光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~   作:EDENCROSS

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光ネプ第101話

≪前回までのあらすじ≫
突如会場内に現れた影のモンスターを撃退したエルク達。
黒幕を捕らえるため外に出ると、そこにいたのはサファイア家のリィルだった。
自身が造り出した影のモンスターと一体化したリィルとの戦いがはじまる。


♯ 101 ガーネット家の依頼⑥

___________________________________

戦闘曲

サガ エメラルドビヨンド

希望を捨てるな

アズーレイベント戦闘曲

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

リィル

「さあ、俺の影モンスターよ、俺と一つになれぇぇぇぇぇっ!」

 

 

その声に応えるように、そのモンスターは背後からリィルを丸呑みにするように

吸収した。

 

 

ピーシェ

「りーる、たべられちゃった!?」

 

ケーシャ

「食べられたと言うより、あれは―――」

 

シーシャ

「ああ、逆に取り込んたんだろうね。 あの大きな影モンスターの力を!」

 

リィル

「その通りだっ! 俺はこのモンスターと一体となり、絶大な力を得た!

 そして見よ、この輝きをっ!」

 

 

モンスターからリィルの声がし、それと融合したことで一体化してモンスターの頭部から上半身が

生えた彼の額から赤く怪しい光が輝いた。

それによって女神とゴールドサァド達がその場にひれ伏す。

 

 

ノワール

「な、何? 力が・・・入らない?」

 

ベール

「先程の戦いの疲労と言うわけではありませんわね・・・。 どうなっているの・・・?」

 

ブラン

「でもこの光、見覚えがあるわ・・・まさか!?」

 

ネプテューヌ

「アンチクリスタルだね・・・!」

 

シーシャ

「たしか女神の力を封じるってやつだったね。 でも、なんでアタシ達まで・・・?」

 

ピーシェ

「ぴぃ、ちからがでない・・・」

 

プルルート

「あたしもへろへろ〜・・・」

 

ユニ

「やってくれるじゃない・・・!」

 

ネプギア

「でも、なんでそんなものをあの人が・・・?」

 

リィル

「教えてやろう。 お前達の言う通りこれはアンチクリスタルだが、

 これはそれを改良したもの。

 女神はもちろん、それと関係している者共にも効果を及ぼす物だ!

 ・・・だが、そこの男にはなぜかあまり影響を受けていないようだが?」

 

エルク

「くっ・・・!」

 

 

リィルがアンチクリスタルの光を放った時、ホーリィクリスタルの光がエルクを守るように

包み込んでいた。

 

 

ユリウス

『エルク、大丈夫か?』

 

エルク

『うん、少し脱力感があるけど・・・』

 

リィル

「妙な力を使うというのは嘘ではないようだな。

 だが、女神とゴールドサァドとその他共の力は封じた。

 お前一人で何ができる、エルク?」

 

アイエフ

「誰がその他ですって・・・?」

 

ネプテューヌ(大)

「そーそー、舐めてもらっちゃ困るってね・・・!」

 

コンパ

「わたしだって、エルクさんやねぷねぷたちの仲間です・・・!

 やる時はやるです・・・!」

 

エルク

「三人とも・・・」

 

うずめ

「おい、無茶すんな、お前ら・・・!」

 

エスーシャ

「女神や私達ゴールドサァドほどの影響を受けないといっても、今のお前達では危険だ・・・!」

 

ネプテューヌ

「そうだよ、あいちゃん、コンパ、大きいわたし!」

 

アイエフ

「だからって、エルク一人に戦わせるわけにはいかないでしょ!」

 

コンパ

「あいちゃんの言う通りです! わたしだって戦えるです・・・!」

 

ネプテューヌ(大)

「そうだね、二人とも。 エルくんだって、一人で戦おうなんておもってないでしょ?

 これくらいなんともないって! ねえ、クロちゃん?」

 

クロワール

「そう言うが、やせ我慢してんのバレてっからな?」

 

ネプテューヌ(大)

「あはは、やっぱり・・・?」

 

リィル

「お前達だけで俺と戦おっていうのか? 三人増えても同じだ!」

 

エルク

「・・・っ」

 

 

モンスター化したリィルの持つアンチクリスタルの力によって、女神とゴールドサァド達の

力が出せず、立つことすらままならない状態。 彼女達程ではないにしろ、

今戦えるのは少なくともその影響を受けているエルク、アイエフ、コンパ、ネプテューヌ(大)

の四人だけ。

かつ続けての連戦により、戦力的にも不利な状況である。

なぜリィルがアンチクリスタルの力を使えるのかは不明だが、今は彼を倒すため、

四人は武器を手にして対峙する。

 

 

エルク

「皆、あいつの額にある赤く光るやつが見える?」

 

アイエフ

「ええ、これ見よがしに見立ってるあれね。 ってことはあれを壊せば―――」

 

コンパ

「ねぷねぷたちやわたしたちを苦しめてるアンチクリスタルの力が消えて―――」

 

ネプテューヌ(大)

「みんなが復活して大逆転ってわけだね!」

 

クロワール

「そんじゃ、まずはあの野郎のそれをぶっ壊すとこからだな!」

 

ネプテューヌ(大)

「それ、あいちゃんも言ったよ?」

 

クロワール

「うるせえな、細けえこといちいち!」

 

リィル

「何をぶつぶつ言ってる! 来ないならこっちから行くぞ!」

 

 

リィルは、目の前のエルク達を大きな前足で踏み潰そうと襲いかかった。

 

 

エルク

「っ!」

 

アイエフ

「おっと!」

 

コンパ

「ひゃあっ!」

 

ネプテューヌ(大)

「わわっ!」

 

 

それによって大きな地響きを鳴らし、四人は不自由な体で避ける。

 

 

エルク

「(やっぱり、体が重いからいつものように動けない!)」

 

リィル

「どうした、この程度の攻撃でも避けるので精一杯か?」

 

ネプテューヌ(大)

「そこっ!」

 

リィル

「ふんっ!」

 

 

ネプテューヌ(大)が、左足のホルターから抜いた銃で狙い撃つが、リィルはそれに即座に反応

して翼で防御した後、薙ぎ払おうと大きな尻尾を振り回す。

 

 

エルク

「ネプテューヌさん!」

 

ネプテューヌ(大)

「エ、エルくんっ!」

 

 

そこにエルクが駆けつけ、ネプテューヌ(大)を庇うように防御する。

 

 

リィル

「やるな、よくそんな体で防いだ。 だが―――無駄だっ!」

 

エルク

「うわっ!」

 

 

リィルは力を込めて、肉薄状態のエルクを吹き飛ばした。

 

 

アイエフ

「エルク! よくも!」

 

リィル

「次はお前だ、諜報部員っ!」

 

アイエフ

「そんなものに頼ってるくせに、言ってくれるじゃない・・・!

 やれるものならやってみなさい! 魔界粧・轟炎ッ!」

 

 

アイエフは、リィルの足下に火柱を起こした。

 

 

リィル

「なんだ、この火は? 火力が足らんな!」

 

アイエフ

「・・・アンチクリスタルのせいで威力が落ちてる・・・!

 だったら―――天馬流星斬ッ!」

 

ネプテューヌ(大)

「わたしも続くよ、あいちゃん! レイジングラッシュッ!」

 

 

魔法が効かないとわかると、跳躍してリィルに近付く。

そこにネプテューヌ(大)も加わって二人は二刀のカタールと剣で連続斬りを繰り出す。

 

 

アイエフ・ネプテューヌ(大)

「「はああぁぁぁっ!!」」

 

リィル

「むっ! 鬱陶しいわっ!」

 

アイエフ・ネプテューヌ(大)

「「きゃあっ!!」」

 

コンパ

「あいちゃん、おっきいねぷねぷっ!」

 

 

しかし、二人の攻撃は届かず簡単に防がれてしまった。

アンチクリスタルの力によるのも大きいが、先程の戦いによる疲労も残っているせいでもあるのか、

魔法も技の威力も大幅に落ちているようだ。

 

 

エルク

『やっぱり、アンチクリスタルをなんとかしないと勝ち目がない!』

 

ユリウス

『ああ、でなければこのままでは全滅だ。

 今は女神もゴールドサァド達も動けん状態である以上我々が戦うしかない』

 

エルク

『わかってるよ、ユリウス。 けど、こっちの攻撃が通用しないとなると、

 神衣化して聖祈祷(オラクル)を使えばきっと・・・』

 

ユリウス

『だがエルク、そなたも消耗している身である以上は神衣化も長くは続かんぞ。

 いや、それどころかそなたの身が危うい』

 

エルク

『もちろんそれもわかってる。 だからこそ持てる力の全てを使ってあれを壊す!』

 

ユリウス

『・・・了解した。 私も支援する。 無理はするなよ、エルク』

 

リィル

「この程度か? これではつまらんな」

 

ネプテューヌ(大)

「いたた・・・。 体がいうこときかなくて戦いにくいよ・・・!」

 

アイエフ

「そうね・・・。 私の力が通じなかったわ。 でも、ネプ子達はもっと苦しいはずよ。

 ここは私達が踏ん張らなきゃ!」

 

コンパ

「二人とも、大丈夫ですか!?」

 

アイエフ

「私達は大丈夫よ、コンパ。 それより、エルクや他の皆は・・・」

 

エルク

「―――神氣招来ッ!」

 

 

エルクは神衣化した。

 

 

アイエフ

「エルクっ!? 今変身したら・・・!」

 

 

アイエフの心配した通り、神衣化した瞬間に重くのしかかるようにアンチクリスタルの力が

強まり、背中の光の翼が今にも消えそうになっていた。

 

 

リィル

「はははっ、馬鹿な奴だ! わざわざ変身して自分で自分の首を絞めるとはな!

 そんな状態で何ができる?」

 

エルク

「それはどうかな・・・?」

 

リィル

「なに?」

 

エルク

「ー我祈るは仇なす者を屠るさらなる大いなる力なり。 その力我が友等に宿らん

 神聖増強祈祷(ホーリィブースト)ッ!」

 

 

エルクは聖祈祷(オラクル)を唱えて仲間を強化した。

 

 

ネプテューヌ(大)

「おー! みなぎるー!」

 

コンパ

「パワーアップです!」

 

アイエフ

「ええ! でも、あなたが・・・!」

 

エルク(神衣)

「はあ、はあ・・・僕なら大丈夫、気にしないで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プルルート

「エルくん、苦しそう〜・・・」

 

イーシャ

「私達がこんな状態じゃなければ、エルクさん達だけに戦わせることなんて

 させなかったのに・・・!」

 

ロティ

「イーシャさんの気持ちあたしにもわかるよ。

 あたしも師匠の弟子なのに情けないよ・・・!」

 

ノワール

「でもまさか、あの男がアンチクリスタルを使うなんて思わなかったわ・・・!」

 

ブラン

「ええ、完全に予想外ね・・・!」

 

コンパ

「エルクさん、早く神衣化を解くです・・・!」

 

ネプテューヌ(大)

「そ、そうだよ! そんな状態で戦うなんて・・・!」

 

アイエフ

「エルク、無茶しないで!」

 

エルク(神衣)

「いや、まだやることがある・・・」

 

リィル

「・・・妙な魔法を使うな。 味方を強化したみたいだが、だからといって俺のアンチクリスタル

 の力が無くなったわけじゃないわけじゃない。 無駄な足掻きだ!」

 

アイエフ

「それでも、あなたには何か考えがあるんでしょ?」

 

リィル

「だとしても、俺がそれを黙って見てやると思うか?」

 

ネプテューヌ(大)

「さっきは見てたくせに・・・」

 

リィル

「うるさいっ!」

 

 

その大きな巨体で、エルクに襲いかかった

 

 

アイエフ・ネプテューヌ(大)

「させないわっ!「よっ!」」

 

リィル

「っ!?」

 

 

だが、それを二人が真正面から受け止めてエルクを守った

 

 

リィル

「貴様ら・・・!」

 

アイエフ

「さっきとは逆になったわね、エルク。 今は私達に任せなさい!」

 

ネプテューヌ(大)

「エルくんが強化してくれたお陰で、さっきよりましになったよ!」

 

コンパ

「これもエルクさんのホーリィクリスタルの力です!」

 

ユリウス

『おそらく、聖祈祷(オラクル)を受けたことによって、強化されたのと同時にアンチクリスタルの力も

 弱まったのだろうな』

 

エルク(神衣)

『これも、ホーリィクリスタルの光の加護ってことか・・・よし―――!』

 

 

エルクの身に宿すホーリィクリスタルとアンチクリスタルの力は互いに相反し合うようだ。

この事を知ったエルクは、改めて行動に移す。

 

 

エルク

「ー暗き闇を捕らえしは汚れなき白き理ー ホーリィフィールドッ!」

 

 

エルクは詠唱してホーリィフィールドを唱えた。

以前プラネテューヌに侵攻してきたタイラント戦で使用した邪力(タナトス)を弱めるという効果を持ち、

かつ味方を強化するという光の結界を展開して相手を閉じ込めるという魔法で、

アンチクリスタルもこの邪力(タナトス)―――つまり負の力と同じものなら弱めることができるのではない

のかという考えがエルクにはあり、先程の聖祈祷(オラクル)によってそれが証明された。

そして、魔法が発動したのと同時に光の波動が迸って光の結界が展開した。

 

 

リィル

「な、なんだ、この光は!? 俺の力が・・・弱まっていく!?」

 

 

それによって、リィル自身とアンチクリスタルの光が弱まった。

 

 

ノワール

「っ! 体が動くわ!」

 

ピーシェ

「ぴぃもうごけるよ!」

 

ネプギア

「はい! これは・・・お兄ちゃん光!」

 

うずめ

「ああ! あのでけぇ黒い奴と戦った時以上の光だぜ!」

 

プルルート

「エルくんの光、温かい〜」

 

ブラン

「エルクの魔法で、アンチクリスタルが弱まったみたいね」

 

ベール

「まだ本調子というわけではありませんが、これなら戦えますわ!」

 

ネプテューヌ

「おまけにさっきのでバフもかかってるしね! 必勝パターンきたー!」

 

ロティ

「うん! これで勝つるっ!」

 

ルビィ

「母様、女神様達が!」

 

オライト

「これが、エルクさんの力・・・!」

 

トーマ

「まさに聞き及んだ光の力というやつか!」

 

ローズ

「ええ、本当に彼は女神様方と共にあるのね・・・!」

 

リィル

「な、なぜ女神共も動ける!? 俺のアンチクリスタルで封じたはず―――そうか、

 貴様の仕業か、エルクっ!!」

 

エルク(神衣)

「・・・気付いてももう遅い! ここまでだ、リィル!」

 

リィル

「黙れっ! 調子に乗るなよ! まだ・・・まだ俺の力はこんなものじゃない!

 うぉぉぉぉぉおおっ!!」

 

オライト

「うわあっ!」

 

ルビィ

「きゃあっ!」

 

ローズ

「うっ!」

 

トーマ

「お前達! ―――くっ!」

 

 

怒り狂ったリィルは、さらにアンチクリスタルの光を強め、相手を気圧すような大きな嘶きを上げ、

トーマは三人を庇う。

 

 

うずめ

「あいつ、本気出してきたな!」

 

ロティ

「そうだね、うずめ。 でも、あたしたちには師匠とみんなの力がある!」

 

ビーシャ

「その通り! 最初はピンチでも、ヒーローとその仲間たちは最後に必ず勝つって

 決まってるからね!」

 

エスーシャ

「ふっ、ヒーロー展開ってやつか。 悪くないな」

 

ブラン

「そうね。 だから―――」

 

ホワイトハート

「ここからはわたしたちも本気で行かせてもらうぜ!」

 

ブラックハート

「もちろん油断するつもりはないけど、エルクのお陰で強化された私達を相手に勝てるかしら?」

 

リィル

「いい気になるなよ、女神共! 見ろ、俺のこの人間を超えた姿と力をっ!

 それを手に入れた俺こそ両家を―――このプラネテューヌという国を支配するのに

 相応しい!」

 

クロワール

「弱ってるクセにでかい口叩くじゃねえか」

 

パープルハート

「ええ。 あなたのような男に、わたしの国を渡すわけにはいかないわ!」

 

パープルシスター

「あきらめて大人しく投降してください!」

 

アイリスハート

「ねぷちゃんたちの国に手を出すっていうなら、あたしも黙ってないわよ、リィルさん?」

 

イエローハート

「ぴぃも、ねぷてぬとねぷぎあの国を守るよ!」

 

 

アンチクリスタルが激しく輝くも、エルクの光によってそれも大きく弱体化し、

それによって再び変身したネプテューヌ達も強化されたこの状況下でも、

自身の力と勝利も信じて疑わないリィル。

しかし、誰がどう見てもリィルの敗北は確定しているようなもの。

そう思ったトーマは、リィルに語りかけるため前に出た。

 

 

トーマ

「リィル、まだ間に合う、自首して俺と一緒に罪を償おう」

 

コンパ

「ト、トーマさん! 危ないです!」

 

オライト

「父さんっ! 危険です、下がって!」

 

リィル

「トーマ・・・様」

 

 

危険を省みずに自分の前に出てきた主人に、リィルは耳を傾ける。

しかし―――

 

 

リィル

「間に合うだと・・・? 俺はもう人間じゃない、どこからどう見てもモンスターだ!

 でも俺は後悔してない。 なぜならそれによって力を得たんだからな!

 ヒヒヒ・・・ヒャーハッハッハッハッ!」

 

トーマ

「リィル・・・!」

 

モンスターとなったリィルに、トーマは降伏するように説得を試みた。

しかし、それはもはや無意味なものだった。

長年の自分の右腕として仕えていた有能な部下である彼を自分なら説得できるのでないのか

という望みがった。 異形の姿になってから今更説得など遅いとも思っていたが、

やはりもう遅い、遅すぎたのだ。

リィルはこれを拒否し、狂気に満ちた奇声とも言える笑い声を上げた。

 

 

ホワイトシスター(ロム)

「やっぱり、あのおじさん怖い(ぶるぶる)」

 

ケーシャ(GF)

「完全に狂ってますね・・・!」

 

エルク(神衣)

「トーマさん、こうなってはもう・・・」

 

トーマ

「・・・ああ、そうだな。 最早説得は難しいだろうな」

 

オライト

「で、では、それはリィルさんを倒すってことですか!?」

 

トーマ

「こうなってしまった以上、仕方あるまい・・・。

 リィル、どうやら俺はお前との接し方を間違えたようだな。

 力ばかり謳っていた俺自身と家の在り方もな・・・」

 

ローズ

「トーマ・・・」

 

リィル

「ふん、今更何を言っている。 あれほど力こそ全てとまで言っていた男が」

 

トーマ

「そうだな、お前の言う通り今更だ。 もう遅すぎた。

 お前がここまで歪んでしまったのは俺のせいでもある。

 だから―――そのケジメは俺がつける!」

 

 

そう言ってトーマは、地面に落ちているハンターが使っていた大剣を拾う。

 

 

トーマ

「エルク、それに女神の皆様方、どうか協力して欲しい!

 リィルを助けるためにっ!」

 

 

これまで武人としてエルク達に接していたトーマが、頭を下げて自分と共にリィルを

止めるために協力を懇願した。

そこには先程まで武人としての威厳もプライドもなく、これまで犯してきた自分の罪と

自分の教えによって歪んでしまった部下と向き合って救い、大切な家と息子とその友人達を

守りたいという父の姿だった。

 

 

リィル

「何を頭を下げている? お前の教えはどうした、教えは!

 力こそ全てであり正義! それがお前の―――サファイア家の教えだったはずだ!

 俺はそんなお前の姿と一族の在り方に憧れて仕えてきんだっ!

 こんなモンスターになってまで体現したというのに、今になって他者に頼るような

 不様な醜態を晒すなあぁぁぁっ!!」

 

トーマ

「リィル・・・ああ、そうだな。 これまで我が一族に仕えるなら強くあれ。

 お前をサファイア家に迎え入れてから今までそう教えてきたのは他でもないこの俺だ。

 だからこそ、俺がお前を止めなければならんのだっ!」

 

 

拾った大剣をリィルに向けて、トーマそう言った。

 

 

リィル

「・・・面白い。 やれるのもならやってみろっ!」

 

オライト

「父さん・・・。 (ボクもサファイア家の長男! なのに何もできずにこうして立ってる

 ことしかできないのか! 母さん、どうかボク力をお貸しください・・・!)」

 

 

今の自分の立ち場を嘆くように、オライトはそう祈るように願った。

すると、心の底から込み上げくるような不思議な何かを感じた。

 

 

オライト

「(これは・・・ボクたち? どういうこと・・・?)」

 

 

オライトの右目が蒼く光り、その目に映った光景。 それは自分を含めたこの場の状況。

トーマがエルク達と共に立ち向かい、駆け出したその時、リィルが自身の刃に変えた影を伸ばして

トーマの胸を貫くといったものだった。

 

 

オライト

「(そ、そんな・・・父さんっ!!)」

 

 

オライトは激しく動揺した。 目の前で父が殺される光景を見たからだ。

そう持った時、視界が暗転して今の状況に戻った。

今も尚オライトの右目は蒼く光ったままで、そして今まさに先程見た光景が現実に起ころうと

していた。

 

 

オライト

「父さん、気を付けて! リィルさんの影に注視してくださいっ!」

 

トーマ

「リィルの影をだと? ―――うおっ!?」

 

 

オライトは即座にそれをトーマに伝え、トーマもそれを聞いてリィルの影を使った致命の攻撃

を紙一重で回避した。

 

 

リィル

「っ! 避けただとっ!?」

 

ルビィ

「な、なに、今の・・・? オライトさん、なんでわかったの?

 それに、その右目の蒼い光はいったい・・・」

 

ローズ

「まるでこれから起こることがわかっていたかのような・・・。

 まさか、視えていたと言うのですか、未来が」

 

オライト

「・・・はい。 未来といってもそんなに遠いものではなく、

 これから起こる直前的なものでしか・・・」

 

エルク(神衣)

「未来が視える・・・? トーマさんそれって―――」

 

トーマ

「ああ、マリンの持っていた不思議な力だ。 っということはオライトはマリンのそれを

 受け継いでいたということか!」

 

リィル

「未来視だと? お前が言っていた能力のことか!

 なら、そいつを狙うだけだっ!」

 

 

刃に形を変えた影を伸ばし、リィルはオライトを狙った。

 

 

ルージュハート

「させませんっ!」

 

 

そこにロティが素早くオライトの下まで駆けつけて攻撃を防いだ。

 

 

リィル

「ちっ!」

 

ルージュハート

「大丈夫ですか!?」

 

オライト

「あ、ありがとうございます!」

 

オレンジハート

「ナイス、ろてぃっち!」

 

リィル

「やはり対多数では不利か・・・。 なら、こっちも数を増やすだけだ!

 おおぉぉぉぉおおっ!!」

 

 

リィルは古代魔法道具(アーティファクト)の能力で自分の影を拡大て大きくし、操る影の数を増やした。

 

 

ホワイトハート

「お、おい、あいつの影が大きくなったぞ!?」

 

イエローハート

「アーティファクトの力ってやつ?」

 

ブラックハート

「でしょうね。 まったく、とんだ悪あがきね!」

 

リィル

「それはどうかな? 俺の影をよく見てみろ!」

 

「うぅ・・・あぁぁ・・・」

 

「暗い・・・怖いぃ・・・」

 

「痛えよぉ・・・」

 

「助けてぇ・・・」

 

パープルシスター

「な、なに、あれ・・・?」

 

 

古代魔法道具(アーティファクト)の能力で拡大した影の中に、大勢の人々の形と声が聞こえた。

 

 

エルク(神衣)

「あの人達は・・・まさか!」

 

ユリウス

『ああ。 奴の言ってた自分の影に取り込んだウロボロスの連中だろう』

 

ブラックシスター

「そういえば、そんなことも言ってたわね」

 

ホワイトハート

「ひどいことしやがるぜっ!」

 

シーシャ(GF)

「でも、まだ取り込まれたし人達は生きてるみたいだよ!」

 

オレンジハート

「それじゃリィルを倒せば、あの人達を助けることができるってこと?」

 

エルク(神衣)

「今はまだ意識もあるから声を出せるだろうけど、急がないと間に合わないかもしれない!」

 

ネプテューヌ(大)

「そういうことだね!」

 

クロワール

「でも、これでやることも増えちまったな。 おいエルク、オメェらも気をつけろよ。

 もう気づいてるかもしれねえが、あいつあれを出した時、嫌な感じが強くなったぞ」

 

ビーシャ(GF)

「いやな感じ? クロワール、それってどういうこと?」

 

エルク(神衣)

「たぶん、あいつの持ってる古代魔法道具(アーティファクト)のことだと思う。

 もちろん僕もそれは感じたけど、君も感じるようになったんだね」

 

クロワール

「まあな。 オメェがくれたエンゲージリング(こいつ)によるものなんだろうがな」

 

ネプテューヌ(大)

「ひょっとして、これも愛の力ってやつ?」

 

クロワール

「バ、バカ! 何言ってんだ、オメェはよっ!///」

 

ルビィ

「愛の力・・・ステキっ!」

 

クロワール

「オメェもアホなこといってんじゃねえ!

 ・・・とにかく、オレが言いたいのはオメェの光魔法の効力が弱まったかもしれねえから

 気いつけろってことだ!」

 

エルク(神衣)

「ああ、わかってるよ。

 それにさっきと比べてあいつの力も強まってるってこともね。

 わざわざありがとう、クロワール」

 

ネプテューヌ(大)

「ありがとね、クロちゃん!」

 

クロワール

「ふんっ! せいぜいがんばれよな!」

 

 

そう言い残し、クロワールはネプテューヌ(大)の持つネプノートの中に入った。

 

 

ルビィ

「消えちゃった・・・」

 

ネプテューヌ(大)

「もー。 素直じゃないなあ、クロちゃん」

 

ケーシャ(GF)

「リィルの力が増したっていうのは本当ですか、エルクさん」

 

エルク(神衣)

「うん。 さっきクロワールも言ってたけど、古代魔法道具(アーティファクト)の能力で集めた影を解放して

 使役できる影の数を増やしたんだ」

 

シーシャ(GF)

「それによって、戦闘力を上げたってわけだね!」

 

ビーシャ(GF)

「で、でも、エルクのあの魔法で弱めたんだよね?」

 

エスーシャ(GF)

「そして奴はそれに対抗して古代魔法道具(アーティファクト)の能力を使ったというわけか」

 

オレンジハート

「往生際悪いね!」

 

グリーンハート

「捕らわれた人達を助けるのもそうですが、先程トーマさんを襲ったような影を使った攻撃は厄介ですわね」

 

ホワイトハート

「だな。 数で押すってのもできるが、あいつの場合影が使えるからな」

 

ブラックハート

「数の有利も意味なさそうね」

 

アイリスハート

「手間かけさせてくれるわねぇ。 あの人にもワケありなんでしょうけど、やり方があまりに汚いわぁ。

 しかも、まだ10歳の子供を狙うなんてねえ・・・!」

 

イーシャ(GF)

「はい! 自分の野望のために多くの人々を傷付けて利用するなんて、許せませんっ!」

 

ビーシャ(GF)

「同感だよ! 正義のヒーローが成敗してあげるよっ!」

 

ホワイトシスター(ラム)

「本当にサイテーだわ! わたしの魔法でやっつけてあげるわ!」

 

ホワイトシスター(ロム)

「わたしも同感! ゆるせない!」

 

リィル

「ふんっ! 言いたいことはそれだけか? お前達も俺の影の一部になるがいい、行くぞっ!」

 

オライト

「みなさん、影による奇襲はボクに任せてください! 未来視で指示します!」

 

エルク(神衣)

「ありがとう、オライトさん。 でも、くれぐれも前に出ず、危ないと思ったら下がってください」

 

ローズ

「では、わたくし達も下がりましょう。 ルビィ、トーマさんも」

 

トーマ

「いや、俺はこのまま皆と共に戦う。 それが俺の役目だからな」

 

ローズ

「・・・そうだったわね。 気を付けて」

 

ルビィ

「叔父様、オライトさんもご武運を!」

 

トーマ

「ありがとう、ローズ、ルビィ嬢。 俺もまだ死ぬつもりはない」

 

オライト

「同じく、ボクもこれからのサファイア家のために全力を尽くします!

 だからルビィさん、あなた達は下がっててください。

 あなたのことはボクが守りますっ!」

 

ルビィ

「オライトさん・・・はいっ!」

 

トーマ

「よく言った、オライト! それでこそ、我がサファイア家の長男だ!

 だが、これから我等一族は変わらねばならん。 そのためにはまずリィルを救い出す!

 お前がマリンの能力を受け継ぎ、今、それが発現したのもこの時のためだと俺は思う!」

 

オライト

「ボクもそう思います、父上。 だからボクを頼ってください! この能力で支援します!」

 

トーマ

「・・・ああ。 頼んだぞ、オライト!」

 

オライト

「はいっ!」

 

パープルハート

「それじゃあ改めて行くわよっ! エルくん、みんなもこの戦いを終わらせましょうっ!」

 

一同

「「「「「おおーっ!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ネプテューヌアンリミテッド発売まで後10日!!
11年振りのナンバリングタイトル!
Ⅶからもうそんなに経つのか・・・。





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