光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~ 作:EDENCROSS
《前回のあらすじ》
雪原での戦いを終え教会に戻ったエルクは、
教祖の西沢ミナから魔法を教わるため、
ロムとラムと共に魔法の勉強に参加する事になった。
ルウィー雪原での戦いを終えて教会に戻ると、
夕方の5時で時間的にまだ余裕があったので、仕事を手伝おうと思ったけど、
すでに今日の仕事が終わっていたので特にする事がなかった。
エルク
「そうだ、ミナさんに魔法を教えてもらおうかな?
でも、今は迷惑かな・・・」
???
「エルクさん、教祖のミナです。
少しお時間よろしいでしょうか?」
扉のノック音の後に聞こえたのはミナさんの声だった。
僕は返事をして扉を開ける。
エルク
「ミナさん、どうしたんですか?」
ミナ
「はい。 実はロムちゃんとラムちゃんがエルクさんと一緒に
魔法の勉強をしたいと言っていたので誘いに来たんですが、迷惑でしたか?」
エルク
「いえ、僕もちょうどミナさんに魔法を教わろうかと思っていたので大丈夫です」
ミナ
「そうでしたか。 では、エルクさんも魔法を?」
エルク
「はい、一応使えますけど、あの子達と比べたら子供だましみたいな物ですけどね・・・。
今日の戦いで、それを思い知りました」
ミナ
「ですが、ロムちゃんとラムちゃんはエルクさんの魔法もすごいと言っていましたよ」
エルク
「そうなんですか?」
ミナ
「はい。 光の魔法は高度な魔法で使える人が少なくてとても希少なんです。
だから、あの子達もそう思ったんでしょう」
光の魔法を使える人は珍しいか・・・。
確かに今まで火·氷·風·雷の魔法は何度か見たことあるけど、
今のところ、光の魔法は僕以外で使える人を見たことがないのはそういう事だったのか。
ミナ
「では、行きましょう。 あの子達を待たせているので」
エルク
「はい、わかりました」
僕とミナさんが部屋を出て廊下に出ると、ブランと鉢合わせた。
ブラン
「エルクにミナ。 どうしたの? 二人が一緒なんて珍しいわね」
???
「こんにちは、ミナさん」
ミナ
「ブラン様、フィナンシェさん。 ええ、こんにちは。
今からエルクさんと一緒にロムちゃんとラムちゃんの魔法の勉強をと思いまして」
ブラン
「そう。 それはそうとエルク、あなたに紹介するわ。
この子はフィナンシェよ」
フィナンシェ
「あ、あの、初めまして! ブラン様の侍従をしているフィナンシェと言います。
よろしくお願いします」
僕に自己紹介をしたのは、栗色のロングにメイド服を着た
フィナンシェさんと言う人だった。
侍従ってことはブラン専属のメイドさんってことかな?
エルク
「初めまして、エルクと申します。
こちらこそ、よろしくお願いします」
そして、僕もフィナンシェさんに自己紹介する。
フィナンシェ
「ブラン様から話は聞きました。
ルウィー雪原のモンスターを討伐していただき、本当にありがとうございました」
エルク
「いえ、気にしないでください。
僕は自分に出来る事をしただけで、皆の力があって倒せたんです。
だから、頭をあげてください、フィナンシェさん」
フィナンシェ
「エルクさん・・・」
ブラン
「ね? わたしの言った通りのひとでしょ?」
フィナンシェ
「はい。 本当に優しい人ですね」
エルク
「エ? 僕がなに?」
ブラン
「なんでもないわ。 それより、ロムとラムを待たせているんでしょう?」
ミナ
「そうでしたね。 それでは、行きましょう」
僕はブランとミナさんとフィナンシェさんと一緒に、
ロムちゃんとラムちゃんが待つ教会の中庭に行くことになった。
でも、さっきブランとフィナンシェさんはなにを話していたんだろう?
━ ルウィー教会 中庭 ━
ミナ
「ロムちゃん、ラムちゃん、お待たせしました」
ロム
「あ、ミナちゃん」
ラム
「もー、遅いよミナちゃん」
ミナ
「ごめんなさい。
エルクさんを呼びに行ったら、ブラン様達と一緒になって話し込んでしまって・・・」
エルク
「ごめんね、ロムちゃん、ラムちゃん」
ロム
「おにいちゃん!(ぎゅー)」
ラム
「待ちくたびれたわよ、おにいちゃん」
ブラン
「どうやら待たせてしまったみたいね」
フィナンシェ
「な、なんだかエルクさん、すごい懐かれてますね」
ミナ
「はい。 本当の兄妹みたいですね」
ラム
「ねぇねぇ、はやくやろうよ!」
ロム
「はやくはやく(そわそわ)」
ミナ
「わかりました。 エルクさんもいいですか?」
エルク
「はい、よろしくお願いします。 ミナ先生」
ミナ
「ふふっ。 こちらこそ、よろしくお願いします。
では、始めましょう」
僕達は、ブランとフィナンシェさんと少し離れて中庭の中央に立つ。
ミナ
「エルクさんも理解してると思いますが、魔法とはイメージです。
自分がどんな魔法を使いたいかを頭の中で思い描くのがコツです」
イメージか・・・僕としては、光以外の魔法を覚えたいんだけど・・・
ロム
「サンダーボルト!」(バリバリッ!
ラム
「ウインドストーム!」(ビュオォォッ!
エルク
「・・・」
僕の横で、ロムちゃんとラムちゃんがそれぞれ風と雷魔法を唱える。
でも、この時僕はある違いに気づく。
エルク
「(そういえば、二人が魔法を唱える時、僕みたいに詠唱をしていないみたいだけど、
どうなんだろう?)」
そう、僕は魔法を発動させる時、詠唱というタイムラグがある。
でも皆はそれを無しで即発動している。
これはどういうことなんだろう? ミナさんに聞いてみよう。
エルク
「あの、ミナさん。 ちょっといいですか?」
ミナ
「はい、なんでしょうか?」
エルク
「ロムちゃんとラムちゃんが魔法を使う時、
詠唱無しで発動してたみたいなんですけど・・・」
ミナ
「詠唱・・・ですか? それは一体なんですか?」
エルク
「魔法を発動させる際に唱える呪文のようなものです。
皆は違うんですか?」
ミナ
「はい。 少なくとも私は詠唱という言葉は初めて聞きました。
ロムちゃんとラムちゃんは知っていますか?」
ロム
「えいしょう・・・? しらない(はてな)」
ラム
「わたしもしらないわ」
ミナ
「エルクさんはその詠唱がなければ魔法を使う事が出来ないんですか?」
エルク
「わかりません。 一度も試した事がなかったので」
ラム
「それじゃあ、今やってみてよ!
わたし、おにいちゃんの魔法見てみたい! ねぇ、ロムちゃん」
ロム
「うん、見たい!(わくわく)」
エルク
「そうだね、やってみるよ。 危ないから、ちょっと離れてて」
とりあえず、僕は魔力を集中させて、攻撃魔法ブライトスフィアを唱えた。
エルク
「ブライトスフィアッ!」
しかし、なにも起こらずその場が静まる。
なんだか物凄く恥ずかしい・・・///
ロム
「・・・? なにも起こらないよ?」
ラム
「本当ね」
エルク
「うーん・・・駄目か」
ミナ
「では、次は詠唱ありでお願いします」
エルク
「はい」
もう一度魔力を集中させて、今度は詠唱して唱える。
それによって僕の足元に小さな魔方陣が浮かび上がり、
その魔力の本流で、髪と服が靡く。
エルク
「-煌めくは数多の輝き- ブライトスフィアッ!」
光魔法ブライトスフィアが発動し、
複数の小さな光の球体がまたひとつ、またひとつと誘爆するように炸裂する。
ロム
「きれい!(キラキラ)」
ラム
「花火みたーい!」
ミナ
「これがエルクさんの魔法ですか。
やはり、詠唱というものがなければ発動しないみたいですね」
エルク
「そうみたいです。
それと、もうひとつ思った事があります」
ミナ
「思った事ですか?」
エルク
「はい。 たぶん僕と皆の使う魔法の魔法法則、つまり魔法に組み込まれた術式が違うから
僕の場合、詠唱という呪文を唱えないと発動しないんだと思います」
ミナ
「魔法法則と術式ですか・・・。 なるほど、興味深いですね」
ラム
「・・・まほうほうそく? じゅつしき?
ロムちゃん、おにいちゃんとミナちゃんの言ってることわかる?」
ロム
「ううん、わかんない(はてな)」
今まであまり意識してなかったから全然気づかなかった。
なぜなら僕にとって、それが当たり前だったからだ。
それにしても、なぜなら同じ魔法でこんなに仕組みが違うんだろう?
ミナ
「ところで、ユリウスさんはどちらに?」
エルク
「彼なら僕の中にいます。 今呼びますね」
僕は目を閉じ、自分の中にいるユリウスに語りかけて呼び出し、
魔法について知っている事があれば教えて欲しいということを伝える。
ユリウス
「なるほど、そういう事なら私も協力させてもらおう」
エルク
「ありがとう、ユリウス」
ユリウス
「気にするな、当然の事だ。
まず、そなたの言っていた魔法法則と術式についてだが、そなたの言う通りだ。
しかし、ひとつだけ付け加える事がある」
エルク
「と、言うと?」
ユリウス
「そなたが唱える詠唱とは、ただ言葉にするだけのものではなく、
その魔法を理解するために必要な詩であり、
そなたの使う魔法において重要な要素となる」
エルク
「なるほど・・・」
ミナ
「では、エルクさんと私達の使う魔法の魔法法則や術式が違うというのも・・・」
ユリウス
「うむ。 それが由来している」
エルク
「でも、どうして僕の魔法と皆の魔法は違うの?
同じ魔法なら違いはないと思うんだけど」
ユリウス
「それは、そなたの使っている魔法は、古の時代の魔法だからだ」
エルク
「古の時代の魔法?」
ユリウス
「ああ、今から約一万年前の物だ」
エルク
「一万年!? そんなに昔の魔法なの!?」
ミナ
「一万年前というと、【聖魔戦役】の事ですか?」
エルク
「【聖魔戦役】? 確かそれって・・・」
ロム
「わたし、知ってるよ。
昔話にでてくる戦いのお話しだよ」
エルク
「それなら僕もプラネテューヌの書斎で読んだことがある。
でも、あれってお伽噺なんじゃないの?」
ユリウス
「いや、お伽噺などではない。
【聖魔戦役】は実在した光と闇の戦いだ。
先程も言ったが、そなたの使う魔法はその時代の物であり、
その中でも高度な魔法なのだ。
故に、今の時代の魔法法則や術式という根本的に違う理由がそれだ」
エルク
「なら、光以外の魔法って使えないの?」
ユリウス
「そんなことわない。
今のそなたなら覚えることも十分可能だ」
エルク
「そっか、それならよかった」
つまり、今の時代と昔の時代では、魔法法則と術式の構造の違いから、
僕が皆のように詠唱無しで魔法を唱えても発動しなかったのが要因らしい。
それにしても一万年前って壮大過ぎて理解が追い付かないな・・・。
ミナ
「では、勉強会を続けましょう。
ユリウスさん、もしよろしければ、
後でもっとお話しを聞かせもらってもよろしいですか?」
ユリウス
「ああ、私も話し相手が欲しかったところだ」
ロム
「ねぇ、おにいちゃん。 はやく続きやろ?」
ラム
「ほら、はやくはやく!」
エルク
「うん」
ユリウスの話で出てきた人も、ホーリィクリスタルに選ばれて極光の守護神となって、
ゲイムギョウ界を平和へ導きそれを守っていったって話だったけど、
僕に宿っているのもホーリィクリスタルって名前だ。
まさか・・・偶然だよね?
・・・うまく説明できたでしょうか?