俺と馬鹿と召喚獣   作:友狩

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第5話

 Dクラス前線部隊を全滅ですか、やっぱり兄さんはすごいです。

 でもさっきふらふらしていたので心配です。雄二君は騙せたみたいですが私は誤魔化されません。無理に平静を装っているのが丸わかりです。

「Dクラスに乗り込むぞ」

「了解」

 前戦に残っていた生徒も合流してDクラスの方へ向かいう。

「明久、愛莉、優衣、木下姉がメインで攻撃、他は4人の援護だ」

『了解』

 私も攻撃担当ですか。兄さんに負けないくらい活躍して見せます。

「もうここまで来ただと」

 Dクラス代表が驚きの声を上げる。

 そう言いたくなるのはわかります。まだ開戦から1時間ちょっとしか経っていませんからね。

「3人とも行くよ」

『試獣召喚《サモン》』

 

『Fクラス 吉井明久 & Fクラス 吉井愛莉 

  数学   97点 & 115点     』

 

『Fクラス 青山優衣 & Fクラス 木下優子 

  数学  301点 & 293点     』

 

 今回は出来がイマイチでした。もっと頑張らないといけないですね。

 明久君の召喚獣の装備は、木刀に改造制服という不良生徒といった感じ。

 愛莉の方は、片手剣2本にこれまた制服。

 木下さんは、西洋鎧にランス。前2人が戦闘する装備に見えなかったのに対し、完全に戦闘するという装備。

 私は、防具は巫女服で武器は弓ともう1つ。弓は、矢をいくら放っても点数が減らないのですが、命中させるのが難しい武器です。

『またAクラスレベルの人がいる』

「またってどういうことよ?」

「たぶん兄さんです」

 というより兄さん以外に考えられません。さっきふらついていたのはおそらく『あれ』の反動ですね。だから最初に言ったのに、後でお説教が必要ですね。

「和也君ってそんなに点数高かったの?」

 愛莉が疑問に思うのは当然です。今までの試験結果からは想像できませんから。

 兄さん本人は全く自覚していませんが、頭はいいのです。試験を真面目に受けずに、全教科同じ点数にするという意味不明なことをしていますが。

 昔兄さんが呟いていたのを聞いてからは『あれ』が原因だとは思っているのですが、確証がないのです。

「あとで兄さんに聞いてください。今は目の前の敵に集中です」

「そうだね」

 明久君は私の言葉に同意すると先陣を切って突撃していきました。

 その後彼を見たものは……とか言えそうな感じですが、そうはなりませんよ。

「負けてたまるか!」

 Dクラスの2人組が突っ込んでくる明久君の召喚獣を迎撃しました。

 でもその攻撃をすべてよけて攻撃する明久君。流石としか言いようがないです。

「なんで当たらないの!」

「どうなってんだ!」

 一撃も受けることなく、少しずつダメージを重ねていき―――

「これで止めだっ!!」

 そういって2人の召喚獣にとどめを刺す。

「戦死者は補習」

 Dクラスの近衛部隊は全部で10人。今明久君が2人倒したので残りは8人ですね。

「今度はアタシたちね」

「行くよ」

「私は後方から援護します」

 私は弓なので後方支援に向いていますからその場から動きません。

 木下さんの方は大丈夫だと思いますが、人数も多いですし愛莉の方が危なそうですね。明久君ほどの操作技術があれば問題なさそうですが、私達と同じレベルですから。

「うっ……」

 そう考えているところで、いきなり愛莉の召喚獣が体勢を崩された。

 ここは援護した方がいいですね。

「もらった」

「えいっ」

 私は矢で攻撃を仕掛けていた相手の召喚獣の頭を射抜いた。

 何とか今回は当たりましたが、コントロールが難しいですね。

「なんだとっ!」

 驚いた敵の隙を見て愛莉がもう1体の召喚獣にとどめを刺したみたいです。

 これで2人戦死です。近衛部隊もあと6人になりました。

 少し離れたところで戦っている木下さんの方を見ると、かなり点数を削られていましたが味方の援護もあるみたいなので大丈夫そうです。私は愛莉の方を優先でいいみたいですね。

「弓が厄介ね」

「近接になれば勝てるはずだ」

「ここは私が受け持つから大翔と七菜はあっちに」

 牽制で何本か矢を放っていると鬱陶しく思ったのか、相手は愛莉から私に目標を変えたみたいです。

 確かに弓では近距離では厳しいです。が、私の召喚獣は武器を2種類持っているのです。

「くらえっ」

 相手が私の所に着く前に武器を弓から短剣に。そうもう1つとは短剣です。

「やっ」

 相手の攻撃に合わせて短剣を突き出す。

 リーチが短いので相手の攻撃をかわしきれませんし、あまりダメージが与えられません。

 でも、意表をつくくらいのことはできます。

「うそっ!」

「2種類の武器を持ってるのか!」

 短剣を持っていたことに動揺したのか、相手の剣筋がぶれてこちらの肩をかすめるだけになり、私の短剣が相手の顔をかすめた。

 出来れば一撃で倒せてしまえていればよかったのですが、顔にあたったとはいえ半分くらいしか削れていませんね。とはいえ私の方は肩だったのと点数差のせいか10点ちょっとしかダメージをもらいませんでしたが。

「行きます」

 もう1人の点数が高い方を倒してしまった方がいいですね。

「七菜、挟み込むぞ」

「うん」

 私が突撃させたことを見て相手は挟撃する動きをする。

 挟み込まれたら大変ですが、少し考えが足りません。

「私の武器は変えたからと言って使えなくなるわけではありませんよ」

 短剣を片手に矢を取り出す。

「両方使えるのかっ!」

 

 キンッ!

 

 どっちもリーチが短いので相打ちになってしまいました。

 それに点数がかなり減ってしまいましたが、2人を戦死させることができたようです。

 木下さんも愛莉も勝ったようなのであとは代表の平賀君だけみたいですね。

「あとはあなただけよ、Dクラス代表」

「くっ」

「私たち2人が相手です」

 愛莉は点数の消費が酷いので今回は外れてもらいました。

 そして短剣をしまい再び弓に持ち替える。

 

『Fクラス 木下優子 & 青山優衣 VS Dクラス 平賀源二

  数学  155点 & 126点 VS 134点     』

 

 2人とも相当点数が減っていますが問題ありませんね。

「これで終わりよ」

「終わりです」

 木下さんのランスを弾いたところに私が矢を放った。

 

 Dクラス代表平賀源二戦死。

 

 矢は召喚獣の頭に刺さり1撃で勝負がついた。当てにくいといいながら当て続けていますが偶然ですよ?

 

             ☆  ☆  ☆

 

「これで決着だな、Dクラス代表」

「そうだな。まさかAクラスレベルの人が3人もいるとはな。ルール通り教室は明け渡そう。今日はこんな時間だし、作業は明日でいいか?」

「もちろん明日でいいよね、雄二?」

「時間も遅いですし、それが妥当ですね」

 これで少しはまともな設備になりましたね。私の場合は自業自得でFクラスになったのですが。

「いや、その必要はない」

 でもその提案を雄二君はきっぱりと否定しました。

「え? なんで?」

「Dクラスを奪うつもりはないからな」

「どういうことですか?」

「俺たちの目標はあくまでAクラスだからだ」

 Aクラス以外のクラスとは設備を交換しないということでしょうか?

 確かにこの設備に満足して次の戦争に反対する人が出てくるかもしれませんし、それを防ぐためといったところでしょうか。

「それは俺たちにとってはありがたいんだが……それでいいのか?」

「もちろん、条件はある」

 でもやっぱりタダで交換なしとは言わないみたいです。

「で、その条件というのは?」

「それはだな」

 雄二君がそういった直後、ガラッという音ともに扉が開いた。

「終わっているみたいだな」

 条件を言うという絶妙なタイミングで兄さんが来たみたいです。

 

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