「もし明久が雄二に言い返していたら」というIFです。
ギャルゲでいうと選択肢で言い返すを選択した場合といったところです。
本編の方は何も言わないを選択。
それでは番外編、スタート!
Aクラス戦で勝てなかったアタシたちの担任は西村先生に変わった。
何事もなくスムーズに進んでいく出欠確認。そのまま進むかと思ったら雄二君のところで事件が起きた。
「坂本」
「………………明久がラブレターをもらったようだ」
『殺せぇぇっ!!』
隣のアタシでもぎりぎり聞こえるくらいの小声だったのにクラス全員――かと思ったけど和也君が机に突っ伏したまま動かない――が聞き逃していないとはこのクラス何かがおかしいと思う…。
「ゆ、雄二! いきなり何を言い出すのさ!」
「どういうことだ!? 吉井にラブレターだと!」
「それなら俺達だって貰っていてもおかしくないはずだ!」
いきなり騒がしくなったわね。明久君が貰っているからって貴方達が貰っているはずないでしょ……。
「お前らっ! 静かにしろっ!」
西村先生の一言で教室が静まり返る。
「それでは続けるぞ」
「手塚」「吉井コロス」
「藤堂」「吉井コロス」
「みんな落ち着いて。返事が『吉井コロス』になってるよ!」
「そうだ。『吉井コロス』じゃなくて『明久コロス』にしろ」
『そうだなっ!』
吉井だと愛莉も含まれるからってこと? 雄二君も火種撒いておきながら――って寝てる!? 今さっきまで起きてたのにそんなにすぐ寝れるものなの?
「そういう意味じゃないよ!」
「吉井、静かにしろ」
「注意するべきなのは僕じゃないでしょう!?」
ここでいつもなら止める和也君は動かないし、というよりこっちも寝ているみたい。和也君の場合凄く珍しい気もするけど…。
だからと言ってここでアタシが何か言うとまた新たな火種になるかもしれないと思うと黙っているしかなかった。
「新田」「明久マジコロス」
「根岸」「明久ブチコロス」
さらに酷くなっているわね……。あれ明久君が笑ったような……。
「吉井兄」
「……思い出したけど、雄二がこの間女子大生とデートに行った後ラブホテルに入っていったのを見たよ。かなりの美人だった」
明久君のその言葉を聞いたとたん雄二君が跳ね起きた。
「明久ー!! お前、何を言い―――「吉井より坂本じゃーーーーー!!」「……雄二、許さない!!」」
あ、FFF団の標的が雄二君に変わった。しかも予定外の人もいる気が……。Aクラスも今はHR中よね?
「お前らっ、一旦静かにしろ。よし、遅刻欠席者はいないな。今日も一日勉学に励むように」
そう言って西村先生は出て行った。どうしてこの状況を放置するのだろう……。
「……雄二」
「待ってくれ翔子! 俺は断じてそんなようなところには行ってない。信じてくれ」
「…………………わかった。信じる」
「えらくあっさりと引いたな」
あっさりというには随分と間があった気がするけど。
「……好きな人のことはちゃんと信じあげないとだめだ、って青山が言っていたから」
「そ、そうか」
へぇ、和也君がそんなことを……。
「……それに雄二の目は嘘を吐いている目じゃなかった」
なるほど、それで間があったのね。
それはいいとして、このピンク色の空間に彼らもそろそろ限界なんじゃないかしら。
『坂本ーーーー!!』
「よくも俺たちの目の前でいちゃいちゃしてくれたな!!」
「さっき吉井が言っていたことが事実だろうとなかろうとここで殺るしかねぇー!!」
あーやっぱりね……。
「くそ、こいつらがいたんだった!」
「坂本、おとなしく投降しろ。そうすれば悪いようにはしない」
すぐ横に霧島さんがいるからか飛び込んでくるような真似をせずにじりじりと包囲を狭めてくる。
ここにいるとアタシも危ないかも……。
避難を考えていると雄二君は少し下を向いて口を開いた。
「……そういえば和也がさっき神崎詩織からメール貰っていたな。デートにでも誘われたんじゃないか?」
ちょっと、雄二君!? さっき自分を救ってくれた人にその仕打ちってどうなの!
「なん……だと……」
「あの俺達の天使様からデートに誘われた……」
確かに小動物的可愛さはあるけど、天使様って……。
『………………』
場が静寂に包まれる。嵐の前の静けさと言った方がいいのだろうか。
『こうなったら3人まとめて捕えろーー!!』
「3人ってまさか僕も入ってるの!?」
「よし、これで敵が分散できる」
雄二君、分散のためだけに和也君も巻き込んだの?
それにしてもこんなに騒いでるのに和也君は全く反応していない。標的にもされているのに、どれだけ熟睡しているのよ……。
「(……和也君)」
さすがに何も知らずに捕まるのはかわいそうだから、小声で話しかけながら横腹を突っついた。
「ん? どうかしたか、優子さん」
2回ほど突っついただけで和也君は頭を上げた。
……寝てたと思ったけど違ったのかしら? でも、この騒ぎは全くわかっていないみたいね。
「…………」
その証拠に少し周りを見渡した後、アタシに向かって目で『マジで何があった?』って訴えてきてるし。
「青山! 俺達の天使様からメールでデートに誘われたらしいじゃないか」
「いや、俺は誰からもデートになんて誘われてないぞ。メールは…………ってまさか雄二!」
そこで自分が標的になった原因が雄二君だということに気が付いたらしい。メールで気が付いたということは神崎さんから貰ったのは本当の事みたいね。
「おい、雄二。まさかお前、俺が貰ったメールの内容を歪曲してアイツらに言ったのか?」
「内容知らないから歪曲じゃなくて捏造だ」
「なお、悪いわ!」
「ん? 歪曲ってことはあながち間違ってないってことか?」
「……っ!」
しまった、という顔をする和也君。もしかしてデートに近いことに誘われたのかしら? 例えば一緒に帰りたい……とか。
「青山! 天使様からメールを貰ったのは事実のようだな。うらやまけしからん!」
今一瞬本音が漏れた気がするのだけど……。
「た、確かにメールはもらったが、デートには誘われてないぞ」
「でもそれ近いことには誘われたんじゃないのか?」
「雄二! お前はどっちの味方なんだ! こっち側じゃないのか!?」
「ちょっと二人とも! 今はあっちをどうにかすることを考えないと」
「こうなったら最優先目標は青山―――」
その時突然教室の室温が急激に下がった。これは殺気? それと同時に全員の動きが止まった。
その隙を見て和也君が2人に何かを耳打ちした。
「それはわかったけど、和也はどこから?」
「俺か? 俺はもちろん―――」
何故か和也君は窓に手をかけ、
「窓から逃げる!」
そのまま外に飛び出した。
「って、和也君!? ここ3階よ!?」
和也君の行動に思わずアタシは叫んでしまった。
いかがでしたか?
こんな感じでよかったのでしょうか?
感想などよろしくお願いします。
続きが読みたいなどありましたらそちらは活動報告の方にお願いします。
次回は本編の方を投稿します。それでは。