光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~ 作:EDENCROSS
《前回までのあらすじ》
戦場と化した会場に、プルルート達と合流したエルク達は、
仲間達と共に現れた巨大なモンスターと対峙する。
エルク(神衣)
「五ノ型―――穿煌ッ!」
最初に動いたのはエルク。
構えた神威の剣先から突き出すように放たれた光のレーザーで、
眼前のモンスター達を貫く。
神衣状態で強化されたそれは勢いは止まらず、
そのまま奥に控えている巨大な角のモンスターまで届く攻撃だったが、
その前に近くにいる盾を持つ二体のモンスターに防がれた。
ビーシャ(GF)
「あー、おしいっ!」
ルージュハート
「でも、防がれてしまいました・・・」
ユリウス
「ああ、いい一撃だった。
やはり、神衣状態によって大きく強化されているようだな」
ホワイトハート
「もうお前だけでいいんじゃねえか?」
エルク(神衣)
「いやいや、流石に多勢に無勢だって。
それに、倒しても倒してもああやってすぐ復活するから皆の協力が必要だって」
グリーンハート
「そうですわよ、ブラン。 話を聞いてなかったんですの?」
ホワイトハート
「はは、言ってみただけだ。 それじゃあ次はわたしの番だな!
行くぜ―――テンツェリントロンペッ!」
グリーンハート
「インビトウィーンスピアッ!」
シーシャ(GF)
「援護するよ、ブランちゃん! シーバスターッ!」
ブランの回転攻撃に合わせ、ベールとシーシャが遠距離攻撃で援護する。
その後、道が開けた所にエルクが進む。
パープルシスター
「続きます! スラッシュウェーブッ!」
ルージュハート
「エア・スラッシュッ!」
ホワイトシスター(ラム)
「おにいちゃんには近づかせないわ!」
ホワイトシスター(ロム)
「アイスキューブッ!」
ケーシャ(GF)
「排除しますっ!」
ブラックシスター
「邪魔はさせないわよっ!」
続けてネプギアとロティの斬撃が、エルクに追随するように駆けてモンスターを斬り裂き、
モンスターの数が減って射撃が通るようになり、
ユニとケーシャの射撃とロムとラムの魔法で、エルクに近付くモンスターを蹴散らす。
イーシャ(GF)
「エスーシャ!」
エスーシャ(GF)
「ああ、わかっている! エクサスラッシュッ!」
ブラックハート
「なら私はもう片方ね! フォールスラッシュッ!」
「「ギャアァッ!」」
双子の氷魔法によって氷漬けになり、身動きを封じて無防備になった二体の盾モンスターを
ノワールとエスーシャが斬り裂いた。
「グオォォォーッ!」
エルク(神衣)
「っ!!」
自分に向かってくるエルクを見た巨大な角のモンスターは、雄叫びを上げて剣を構えた。
ビーシャ(GF)
「させるか! 当たれー!」
ビーシャの砲撃が振り上げた大剣に当たり、さらに二発目が体に命中してモンスターの
体勢を崩した。
アイエフ(爆炎覚醒)
「ナイスよ、ビーシャ! さらに追撃の―――魔界粧・轟炎ッ!」
そこにアイエフが炎魔法を唱えて怯ませる
ホワイトシスター(ラム)
「アイエフもやるじゃない!」
アイエフ(爆炎覚醒)
「ありがとう、ラム。 今よ! 行きなさい、エルクっ!」
エルク(神衣)
「ああ!」
「グ・・・ウオオォォォッ!」
角モンスターは再び雄叫びを上げ、エルクを睨みつけながら両手で大剣を振り下ろした。
だがエルクは、抜刀した神威を投げつけ、その大剣を弾いた。
その後、大きく跳躍した。
エルク(神衣)
「
パープルハート
「三十二式・エクスブレイドッ!」
跳躍したエルクに、ネプテューヌはシェアエネルギーで造り出した剣を放った。
アイエフ(爆炎覚醒)
「ちょっ、ネプ子っ!?」
それを見たエルクは、それを空中でキャッチして二刀の剣を構えた。
エルク(神衣)
「幻魔紫光刃ッ!」
空中から敵目掛けて突っ込み、モンスターをX字に斬り裂いた!
「グアァァァーッ!!」
白と紫のに光る剣の軌跡により、耳障りな断末魔を上げながらモンスターは消え去った。
それと同時にそれが召喚したモンスター達も影も形もなく消滅した。
エルク(神衣)
「ふう・・・よし!」
アイリスハート
「うふふ、派手にイったわねぇ」
アイエフ(爆炎覚醒)
「なるほど、そういうことね」
「おお、モンスターを倒したぞっ!」
「なんとか生き残ったな・・・」
コンパ
「ハンターと護衛のみなさん、わたしのところへ集まってくださいです!」
モンスターが全滅したことを確認たエルクは、光の壁を解除して神衣化を解き、
仲間達も変身を解いてエルクの下まで集まった。
ネプテューヌ
「お疲れエルくーん! わたしはやってくれると信じてたよ―!」
そう言いながらネプテューヌは、女神化を解いてエルクまで駆けつける。
エルク
「ネプテューヌ。 正直あれにはびっくりしたけどね・・・」
ネプテューヌ
「またまた〜。 そんなこと言って、息ぴったりだったじゃん!」
アイエフ
「まあ、結果オーライってやつね」
エルク
「はは、そうだね。 他の皆は大丈夫?」
うずめ
「ああ、こっちは平気だ」
シーシャ
「同じくだよ。 ハンターと護衛の人たちはともかく、参加者の人たちは全員無傷だ。
今、コンパちゃんがちゃんが治療してくれてるよ」
「オ、オレたち・・・特にこれといってなにもできなかったよな?」
「まあ、今回は女神様たちがいたからな」
「そうだな。 だが、参加者の方たちに何もなくてよかった」
「一応任務は果たせたか・・・」
コンパ
「じっとしててくださいです」
「いたた・・・」
ネプテューヌ(大)
「そうみたいだね」
クロワール
「オメェもあまり活躍できてなかったみてえだな?」
ネプテューヌ(大)
「何言ってるの、クロちゃん!
たしかに字幕的にセリフはなかったけど、それでも見えないとこでちゃんと
戦ってたんだからね!」
クロワール
「へいへい、悪かったよ」
ビーシャ
「あはは・・・。 まあ、それはわたしたちもそうだったよね」
ラム
「とにかく、モンスターをやっつけれてよかったわ!
おにいちゃん、おねえちゃん、わたしとロムちゃんもかっこよかったでしょ!」
ロム
「作戦どおりに動けたかな?」
ブラン
「ええ、よくやったわ、ロム、ラム。 ねえ、エルク」
エルク
「うん。 氷魔法には助けられたよ。 ありがとう、ロムちゃん、ラムちゃん」
ロム
「えへへ///(ぶい)」
ラム
「おにいちゃんとおねえちゃんにほめられた!」
「いやはや、流石は女神様! お強い!」
「ああ。 それにエルク君の腕も確かなようだ。
あの姿は気になるが、我々の恩人にそういった詮索はするべきではないな」
「とはいえ、もう危険な目はこりごりですな」
「何を言っていますの? わたくし達はそれを承知の上でローズ様に
この場にいることをお願いしましたのよ」
「むっ、それは確かに・・・」
ローズ
「なにはともあれ、皆様がご無事でなによりですわ。 後は・・・」
エルク
「はい。 今回の一件の黒幕が誰なのか、ですね」
ネプテューヌ
「あ、そっか。 モンスターを倒してはいお終いのめでたしめでたしってわけ
じゃないんだっけ?」
ブラン
「ええ、それが本命ね」
オライト
「でも、いったい誰が・・・?」
トーマ
「・・・」
オライト
「父さん? 何をしているんですか?」
トーマ
「リィルに連絡している。 たがなぜかいっこうに繋がらん」
プルルート
「そういえば、勝手にどこか行っちゃうって言ってたけど〜、
まだ帰ってこないの〜?」
ピーシェ
「りーるって、あのメガネのおじさんのこと?」
トーマ
「ああ、そうだ。 帰って来ることが遅くなることも多々あったが、
こんなことは初めてだ。 リィル・・・今どこで何をしている。
こんな大変な時に・・・!」
ルビィ
「っ! そうだわ! 外の様子はどうなっているの!?」
ロティ
「あっ、扉が開いたよ!」
トーマ
「リィルとの連絡が取れん今、仕方ない。 ワシも行くぞ」
オライト
「ですが、父さん・・・!」
トーマ
「案ずるな、オライト。 傷は残っているが、これは単なる疲労だ」
オライト
「しかし・・・」
エルク
「ー聖なる光よ、優しき癒しをもたらせー ホーリィキュア」
トーマ
「なんだ、これは? 光が・・・傷を治していく?」
オライト
「これって、回復魔法?」
エルクは、トーマに光回復魔法をかけた。
それによってトーマとオライトの傷が塞がった。
オライト
「ありがとうございます、エルクさん」
トーマ
「・・・一応、礼は言っておこう」
エルク
「いえ、お気になさらず。 ですが、回復できたのは傷だけで体に蓄積した疲労までは回復できません。
だから―――」
トーマ
「それでも、だ。 それでも俺は行かねばならん・・・!」
ネプテューヌ
「ねえ、どうしてそこまでするの?」
ネプギア
「そ、そうですよ、トーマさん! ふらふらじゃないですか!」
シーシャ
「あなたのことはハンターたちの中で有名で、彼らの憧れだ。
数多くの武勲を上げてプラネテューヌの治安に貢献した武人という話を聞いたよ。
そんなあなたがここまで追い込まれるなんて・・・」
トーマ
「・・・ああ、全く情けない話だ。 若い頃に無理がたかって、今ではこのザマだ。
自分をワシと呼んでいたのも、そんな自分を隠すためのただの虚勢だ。
歳を言い訳にするほどくってないんだがな・・・」
ローズ
「トーマ・・・」
トーマ
「お前も止めるなよ、ローズ。
リィルとの連絡が取れず、我が家の何者かの仕業である可能性があるなら、
俺は真実を知らねばならん」
ケーシャ
「でも、だからってそんな状態では・・・!」
オライト
「・・・わかりました。 ならばボクを共に行きましょう。
ボクもサファイア家の一員。 真実を知ると言うのであればボクも同じです、父さん」
トーマ
「トーマ・・・」
エルク
「確かに貴方たちにはその権利があるのかもしれません」
ノワール
「ちょっとエルク、本気?
もしまたさっきみたいにモンスターが襲ってきたらどうしてるのよ」
エルク
「その時は、僕が二人を守るよ。 まだ戦える力は残ってる。 それに・・・」
ブラン
「それに?」
エルク
「二人は危険を承知で一緒に行くと決めて、この先にある真実を知ろうとしてる。
僕はその想いを無駄にしたくないんだ」
ユニ
「なるほど。 お兄ちゃんらしいわね」
イーシャ
「この先にある真実・・・? エルクさんはあの扉の向こうに何があるのかわかるんですか?」
エルク
「うん。 あの向こうに人の気配がする。 それもただの気配じゃない。
なにか邪悪な意志を持った何者かの」
ユリウス
『ああ、この気配は一人・・・いや、二人だな』
エルク
『表にいる護衛とハンターの人達の気配を感じるけど、特にその気配が大きく感じる。
単独犯じゃないのかもしれない』
ケイ
「さっきのようなことができと言うなら、おそらくそれは
ミナ
「そうですね。 人々の影からモンスターを生み出す魔法など、私も聞いたことがありません」
チカ
「魔法について詳しいミナさんも知らない魔法もあるのね」
オライト
「
ルビィ
「ねえ、なんの話をしてるの・・・?」
エルク
「それは・・・」
ネプテューヌ
「ううん、なんでもないよ、ルビィちゃん。 こっちの話だから!」
ルビィ
「・・・なんだかすごく誤魔化された気がするわ」
アイエフ
「とにかく、このまま二人を連れて行くってことでいいのね、エルク?」
エルク
「うん。 ただし、もしも戦闘になった時は下がってもらう。
お二人もそれでいいですね?」
トーマ
「・・・ああ、わかった。 こんな状態では我々はただの足手まといだからな。
その時はそうさせてもらう」
オライト
「わかりました。 ボクたちの願いを聞いてくださり、ありがとうございます」
ローズ
「では、他の方々は―――」
チカ
「それはあたくし達にお任せください」
ミナ
「皆さんにはこの場で待機してもらいます」
ケイ
「このまま逃がすこともできなくはないけど、外の状況がわからない今、
ハンターと護衛の人達とここに留まった方がいいだろう」
イストワール
「いざという時には、わたし達も戦いますので、ご心配なく」
ネプテューヌ
「そういえば、いーすんも戦えるんだったね。
パーティメンバーじゃなくなってから結構経つからすっかり忘れてたよ」
イストワール
「・・・何の話をされているのかわかりませんが、わたしにも魔法の心得くらいあります」
アイエフ
「ありがとうございます、イストワール様」
ベール
「チカ、そちらは任せましたわ」
チカ
「はいっ! ベールお姉様っ!」
ケイ
「ノワール、ユニ、君達も気を付けて」
ノワール
「誰に言ってるの、ケイ? 私とユニなら問題ないわ。 ねえ、ユニ?」
ユニ
「当然よ、お姉ちゃん! こっちのことは心配しないで」
ケイ
「ふふ、そうだったね。 なにせ、愛しのエルクがいるんだからね」
ノワール
「い、今はそんなことはいいの!///」
ユニ
「もう、ケイ!」
ルビィ
「あ、あのっ!」
ルビィが声を上げる。
ネプテューヌ
「ねぷっ? どうしたの、ルビィちゃん?」
ルビィ
「わたしも・・・わたしと母様もつれて行って!」
ローズ
「ルビィ、貴女何を―――そうですね。
エルクさん、女神の皆様、どうかわたくし達も同行させてもらえないでしょうか?」
ノワール
「貴女達まで・・・でも、気持ちはわかるわ」
ロティ
「そうだね。 トーマさんとオライト君も一緒に行くっていうなら、ねえ?」
トーマ
「俺からも頼む。 ローズ達にもそうしてくれ」
オライト
「ハイ。お願いしたボクたちはともかく、お二人にはその権利があると思います」
ルビィ
「お願い、エルクさん! もし戦いになったら言うとおりにするから・・・!」
ローズ
「ルビィ・・・」
ルビィはエルクに懇願する。
今回の事件の黒幕が誰なのかを知るために。
エルク
「・・・わかりました。 一緒に行きましょう」
ルビィ
「ありがとう、エルクさん!」
ローズ
「わたくし達のわがままを聞いてくださり、ありがとうございます!」
アイエフ
「話も纏ったことだし、改めて行きましょう、エルク」
エルク
「よし、行こう!」
ローズ、ルビィ、トーマ、オライトの四人を加えたエルク達は、会場に残した参加者達を教祖と
ハンターと護衛達に任せて会場の扉を開き、外へ出た。
イストワール
「皆さん、どうかお気を付けて・・・!」
―――――――――――――――
エルク
「こ、これは・・・!」
扉を開いて外に出たエルク達が見たのは、それまで美しかった宮殿のような造りだった
場所から一変し、建物の外壁も破壊され、何もかも破壊され滅茶苦茶にされた廃墟になっており、
周囲には黒い結界が張られていて、昼間なのに夜のよう不思議な空間になっていた。
さらにそこにいた護衛とハンター達の傷だらけの姿もあった。
彼等の手にした武器も身に着けていた防具も全て砕かれ、全員が血を流して倒れていた。
ネプギア
「ひ、ひどい・・・!」
ルビィ
「うっ・・・!」
ローズ
「見ては駄目よ、ルビィ!」
オライト
「いったい、何があったって言うんですか?
エルクさんたちが会場内だ戦っていた間に・・・」
トーマ
「・・・倒れているハンターの中に知った顔もいる。
凄腕で知られているハンターだが、これほどまでにやられるとは・・・!」
ローズ
「それほどの相手だったのでしょう。 先程戦ったモンスターと同等の強さの」
「うぅ・・・痛ぇ」
ケーシャ
「よかった、傷は深いですが、息はあります! コンパさん、お願いできますか?」
コンパ
「はいです! 治療は私にお任せです!」
ロム
「わたしもお任せ!(ぐっ)」
ラム
「わたしだって回復魔法も使えるわ!」
エルク
「僕も手伝うよ」
アイエフ
「私も力になるわ」
エルク、アイエフ、コンパ、ロム、ラム、アイエフの六人は、それぞれ怪我を負った人達を
回復魔法で治療して回った。
エルク
「大丈夫ですか?」
「ああ、すまない。 助かった」
ネプテューヌ
「ねえ、なにがあったの?」
「急に会場が騒がしくなったと思ったら、我々の足下の影からモンスターが次々に現れて・・・」
「倒しても倒してもキリがなく、何度でも湧いて出てやがったんだ・・・!」
「そのせいでジリ貧になって全滅しかけたんだが、突然モンスター共が消えたんだ。
もう何がなんだかわからなかったが、お陰で命拾いしたぜ・・・」
ロティ
「それって、あたしたちが親玉を倒したからかな?」
ブラン
「ええ、そうね。 実際、会場内に現れたモンスター達も消えたから」
シーシャ
「ギリギリ間に合ったってことだね」
コンパ
「皆さんの治療、終わったです」
アイエフ
「こっちも終わったわ。 そっちはどう?」
エルク
「僕たちの方も終わったよ。 全員致命傷を避けてたから無事だよ」
ラム
「うん! 本当によかったわ!」
ロム
「わたしもラムちゃんもがんばったよ!(ぶいっ)」
ブラン
「よくやったわ。 偉いわよ、ロム、ラム」
死者もなく、全員治療したのを確認したエルク達は、彼らを会場の中へと避難させた。
ネプテューヌ
「これで、なんとかあの人たちは大丈夫だね」
エルク
「うん、そうだね・・・」
ネプギア
「どうしたの、お兄ちゃん?」
ユニ
「あの人達を助けたのはいいけど、まだ肝心なことが残ってるわ」
オライト
「はい。 でも、誰もいない・・・?」
エルク
「・・・」
ユリウス
『エルク、感じるか』
エルク
『確かに姿を消して隠れているけど、気配からしてまだ近くにいる!』
エルクは目を瞑って集中し、それを捕らえた。
エルク
「―――そこにいるんだろう、出てこい!」
???
「フッ、やはり姿を消しても誤魔化せなかったか・・・」
突然声を上げたエルクに驚く仲間達をよそに、一人の男の声が聞こえた。
ノワール
「男の声? 誰っ!?」
ピーシェ
「ぴい、 この声しってる!」
プルルート
「うん、この声って〜」
トーマ
「ああ、俺も知ってる。 姿を現せ、リィル!」
リィル
「そう声を荒らげなくても、ここに居ますよ、トーマ様」
プルルート
「やっぱり、リィルさんだ〜! でも、どうしてあなたがいるの〜?」
トーマ
「リィル、お前・・・今までどこで何をしていたんだ!」
リィル
「これはこれは、トーマ様だけではなく、オライト様にローズ様、そしてルビィお嬢様も
お揃いでしたか」
トーマ
「質問に答えろ、リィル! まさか・・・お前の仕業なのか!?」
リィル
「仕業? ああ、これのことですか? ええ、その通り!
全ては自分がやりました!」
オライト
「全てって・・・。 じゃあ、ルビィさんの命を狙い、
このガーネット家を乗っ取ろうとしたのも・・・?」
リィル
「乗っ取る? いやいや、自分はこの家のことなどどうでもいい。
跡取りのルビィ嬢が亡くなれば、ガーネット家を継ぐものはいなくなる。
つまり、この一族が消えればなんでもよかった。
でもまさか、自分からこんな茶番をしてまで表に出てくるとは思わなかった。
だから自分も計画を変える必要があった」
うずめ
「計画だと? それがどんなもんか知らねえが、テメエはもう終わりだ!」
ローズ
「それでは、ウロボロスという連中も貴方が?」
リィル
「ウロボロス? ああ、あのチンピラ共のことですか?
それっぽく言ったらどいつもこいつもほいほい自分の言いなりになりましたよ。
まあ、そのお陰で影の蓄えができましたよ」
ルビィ
「利用するだけ利用したってこと? ひどい!」
リィル
「何を仰っておられるのです、ルビィ嬢? あれらは貴女を襲った連中の仲間ですよ?
どうなろうと貴女の知ったことではないでしょう」
エルク
「計画を変えると言ったな。 ならあの時、急に殺害の予告状が出てきたのは・・・」
リィル
「ああ、そうだ、それも自分だ。 最初からそれをここに送っていればよかったな」
ローズ
「では、我が家に賊を送り込んだのも貴方の仕業ということですか」
トーマ
「ガーネット家に忍び込んだ賊に我がサファイア家の家紋の入った物を持たせたのは何故だ?
ルビィ嬢を狙うならそんなことをする必要もなかったはずだ!」
リィル
「簡単な話ですよ、トーマ様。 そうすればルビィ嬢に恐怖を植え付けられ、
明確な敵意と殺意を向けるためですよ。
そうすることで自分にとって都合がいいですからね!」
アイエフ
「どういうこと? あんただってサファイア家の者じゃない」
リィル
「ふんっ! そういうことを言ってるんじゃないんだよ!
出てこい、自分の影のモンスターよっ!」
リィルがそう声を上げると、彼の足下の影が蠢き、それが鋭い爪と牙、
そして角と翼を持った獣のような巨大なモンスターとなった。
うずめ
「で、でけぇ・・・!」
ネプテューヌ(大)
「ちょ、ちょっと! なにあれー!」
ピーシェ
「さっきやっつけたモンスターよりおっきい!」
エルク
「影でモンスターを造った・・・? 魔法じゃないな!」
リィル
「ああ、そうだ、これは魔法じゃない。 自分が嵌めているこの指輪の名は
自分の視界内にある物体の影を操ることができる
そしてこいつは集めた影で造ったモンスターだ!」
イーシャ
「やっぱり、
ベール
「影を蓄えたと言うのはこういうことでしたのね!」
リィル
「やっぱり? なにやら心当たりがあったようだな。 ・・・そうか、あの男か」
ルビィ
「ねえ、ゴンザレスはどうしたの? 外に出でも見当たらないけど・・・」
リィル
「そうですね、こうなったからにはもう隠すこともないか。 返してあげますよ、ほら」
傷だらけのゴンザレスが地面に投げ出された。
ローズ
「ああっ!」
ネプギア
「危ないっ!」
エルク
「っ!」
それを見たエルクは、素早く駆け出して投げ出されたゴンザレスを受け止めた。
エルク
「大丈夫ですか、ゴンザレスさんっ!?」
ゴンザレス
「うぅ・・・エルクさん、ルビィ様、ローズ様・・・申し訳ありません。
私がいながら・・・」
ルビィ
「しっかりして、爺やっ!」
ローズ
「貴方のせいでないわ、ゴンザレス。
わたくしこそ、こうなるのであれば貴方を一人にするべきではなかったわ・・・!」
ネプテューヌ(大)
「ひどい・・・! なんでこんなに傷だらけなの!?」
コンパ
「わたしが治療するですっ!」
コンパが急いで傷だらけのゴンザレスを回復する。
うずめ
「てめえがやったのか、執事野郎っ!」
リィル
「自分もそのジジイが大人しく協力すれば痛めつけることもしなかったんだがな。
馬鹿な男だ」
エスーシャ
「下衆が・・・!」
トーマ
「リィル、貴様・・・!」
リィル
「敵対する者には容赦するな、利用できる物なら何でも利用しろ。
自分がウロボロスの連中をそうしたようにね。
これは全て貴方から学んだことですよ、トーマ様」
トーマ
「敵対だと? 彼は我々の敵ではないはずだ!
リィル、貴様は一体何がしたいのだ!」
リィル
「何がしたい、とは? 全ては貴方のためですよ、トーマ様!」
トーマ
「俺のため・・・だと?」
リィル
「ええ! 幼くして両親を亡くした自分をサファイア家に迎え入れ、
そこで武と力がなんたるかを教えてくださった貴方に、自分は心から憧れました!
貴方は自分の恩人にして、自分の目指す目標でした!
だから考えたんですよ、どうすればそんな彼方の役に立てるのか、と」
オライト
「・・・それで、今回の事件を? でも、なんでゴンザレスさんを巻き込もうとしたんですか?」
ベール
「そうですわね。 ガーネット家に仕える彼が貴方に協力するはずなどありませんのに」
リィル
「もちろん自分も最初はそう思った。 だが、その男を調べてあることがわかった。
ゴンザレスは過去に、我がサファイア家に仕えていたということがな!」
オライト
「えっ! ゴンザレスさんが、サファイア家にっ!?」
ルビィ
「それって本当なの!?」
リィル
「ええ、本当ですとも。 自分には個人的なツテがあるので、確かな情報です。
貴方もこの事をご存知だったのでしょう、トーマ様?」
トーマ
「・・・」
オライト
「本当なんですか、父さん・・・?」
トーマ
「ああ、本当だ。 リィルの言った通りだ。 ゴンザレスは昔俺に仕えていた。
オライト、お前が生まれる前の話だ」
ネプテューヌ
「それじゃあなんでゴンちゃんはルビィちゃんの家に?」
ローズ
「それは・・・」
トーマ
「待てローズ、それは俺が話す。 マリンがゴンザレスに頼んだのだ」
ルビィ
「どういうこと、叔父様?」
トーマ
「・・・リィルも言ったが、当時ゴンザレスは我がサファイア家に仕えていたハンターだった。
オライト、お前が生まれてからハンター業を辞め、俺の亡き妻のマリンと共に
執事として我が家を支えていた。
病弱だったマリンは生前、まるで実の家族のようにガーネット家と仲良く接していた。
そしてオライトを生んで亡くなる前、マリンはゴンザレスに自分がそうなった後、
ルビィ嬢を守るように頼んだのだ。
マリンはゴンザレスの人間性とハンターとしての腕を信じてな」
オライト
「母上がルビィさんを守るように・・・?」
トーマ
「ああ。 俺からも彼にそう頼んだ。 俺もそうしたかったが、サファイア家を守っていくため、
直接動けなかったからな」
ルビィ
「ゴンザレスがわたしを? なんで?」
トーマ
「・・・」
辛そうなトーマを庇うように前に出て、ローズは言葉を続けた。
ローズ
「彼の本当の名前はルーク。 名前と身分を変えてわたくしの娘のルビィをある者から
守るために・・・」
エルク
「ある者から?」
プルルート
「もしかしてそれって〜、リィルさんのこと〜?」
ユニ
「っということは、こうなるってわかってたってこと!?」
ロティ
「それじゃあ、未来予知ってやつ!?」
ノワール
「未来予知って、そんなことあり得るの?」
ローズ
「マリン様は不思議な力を持ってると聞いたことがあります。 きっとそれが・・・」
トーマ
「ああ、マリンのその力で何度も助けられたことがあった。
マリンは未来が視えると言っていた。
将来黒い何者かが両家を脅かすことになるとな。
まさかそれがリィル、貴様のことだったとはな!」
リィル
「・・・なるほど、まさかそんなに前から自分の計画を知られているとは」
アイエフ
「じゃあなんでそのことをガーネット家に言わなかったの?
そうすればここまで事態は大きくならなかったんじゃ・・・」
トーマ
「それは・・・」
リィル
「それはマリン様の力が周囲に知られるのを恐れたからでしょう?
もしそうなれば、マリン様を狙う危険が及ぶ可能性があり、
さらに亡き後、その息子のオライト様にも」
オライト
「ボクと母上を守るために・・・?」
トーマ
「・・・」
エルク
『未来が視える・・・それってまるでソニアの異能みたいだ』
ユリウス
『ああ。 少なくとも魔法とは異なる力のようだ。
しかし、異能とは一万年の旧ゲイムギョウ界から失われたはずだが・・・』
エルク
「今回の事件、全てはトーマさんのためだって言ったな。
それは自分が仕える家を陥れてまですることなのか!」
リィル
「そういうことを言ってるんじゃないと言ったろう?
ルビィを・・・いやこの場に居る者共を亡き者にした後、この家も頂くとしよう!
そうすれば、トーマ様がサファイア家とガーネット家の当主となる!
・・・いや、こうなればこの俺がその座に君臨し、プラネテューヌだけでなく
このゲイムギョウ界の支配者となろうっ!」
うずめ
「ふざけたこと言ってんじゃねっ! てめえなんかにんなことさせるかよっ!」
トーマ
「リィル、貴様はもう・・・」
リィル
「トーマ様、貴方には感謝していますよ!
貴方に拾われてから今まで自分はその背中を見てきました。 その大きく力強い生き方を!
・・・だが、今のお前はもう駄目だ。 以前のような強さも覇気も感じられない。
だからそこの小僧ではなく、俺がお前の跡を継いでさらに大きくしてやるよ!
ヒヒヒ・・・ヒャーハッハッハッハ!」
クロワール
「こいつ、狂ってやがる・・・!」
ロム
「あ、あのおじさん、怖い・・・!(ぶるぶる)」
トーマ
「リィルの様子がおかしい・・・。 あいつがあんなにおかしくなるのは初めてだ!」
ロティ
「ねえ師匠、あいつの右手の指にはめてる指輪が光ってる・・・」
エルク
「ああ。 あいつの様子がおかしくなったのも、あれが光ってからだ!」
ユリウス
『
しかし、その代償として装備者の精神を蝕んでいく・・・!』
リィル
「ヒヒヒ・・・お喋りはここまでだ!
そして、お前達を亡き者にすれば・・・すれば―――ヒャーハッハッハッハッ!」
リィルは狂ったように大声で発狂して笑い出す。
リィル
「さあ、影のモンスターよ! 俺と一つになれぇぇぇぇぇっ!!」
あ、気が付いたらもう100話目だった!