Flat Summer Wars   作:三概井那多

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遅くなってすいません!
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日常の終わり

 夏奈たちと別れてからしばらく経った後、俺は学校を出ることにした。

 

 一緒に校門まで行動をともにしても良かったんだが、それだとエリが嫌がると思い一先ず、トイレにでもいって時間をずらすことにした。

 

 まあ、色々とあって、やっている時間がなかったせいか思った以上に大量に排出しては、ほんの少しだけ賢者タイムの余韻に浸ったりもして結構時間がかかってしまった。

 

 いやぁ、夏休み前でよかったよかった。午前中しか人がいないおかげで何も気にせず、集中することができた。

 

 え? トイレでナニをしていたって? 別に変ことはしていません。ただの生理現象です。ただ、誰もいない学校でやると何となくヒシヒシと背徳感のようなものを感じました。

 

 ふうー、どこかの怪我で挫折して分校に移った高校球児が教室で汗だくになるのも無理はないな。夏は暑いから運動するとかなり出てくるな。うんうん。

 

 そんなことを考えて校門までくると。

 

「お兄ちゃん!」

 

「お、っと、さやか?」

 

 校門から出ると同時に軽いタックルじみた衝撃を受けて、なんだと思ったら黒よりも神秘的な紫色に近い、綺麗な長い髪の少女、天月紗矢香だった。さやかは俺に顔を埋めるほど抱き着いてある程度満足したのか、ひょいと顔を上げて、甘えた感じの声で言ってくる。

 

「えへへ、お兄ちゃん遊びに来たよ!」

 

「遊びにって。またいきなりだな」

 

 まだ、夏休みが始まったばかりだぞ。と、さやかの行動力の速さに少し呆れてしまう。

 

 さやかはパライソタウンの人間ではなく、本土の方に住んでいる子だ。数年前に本土に出たときに出会って以来、なつかれてこうしてちょくちょくと遊びにくるのだ。

 

 俺の呆れ顔を見て不満に思ったのか、さやかは頬をぷくっと膨らませる。

 

「もう、お兄ちゃん忘れてたの? 夏休みになったらお泊りしに行くって言ったでしょ」

 

「ああ、そういえばそうだったな。……え、初日から?」

 

「うん、早いほうがいいと思って」

 

 笑顔で返答するさやか。

 

 確かにこの頃、野球の大会だったり期末テストだったりと色々忙しかったせいで、さやかに付き合ってあげないからそれに不満を覚えたさやかを宥めるために、「じゃあ、夏休みに泊まりでもいいから遊び付き合う」と約束した記憶はあるが、確か具体的な日程は決めてなかった。

 

 というか、それ以降電話してなかった。

 

「迷惑だった?」

 

「あ、いや別に。全然大丈夫だぞ。驚いただけだから、迷惑だとかそんなことはないよ」

 

 約束したことを思い出して俺は少し戸惑っていると、さやかも、相談しなかったことがいけなかったのかと、顔は強張って不安そうにしているのを見て、慌てて取り繕う。

 

「さやかと一緒にいられるのは素直にうれしいぞ」

 

「お兄ちゃん! えへへ~」

 

 両手を顔に当てて、照れた顔をするさやかはそのままキュッともう一度抱きしめてくる。

 

「おいおい、もう小6なんだから抱きつくのは卒業するんじゃなかったのか?」

 

「うーん、もう少しだけ伸ばす」と完全に甘えん坊モードになり、幸せそうなさやか。俺は優しく頭をなでながら、ふとあることを思う。

 

 俺もさやかも一人っ子だから兄妹って感覚というのは分からないけど、妹がいたらこんな感じなんだろうか。

 

 良くも悪くも少しだけ過剰に期待されたりすることもあるのだけど、それは「兄」として慕ってくれて信頼してくれることなのではないのか。

 

 それにもう一人のお転婆の緑髪をした少女のことも。考えてみればアイツも俺を「兄」だと慕っている。というかアイツは第一声が「兄弟になってください」と訳の分からないこと言っていたっけな。懐かれるのも早かった。

 

 それに比べるとさやかも今でこそこんなに懐いてくれるが、出会った頃は俺のことを嫌っていたとは少し違うが、明らかに人を寄せ付けないような存在感があったのは確かにあった。

 

 だけど人は成長していく、時間は流れていくのだ。そこから小さく、ちょっとずつ確実に変化していくのは誰に止められないし、それがどんな風に変わるなんて誰にも分からない。

 

 俺とさやかの関係もいずれ変化が生じるだろうが、それまでは彼女が思い描く(ヒーロー)でいよう。それまでは実の妹のように思っているこの子を失望させるようなことは絶対にしないようにしよう。

 

 そう思いながら彼女の頭を撫でてあげる。

 

「お兄ちゃん」

 

「なんだ?」

 

 相変わらず腹のあたりに顔を埋もれながら、さやかが言う。

 

「なにかね、変なにおいがする。う~んと、……い」

 

「汗だ! 汗だ!! 夏だから汗を結構かいたんだ。だからもう離れような。な!」

 

 さやかを無理矢理引きはがす。さやかは名残惜しそうな声を上げて少々不満そうな顔をするが、流石にアウトというか、兄としての誓いを立てておきながら即行で兄の尊厳や威厳が崩壊させるところだった。

 

 いや、別にやましいことはゼンゼンシテイマセンガ。ホントホント。

 

 この背中からダラダラと滝のように流れる汗はこの暑い夏の眩しい日差しのせいであって、決してロリコン、わいせつ罪で捕まる未来がうっすらと見えたことに対する恐怖心からくる冷や汗ではない!

 

 俺は中学生に餌付けされて手を出すようなニートなゲーマーとははちがうんだ! ……いや、何故だろう? 今どうしてそんなにも具体的な人間像をスラスラと思い描けたのだろうか俺は。しかも滅茶苦茶かなりヤバイ人種なのに、他人事のように思えないのは。

 

 本気この暑さに頭がやられたのかと不安を覚えていると「お兄ちゃん」と呼ばれて我にかえる。

 

「あー、ごめん。少し暑さにやられてた。……そろそろ家に行くか?」

 

「うん」

 

 明るく返事をするさやかは、そのまま校門の近くに置いていた青色の大きめのバックを取ってくる。結構な量だな、まあ、泊まりに来る以上それなりに量になるが。そういえば、昔、臨海学校の際の時のるりかの荷物も多かったからそのことについて聞いてみたら「女の子には色々あるんです!」と真っ赤になったことがあったな。

 

「お待たせ。じゃあ、行こうかお兄ちゃん」

 

「おう。あ、それは俺が持とうか」

 

「え、うん。ありがとう」

 

 さやかから荷物を受け取り、俺たちはマンションへと向かっていく。

 

 照りつける日差しがアスファルトの地面をまるで鉄板のように焼き付けて、熱のこもった地面を歩くのがしんどくて、俺たちはできるだけ日陰のある場所に沿って歩いていく。

 

 さやかは額にできた汗を拭い去ると何かを思い出したように、「あ、そうだ」と訊ねてくる。

 

「そう言えば、今日って何かお祭りとかあるの?」

 

「お祭り? いや、夏祭りはもう少し先だけど、なんで?」

 

「うん。なんかここに来る途中なんだけど、頭にハタを刺した人がいっぱいいてね。それで何かイベントあるのかなって」

 

「そういえば今朝、そんな集団俺も見たな」

 

 ハタを刺した人と聞き、俺は今朝の集団のことを思い出す。あの集団は結局何だったんだ? 何かしらのイベントなら俺が知らないはずがないし、お祭りごとなら、年がら年中お祭り騒ぎのうちのクラス連中が黙っているはずはないんだが。

 

 頭の上に三角のハタを立てたどことなく不気味で奇妙な集団。

 

 ん? そういえばあのハタ一体どうやって立てているんだろう?

 

 遠目だったから特に違和感がなかったが、よくよく考えてみるとあれが立っているのは不思議に思える。帽子とかに貼り付けているならともかく、あれじゃあまるで頭に直接刺しているようにも見える。……まさかな。きっと吸盤かなにかついているよな

 

 ハタについて小さな疑問を浮かべつつも安易な回答で納得させていると、隣でさやかが続けてこんなことも言ってくる。

 

「あと、それと橋も閉鎖されるみたいだけど、お兄ちゃん知ってる?」

 

「橋の閉鎖? いや全然知らないけど、なんで?」

 

「知らない。なんかバスの運転手さんがね、『今日は橋が閉じちゃうから運行はおしまい』っていってたよ」

 

「え? もう最終? それはなんだか変だな」

 

 橋の閉鎖と今日のバスが最終だと聞き、俺は眉をひそめる。

 

 パライソタウンには一つだけ本土と繋がる橋がある。橋は電動式の、本土とパライソタウンの両端から伸び縮みするタイプ。俺たちが中学に上がる頃に出来上がったものだ。そのせいか度々、強度の問題や不具合誤差作動の確認のために点検作業があったけど、それでも数時間程度で終わることが多くて、ましてや運行自体をストップさせる大掛かりなものはあまりなかった。

 

 急な、それも橋自体が何かヤバめなことになっているのか? それなら、事前に何かしらの放送があってもいいような気がするんだが……。

 

 今朝のハタを立てた人間といい、橋の閉鎖の話といい、何だかパライソの人間としてこの島のことで自分がわかっていないことがあると思うと何だか、こう、悔しいというか無償に腹が立つなものがあるな。

 

 そのせいなのか、何故か奇妙な不安感すらを覚えてしまう。

 

 まるでこれは何かが始まる嫌な出来事が訪れる、前触れなのでは。あるいは、もうそれは始まってしまっている。

 

 …………まさかな。

 

 立ち止まって顔を上げて、額にある汗を右手で拭い去って空を見上げる。雲一つとしてない真っ青な空。照り付ける日差しは眩しくて仕方ないが、澄んだ青空を見れば気分もすがすがしいものとなる。まさに夏空にきれいな景色だった。

 

 たぶん、さっきはこの暑さにやられて少し気分が悪くなっていたんだろう。だからそれにつられて妙な不安感に襲われたんだろう。全く、こんな青空の下で不安を覚えるなんてバカがやることだ。そんなやつ、越後以下のバカでしかない。

 

「お兄ちゃん。どうしたの?」

 

 と、急に立ち止まったせいで少し前に進んださやかはこちらを振り替えってくる。「なんでもないよ」と答えてさやかの隣へと進んで行く。

 

 ま、帰ったら母さんにでも聞けばいいっか。ハタのイベントにしろ、橋の閉鎖にしろ、俺が寝てしまって話を聞いてなかったってことだけなのかもしれないし。

 

 一先ず、そのことを頭の片隅に置きやり、さやかと共に家へと歩く。

 

「そういえばさやか。夏休みはなにがしたい?」

 

「お兄ちゃんと、いっぱい遊ぶ! 海で泳いだり、お祭りで射的に輪投げ、金魚すくいに、あ、映画もみたい!『札侍が参る2~カムイ編~』が来週放映だって、あとそれにお兄ちゃんの野球の試合も応援したいし、あとあと」 

 

 待ってましたと言わんばかりに次々と上げてくる。俺は笑いながらさやかの話を聞いていた。

 

 ああ、そうか札侍の続編でるのか。

 

 札侍が参る、とは去年かその前の年にさやかと観に行った映画、タイムトラベル系時代劇和風カードバトルアニメだ。現代に生きる野球少年(|十四≪とし≫)がひょんなことから江戸時代にタイムスリップして、札侍と名乗るなぜか野球札と言われる野球カードゲームで対戦しあうコロコロコミック並みの世界になった江戸を、十四が仲間たちとともに悪のショーグンを倒すという物語。

 

 その続編でショーグンを倒した後、全国各地に散らばっている天狗党なる組織を壊滅させるべく、主人公が仲間たちともに全国を回って旅をし、今回はカムイ地方を舞台にし、次回がホクロク・トカイドー編、その次がヤマシーロ・フウシュウ編、キュウコク・ムサシ編の合計で五部作の作りになっている。

 

「あ、あとキャンプ! お兄ちゃん、キャンプも行きたい! 知ってる、今キャンプ場でUFOがでるんだって!」

 

「ああ、平山たちが言ってたっけな。……さやかは宇宙人とかしんじているのか?」

 

「うん、信じているよ。UFOも宇宙人も幽霊も正義の味方もサイボーグも超能力者も魔神も悪魔も人口生命体も全部信じているよ!」

 

「………そっか」

 

 なぜだろう。この子の将来に不安を覚えるよりも先に「この子全部言っちゃたよ!」という心の底からの突っ込みそうに叫ぼうとしたのは。

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

「ただいま。母さん、さやかが遊びにきたよ」

 

「お邪魔します」

 

 雑談混じりに大雑把な夏休みの計画を立てているうちに自宅マンションに着いた。けど、中からは返事が帰ってこない。いつも挨拶はちゃんとしろ、と人に口うるさく注意する母さんなんだが自分が返事しないとは。しかも、実の息子よりも愛娘のように可愛いがっているさやかの名前を聴いても出て来ないとはなると少し違和感を覚える。

 

 最初は買い物にでも出かけているのかと考えたけど、玄関には靴もスリッパもあって、あれ? 父さんの靴まである。もう帰ってきているのか?

 

 さっきバスの運行が今日は終わってしまったとさやかから聞いたばかりだけど、でもそれはあくまでも本土とパライソタウンを行き来するバスの話だし、父さんの仕事はパライソタウン内だからバスは関係ない。

 

 父さんの仕事も早めに切り上げられたのか?

 

 また、不思議なことは続くもんだなと呑気に思いながら、炎天下の中を歩いて汗がびっしょりに熱くなった体に何か冷たいものをと思い、リビングに向かう。

 

「あ、やっぱりいた。返事くらいちゃんと…し、ろよな?」

 

 リビングに入ると予想通りに中には二人がいたので一安心しかけたのだが、二人の様子に言葉が詰まってしまった。二人はテーブルに向かい合うように静かに佇んでいた。

 

 だが、二人からは何とも言えない、不穏な空気を醸し出されていた。

 

 まるで何か大事な話を一通り話を終えて、しばしの小休止のような、話が並列上にあるために均衡した状態に続いた結果互いに動けない状態のような、そんな嫌な重い空気があった。

 

 夫婦間からそんな空気を出されると子としての心情は「あ、離婚話していたなこれ」と子供の直観力が働いて気づきそうなものがあったけど、今直面しているものは違っていて、たぶんそれではない。これはそんな話を信じたくないという子供心からくる、現実逃避の感情からではない。

 

 むしろそっちの話の方がまだ良かったとすら思えた。

 

「おかえりなさい。あら、さやかちゃんも来ていたのね。いらっしゃい」

 

 母さんはこちらに視線を向けるといつもの調子で明るく笑顔になって挨拶を返す。テーブルから立ち上がり「今冷たいものでも用意するわ」と台所へと向かっていき、冷蔵庫から麦茶を取り出してコップへと注いでいく。

 

 チャップチャップ、と。

 

「どうしたの? そんなところに突っ立って。早くこちらへといらっしゃいな」

 

 テーブルに今注いだばかりの麦茶を置くと、いまだに入口の前に微動だにしない俺とさやかを訝しげな顔になりながらもこちらへ来るように、ちょいちょいと手で招く動きをする母さん。父さんも「そうだぞ、熱いんだから早く中に入りなさい。空気が逃げて行く。もう少し下げてやるから」と、言いながらエアコンのリモコンを操作して設定温度を下げてくれる。

 

 とたんにエアコンの作動音は大きくなって、冷えた空気が先ほど以上に排出させて部屋の温度が静かに下がっていく。汗で染みついたTシャツが冷えた空気のせいで少しだけ肌寒さを感じる。

 

「……お兄ちゃん」

 

 さやかは俺の服の袖を掴んで、怯えを含んだ声で呼んでくる。視線を下げるとさやかも俺と同じ違和感を抱いていたのか、不安そうに揺れる瞳をしていた。

 

 俺はさやかを安心させようと頭に手を優しく置いてから、二人と向き合う。

 

「あのさ……一つ聞いていいかな」

 

「何よ、改まって。変な子ね」

 

 母さんは疑問気にこちらを見てくる。父さんは新聞を広げながら流し見しつつ聞く耳は立てていた。

 

 俺はそんな二人の様子を確かめながら、恐る恐るといった調子で口を開いて二人に訊ねてみる。

 

「……なんで、頭の上にハタなんか立っているの?」

 

 そう、二人の頭にはハタが立てられていたのだ。今朝見かけた謎の集団と同じ黄色いハタを。やっぱり今日は何かしらのイベントがあってそのために頭にハタを立てているのだと、思った。だが、心の奥底では妙にざわつくのは一体なんでだろう。

 

 妙な不安感に襲われる俺に対して、母さんは「ああ、これね」と何気ない、まるでモールに買い物に行った際に見かけた好きな、良いデザインの髪飾りを自慢するかような、弾んだ口調で言う。

 

「これ、いいでしょ? かっこよくて。それにもともとハタを立てるのは当たり前のことなんだし」

 

「そうだ、母さんの言うとおりだ。人としての義務であり、本来あるべき姿なんだからな。ハタを立てるなんて」

 

 これが当たり前だと、断言する二人。心なしか会話が嚙み合っていない、とまでは言わないけどズレのようなものを感じた。少しだけ悩んでから俺は素直な感想を口にする。

 

「いや、普通にダサいけど……」

 

「まあ、この子は何を言い出すのこの子は!! ハタをバカにするんなん……ん、どうしてお前達はハタを刺していないの?」

 

「何をやっているんだ十一! お前は全く、早くハタを立てなさい」

 

「え、いやー……そう言われても……」

 

 ここでようやく、俺とさやかが頭にハタを刺さってないことに気づく。

 

 すると、一瞬して二人の表情は変わり目は細くし、駄目な奴をみるような情けない奴を見るような冷たい目を向けてくる。

 

 それに少しだけひるんで、ヤバっと目を逸らして苦笑する。明らかに何か触れてはいけないものに触れてしまった。いとまずここは話を合わせておこうと考えて俺は肩を竦める。「ま、パライソタウンの住人として当たり前」と言われたら(言われてない)根っからのパライソ生まれのおれとして何も言えなくなる。仕方ないと思い、ハタくらい刺してやろうかと気持ちになる。

 

 が、すくにそれの考えは間違えだと気づく。

 

 父さんと母さんはバタっと、椅子が倒れるのでないのか思わせるほどから勢いよく立ち上がると、どこから出したか分からないがその手には黄色い三角ペナント型のハタを握り締めて、焦点が合っていない虚ろの瞳こちらを注視して。

 

「立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立ててなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい」

 

「立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立ててなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい立てなさい」

 

 ぶつぶつ、まるで何かに悪いものにでも憑かれたように「立てなさい」と気味悪く連呼する二人。

 

 そのおかしな言動と二人の様子にゾッとして後ずさり、さやかも普段の二人の様子と違うことに怯えて俺の後ろへに隠れるように移動して俺のシャツの裾を掴んで「お兄ちゃん……」と不安そうな震えた涙声を耳にして我にかえる。

 

 が、その時にはすでに二人は俺たちに十分な距離まで接近して、父さんは左手を伸ばして俺の肩を掴む。

 

「!? ちょっ、つよ……!」

 

 グッと、掴んでてきた父さんの握力はとても中年のそれではない力、……下手すると、この握力ならとてもないほど変化みせるフォークなどの変化球を投げられることが期待できる思わせるくらいの力。クソ、一体どこで鍛えてやがった親父よ、これならリーマンよりもスポーツ選手のほうが稼ぐことができたというのに! 俺の小遣いが!!

 

 そんなことを一瞬思いつくがそれも一瞬で消える。

 

 父さんの肩を掴んだ逆の手に握られた黄色いハタの先端はてっきり吸盤のようなものでもついているもだとばかり思っていたがそれはなく、まるでカッターで丁寧に削りきった鉛筆の芯の如く鋭利さ持っていた。

 

 人を突き殺すには十分なくらいに鋭さ。

 

 喰らったら間違えなく風穴が開き、そう簡単に砕けないはずの頭蓋骨なんて関係なく、容易く貫通して脳に届くではないのかと連想させるほどの突起物。

 

 ―――え、ちょっと待て。父さん、それで何をする気だ? 刺す? それを?

 

「さあ、立てなさい。さあさあさあ!」

 

 父さんは止まらない。時間がスローモーションのようにゆっくりと動いていく。時計の秒針の如くコツコツとそれは俺へと確実に接近してくる。

 

 ―――嘘だろ? 父さんな、おい。……やめてくれ、近づけるな。……やめろやめろやめろやめろ、やめろ!!

 

「う、うわああああぁぁぁぁーーーー!!!」

 

 刹那のような一瞬、ハタの先端が頭の頂点へと刺さろうとした時にスローモーションの呪縛を解き放って反射的に俺は持っていたさやかの旅行鞄を脊髄反射なまま振り返って、力いっぱいに振りぬく。ドン! と、強力な衝撃が奔って食らった父さんは後ろにいた母さんを巻き込んで壁へとサンドイッチするように激突する。その際、ゴキッと奇妙な音が鳴る。

 

 その音にハッとして俺は慌てる。しまった思ったよりも力が入ってしまった。

 

「あ、ごめん。二人ともだいじょ、ぶ……?」

 

「き、きゃああぁぁぁーーー!!!」

 

 目に入った光景に俺は息を飲み、言葉を失い、さやかは悲鳴を上げた。父さんに巻き込まれる形になった母さんは首が折れたように、本来曲がるであろう関節以上の曲がりをみせて、父さんも握っていたハタはぶつけた際に誤ったのかの自分の耳を貫き、へんてこなイヤリング……というにはあまりに冗談としては一切笑えない悲惨な状態に。

 

 それを見た俺は何も分からなくなり、まるで時間が止まったように虚無が生まれる。しかし、さやかの悲鳴を訊いてすぐに我に返って叫ぶ。

 

「か、母さんご、ごめんそんなつもりは……いま救急車を!」

 

 戸惑いながらも俺は二人には近づかず、それよりも先に近くにあった電話へと手を伸ばす。えーと、一一〇か? 一七七か? 一九三か? どれだ、救急車の番号は一体何番だったっけ?完全にテンパった状態で錯乱した頭で番号を思い出そうとするがでてこなく、その上誤って子器を落としてしまった。

 

 あー、チクショー! 勝手に手から落ちるんじゃねえよ!

 

 内心で自分に対して悪態吐きながら、子器を拾い上げようとするが「大丈夫よ」と聞きなれた温和で優しい声が俺の動きを止めた。母さんだった。俺はそちらへと視線を向ける。が、首を曲げたままの母さんが優しい瞳のまま微笑んでいる。

 

 不気味だった。俺を落ち着かせようとして、努めて痛いのを我慢してから自分は平気だと魅せるための気丈の笑みなのかもしれなかったが、それでも俺にはそれはとても心休まるものではない。

 

 むしろ、逆に不安を煽られる。

 

「だ、大丈夫じゃないだろ! 待って今救きゅ―――」

 

 ―――ゴキッ!!

 

 奇妙な音は俺を黙らせた。母さんはまるで首のストレッチでもするように手軽さで首を元の位置に戻したのだ。そして、その音に反応するかのように母さん上に乗っていた父さんも起き上がり、自分の耳を貫いていたハタを引き抜くと血がトロトロと溢れてくる。父さんはそれを鬱陶しそうに片手で抑える。

 

「あいたた、あー、こんなにも血が溢れて。あー、床は後で掃除しないと」

 

「あなたがやってくださいね」

 

「む、……しかたないな」

 

 と、まるで床に飲み物でもこぼしたような夫婦のやり取りを、いつもの日常でのやり取りの何気ない一部でありながら「でもその前に」と、区切りこちらへとギョロ、と振り返ってくる。

 

「「お前たちにハタを刺さないとな(ね)」」

 

「!!?」

 

 戦慄する。あまりにも二人の狂気さに怪我を負っても大したこともない様子に、二言目には「ハタ」と連呼する、インプットされた機械のような習性に不気味さを感じされずにはいられない。

 

 ハタ、ハタ、ハタ、ハタ、ハタ、ハタ、ハタ、―――ハタ!!

 

 なんだ、二人してヤバい薬でもやっていたのかと疑ってしまうくらいに二人の精神に危機を覚える。

 

 このままじゃあ、不味いと判断した俺は、狂気沙汰に充てられて固まってしまったさやかへ、手を伸ばし、抱きあげてここから逃げ出そうするが、一歩踏み出すが、カクン、と二歩目は踏み出せずアキレス腱伸ばしのような形になる。

 

「待ちなさい! どこへ行く気?」

 

「クッ! 離せ!!」

 

 逃げ出そうとすると、即座に反応した母さんが座った態勢のままスライディング気味に飛び込んで、俺の足を摑まえたのだ。必死でそれを引き離そうとするがはがれない。おい、イチゴジャムの瓶のふたも開けられないとか言って非力ぶっていたのはどこのどいつだ!? 心の中でそう叫ぶ。

 

 

抗っているうちに父さんは接近、そしてその手に握られているのは黄色いハタ。振りかざすように上へと上げて俺の頭へと振り下ろそうとする。

 

 ヤバいと直感した時「顔よけて!」と前のほうから慌てた声が発せられて、首を曲げると何かが飛んでゴツンと父さんの顔面に直撃した。投げられたもの正体は子器で、投げた本人はさやかだった。俺が握っていたままの子器を奪い去ってそれを投げたのだ。

 

 直撃した場所は赤くなり、手で抑え父さんの視界は奪われた。それをチャンスだと判断した俺は転がっていたさやかの旅行鞄を持ち手の穴の部分へと自由な方の足で通して器用に広い上げ、遠心力やテコの原理なんて小難しいことは忘れて、体の回転させて父さんの横腹へと打ち込む。

 

 これにはたまらず、うっ、呻きを上げてその場でうずくまる父さん。それを見て目を丸くして「あ、あなた」と心配そうに声を上げる母さんは、俺の足を掴んでいた手が途端に緩くなり、俺はカバンを捨てて母さんへと足を向ける。

 

 狙いは首元の始まりの部分で背の頭とでもいうべき部分なのか、頭が振り返ってしまって少し邪魔だが、それでも狙いはつけられる。

 

「………ごめん!!」

 

 

 一言謝ると、そこを狙って踏みつける。

 

 堤だったか、青山だったか、もしかしら家が武道家であるらしいユイだったかもしれないけど、ある話で漫画でよくある、コトンと首チョップで相手を気絶させる技術なのだが、それは正確には首ではなくて脊髄への攻撃、衝撃を伝えるように打てばそれが可能で、気絶しなくとも十分なダメージになるらしい。

 

 だから俺はそれに狙いをつけて、脊骨である部分へと思いっきり踏みつけたのだ。たまらず母さんの体は落雷でも打たれたかのように叫び声をあげて体を沈ませる。俺は捕まった足を抜いて玄関へと走る。

 

「あ、しまっ―――ま、待ちなさい!!」

 

 呼び止められるが、俺はそれを無視して自分の靴を履いて、さやかの分の靴も手にもって部屋を、マンションを飛び出した。

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

「お、お兄ちゃん! もう大丈夫だと思うから、おろして」

 

「ん、ああ。いまおろすよ」

 

 父さんと母さんが追ってこないことを確認すると、抱き上げていたさやかをおろすと、さやかはパタパタとしわを寄せた服を伸ばすように叩いて、身なりを整える。俺は持っていた靴も渡してさやかはそれを履く。

 

「ごめんな、無我夢中だったから。……怪我とかしてないか? 苦しくなかったか」

 

「ううん、全然! むしろお兄ちゃんにお姫様抱っこされて………えへへ~」

 

 赤に染まった頬を両手で抑えて、悦に浸った様子のさやか。そのまま自分の世界に入り込んでいくさやか。……少し妄想癖がある子だ。なんでもこの妄想癖、自分世界に入り込むような癖はさやか曰く漣お姉さま、という人を尊敬してるらしくその人の癖が移ったそうだ。

 

 あんなことがあったのにも関わらず強い子だな、というかむしろ、あんなことがあったから妄想の世界に身を投げているのかもしれない。少し心配になる。いつものことだと流すべきか、それとも声をかけるべきか……。

 

 少し迷うが、余韻に浸っているようだったからさやかについては大丈夫と思い、一先ず置いておくことにする。

 

 これからどうするか。

 

 突然、なにかヤバい薬に手を出したんじゃあないのかと思わせる、凶変ぶりをみせた両親の様子にビビッて思わず飛び出したけど、この後のどうするかは考えてない。なんで、あんな変な風になってしまったんだ、あの二人は。

 

 いや、もちろん異変を感じさせる前触れというか、原因たる存在の予想は大方ついている。

 

 ズバリ、あのハタだ。二人は何かにかけて「ハタ」と言っては俺たちの頭にハタを刺しにかかってくる。あれが、たぶんヤバい薬みたいな、漫画とかでよくある洗脳道具みたいな役割になっているのかもしれない。しかし、一体いつ? 誰が? 何の目的で? うちの両親に立てたんだ? いや、うちの両親だけじゃない。

 

 朝の光景を思いだす。ハタを立てた大勢の人間が縦断していた光景を。それだけじゃない、さやかもハタを立てた人間を見かけたと言っていた。つまりこの町にハタを立てた人間があっちこっちうろちょろしていることになる。

 

 一体、この町に何が起きているって言うんだ!

 

 まるで世にも奇妙な物語の世界にでも入り込んだかのように、目の前の現実には目を逸らしたくなり、むしゃくしゃと乱暴に頭を掻きむしる。 

 

「あー、もう! とりあえずあのハタ、頭から引っこ抜けば何とかなるのか!?」

 

 だとしたら一体どうやって抜くか、だけどどういう訳か父さんと母さんの身体能力が上がっているみたいで何とか不意をつけて逃げられたけど、ハタを抜くとなると少し面倒だ、抵抗されるのは目に見えているし、俺、一人押さえつけられるか少し怪しい。誰か助けを呼ぶべきか。

 

 あれこれと考えていると「お兄ちゃん」と呼ばれて、そちらへと顔を向ける。自分の世界を十分満喫してきたのか、さやかいつも通りに戻っていた。

 

「これかどうするの? 勢いで学校までもどってきちゃったけど」

 

「え? ……ああ。本当だ」

 

 さやかに言われて気づく、無我夢中で走ってきたが俺たちは学校まで戻ってきていた。俺は校舎を見上げながら思いつく。

 

「あ、そうだ大人だ。大人の手を借りよう」

 

「え?」

 

 気が動転し、あとその上さやかと一緒にいたせいで自分たちだけで何とかしなくちゃと思っていたがよくよく考えた普通にこんなもん中学生である俺の手にはおえない。もう事件の域に等しいものだ、ここは大人しく大人に頼ろう。

 

 今朝言っていたみゆきちゃんの言葉を思い出す。『何か困ったことが相談していいのよ』と。

 

 そう、みゆきちゃんなら! まだ教師歴が短くて新任だから何かと扱いやすい、という理由で問題児だらけを集められた我が愛するクラスの担任とさせられては日夜俺たちが起こしたトラブルの数々を後始末を負わされて、それでもめげずに生徒思いで優しく、俺たちのことを信じくれる。そのチョロさにつけこんで騙しに騙されてくれ、生徒から舐められているみゆきちゃんなら!!

 

 …………どうしよう、どれだけ持ち上げようとしても全然頼りになりそうにない感がヤバい。いや、本当にいい先生なんだよ。バカ共集まりである俺たちのこと投げ出して見捨てないところとか。……前の担任とかすぐに投げ出したし。

 

 ま、それにおいてはひとまず横に置いておくとして、今はみゆきちゃんに相談することにしよう。

 

「さやか、みゆきちゃんじゃなくて、先生に今の事を話すこと。俺たちだけじゃあ無理があるのわかるな」

 

「…………う、うん」

 

「うん、じゃあ行くぞ」

 

 学校の中へと潜っていく。

 

 歩きながら俺は内心では安堵していた。俺が話すとさやかは少しだけむすっとした顔になるが、それでも最後はしぶしぶといった様子で頷いてくれたからだ。ふぅー、よかった。変に駄々をこねられなくて。

 

 昔、一緒に遊んでいた時に大人たちとは内緒には内緒で正義の味方の真似事をしていたんだよな。それを明らかに子供の力じゃあどうにでもならないことも少しでも大人に頼ろうとすると、怒りだすから大変だっただよな。

 

 ………………………あれ?

 

 今、記憶に、

 変な、モアが、かかった

 よう、な。

 ナニか、ワスレテ、イ

 ル。ヨウナ

 タイセツナ、ソレ・・・

 

「お兄ちゃん」

 

「ん? どうした」

 

「…………んん、ごめん、何でもないよ」

 

「?」

 

 変なさやかだ。特に意味もなく呼んだだけのようだ。ま、女の子だしそういう、男にはわからない楽しみでもあるんだろう。そう、適当に結論づける。

 

 今はそんなことよりも早くみゆきちゃんのところに行かなくては。

 

 学校の中に入り、職員室へと向かう。いつも賑やかな校内だが、今日は終業式で午後からは生徒はいないせいで校舎内は静かだ。

 

 だが、この静寂さは先ほどマンションの時のことを思い出させてくれるせいか、どことなく不気味な空気が漂わせているような気がした。そう、まるでホラー映画のようで今にも絹を裂くような女性の悲鳴の一つでも聞こえてきそうだ、

 

「な、なにをするんですか!? や、やめ、てくださ、きゃああぁぁぁーーー!!!」

 

 本当に聞こえてきた!?

 

「今の声、……みゆきちゃん!? さやか、ちょっとここで待っていてくれ!」

 

「え? あー、お兄ちゃん!?」

 

 呼び止めるさやかを無視して俺は叫び声があった方向へと走る。廊下を走ってはいけないなんて、クソ真面目なこと非常事態の今は関係ない。嫌な予感がする。

 

 クソッ、本当に何が起きているって言うんだ! 学校で、俺の生まれ育ったこの町で! パライソで!

 

 不安と焦りで俺の心を締め付けられるような思いが大きくなっていく。昨日まで何気ない日常だったのに、今日、少しずつそれが崩れていく幻聴が耳に聞こえてくる。

 

 ハタを立てた謎の集団。ハタを立てておかしくなった父さんと母さん。ハタ、ハタ、ハタ、ハタ。

 

 それが確実に俺たちの世界を壊しにかかってきている。

 

 そして、今も現在進行形でそれは確実に迫ってきており、それは侵略と呼んでいいしろものなのかもしれない。

 

 いつもの日常からかけ離れていくような気がして恐怖を覚えるも、それを踏みつけるように地を蹴りだして悲鳴が聞こえたほうへ急ぐ。

 

 ゴツン、ゴツン、ゴツン!!

 

「―――あ、あー……あー、あ」

 

「! ここか!?」

 

 何かを殴るような音と、虫の息のような掠れ掠れの呻き声を耳にして部屋を特定する。そこは校長室だった。部屋か漏れる音からただ事ではないと判断した俺は、ノックなんてマナーなど知らんとばかりに勢いよく扉を開いてた。

 

「みゆきちゃん、だいじょう―――――え?」

 

 扉を開いて叫ぶが、中の光景を目にした瞬間俺の時間はとんだ。

 

 部屋の中は、たぶん校舎内で一番高価そうにみせて、部屋そのものはシックでシンプルなもの。来客ようの大きめテーブルと黒のソファー。校長の使っているのだろう書類が乗せられた大きい豪華な机。壁にはこれまでの学校の功績たる賞状などが飾れた写真や資料などが並べられた棚と、なんであるのか分からない海外で購入したと思われる品々や、模擬刀などの武器を飾れているショーケースがある。

 

 もちろんそれらに目を奪われたわけではない。もっと別のものだった。

 

 黒いソファーの下に、小太りの中年男性が倒れてその上に紫の髪の長い女性がマウントポジションを取って素手で殴っていた。ゴツン、ゴツンと響かせるのと同時に血が飛び散り、床や壁、テーブル、ソファーに血に染まる。

 

 一方的に殴られている中年は気を失っているようで何の反応もしない。死んでいるかのように、反応がない。その中年が我が校の校長であることを遅まきで気付き、そして止まっていた時間に捕らわれた俺も口を開く。

 

「みゆき、ちゃん……?」

 

 名前を呼ばれて反応し、校長先生を殴っていた女性は一旦それをやめてこちらへと振り返ってくる。

 

 長い紫がかった髪に、生活指導の先生から生徒の手本になるように、と言われて必要最低限しかしてない化粧と、清潔感のある青のスーツを着たまだ若い女性。明るい優しいいつも笑みに似た、けれどどこか違う、いつもとは全く別の何かを感じさせる危険な、魔性を秘めた恐ろしい笑みでこちらを見る。

 

「あら、小波君じゃない。一体どうしたの?」

 

 いつもと変わらない―――違う。

 

 優しくて、トラブルばかり起こす俺たちを見てくれる―――違う

 

 少しおっちょこちょいで泣き虫な―――違う。

 

 みゆきちゃん―――に似た、何か別のものそこにはいた。

 

 そして、そいつの頭には黄色いハタが立てられていた。

 

 

 

 いつの間にかいつも日常は終わりを告げていて、

 同時にここから俺の、俺たちの最悪との闘いの始まりだった。

 

 × × ×

 

 日常の終わり

 

 × × ×

 




ゲームでは初期のほうはあまりグロ描写はないですし、そもそもハタ人間編は主人公たちが中学生だから、制作スタッフもあまりパワポケの特有のエロやグロさを抑えてつくっているんですよね!

え、モールの缶詰に、地下秘密基地の人間リサイクル理論に、食糧が無くなったことで居なくなる仲間たち? 

うっ、あたまが!?

そんなこんなでスター制度より追加された初の登場キャラは天月さやか!!
もう彼女がこれに出るということは主人公の修羅場の上下が激しくなると予想された人は多いはず!!

ここでは

次回は博士との出会いまでの予定で
その次がみんな大好き仲間集め回!!
 
あー! 日にちが、時間が、夏菜が!青山が!
フッキ―今はあいつらがいないから出て来ないでー!!
ちょ、ま、るりかー!!?

みたいな思い出皆さんも多いはず(笑)

ま、それ以上に十二の方が苦労しましたね(白目)
もう、全員仲間にした状態で二章迎えるのホント無理!
アッシュ今出てくんな!マルチナいかないでー!
ハルツグさんにノエル出てきてよ!執事さんだけ持っていても意味ないでしょ!
サラは絶対に連れていく(使命感!!)

みたいなー。

では、ご愛読ありがとうございました!
次はもっと早く投稿できるように心がけます!

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