痛みなので、気にせずに行動できる。

 

 ギシッ…と、粗製では無いだろうけど、仕方なく鳴ってしまうベッドの軋む音を聞きながらベッドから出る。スリッパを履き、小さなベランダに出て、外を眺める。

 

 陽の光は強さを増し、朝を告げる。

 

 夜は明けた、生き残った。

 

 

■■校庭■■

 

 

 校庭に全生徒が集められる。

 

 拡声器から、放送がかかる。

 

───「17名」

 

 それは、数時間前に失われた命の総数だった。

 

「たった一夜、誰も想定していなかった『イレギュラー』によって。昨夜、17名の命が亡くなりました。」

 

 この瞬間は、『学生』でも『友人』でもない、『軍人』『戦友』として立つ。膝を曲げないため、泣き崩れてしまわないために。精神を、心を、鋼にする。

 

 保健室の窓ガラスの向こう側にいる彼女たちの目、口元をよく見ると、悲しみを感じる。

 

「二度とこのような事がないように、これからも研鑽を積み、そして、強くなった私たちの姿を亡くなった17名に捧げる。」

 

 校庭には沈黙が広がる。

 

 どのような形であれ、諍い、争い、戦争、テロ、暴徒鎮圧、これらは武力が振るわれる、又は武力がぶつかる事によって、何かしらの形でキズを残す。

 

 ここにも、心に残る、と言う形でキズは刻まれた。

 

■■???■■

 

 …アイツは目を覚ましたか

 

 …二人目か、これはまた荒れるな

 

 …確かに、あの馬鹿者は浮かれるかもな

 

 …ふっ、確かにこんな環境では仕方ないか

 

 …目を離すなよ、いきなりテストも無しに乗りこなしたと言う奴の事だ、危険性があることも否めない

 

 …だからこそ、お前に『監視』を命じているんだ

 

 …良いな、隣の部屋にはアイツらを割り当てる、お前はアイツと同室だ、慣れてるだろう?

 

 …良い返事だ、しかしくれぐれも間違いをおこさないように、お前の事だからな、あり得る話だ

 

■■三日後にゃ■■

 

「…えーっと…」

 

 何か喋らないといけないが、言葉が出てこない。目の前には何十人の女子と、若干涙目になっている男子一名。流石にこれは異様な光景だ。

 

「…灰松悠斗です、よろしくお願いします。」

 

 そう言いながら、少し会釈をする。

すると途端にワッ…!っと教室が騒がしくなる。

 

「男の子!二人目だよ!?」「スゴーい!」「なんか優しそうなイメージ、いい感じかも!」「でも織斑君と悩むよねぇ」

 

 なんか大変な事になっちゃったぞ。

 

「静かに!貴様らは何かあるたびに騒いでいるのを何とかしろ。あと織斑、もう少しマシな顔にしろ。」

 

 なんかもう、色々と大惨事になっているせいでやけくそ気味に話を聞いている事にした。

 

「最後に、席は織斑の左隣に、それにともない席替えを行う」

 

 その一言と共に周囲から「ガタッ」と音がする。

 

 …ただの席替えだよね?なんでこんなに空気がガラリと変わってんの?え?もしかしてここ魔境?俺食われる?

 

 その後、クラス全員によるくじ引き大会になって、かれこれ30分以上かけて席替えを行った。

 

 

■■寮前■■

 

「はぁ…」

 

 悠斗は、溜め息をつきながら寮への道を歩いていた。実は荷物が家にあったので、それを運ぶ羽目になり、授業が終わった後、家と寮を往復していた(正確には、寮の前までを、である)

 

 どうも、寮長が部屋まで運んでくれるなんて言うもんだから、それに甘えることにした。(往復だけで汗だくになっていたため)

 

 

「あー…到着…っと」

 

 ようやくと言うべきか、寮に最後の荷物を持って到着する、無論、汗だくだが。

 

 汗でベタベタな体を頑張って動かしながら寮に入ると、涼しい風が体を一気に冷やしてくれる。涼みながら、寮長が居そうな部屋まで行くと、ドアに紙が張ってあった。

 

「部屋番号、354へ荷物を運んでおいた、そこがお前の部屋だ」

 

「…はっ!?」

 

 後ろを向くと、何故か担任の先生が、ええと名前は確か…

 

「えーっと、何故ここに居るんですか織斑先生」

 

「寮長になきつかれた、荷物が多すぎるってな。お陰で私が運ぶのを手伝うことになった」

 

「も、申し訳無い…」

 

 頭を下げながら謝って、部屋番号から大体の場所を、案内板のようなものを見て探す。

 

 そう言えば、アイツはどの部屋に居るんだろうか…等と考えなから。

 

■■チーン(エレベータの音)■■

 

 荷物が重いので、特別にエレベータを使わせてもらい、目的の階層にたどり着く、左右を確認しながらエレベータから降りると、何故か緊張し始めた。

 

 理由は、ここが寮で、その殆どが女子の部屋だからだ。いや、実際にはついこの間まで男子は居なかったそうだが。

 

 まあ、そんな理由もあり気が滅入る、それでも、やらなければならないことだったりするので、いっそのこと堂々と部屋に向かう。

 

 番号を確認しつつ部屋を探していると、目的の部屋を見つける。

 

「ここか…失礼しまー…す…」

 

 小声で言いながら、音をたてないように部屋に入ると、少し暗めに設定されている照明が部屋を照らしていた。そう言えば二人一組で部屋を使うと言っていたが、そうなると、一緒に暮らすことになるのはあの男子生徒だろうか。

 

 そんなことを考えながら部屋に入ってみると…誰もいなかった

 

「…?」

 

 時間帯的には、部屋に居ないと変な気がするが、他の部屋に行ってるのだろうと、自分で考え結論付けて、汗を流そうと着替えを持って風呂場へと向かった。

 

 

 

 

「……」

 

「あ、やっほー、ようやく来たねー」

 

 …朱刃が居ることに絶句しながら、まじまじとバストサイズを確認してしまい、その場で壁に頭を打ち付けて気絶することになった。

 

「…風呂上がり、無防備な姿、タオルのみ…(気絶)」

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