吉良吉影はゼロから始めたい   作:憂鬱な者

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第5話:吉良吉影は静かに暮らしたい

・・・・・・・・・・

 

 

(…また、わたしは気を失っていたのか…

知らない天井だ…どこだここは…?)

 

目を覚まし、ベッドからゆっくり起き上がる

 

(…う〜む、少し体がダルいな…)

 

目の間を指で揉み、意識をはっきりさせる

 

すると、目の前には2人の少女がいた

 

「おはようございます、お客様」

 

「ご気分はどうでしょうか?」

 

「…」

 

見慣れない部屋を見渡し、2人の少女に問いかける

 

「…ここはどこだ?」

 

「ここはロズワール様の御屋敷です

貧民街の盗品商で倒れたところをエミリア様達が運んで来て

手当をしたところです」

 

「…そうか」

 

左肩を触り、傷の有無を確認する

 

(また消えている…あいつがやったのか…?)

「…ところで、わたしの服はどうした?」

 

寝間着の様な服に気付き、彼女に聞く

 

「ボロボロで汚れていたので洗濯し、繕っておきました」

 

「…そうか」

 

「朝食の御用意が出来ていますので、お風呂からお上がりになったら

食堂の方へどうぞ

場所は御案内します

レム、任せたわ」

 

「はい、お姉さま」

 

そう言われ、彼は水色の髪の少女について行った

 

 

「ここがお風呂場です

着替えを用意しておきますので、上がったらお声がけください」

 

「…わかった…ありがとう」

 

そう言い、彼は風呂場に入った

 

 

(…ここはロズワールという貴族か何かの屋敷か…

わたしはまた…あの女に助けられたのか…う〜む…)

 

体を洗いながら考え込む

 

 

数分ほどし、彼は風呂場から出た

 

体を拭き、扉の向こうに声をかける

 

「今、上がったよ…」

 

「はい、繕っておいた着替えです

あれ?髪が黒くなってる…」

 

「ん?あぁ…染めていただけだよ…

着替え、ありがとう」

 

元のスーツに着替え、彼女について行き、食堂に向かった

 

 

扉を開けると、広い部屋に大きなテーブルがあり

朝食が用意されていた

そこにはエミリアが既に座っていた

 

「あ、おはようございます」

 

「…おはよう」

 

彼女達に案内された席に座る

 

ふと目をやると、隣には金髪のツインテールの少女がいた

 

「…おはよう」

 

「ん…」

 

声をかけたが、チラッと彼を見て小さく返事をしただけだった

 

しばらくすると、1人の男がやって来て真ん中の席に座った

 

(…なんだあの男は…?ピエロか…?)

 

「ふ〜ん、君がエミリア様を助けてくれたという人だ〜ね?」

 

「…まぁ、そうだが」

(なんだこいつ…)

 

「この度はとても感謝するよ〜

もし、エミリア様が殺されたら私にとってもとても困るからね〜」

 

「…」

 

「私はロズワール・L・メイザース

この屋敷の主人だ〜よ」

 

「…わたしは吉良吉影だ…一つ質問をしていいか?」

 

「ん〜?」

 

「彼女は徽章を随分と大切にしていた様だが…

あれは何か特別なものなのか?」

 

「これは『王選』の候補者の資格を示す大切なものなんです」

 

「王選…?」

 

「はい、ルグニカ王国の次期国王を決める為のもので

この徽章はその候補者の証なんです」

 

(大統領を決める選挙の様なものか…)

「つまり、それが無かったら君はその王選に出ることが出来なかったわけか」

 

「はい、取り戻してくれてありがとうございます」

 

「彼女を助けてくれた御礼を私からもしてあげた〜いのだが

何か希望はあるか〜な?」

 

「…御礼…か」

(わたしはまだ、ここに来たばかりだ

それに、ここの言語も知らない上、金も無い…

住むところも無い…)

 

一呼吸置き、彼は答えた

 

「わたしの望みはただ一つ…『平穏な生活』だけだ…

わたしをここで『雇って』くれないか?」

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