IS~女の子になった幼馴染   作:ハルナガレ

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臨海学校(一日目 夜)

風邪が全快した葵と夕食を食べた後、俺は千冬姉の命令で葵を俺と千冬姉の部屋まで連れて行っている。千冬姉から大事な話があると葵に伝えたら急に顔つきが変わり、「わかった」と堅い声をして俺と一緒についてきた。何か心当たりがあるのか?と聞いたら「ええ、私は代表候補生だから…」と意味深な台詞を神妙な顔と声で言うものだから、どれだけ重要な用があるのかと思ったが…

 

スパンスパンスパン

 

「~~~~~!」

 

 部屋に入り千冬姉に合った葵は、問答無用で連続して出席簿で頭をどつかれていた。痛みで部屋をゴロゴロする葵を千冬姉は冷めた目で見ている。…ああ、そういや今朝風邪が治ったら葵に出席簿が待ってるとか言ってたっけ。

 

「……お、織斑先生。何故病み上がりの私にこのようなひどい仕打ちを。てかこれはもう立派な体罰で、PTAとかが見たらヤバいのでは?」

 頭をおさえかなり涙目で抗議する葵。ああ、こいつ熱のせいで覚えてないな。

 

「青崎、お前今朝私の前であれだけ注意してきたのに男口調で話をしただろ。これはその罰だ。ちなみにお前を罰するために叩くのは政府公認だ。お前が日本の代表候補生でいるうちは口調に気を付けろ」

 千冬姉の言葉を聞き、葵はがっくりとその場に崩れ落ち、「別に熱でうなされてる時位い~じゃない」といじけ出した。

 

「ところで織斑先生、葵に大事な用があるって言ってたけどまさかこれの事ですか?」

 

「ああ」

 え、本当にこれだけ?

 

「ええ!!これだけのために私呼ばれたんですか!」

 あ、葵が一番驚いてる。まあここに来る前あれだけシリアスな空気だしてたからな。蓋を開けたらただの愛の鞭だったし。再度いじけだした葵を無視し、千冬姉は急に布団を敷き、その上にうつ伏せになった。

 

「さてと私はもう明日の朝まで仕事は無い。見周りも今日は山田先生が担当だしな。だからそうだな、一時的に教師の肩書を降ろそう。今からは公私の私だ。だから一夏、久しぶりにマッサージしてくれ」

 …千冬姉、何か言い訳くさいな。でもいいか。つまりそれほどマッサージして欲しいって事だし。

 

「わかったよ千冬姉、じゃあ始めるぞ」

 

「ああ頼む」

 さてと、始めますか。おお、凝ってるなあ千冬姉。これは本気でやらないとなあ。

 

「どう、千冬姉? 気持ちいい?」

 

「ああ、流石だな一夏。久しぶりだというのに腕が衰えてないな」

そう言って気持ち良さそうな顔をする千冬姉。よかった、満足してくれてるな。何時も教師として激務してるんだし、弟として労わってやんないとな。それに…このマッサージが、俺が千冬姉に出来る数少ない姉孝行なんだよな。

 マッサージを始めて結構経ち、千冬姉の体も大分ほぐれてきて、なんとなく俺は葵の方を向いてみた。さすがにもういじけてはいなかったが、何故か扉の方をじっと見ている。そしてニヤッと笑うと、

 

「一夏、織斑先生をやり終わったら、次は私をお願い」

 葵は妙に大きな声で俺に言った後、布団を敷いてうつ伏せになった。何だ急に。まあ別にかまわんけど。すると千冬姉が急に起き上がり、

 

「一夏、私は充分満足した。だから次は葵の相手をしてやれ」

 何故か千冬姉はニヤニヤしながら、葵にマッサージを勧めて来た。まあよくわからんが、じゃあ次は葵の番だな。

 

「そういや一夏にやってもらうのって初めてかな。いつも千冬さんにやってるってのは聞いてたけど」

 

「そうだな、今日が初めてだな。葵、千冬姉で鍛えられた俺の腕前で気持ちよくしてやるよ」

 俺がそう言うと何故か口に手を当て笑いを必死で耐える葵。何でだ?千冬姉の方を向くと葵と似たような状況になってる。だから何で?

 

「じゃあ一夏、……初めてだから優しくしてね」

 …いや葵、何でそんなに艶っぽい声出してるんだよ。

 

「わかった、なるべく痛くないようにしてやるよ」

 …何故かさらに笑いを必死になって堪えようとする葵と千冬姉。ああ、もういいや、さっさと始めよう。

 う~ん、葵も結構凝ってるな。やっぱ毎日体をあれだけ動かしてるからなあ。ここは温泉宿だから後でゆっくり入った方がいいかもな。そういや俺まだ温泉入って無いなあ。時間的にそろそろ入浴可能時間だから、マッサージ終わったら入りに行こうかなあ。

 

 

 と、意識を逸らさなければならないほど、…葵の体の感触はヤバい!何この柔らかさ!千冬姉とはまた違うこの感触。はっきり言って気持ち良い。いかん、俺の方がハマりそうだ。

 

「あ、そ、そこ!う、うん!」

 俺がマッサージをする力を上げる度に、顔を赤くして気持ちよさそうに悶える葵。…いや何この声?いくらなんでもさ。

 

「はあ~~~」

 恍惚した表情で俺のマッサージを堪能しているなあ。…しかし葵、わざとそんな顔してるだろ。うう、千冬姉がなんかニヤニヤしながら俺を見てるし。

 

「あ、あ~気持ち良い。今日初めてやってもらったけどこんなに気持ち良いならもっと早く言えばよかった」

 

「そ、そうか。ならまたやって欲しければ言えよ。やってやるから」

 

「そう、じゃあ毎晩やってもらおっかな」

 

「いや毎晩は勘弁してくれ」

 

「甲斐性ないなあ」

 いやこれは甲斐性とかの問題では無いだろ。と思ったら急に葵は起き上った。

 

「おいま」

 だ終わってないぞと言い終わる前に、千冬姉の手が俺の口を塞いだ。そして喋るなというジェスチャーをした後、足音を殺して扉に向かう千冬姉と葵。そして千冬姉は強く扉を叩くと「「「「「へぶ!」」」」」という声が響いた。そして扉が開いたら、そこには箒、鈴、セシリア、シャル、ラウラが顔を真っ赤にして床にうずくまっていた。その五人を、葵は極上の笑顔を浮かべながら見おろす

 

「はあ~い、皆さん!楽しい妄想はできたあ?」

 葵がそう言うと、全員涙目で、

 

「「「「「~~~~~~~!!!!!!」」」」

 と声にならない叫びをした。

 

 

 

 

 

「紛らわしいのよ全く!」

 

「まあ常識的に考えたらここでそんなことするのはあり得えないけどさ…」

 何故か部屋を盗み聞きしてた五人に、俺が千冬姉と葵にマッサージをしていたと伝えたら、皆千冬姉と葵に怨みが籠った目で見つめている。皆そんなにマッサージが羨ましいのか?

 その後はマッサージをしたため汗をかいた俺は温泉に入りに行った。葵も一緒に行こうとしたが、

 

「馬鹿者、風邪引いたお前は今日は我慢しろ。第一今の時間は男女交代でどのみちお前は入れん。入りたければ明日入れ」

千冬姉から今日一日温泉禁止令をくらった。え~~~、と文句を言う葵だが、渋々同意し、部屋に残る事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ~もう、なんなのよこの状況!さっきは千冬さんと葵が共謀してあたし達に変な想像させて身を悶えさせたと思ったら、今は一夏は温泉に行って、目の前に千冬さんがあたし達の前に座って見てるし。…一夏抜きで千冬さんと一緒の部屋とか正直やりにくいわよ。

 

 ……しっかしさっきのはあたし達の勘違いで本当によかったわ。正直聞き耳立ててたあたし達の絶望感は半端じゃなかったもの。いやだって、千冬さんがいるのに止めもせず葵にやってやれとか言うから。つまりそれって千冬さん公認の仲ってことじゃ…と思っちゃうじゃない。葵だけなら全員ISに乗って部屋破壊しただろうけど。

 

「お前達に少し聞きたい事がある」

 一夏が部屋を出た後だんまりなあたし達を一瞥し、千冬さんはあたし達に向かって言った。

 

「今一夏がいないから聞きたいが、…お前達はあいつのどこがいいんだ?」

 あ、やっぱり姉として気になるんだそういうの。

 

「ぼ、僕はそうですね。一夏の優しい所が好きです。…僕が女だと知っても、それで僕に偏見持たず、それどころか協力してくれましたし。僕が学園に真実を話そうと決意出来たのも一夏のおかげですし」

 千冬さんの質問に、シャルロットが真っ先に顔を赤くしながら答えていった。ああ、シャルロット! すぐさま千冬さんにアピールするなんて! さっすが恋愛にかけてうるさいフランス! 行動が早いわね!

 

「教官、私は一夏の強い所が好きです!」

 シャルロットに続いてラウラも顔赤くしながら答えていく。う…、この子も素直だからストレートに答えるわね。

 

「ふむ、優しいし強いから好きか。あいつは誰にでも優しいし強さに関しては疑問だが…、オルコット、お前はどうなんだ?」

 

「え!わたくしですか……やはり、一夏さんは他の男と違うからですわね」

 

「ふむ、どう違うかはよくわからんが…凰、お前はどうなんだ?」

 ニヤつきながらあたしに聞く千冬さん。ああ、ついに来た!

 

「え~っと、あたしは…セシリアと同じかな。一夏は他の男とは違った。日本に来て外国人ってだけで苛めて来た男子と違い、一夏はそんな事全くしなかったし、逆に手を差し伸べてくれたし」

 多分あたし、顔を赤くしながら答えてるだろうなあ。う~、恥ずかしいわね好きな理由を言うなんて。なんかあたしの横で「…私も同じ事したのに、なんで一夏だけそうなって私はならないわけ?」と葵がぶつぶつ言ってるけど無視、無視。…だってあんた初めて見たときどう見ても…男と思わなかったし。

 

「なるほど、じゃあ篠ノ之。お前は一夏のどこがいいんだ?」

 

「…私も鈴と同じような事がありましたが、それよりも、目的を持った時の一夏の顔。それが好きです」

 

「目的を持った時の顔だと?」

 

「はい、昔の事ですが剣道で私や葵よりも強くなろうと一心に練習をしている一夏の顔と姿に。最近でも無人機やラウラのVTシステムに立ち向かう時も…同じ顔をしてました」

 こちらも顔を赤くしながら、千冬さんを見ながら言っていく箒。…うん、わかるは、それ。しかしこの手の話題で箒がここまで話をするなんて少し意外ね。いや、それだけ一夏争奪戦に箒も頑張ってるってことなのかな?

 

「では最後に葵、お前の理由を聞きたい」

 最後に千冬さんは葵に質問した。え、葵にも聞くの千冬さん?

 

「私ですか?そうですねえ……色々ありますがやっぱり一緒に居て楽しいことですね」

 

「そうか、一緒にいると楽しい、か」

 葵の返答を聞き、ニヤリと笑う千冬さん。え、ちょっと待って!

 

「葵、お前一夏の事が好きだったのか!?」

 あ、箒に先越された。

 

「そりゃ好きだけど。友達として。…いや誤解させるような事してそれは謝るけど、一夏に対する好きは英語で言うlike。決してloveじゃないから」

 何を当たり前な事をという顔して言う葵。…なんだやっぱりそうか。箒も他の皆も葵の言葉を聞いて納得してるわね。千冬さんは…あれなんか顔険しくない?

 その後は千冬さんから、あたし達から好きな理由を聞いた癖に一夏はやらんと宣言され、一夏が欲しければ奪い取れとか焚きつけられて解散した。

 

 それにしても……やるか馬鹿とは。一夏もシスコンだけど、千冬さんも充分ブラコンよね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 風呂からあがって部屋に戻ると、葵達の姿は無く千冬姉だけだった。

 

「あれ千冬姉、葵達は?」

 

「もう夜も遅いだろ。明日は早いからもう帰らせた」

 ふ~んと相槌打って俺は急須にお湯を入れ、自分の分と千冬姉の分を作った。

 

「はい、千冬姉」

 

「うむ、悪いな」

 ふ~、風呂上がりに飲む熱いお茶ってのもまた美味い。

 

「なあ一夏」

 と言って俺の前に座る千冬姉。その顔は真剣な表情をしている。

 

「ちょうどいい機会だからお前に訊きたい。一夏、お前は将来の事は考えてるか?」

 

「将来の事?」

 

「ああ、今お前は世界で唯一の男のIS乗りとしてここにいる。なら将来は私同様ISに関わって生きていくのか?それともISとは関係ない別の道を歩むのか?…もっともお前にその道を選ぶのは難しいがな。なにしろ世界で唯一のIS乗りの男なのだから」

 

「そうだなあ、考えた事無かったなあ。でも確かに千冬姉の言うとおり、俺は多分ISに関わる仕事を目指すと思うよ。ていうかそれ以外選択肢ないと思うし」

 

「そうか。ならもしお前が競技者としての道を歩むとした場合だが…止めておけ。現状では私は勧めない」

 

「え、なんで?」

 

「葵がいるからだ」

 そういって千冬姉はお茶を飲みほし、真剣な顔で俺に言った。

 

「一夏、一つ聞くがお前は葵が来てから何度かISで勝負したな。勝率を言ってみろ」

 

「…全戦全敗。でもそれがなんの関係が」

 

「おおありだ馬鹿者。あいつは日本の代表候補生だぞ。そしてこのまま順当に行けば代表は確実だ。私が保証する。そうなるとお前はどうなる?代表かけて戦ってもお前は負けるだけ。ちなみにお前のコアは日本政府が保管している分だと言う事を忘れるな。他国に行こうもんなら問答無用で白式は没収される。で、お前は白式以外の機体に乗って鈴等の他国の候補生に勝てると思うのか?無理だろうが」

 

「う、そ、それはそうだけど…」

 

「はっきり言おう。競技者の道を歩むなら、葵はお前にとって最大の障害として立ちはだかる。同じ近接格闘特化型だが、実力に差がありすぎだ。しかしお前は葵がもっとも得意とする土俵で戦い勝たなければその道は開かれない」

 千冬姉の言葉を聞き、うつむく俺。今まで考えた事は無かったが、こうしてはっきり言われると…。

 

「強くなれ」

 

「え?」

 

「だから強くなれ。今はお前と葵との差は恐ろしく離れてるが、死ぬほど努力しろ。目指すなら血反吐吐いてでも強くなれ」

 

「でも千冬姉さっき勧めないって…」

 

「現状ならな。しかし、お前が本気で目指し実力をつけるなら止めはしない」

 そう言って微笑する千冬姉。

 

「ま、決めるのはお前だ。よく考えて結論をだせ。そしてさっき言った道を目指すなら…私も協力してやる。なに、全くの不可能ってわけじゃない。お前だって昔は葵より剣道強かっただろ」

 …いやそれはもう6年も前の話じゃないか。

 

 その後は、千冬姉の朝が早い事もあって寝る事にした。布団に横になりながら、俺は千冬姉に言われた将来の事について考えていた。確かに今後葵に負けっぱなしというのは幼馴染抜きにしても悔しいが…別に今の俺は代表になってモンド・グロッソに出たいという気持ちはあまりない。むしろそれに出場しようとする葵を応援してやりたい位だ。おそらくこれは千冬姉の警告なんだろう。

 

 もし、私を目指すなら今のままでは無理だ、もしそれを目指すなら死ぬほどの覚悟がいる、と。

 

 俺は…何を目指すべきなんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえねえアオアオ~、何で空手習ってたの~?」

 

「私の父が世界大会優勝する程の格闘技の達人だったのよ。知ってるかな?青崎誠って名前だけど」

 

「あ~知ってる!確か20年前世界格闘技大会で優勝した初の日本人でしょ!それ以外でも数々の大会で優勝した!」

 

「そ。で、その父からコミュニケーション代わりに空手を幼い頃から仕込まれたっ訳。…まあ理由もあってね」

 

「理由?なにそれ?」

 

「まあ隠してもいずれバレるかもしれないから…まあ言っちゃおうかな。私の母ね、五歳の時病気で死んじゃったのよ。ってちょおっと皆暗い顔しないで!大丈夫!もう大丈夫だからさ! 悲しみは乗り越えてるから!で、話の続きだけどまあ格闘技一筋な父はどうやって息子と交流をかわせばいいのかわからなかったのよ」

 

「それで息子に空手を教えたっていうわけ?…なんていうか」

 

「でも私も元々体を動かすのは好きだったからね。それに空手に打ち込むことで母の悲しみも紛らわす事もできたし。父もその時が一番良い顔してたからその顔を見ると安心するし。ああそれから空手だけじゃないわよ。父は色々な格闘技覚えてたから空手以外にも古武術や中国拳法の技も一部教えて貰ったわね。…ただ毎日朝五時に起きて朝錬されたけど、今は平気だけど昔はかなりしんどかったなあ…」

 

「そういや剣道もやってたよね、篠ノ乃さん家の道場で。何で空手やってたのに剣道も始めたの?」

 

「ん~それは一夏が千冬さんの影響で剣道習い始めたから。その間一緒に遊べないから私も参加することにしたのよ。まあ門下生が千冬さんと一夏と箒しかいなかったから歓迎されたっけ」

 

「余計な事は言わないくていい」

 

「痛!」

 

「へ~そうなんだ。じゃあじゃあ今はしののんが剣道一番強いけど、当時はどんなだった~?」

 

「し、しののん!?いや当時は…最初は私が一番だったが、小学四年生になる頃は一夏が一番強く、その次に葵、…最後に私だ」

 

「え~、意外!織斑君強かったんだ!」

 

「昔はな。しかし今は…、全く情けない!」

 

「まあ落ち着きなさい箒。一夏にも事情があったんだし」

 

「それはわかるが…」

 

「まあ鈴と遊び倒してたってのも大きいかもね」

 

「やっぱり殺す!」

 

「まあまあ落ち着いて篠ノ乃さん。そういや青崎さんと篠ノ乃さん、よく屋上で他の専用機持ちの子達と一緒にお弁当持って食べてるけど、料理上手いよね」

 

「まあね。さっきも言ったけど母が幼い頃に死んじゃったから。父は…家事がお世辞にも上手いとは言えなかったから私が必死になって覚えたし。一夏の家も似たようなもんだからお互い家事について一緒になって覚えていったわよ」

 

「へ~そうなんだ~。じゃあしののんも、その時一緒になって覚えたんだ」

 

「え、あ、そ、そうだ!」

 

「…まあそういうことにしてあげる」

 

「黙れ葵」

 

「ふ~ん、じゃあさ…」

 

 

 千冬さんから早く寝ろと言われ葵と一緒に部屋に戻ったが、布仏さん、谷本さん、鷹月さんからもう延々と質問をされ続けている私と葵。三人ともここぞとばかりに、私や葵の好きな食べ物から服の趣味まで延々と質問していく。

 

 …頼む、もう勘弁してくれ。明日起きられるだろうか?

 


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