俺と馬鹿と召喚獣   作:友狩

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清涼祭
第18話


 あれから何も変わることなく数日が過ぎた。

 清涼祭の準備が始まり、各クラスがそれぞれの出し物の準備に追われている。そういう俺もさっきまでAクラスで打ち合わせをしていた。

 それが終わりFクラスに戻ってきたんだが――

「妙に静かだ……」

 教室内からは声はするものの騒がしくない。

 嫌な予感しかしないが、ゆっくりと扉を開けた。

「…………」

 その予感は的中し、教室には5人しかいなかった。

 つい最近、これと同じような光景を見たような気がする……。

「あ、兄さんおかえりなさい」

 扉を開けたまま固まっていると、本を閉じた優衣がこっちを向いた。

「ただ……いま……」

「どうかしたのですか?」

 いつまでも動かない俺を見て不思議に思ったらしい。

 優衣は小首をかしげて、そして理由を察したらしく窓の外を指さした。

「窓の外?」

 俺は教室に入り窓枠に近づいた。

 そして外を見てみると、

「…………」

 校庭で野球をしている集団がいた。

 その顔触れは俺が知っている、そうFクラスのメンバーである。

「あいつら……」

 俺がAクラスとの合同の出し物について頑張っている最中に野球とかありえないだろ。

 言い出したのが俺だからとはいえ、少しくらい手伝ってくれ……。

 ここで見ていても仕方がないし、とにかくあいつらを連れ戻さないと。

「貴様ら、準備をさぼって何をしているか!」

 校庭の方から怒鳴り声が聞こえた。この声は西村先生だな。

 この様子なら数分すれば全員戻ってくるか。

 俺は西村先生から逃げ回り始めた明久達から目を離し、さっきAクラスで決まったことをまとめ始めた。

 

             ☆  ☆  ☆

 

 校庭で野球をしていた全員が戻ってきて、ようやくHRが始まった。

 説教をしたいのは山々だがAクラスとの兼ね合いもあるため省略した。

 このHRも本来であれば代表の雄二が進行するはずなんだが、本人のやる気が全くなく言い出したお前がやれということで俺を文化祭実行委員に任命し、本人は全力でサボっている。というか寝ている。

 Aクラスとの打ち合わせだって俺と雄二が参加予定だったのに、1人で十分とか言ってこないし……。

 まあいいか、とりあえず決まったことの説明だ。

「とりあえず、Aクラスとの合同の出し物は執事&メイド喫茶に決まった」

『きたぁー!!』

 メイドという言葉に反応したのか、クラスの士気が急激に上がった。

 全く単純過ぎて困る……。

「それで喫茶店というわけで、男子の中で料理できる人は挙手してくれ」

 ざっと数えて俺も含めて10人くらいか。

「それじゃあ、今手を挙げている人は厨房班、その他の人はホールで」

 女子の方はすでに待ち時間で希望を聞いてあるから省略。

「それで雄二と明久は、俺と一緒で両方兼任だからな」

 それと優衣もだが。

『なっ!?』

 今の言葉に反応したってことは雄二の奴狸寝入りしてたのか。

「ちなみに拒否権はない、というよりAクラスでの話し合いで既に決まっている」

 とある方々の要望で2人はホールにして、と言われてしまったからな。2人の執事姿が見たいからだと思うけど。

 本来なら2人の希望を聞くところだが、さぼって野球をしていたからやめた。

「Aクラスって、翔子か!」

 大正解。

「なんで僕まで!?」

 明久はわからないか。彼女たちも大変だな。

「さぼっていた罰、も兼ねているが2人とも料理できるし面倒事の処理をするためにホールにいた方がいいっていうのもある」

 頼まれたからというのだけじゃなくて一応真っ当な理由がある。

 俺が両方兼任するのは、まあ言い出した張本人としての責任だな。

「それじゃあ、Aクラスに移動して準備してくれ。厨房班は優衣を中心にして、ホール班は萩原さんが中心だから指示に従ってくれ。俺と雄二はこれから学園長室だから」

 俺がそう指示を出すと皆移動し始めた。

「あれ、なんで学園長室?」

「教室の件を聞きに行く。前から言っているのに何の返事もないからな。明久も来るか?」

「え、いいの?」

「おそらく問題ない。かかって30分くらいだと思う」

 余計なことが無ければだが。

 それから3人で移動し学園長室の前に着いた。中から話し声が聞こえるし、学園長がいるのは間違いない。

 問題は話している相手なんだけど。

「中に学園長いるみたいだね」

「そうみたいだな」

「無駄足にならなくてよかったな」

「それじゃあ――」

「ちょっと待て」

 明久がドアノブに手をかけたのを慌てて止める。ノックなしではいるつもりだったのか?

「なにするのさ?」

「いや、ノックして相手の返事を待ってから入るだろ。無断で入ろうとするな」

 こっちは交渉に来てるんだから、出来るだけマイナスになりそうなことは避けたい。

 俺の意図が伝わったのか、明久は扉をノックした。

「入りな」

 中から返事があったので3人そろって部屋に入った。

『失礼します』

 中に入る遠くに学園長、手前に教頭の竹原先生がいた。

 この教頭、なんか裏がありそうで好きになれない、というか嫌いだ。確か設備関連って教頭が管理しているんだっけ?

 ……これはちょっと本気(・・)でやりますか。

 

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