蒼白のほのぼのSAO攻略。   作:黒薔薇ノ夢@吸血鬼好き

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ちょっと闇回?かも。


過去の苦い思い出は胸を締め付けた

「それでは、改めて自己紹介させていただきます。

 ぼく、Ayaです。みんなはじめは女の子だと思うんですよ、ぼくのこと。

 みんなからはあやちゃんって呼ばれたりもしますけど……」

 

「こいつ、見た目通り、お豆腐メンタルなんだ。」

 

「へぇ、兄ちゃん最低だね」

 

「俺は何もしてないぞ……」

 

「あの……どこかの宿とかに移動しませんか?ここ人多いし」

 

「それに賛成。さっきから美少女ともとれる男子と、

 この超かわいい妹と話しているせいか他の男からの目線が痛い」

 

「人ごみ嫌だし。移動しよ」

 

 私たちは自分たちが泊まっている三部屋ある結構高い宿に戻ったのだった。

 

 あれ、攻略は?

 

 

「アヤ、そこ座っといてくれる?」

 

  兄ちゃんはソファーにアヤを座らせ、自分はその隣の椅子に座ってオプション操作をし始めた。

 

「あ、ごめんね、ちょっと着替えてくる。攻略しにいかないみたいだし」

 

「あ、シロ?攻略は行くつもりだけど、夜中になるかな、それでもいい?」

 

「兄ちゃんが決めることでしょ、それより、さっき買ったお菓子出してよ」

 

「まったく人使いの荒い妹。」

 

 

「あ、ところでペールさんの妹さんって何て呼べばいいんですか?」

 

「あ、私はシロでい「それはだめだ!俺専よ…ぐふっ」

 

「誰が兄ちゃん専用って?」

 

「すいません許して」

 

 黙ってればモテるのに。もったいないなぁ

 

 

「はい、紅茶。それとさっきお店で買ってきたチョコみたいなやつ」

 

「おぉ!シロかわいい!その服似合ってる!」

 

「あったりまえだ!なんたって俺の妹だからな!」

 

「ありがと、アヤ。それと兄ちゃん、調子に乗るな」

 

「あぁ分かってるよ……。それで、アヤ、話って?」

 

 

「じゃあシロ、ペール。これは秘密にしておいてほしいんだけど。

 

 アヤっていうのはぼくのお姉ちゃんなんだけど、このアカウントはお姉ちゃんのもの。

 βテスト開始の日、お姉ちゃんは交差点で赤なのにわたっちゃった子どもを

 助けるために自らを犠牲にしてその子をすくったらしい。

 病院で息を引き取る少し前にこういったらしくてね、『SAOを弟に』って。」

 

「「え?」」

 

 子ども、交差点、お姉さんといえば、あれしかない。しかもβテストの前。

 

 

「あ……兄ちゃん。話していいのかな?」

 

「いいと思う。あのさ、その救った子、実は俺の……いや、俺たちのいとこなんだ。」

 

「え……?」

 

 

 そう、あの日は大騒ぎだった。

 いとこが死にかけたんだけど、いきなり飛び出してきたお姉さんに助けられた。

 

「やっぱり、そうだったんだ。お姉さん、『大丈夫ですよ』って言ってた……の…にっ……」

 

「どういうこと、ですか?」

 

 私は全ての説明を始めた。

 

 

 あの日、いとこの散歩の手伝いをさせられていた私は、すこしぼーっとしていた。

 暑かったのもあっただろうけれど、引きこもりがちな兄ちゃんのことを考えていた。

 

 私は兄ちゃんと二人暮らしみたいな状態だ。

 

 お父さんはいつも出張ばっかり。

 お母さんはスタジオみたいなところからめったに帰ってこない。

 

 自炊は基本。洗濯とかも協力して二人でやった。

 

 その日の夕食は何にしようか考えていた時だった。

 その子が急に手をふりほどいて走り出した。交差点めがけて。

 

 交差点の真ん中に着いた頃、ちょうど角からトラックが曲がってきた。

 

 その瞬間、反対側の通路からお姉さんが走ってきて、

 いとこを抱っこして、その子は助かった。傷一つなかった。

 

 でも、お姉さんはトラックがぶつかったのか、肩を抑えていた。

 

 私がお礼をいうと、そのお姉さんは「大丈夫ですよ、気を付けてね」ってほほ笑んで

 歩いて行ってしまった。

 

 

 私があの時、気を付けていたら。

 

 あの子をすぐに止めれれば。

 

 私が、あの人を、殺したの?

 

 涙が頬を伝った。

 止めようとしてもとどめなく溢れてくる。

 

「シロ……お前は何も悪くない……だから、泣くな、ほら」

 

「そんな……お姉ちゃんはまたそんなことしてたんですか?」

 

「また……?」

 

「以前にも、こういうことがあったんです。

 あの時はぼくでしたけど。

 

 家族みんなで海水浴に行った時のことでした。

 

 波にのまれてもみくちゃにされるうちにだんだん流されてって、

 一人ぼっちになっちゃって。

 

 お姉ちゃんは泳げないくせに浮き輪も持たず追いかけて泳いできたんです。

 ぼくを捕まえて、砂浜にあげてくれました。

 

 でも、お姉ちゃん、無理しすぎたんです。

 泳げないのに加えて、重度の喘息で。

 

 呼吸が出来なくてその場に倒れてしまって。

 その後すぐ病院に運ばれました。

 

 お姉ちゃんは一週間くらい目を覚まさなかったんです。

 

 あの時はほんとに怖かった。

 死んじゃったらどうしようって思いました。

 

 

 目が覚めた時、一番にこういったんです。

 

 もう二度とこんなことしないでって。

 

 なのに……まだ…っ」

 

 そこで言葉を詰まらせたアヤの瞳にも涙が浮かんでいた。

 

 私とアヤは気が済むまで泣いた。

 泣いて、泣いて、泣き通した。

 

 

 

 私は気づいたら寝てしまっていたらしく、兄ちゃんの膝の上で寝ていた。

 

「おはよう、咲月。ほら、朝だよ」

 

「うん、満夜、おはよ、ご飯何にする?」

 

「あ、三人前だぞ?咲月、俺、アヤの分だからな」

 

「そうだね、兄ちゃん、何食べたい?」

 

「そうだなぁ、アヤに聞こう!」

 

「「アヤー起きてー」」

 

 

 アヤはソファーからむくっと起き上がり、「んー、おはよ」と告げる。

 

「何食べる?」

 

 突如目が覚めたようで、こっちを向いてこう言った。

 

「パン!食べたい!」

 

「そうだ、アヤ、ソロなんだろ?良かったらパーティに入らないか?」

 

「うん!入る入る!」

 

「それじゃあ、サンドウィッチでも作ってこよ……」

 

 

 こうして、蒼の彼(兄ちゃん)白の彼女()のパーティに

 新たなメンバーが加わったのだった……

 




次も早めに投稿します。

次回、ボス戦?
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