光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~   作:EDENCROSS

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光ネプ第30話

《前回までのあらすじ》
危険種モンスターの討伐のため、ニテールパークに来たエルクは、
そこで出会ったシーシャというハンターと共に、最奥部を目指す。


♯ 30 熱き拳

あれからしばらく進むこと約二十分。

入り口近くにあった高台からニテールパークを見渡した時、かなりの広さだと思った。

モンスターと戦いながら、まるでアスレチックのようなギミックだらけな道といった

なかなかの道中だけど、鍛練にちょうどいい場所だ。

 

 

シーシャ

「~♪」

 

 

なにやらシーシャさんが上機嫌だけど、レアアイテムが手に入って嬉しいんだろうな。

ああも嬉しそうにしていると、僕も譲った甲斐がある。

 

 

エルク

「ご機嫌だね、シーシャさん」

 

シーシャ

「ああ、欲しかった素材アイテムが手に入ったからね」

 

エルク

「でも、本命は今回の危険種モンスターが落とすアイテムだよね?」

 

シーシャ

「もちろん。 そいつから手に入れたアイテムで新しい装備を作って、

 君から貰ったアイテムを使って強化すれば、より強い武器を作れるからね」

 

エルク

「そうなんだ。 それは楽しみだね」

 

シーシャ

「ああ、楽しみにしていてくれ。

 っと、話しているうちに着いたみたいだよ」

 

エルク

「みたいだね。 それに、あの大きな赤黒い甲羅・・・ギルドの情報通りだね」

 

 

大きなアーチをくぐった先にあった広場に、そいつはいた。

グランド・・・確かに、あの巨体から漂う威圧感は王者のようなそれを感じる。

 

 

シーシャ

「この威圧感・・・まさに危険種って感じだね。

 これはなかなか骨が折れそうだ」

 

エルク

「そうだね。 それにあの巨体に押し潰されないよう気をつけよう」

 

シーシャ

「なら、アタシも最初から全力で行かせてもらうよ」

 

 

そう言ってシーシャさんが黄金に輝くゴールドクリスタルを手に持つと、

それが光出してシーシャさんを包み込み、眩い黄金の光が消えて姿を現したのは、

被っていたベレー帽が無くなり、背中にはドラゴンのような翼を模したユニットに、

黄金の瞳を持ったゴールドフォームのシーシャさんだった。

 

 

シーシャ

「変身完了だ。 では行くよ、エルク君!」

 

エルク

「うん!」

 

 

_______________________________________

戦闘曲

アークライズファンタジア

Unexpected Fight

ユニークモンスター戦闘曲

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

僕とシーシャさんは、今回の討伐対象であるグランドタートルに向かって駆け出す!

こちらに気づいたかのように、グランドタートルはこちらに振り向くと、

大きな口を開けて火炎弾を撃ってきた!

 

 

エルク

「はっ!」

 

シーシャ

「おっと!」

 

 

しかし、僕達はその火炎弾をかわす。

すると後方で爆発音がしたので振り返ってみると、

先程のアーチが粉々に砕け、メラメラと音を立てて燃え上がっていた。

見る限り、とてつもない威力だ。

あれは絶対に回避しなくてはいけない。

 

 

シーシャ

「なんて威力だ・・・。

 あれじゃあ流石のアタシもただじゃ済まないね」

 

ユリウス

「エルク、あの魔法を使え」

 

エルク

「あの魔法・・・? うん、わかった!」

 

 

あの火炎弾からは魔力を感じた。

なら、あれで多少軽減できるはずだ。

 

 

エルク

「-守れ、魔を阻む不可視の衣- レジストヴェール」

 

 

魔法が発動するのと同時に、淡く薄い緑の膜のようなものが僕とシーシャさんを包み込む。

初めて使ったプラネテューヌのあの時から改良して、

魔法の持続時間と効力を高めて強化したので、奴のあの攻撃に対向できる。

それでも、持続時間という制限があり、強力な攻撃に変わりないから過信は禁物だ。

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「これは・・・君の魔法かい?」

 

エルク

「うん。 これで、あいつの火炎弾を受けても大丈夫だよ。

 でも、限られた時間の間だから気をつけて」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「それは心強いね。

 それじゃあ改めて、一狩り行こうか!」

 

 

シーシャさんは高く跳躍し、グランドタートルとの間合いを一気に詰めて、

空中から右ストレートを繰り出す!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「はぁッ!」

 

 

しかし、奴はそれを後方に少し跳んで回避する。

シーシャさんはそれを追いかけるように素早く近づき、正拳突きを繰り出す!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「せいッ!」

 

グランドタートル

「グアァァッ!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「まだまだッ!」

 

 

さらに追撃を加えようとしたその時、グランドタートルは甲羅に籠り、

その場で高速回転した!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「な、なに!?」

 

エルク

「シーシャさん!(間に合うか!?)」

 

 

僕はシーシャさんを助け出そうと、魔法の詠唱を始める。

 

 

エルク

「-輝け、聖なる楔- シルバーチェーン!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「うわっ!」

 

 

シルバーチェーンが発動し、それがシーシャさんを捕らえて僕の元まで引き寄せた。

 

 

エルク

「大丈夫、シーシャさん!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「ああ、お陰で助かったよ。

 でもまさか、あんな攻撃をしてくるなんて思わなかったな。

 ギルドのハンター達がてこずるわけだ」

 

 

そう言っていると、グランドタートルは高速でスピンしながら突進してきた!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「危ない、避けるんだ!」

 

エルク

「くっ・・・!」

 

 

僕達はそれぞれ左右に跳んで回避する。

しかし、奴は攻撃の手を止めずにUターンして再び突進してきた!

高速回転と、あのスピードから繰り出される威力は計り知れない。

 

 

エルク

「あんなのを受けたらひとたまりもないね。

 とにかく、あいつの動きを止めよう!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「そうだね。 しかし、どうやって?」

 

エルク

「-荒ぶる者を捕らえし束縛の光輪- バインドリング!」

 

 

僕は拘束魔法バインドリングを唱えた。

しかし、ああも動き回られては捕らえることができない。

 

 

エルク

「・・・だめだ、狙いが定まらない」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「なら、これならどうだい? キラーソフト!」

 

 

シーシャさんの前に黄金のカードのような物が現れ、その内の一つに触れると、

他のカードが消えて選んだカードが光出し、

シーシャさんは右腕に小さなビーム砲のような物を装備する。

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「シーバスター!」

 

 

装備したシーバスターで狙撃したのは、グランドタートル───ではなく、

奴の動きを先読みして地面を撃って足場を崩し、

それによってバランスを崩したグランドタートルは、勢いよく壁に激突した!

 

 

グランドタートル

「ウグアアァァッ!」

 

エルク

「凄い・・・!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「よし、狙い通りだ!」

 

 

その激突によるダメージが効いたのか、グランドタートルはフラフラしている。

 

 

グランドタートル

「ウグ・・・グググ・・」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「エルク君、今が攻め時だ!」

 

エルク

「よしっ!」

 

 

僕達はグロッキー状態の奴に攻撃を仕掛ける!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「まずはアタシからだ。 ハアァァッ!」

 

 

初めに攻撃を仕掛けたのはシーシャさん。

パンチとキックの流れるような体術を繰り出し、トドメの回し蹴りで蹴り飛ばす!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「エルク君、行ったよ!」

 

 

シーシャさんの攻撃によって、こちらに蹴り飛ばされたグランドタートルに

僕は追撃を加える!

 

 

エルク

「燃え暴ぜろ! 火焔剣、火魔威太刀(かまいたち)!」

 

 

僕の新しい剣技、火魔威太刀が蹴り飛ばされ滞空状態のグランドタートルを斬り裂き、

炎に包まれながら地面に転がり落ちた。

前日、ルウィー教会でロムちゃんとラムちゃんと一緒にミナさんから魔法を教わってた時、

剣技に応用できないかと思い編み出した技だ。

 

 

グランドタートル

「ウッ・・・ガアァァッ!」

 

 

頭に血が昇り、激怒したグランドタートルが再び火炎弾を撃ってきた!

しかし、それは狙いが定まっていないヤケクソなものだった。

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「数打ちゃ当たるって?

 そんなの攻撃・・・はあッ!」

 

 

シーシャさんは武装した小型のビーム砲で火炎弾を撃ち落とす。

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「思ったより数が多いね・・・! このままだと押しきられる!」

 

 

だが、次第にその弾幕が激しさをましていき、火炎弾を撃ち落とす数が間に合わなくなる。

いくら僕の魔法が掛かっているとしても、これだけの数を受ければ致命傷になりかねない。

迎撃せずに回避しようにも、後ろは壁で周囲は火炎弾が飛び交っていて動けない。

 

 

エルク

「シーシャさん! ぐっ、くそ!」

 

 

僕もシーシャさんと同じくそれを光牙で撃ち落とすのがやっとで、

カバーに行こうにも身動きが取れない!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「っ、エネルギー切れ!? しまった!」

 

 

シーバスターのエネルギーが切れてしまって撃ち出せなくなったシーシャさんに、

無数の火炎弾が迫る!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「くっ・・・! ここまでか・・・!

 

エルク

「(このままだとシーシャさんが危ない! こうなったら・・・!)」

 

 

僕はダメージを覚悟で火炎弾の弾幕に突っ込み、

シーシャさんを庇うように前に立つ!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「エルク君、ダメだ! 逃げてくれ!」

 

エルク

「そういうわけには行かない! 仲間が傷付くのはもう嫌なんだ!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「エルク君、君は・・・」

 

 

そして、僕の目の前に複数の火炎弾が迫る!

 

 

エルク

「輝剣·光華ッ!」

 

 

納刀した神威に光の魔力を集中させて、勢いよく抜刀して神威を振るう。

するとその剣の軌跡が光出し、花のような形となって眩しく弾け、

迫ってきた火炎弾を全て跡形もなく打ち消した。

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「・・・」

 

 

その出来事に沈黙するシーシャ。

もう終わりかと思い覚悟した自分をダメージを受けて

ボロボロになりながら守ってくれたエルクに。

 

 

エルク

「よかった、これで・・・くっ!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「っ! エルク君、大丈夫かい!?」

 

 

よく見ると、エルクの服は焼け焦げた痛々しい状態だった。

先程掛けた補助魔法が効いていたため、火傷には至らなかったようだ。

 

 

エルク

「う、うん。 大丈夫だよ」

 

 

僕はすぐさま回復魔法を唱える。

 

 

エルク

「-聖なる光よ、優しき癒しをもたらせ- ホーリィキュア」

 

 

それによって僕の傷は癒え、再び動けるようになった。

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「傷が治った・・・」

 

エルク

「シーシャさんこそ大丈夫?」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「あ、ああ、アタシは大丈夫だけど、君の方は?」

 

エルク

「うん、回復魔法で回復したからこの通り大丈夫だよ。

 でも、今は奴を倒す事を考えよう」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「・・・そうだね、君がそう言うなら」

 

グランドタートル

「ゼェ・・・ゼェ・・・」

 

 

さっきの弾幕でかなり体力を消耗したのか、息を切らして弱っている。

 

 

エルク

「弱ってる今がチャンスだ! 行こう、シーシャさん!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「ああ、任せたまえ!」

 

 

僕達は再び奴に攻撃を仕掛ける!

 

 

エルク

「今度は僕から!」

 

 

僕の攻撃に備えるように、その太い腕で防御体制を取る。

 

 

エルク

「鎧徹しッ!」

 

 

グランドタートルの両腕に納刀した神威の鞘の腹の部分を押し付け、

続けて右手の手の平を押し付けた神威に叩き付けるように押し当てると、

強力な打撃と衝撃で守りを崩す!

 

 

グランドタートル

「ウッ、ガアァァッ!」

 

 

それによって奴の守りがガラ空きになる。

 

 

エルク

「シーシャさん、今だ!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「ああ、行くよ!」

 

 

左脇を閉め、右手で満月を描くように振って集中する。

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「スーパーコンボッ! はあぁぁぁぁぁッ!」

 

 

シーシャさんのスーパーコンボによる怒濤の連続攻撃が、

グランドタートルに大ダメージを与える!

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「エルク君、トドメは一緒に!」

 

エルク

「了解!」

 

 

僕は左手に炎の魔力を集中させ、それと同時にシーシャさんも右手に力を溜める!

 

 

エルク·シーシャ(ゴールドフォーム)

「「これで・・・トドメだ!」」

 

 

そして、僕達は同時にアッパーを繰り出す!

 

 

エルク·シーシャ(ゴールドフォーム)

「「ライジングサンッ!!」」

 

 

的確に奴のアゴを捕らえた強力なアッパーで大きく打ち上げられたグランドタートルは、

空中で炎に包まれながら大爆発を起こし、粒子となって消えた。

 

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「KO! YOU WIN! てね」

 

 

格闘ゲームの用語を使って勝利を喜び、ゴールドフォームを解除するシーシャさん。

その時、空から何かが落ちてきた。

 

 

エルク

「あれ? これって、シーシャさんが欲しがってた例の素材アイテムじゃない?」

 

シーシャ

「ああ、これで必要な素材が全て揃ったよ」

 

エルク

「それはよかった、僕も危険種討伐ができたよ。

 協力してくれてありがとう、シーシャさん」

 

シーシャ

「いやいや、お礼を言うのはアタシの方さ、

 君のお陰で欲しい素材が手に入ったんだからね」

 

エルク

「シーシャさん・・・」

 

シーシャ

「それに、さっきは奴の攻撃から守ってくれて嬉しかった。

 正直もうダメかと思った。 だから、本当にありがとう」

 

エルク

「気にしないで、僕達は仲間なんだから助け合うなんて当然だよ」

 

シーシャ

「そう言ってくれると助かるよ」

 

 

シーシャさんはグランドタートルがドロップしたアイテムを拾う。

これがシーシャさんが言っていた紅甲羅みたいだ。

その名の通り、光沢のある頑丈そうな真っ赤な甲羅だ。

 

 

シーシャ

「さて、そろそろ帰ろうk、痛っ!」

 

 

突然歩き出すのと同時によろめくシーシャさん。

 

 

エルク

「どうしたの、大丈夫!?」

 

シーシャ

「くっ・・・どうやら足を挫いてしまったみたいだ。

 アタシとしたことが、まだまだだね・・・」

 

エルク

「待ってて、今回復するから」

 

 

自分の右足首を押さえて踞るシーシャさんに、

僕は回復魔法(ホーリィキュア)を掛けた。

 

 

エルク

「どう、痛くない?」

 

シーシャ

「・・・ああ、痛みは引いたようだ。 でも、ちょっと足がふらつくみたいなんだ・・・

 悪いけど、肩を貸してくれないかい?」

 

 

確かに、よく見るとシーシャさんの足がふらついている。

回復魔法といっても、治せるのは傷と痛みであって疲労だけは回復しにくい。

きっと、こんな状態で最後のあの攻撃で無茶をしたんだろう。

だったら、肩を貸すよりも・・・。

 

 

エルク

「はい」

 

シーシャ

「? エルク君、どうしたんだい?」

 

 

僕はシーシャさんにしゃがんだ状態で背を向けて、後ろに両手を伸ばす。

 

 

エルク

「そんなにふらついた状態で肩を貸すより、おぶった方がいいかなって思って。

 嫌だった?」

 

シーシャ

「嫌と言うか・・・恥ずかしいと言うか・・・なんと言うか・・・。

 ・・・やっぱり、おぶってもらっていいかな?

 本当は足がふらついてて限界なんだ」

 

エルク

「うん、もちろん。 どうぞ」

 

シーシャ

「それじゃあお言葉に甘えて・・・っと」

 

 

シーシャさんは僕の背中にもたれるように乗る。

 

 

エルク

「んしょっと・・・」

 

シーシャ

「ど、どうだろうか、重くないかい?」

 

エルク

「全然、これくらい大丈夫だよ。 それに・・・」

 

シーシャ

「それに、なんだい?」

 

 

シーシャさんをおぶった事で、僕の背中に豊満なふたつのものが当たっている。

 

 

エルク

「エっ!? いやいや、なんでもないよ!」

 

シーシャ

「・・・ねぇ、エルク君」

 

エルク

「ご、ごめんなさい! 不可抗力とはいえ、女性に対して失礼だよね!」

 

シーシャ

「違うんだ。 今日のこと、本当は君を手助けするつもりだったんだけど、

 逆に助けられて迷惑をかけてしまったね・・・」

 

エルク

「迷惑だなんてそんな・・・」

 

シーシャ

「君の言いたいことはわかってる。

 でも・・・だとしても、君に迷惑をかけてしまったことは事実だ。

 だからこそ、アタシは君に申し訳ないと思ってるんだ」

 

エルク

「シーシャさん・・・」

 

シーシャ

「今回のこと、足を引っ張ってしまって本当にすまなかった。

 まったく・・・アタシもまだまだだね・・・。

 自分が情けないよ・・・」

 

 

ギルドの人達はもちろん、ルウィーの国民達から英雄視されているからこその

プライド・・・いや、元々自分が持っているものなのかもしれない。

確かにシーシャさんは元から頼りにされるタイプの人なんだろう。

なぜなら、現に一緒に戦ってた時、僕もそう思ったからだ。

 

 

エルク

「・・・そんなことないよ、シーシャさん。

 貴女は立派な人だよ」

 

シーシャ

「・・・え?」

 

エルク

「シーシャさんは僕に一緒に行かないかって誘ってくれたでしょ?

 あの時、嬉しかったんだ。 僕と一緒に戦ってくれるんだって。

 とても心強かった」

 

シーシャ

「・・・」

 

エルク

「迷惑をかけたって言ってるけど、それは結果論だし、

 今回の敵は特に強敵だったからね。

 シーシャさんの協力があったからこそ勝てたんだ。

 感謝こそすれ、迷惑だなんて思うわけないし、

 仲間って言うのは助け合い、支え合うものだと思うよ。

 だから、気にしないで」

 

シーシャ

「エルク君・・・」

 

エルク

「それにさ、僕だって一応男なんだからさ、

 また一緒に戦う事があったら遠慮なく頼ってよ。

 年下の坊やかもしれないけどね・・・」

 

シーシャ

「ふっ、ははははは! 

 確かに、落ち込むなんてアタシらしくないな。

 ありがとう、エルク君。なら、次からは遠慮なく頼らせてもらうよ」

 

エルク

「うん、任せて! シーシャさんのことは僕が守るから!」

 

シーシャ

「ああ、頼りにしてるよ、エルク君」

 

 

やっぱり、こういう仲間同士で助け支え合う関係って僕は好きだな。

 

 

シーシャ

「それはそうと、さっき君が言っていた不可抗力ってどういう意味だい?」

 

エルク

「エっ!? そ、それはその・・・ユリウス、どうしよう・・・」

 

ユリウス

「・・・私はしばらく休ませてもらおう」

 

 

そう言ってユリウスは、光となって僕の中へと消えた。

 

 

エルク

「ちょ、ユリウス!?」

 

シーシャ

「さあ、お姉さんに正直に言ってごらん?」

 

エルク

「・・・シーシャさんのが僕の背中に当たってるっていうか、なんていうか・・・」

 

シーシャ

「ほほぅ・・・つまりは、お姉さんのが当たって嬉しいということかな?」

 

エルク

「それは・・・正直に言うと・・・はい、嬉しいです///」

 

シーシャ

「エルク君も男の子だね。

 しかし、この事をブランちゃんが知ったらどうするだろうね?」

 

エルク

「やめてください! それだけは何卒ご勘弁を!」

 

シーシャ

「はは、冗談だよ、冗談。

 顔を赤くしてかわいいな、君は」

 

エルク

「か、からかわないでよ、シーシャさん・・・」

 

シーシャ

「悪かった悪かった。

 さあ、ルウィーまで駆け足だ、エルク君!」

 

エルク

「いや、回復魔法で回復したとしても、僕にも疲労というものがありましてね・・・」

 

シーシャ

「男の子ならこのくらい気合いでなんとかしたまえ!」

 

エルク

「ス、スパルタだーっ!」

 

 

僕はシーシャさんをおぶりながら、そのままルウィーを目指して走った。

そして、一度シーシャさんを降ろして、ギルドに今回の件を報告した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              ━ ルウィー ギルド前 ━

 

 

エルク

「ふぅ、流石に疲れたよ・・・」

 

シーシャ

「お疲れ様、エルク君」

 

エルク

「シーシャさん、足はもう大丈夫?」

 

シーシャ

「ああ、お陰様でね。 ありがとう」

 

エルク

「よかった。 それじゃあ僕はこれで。

 協力してくれてありがとう、シーシャさん」

 

シーシャ

「それはお互い様だよ。 じゃあね、エルク君」

 

 

僕はシーシャさんに一礼してルウィー教会に帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シーシャside

 

 

エルク君か・・・最初はただの坊やかと思ったが、なかなかいい男じゃないか。

それに、「シーシャさんのことは僕が守る」なんて

今まで男からそんなこと言われたことがなかったな。

実際守ってくれたしね。 ガラにもなく、お姉さん少しときめいちゃったよ。

まあ、次に会えることを楽しみにしているよ、エルク君!

 

 

シーシャside end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               ━ ルウィー教会 ━

 

 

エルク

「ただいまー。

 今日は疲れたな・・・ご飯を食べてお風呂に入って後はゆっくr(ズルッ)うわっ!」

 

 

リビングに続くドアを開いて入るのと同時に、

なにか柔らかいものを踏んで転んでしまった。

 

 

エルク

「いたた・・・これって、バナナの皮?

 なんでこんなところに・・・?」

 

 

どうやらバナナの皮を踏んで転んでしまったようだ。

我ながらなんてベタな・・・。

 

 

ラム

「あはははっ! ひっかかったひっかかったー!

 

ロム

「大成功!(ブイ)」

 

ミナ

「どうしたの、ロムちゃん、ラムちゃん?」

 

 

自分達のイタズラに引っ掛かって喜んでいると、そこへミナさんがやって来た。

 

 

ミナ

「これは、バナナの皮ですよね?

 ・・・まさか、ロムちゃんとラムちゃんがまたなにか」

 

エルク

「あ、ミナさん。 お騒がせしてすみません」

 

ミナ

「いえ、それより大丈夫ですか、エルクさん?」

 

エルク

「はい、僕はなんともないです。 それを踏んで転んだだけですから」

 

ミナ

「そうですか。 怪我がなくてよかったです」

 

 

ミナさんは、ロムちゃんとラムちゃんの方にふ振り向く。

 

 

ミナ

「ねぇ、ロムちゃん、ラムちゃん、これは貴女達のイタズラ?」

 

ラム

「そ、それは・・・えーっと・・・だ、だってヒマだったんだもん!

 ねぇ、ロムちゃん!」

 

ロム

「おねえちゃん、お仕事があって遊んでくれなかったから・・・」

 

ミナ

「そうだとしても、転んで打ち所が悪かったら怪我だけでは済まなくなるんですよ?」

 

ロム·ラム

「「・・・」」

 

 

ミナさんの言葉に二人は黙り込んでしまう。

確かにその通りだが、大事には至らなかった。

・・・まあ、少し尻を打った程度くらいだけどね・・・。

 

 

エルク

「ま、まあまあ、ミナさん。

 何事もなかったんですからもういいじゃありませんか。

 この通り、ただ転んだけなんですから」

 

ミナ

「・・・わかりました。 エルクさんがそう言うのでしたら。

 しかし、それはそれとして、エルクさんに謝りなさい、二人共」

 

ラム

「えー、どうして? おにいちゃんがいいって言ってるじゃない」

 

ロム

「うん、言った」

 

ミナ

「ご·め·ん·な·さ·い·は?」(ゴゴゴ

 

ラム

「おにいちゃん、ごめんなさい」

 

ロム

「なさい(ビシ)」

 

ミナ

「よくできました」

 

 

ミナさんの言う通り、ロムちゃんとラムちゃんは僕に謝った。

なんていうか、優しそうな人ほど怒ると怖いって話は本当だったんだな・・・。

それからしばらくして、仕事を終えたブランとその侍従のフィナンシェさんが来て、

僕達六人で夕食を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




スマブラSPまで後一ヶ月ですね!
個人的にDLCでバテンカイトスⅠ·Ⅱの主人公のカラスとサギに参戦して欲しいです。
・・・やっぱり無理でしょうか・・・?




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