俺と馬鹿と召喚獣   作:友狩

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第19話

「やれやれ、取り込み中だというのにとんだ来客ですね。学園長、貴女の差し金ですか?」

 僕らが中に入るなり竹原先生がそんなことを言い出した。

「いえ。むしろ教頭先生、貴方が原因だと思いますよ」

 竹原先生が学園長に言った質問に何故か和也が答えた。なんかさっきと和也の雰囲気が違う様な……?

「何の話だ?」

「もしかして伝わっていなかったのですか? まさかもみ消した、なんてことはしていないでしょうし。まあ、今は目の前に学園長がいますから直接言うことにしますよ」

「……それなら私はこれで失礼させていただきます」

 部屋の隅の方、おそらく鉢植え、に一瞬だけ視線を送り、竹原先生は学園長室を出ていった。

 何かを確認したといったところだろうか。あそこに何か隠してあるのかな?

「…………」

 扉が閉まるのを確認した和也はさっき先生が視線を送ったところに向かって歩き出した。

 そして鉢植えを弄りだした。

「和也?」

「何してるんだ?」

「どうかしたのかね?」

 雄二や学園長も理解できなかったらしい。

 鉢植えの所をごそごそしていたけど突然手が止まった。

「いえ、ちょっとこの鉢植えに『ゴミ』が付いているのが気になりまして」

 そう言いながら和也は鉢植えにあった何かを手で握りしめた。

「そうかい。それで、あんたたちは何しに来たのさね」

 和也の奇行を特に気にすることもなく学園長は僕たちに話を振ってきた。

 和也が雄二に目配せして話をするように促す。

「俺は、2年F組代表の坂本雄二、こっちが同じく青山和也。でその向こうが」

 雄二はなぜかそこで一度切った。

「2年を代表する馬鹿です」

「ちょっ、雄二!」

「ほぅ……。あんたたちがFクラスの坂本、吉井、それにき……青山かい」

「学園長!? 僕まだ名前言ってませんよね!?」

 あれで僕の名前が出るくらい有名なの!?

 なんか目から汗が……。

「それで何の用さね」

「先ほど教頭に話していたことです」

「それならそのまま教頭に話せばいいじゃないか」

「いえ、今までに4回ほど西村先生を通してお話をしたはずなのですが全く返事がなかったのでこうして直談判しに来ました」

 教室のこと4回も話してたんだ。いつの間に……。

「それでその内容は?」

 和也は話す前に一枚の写真を机に置いた。

「これはどこさね?」

 その写真を見て学園長はそう言った。

 僕の位置からだとよく見えないけど、その写真ってFクラスの教室だったりするのかな。

「今からその写真についても含めて説明します。まず要件の方ですが、Fクラス教室の修理、改修です。その写真は1週間ほど前に撮ったFクラス教室の様子で、畳の大半は腐っており、窓は一部割れていて非常に危険、さらに壁はぼろぼろでキノコが生えているといった状態です」

 和也はまるで用意してきた言葉のようにすらすらと今の教室の状況を説明した。

「そのような報告は受けてないさね。それに設備については――」

 そこまでいって、何かに気が付いたのか目を閉じた。

 僕にはさっぱりなんだけど……。

「雄二、ちょっと」

「なんだ?」

 和也が何かを耳打ちした。それに頷いた雄二はそのまま学園長室を出て行った。

 なんで僕には何もないんだろう……。

 というか代表がどっちなのかわからなくなってるんだけど。これじゃあ和也の方がそれっぽいし。

 それからしばらく全員が沈黙する。言葉を発しちゃいけないような空気が流れていて何も話せない。それは雄二が戻ってくるまで続いた。

 そして雄二が何か道具を持って戻ってきて、それを使って和也と一緒に壁やら棚を調べている。

 それの様子を学園長は何も言わずに見ているだけ。

 もしかしてわかっていないのって僕だけ?

「とりあえず他には無いみたいですね」

 調べ終わったらしく和也は道具を雄二に渡し、口を開いた。でも、何が無かったんだろう……。

「さっきの行動はそう言うことだったのかい」

「はい。何かあると思って探ってみたのですが」

 そう言ってポケットの中から小さな機械を取り出した。

 あれって、まさか盗聴器!? 

 さっき言っていたゴミっていうのは盗聴器の事だったのか。

「盗聴器。おそらく仕掛けたのは……」

「教頭だろう」

 学園長の言葉に頷く和也。

 あれ、完全に置いてかれている気がする。

「(安心しろ、俺も良くわかってない)」

「(それのどこに僕は安心すればいいのっ!?)」

 小声で雄二が耳打ちしてくる。

 あの雄二がわかってないというと和也は一体……。

「(これはあくまで俺の推測だが、早く終わらせないとまずいかもしれない)」

「(えっ? どういうこと?)」

 その時は雄二の言っていることがわからなかった。

 

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