光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~ 作:EDENCROSS
《前回までのあらすじ》
しかし、そこには彼にとって辛い現実があった・・・。
あれからルウィーに戻る事が出来た僕を待っていたのは、
心配していたロムちゃんとラムちゃんとミナさん、そしてルウィー職員の人達だった。
事の経緯を話すと、職員達からは冷たい目で見られたけど、
ブランが弁護してくれたお陰で渋々納得してくれた。
ロムちゃんとラムちゃんは泣きながらブランに泣き着き、
ブランはそんな二人を「心配かけてごめんね」と、頭を撫でながら謝っていた。
彼女達を見ていると、僕は言い様のない罪悪感にさいなまれた。
ミナさんは僕を心配するように「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれたけど、
ブラン達と職員の人達に申し訳なく思った僕は「ごめんなさい」と
皆に頭を下げて謝罪した後、自室へ戻った・・・。
ブラン
「エルク・・・」
━ ルウィー教会 自室 ━
エルク
「はぁ・・・」
重い足取りで自室まで戻ってベッドにあお向けに倒れ、溜め息をつく僕。
ブランは気にするなって言ってくれたけど、あれは流石に堪える。
ミナさん達はどう思っているかな・・・?
エルク
「・・・なにやってるんだよ、僕は・・・」
右手の拳を握って、自分の額に軽く当てて自分を責めるかのようにそう言う。
ユリウス
「エルク、大丈夫か?」
エルク
「ユリウス。 大丈夫・・・って言いたいけど、あの子達の反応を見ると
やっぱり辛いよ・・・」
ユリウス
「・・・それは仕方のない事だ。
あの子達は女神といえど、まだ幼いのだからな」
エルク
「うん、わかってる。 あの子達はなにも悪くない。
悪いのは全部僕なんだ・・・」
ユリウス
「エルク・・・」
自分にとって大切な人がいきなりいなくなったら心配するのは当たり前だし、
あの子達の反応も当然のものだ。
だからこそ、そうさせてしまった自分が許せなくなる。
ブラン
「エルク、わたしだけど、いいかしら?」
ドアのノックの音の後に聞こえてきたのは、ブランの声だった。
エルク
「・・・うん、どうぞ」
身を起こしてベッドから降りる僕。
そして、ドアが開いたと同時にロムちゃんとラムちゃんが僕に駆け寄り、
抱き着いてきた!
ロム·ラム
「「おにいちゃーん!!」」(ガバ
エルク
「おわっ! ど、どうしたの、皆!?」
ブラン
「この子たちがどうしてもあなたに会いたいって言うものだからつれてきたんだけど、
迷惑だったかしら?」
エルク
「いや、全然そんな事は・・・」
ロム
「ねえ、おにいちゃん」
エルク
「なに、ロムちゃん?」
ラム
「ケガはない? どこか痛いところある?」
エルク
「エ? 別にないけど、なんで?」
ロム
「おにいちゃん、こっちに戻って来てから元気なかったから心配したの・・・(オロオロ)」
エルク
「・・・ありがとう、ロムちゃん、ラムちゃん。
怪我や痛いところはないから大丈夫だよ」
ロム
「ごめんね、おにいちゃん・・・(しゅん)」
ラム
「ごめんなさい・・・」
エルク
「君達が謝ることないよ! 悪いのは全部僕なんだ・・・。
僕の方こそごめんね、ロムちゃん、ラムちゃん」
二人は離れて僕に謝る。
こんなに小さい子達を泣かせるほど心配させておいて、
逆に僕の事が心配になって謝ってくれる二人に、僕はしゃがんで謝る。
ロム
「よしよし(なでなで)」
エルク
「・・・エ?・・・」
そう落ち込んでいると、ロムちゃんは僕の頭を優しく撫でる。
エルク
「えっと・・・ロムちゃん?」
ロム
「わたし、おねえちゃんたちがいなくなってとっても心配して
帰ってきた時、泣いちゃったの」
エルク
「・・・うん」
ロム
「でも、おにいちゃんもいっしょで本当によかった」
ラム
「そうよ! たしかに、いきなりいなくなってびっくりしたけど、
おにいちゃんも戻ってきてくれてよかったわ」
エルク
「ロムちゃん、ラムちゃん・・・」
ロム
「だからね、おねえちゃんの時みたいにぎゅーってしてあげる。 (ぎゅー)」
ラム
「わたしもよ、えいっ! ぎゅー!」
二人は再び僕に抱き着き、その力を強める。
ユリウスの言う通り、この子達はまだ幼い。
だからこそ、こんなにも優しく純粋なんだ。
エルク
「ありがとう、ロムちゃん、ラムちゃん」
そして、僕も優しくハグする。
ユリウス
「こうして見ると、本当の兄妹のようだな」
ブラン
「ええ、そうね。
彼って人を惹き付ける不思議ななにかがあるわね」
ユリウス
「ああ、それはエルクの優しさ故だろう。
しかし、それはただ優しいだけではなく、確かな心の強さを持っている」
ブラン
「よく見てるのね、彼のこと」
ユリウス
「常に共にいるからな。
私は彼の事を誰よりも見ているつもりだ」
ブラン
「そう。 まるで父親みたいね」
ユリウス
「む、そうか?
(私が父親みたいか・・・。 確かに言われてみればそうかもな。
ラム
「ねえ、おねえちゃん。 そろそろ時間じゃない?」
ブラン
「ええ、そうね」
エルク
「時間? 時間って一体なんの?」
ブラン
「テラスに出ればわかるわ。 さあ、行きましょう」
ラム
「行こ、おにいちゃん!」
ロム
「行こ行こ」
そう言って二人は、僕の手を取って引っ張るように僕をテラスへ連れていく。
━ ルウィー教会 テラス ━
ブラン
「着いたわ。 ここがテラスよ」
ロム·ラム
「「とうちゃーくっ!」」
自室から出て、執務室までにある大きな扉を開いてテラスに出る。
エルク
「わぁ・・・!」
そこに広がったのは、赤、青、黄、ピンクといったカラフルな光でライトアップされた
ルウィーの夜景だった。
そして、その光が降っている雪を照らし、本来ならまるで刺さるように冷たい寒さをも
忘れるほど美しいイルミネーションに、僕は思わず溜め息をする。
ブラン
「どう、綺麗でしょ? ルウィーの夜景は」
エルク
「うん、とっても! でも、どうして?」
ブラン
「忘れたの? ルウィーの夜景は綺麗だから見せてあげるって約束したじゃない」
エルク
「・・・覚えててくれてたんだ・・・」
ブラン
「当たり前じゃない。
それに、わたしはあなたに感謝してるのよ」
エルク
「エ、感謝って・・・なにを?」
ブラン
「あの本に閉じ込められた時、とても不安だった。
右も左もわからないわたしを、あなたは優しく励ましてくれた」
エルク
「ブラン・・・」
ブラン
「それに、小説のことも相談に乗ってくれて嬉しかった。
だから、改めてお礼が言いたかったの。
ありがとう、エルク」
と、笑顔で僕に感謝の言葉を言うブラン。
エルク
「うん、どういたしまして。
実は僕も、あの時不安で一杯だったんだ」
ブラン
「そうだったの?」
エルク
「だって、まさか自分が本の中の世界に閉じ込められるなんて思いもしなかったからね。
それにさ・・・」
ブラン
「それに?」
エルク
「僕もブランが傍にいてくれて安心したんだ。
女神様としてはもちろん、大切な友達としてね」
ブラン
「エルク・・・」
エルク
「正直言うとさ、プラネテューヌの教会で初めて君にあった時、
最初はすぐ怒って手が出る怖い子だって思ってたけど、それは違ってた。
本当は妹達の事だけじゃなくて、自分の事以上に相手を思いやれる
優しい女の子なんだってわかったんだ」
ブラン
「そんなことないわよ・・・///
・・・ていうか、すぐ怒って手が出るって言うのは余計よ」
エルク
「ははは、ごめんごめん」
ブラン
「でも、ありがとう。 そう言ってくれると嬉しいわ」
ブランは顔を赤くしながらそう言う。
ブラン
「それに、優しいのはあなたも同じだと思うけど?」
エルク
「そうかな? 普通だと思うけど・・・」
ブラン
「無自覚ってことね・・・」
ラム
「あ! ねえ、おにいちゃん、おねえちゃん。 みてみて、流れ星!」
ロム
「きれー(キラキラ)」
エルク
「本当だ。 見てよ、ブラン」
空を見上げると、いくつもの流れ星が雲を切り裂くように落ちて行き、
その様はまさに流星群のようだった。
ブラン
「ええ、とても綺麗ね」
ユリウス
「ああ、そうだな」
エルク
「確か、流れ星が落ちてる間に願うと、その願いが叶うんだよね?
よし、それじゃあ・・・」
僕は目をつむって両手を合わせて願う。
エルク
「・・・」
ユリウス
「何を願ったのだ、エルク?」
エルク
「そ、それは・・・秘密だよ」
ブラン
「それは気になるわね。
減るものじゃあるまいし、教えてくれてもいいでしょ?」
ユリウス
「そうだな。 さあ、素直に白状するがいい」
エルク
「ユリウスって時々悪ノリするよね・・・。
まあ、そんなたいしたことじゃないよ。
もっと強くなって、皆を守れますようにってね」
ユリウス
「守るか・・・そなたらしい願い事だな」
エルク
「それも全部自分次第なんだけどね。
まあ、あくまで願掛けみたいな物さ」
ブラン
「でも、きっとあなたなら出来るわよ」
エルク
「ありがとう、ブラン。 君や皆を守れるようにがんばるよ」
ブラン
「ふふ。 ええ、応援してるわ」
ミナ
「ユリウスさん、もしよろしければお二人に昔の話を聞かせてあげてくれませんか?」
ユリウス
「ロムとラムにか? わかった、今行こう」
ユリウスはミナさんに呼ばれて三人の所へ行く。
ロムちゃんとラムちゃんも歴史に興味があるのかな?
ブラン
「・・・ねえ、エルク。
わたしみたいな女の子ってどう?」
エルク
「エ? わたしみたいなって、どういう意味?」
ブラン
「無愛想ですぐキレる女の子で、それと・・・」
エルク
「それと?」
ブラン
「む、胸の小さなヤツはどうだって聞いてんだよ! 言わせんなっ!」
エルク
「う、うん、とても魅力的な女の子だと思うよ」
ブラン
「ほ、本当・・・?」
エルク
「嘘なんて言わないよ。
さっきも言ったけど、ブランは優しい女の子だよ。
それに、胸の大小なんて関係なく、僕は君の事が好きだよ」
ブラン
「ば、ばかっ! 好きだなんてなに言ってやがんだ///!
お前意味わかってて言ってんのか!?」
エルク
「もちろん。 だって、ブランは僕の大切な友達で仲間なんだから」
ブラン
「つまり友達として、仲間として好きってこと?」
エルク
「そうだよ。 あれ、それ以外でなにか好きって意味があったっけ?」
ブラン
「はぁ・・・。 まあ、あなたらしいわね・・・」
と、肩をすくめて溜め息を吐くブラン。
僕、なにか変なこといったかな?
エルク
「どういうこと?」
ブラン
「なんでもないわ。
でも、わたしにも十分チャンスがあるってことね」
エルク
「チャンス? 一体なんの?」
ブラン
「こっちの話よ。
さあ、わたしたちもみんなの所へ行きましょう」
エルク
「?」
僕とブランは、皆の所まで行ってユリウスから昔のゲイムギョウ界の話を聞いた。
その話によると、当時は今と比べてかなり技術が進んでいたらしく、
特殊な機械を装備すると、女神様のように空を飛ぶ事も出来たらしい。
その時代の女神様達がどんな方達だったのかをユリウスに聞いてみると、
どこか悲しい顔をしたので聞くのをやめた。
あの時、プラネテューヌで僕に強くなって欲しいって言ってたけど、
それとなにか関係あるのかな?
でも、少なくともその時のユリウスが嘘を言っているようには思えなかった。
本当は凄く気になるけどね・・・。
ミナ
「エルクさん、この度はブラン様を守っていたただき、
本当にありがとうございました」
エルク
「頭を上げてください、ミナさん。
僕のせいでブランを危険な目に会わせて、
ロムちゃんとラムちゃん、ミナさんと職員の方達にまで心配を掛けてしまった僕に、
感謝される資格なんてありません・・・」
ミナ
「エルクさん・・・」
ブラン
「ねえ、エルク。 さっきもいったでしょ? わたしはあなたに感謝してるって。
あの本に閉じ込められたのはあなたのせいなんかじゃないわ。
あなたのお陰で、わたしは今こうしてここにいられるのだから」
ミナ
「確かにブラン様が急にいなくなった事に私も含め職員の方達も動揺していました。
しかし、その方達もあなたに感謝していました。
そして、彼には悪いことをしてしまったと」
エルク
「そう・・・なんですか?」
ラム
「そうよ。 みんなおにいちゃんに感謝してわ!
もちろん、わたしもロムちゃんもね! ねえ、ロムちゃん!」
ロム
「うん、わたしもおにいちゃんに感謝してるよ!(ぺこり)」
エルク
「ロムちゃん、ラムちゃん・・・」
ミナ
「ですから、改めてお礼を言わせて下さい。
ブラン様を守って頂き、本当にありがとうございました」
ミナさんは再び頭を深く下げて僕に感謝の言葉を言う。
ブラン
「エルク、あなたの気持ちはわかるわ。
けど、もう自分を責めるのはやめて。
そんなあなたを見ていると、とても悲しくなるわ・・・」
エルク
「ブラン・・・」
ユリウス
「エルク、そなたは優しい男だ。
それ故に、自分を責めてしまうのだろう。
しかし、あれは不幸な事故であり、防ぎようがなかったのだ」
ブラン
「だから、あなたは悪くないわ。
わたしならもう気にしていないから、ね?」
エルク
「・・・うん、わかったよ、ブラン。
ありがとう、ブラン、皆。
ごめんね、心配かけて・・・」
「もういいのよ」と優しく僕にハグするブラン。
それを見たロムちゃんとラムちゃんが「わたしもわたしも」と僕に抱き着く。
僕もそれに応えるように、優しく三人を抱き寄せる。
そして、僕達はしばらくの間、数多の流れ星が降り注ぐ、
この美しくもメルヘンチックな夜景を楽しんだ。
ミナ
「さて、もう深夜ですし、皆さんそろそろ休みましょう」
ラム
「はーい・・・」
ロム
「わたし、ねむい(ウトウト)」
ユリウス
「では、私も休ませてもらうか」
ミナ
「ユリウスさん、ありがとうございました」
ユリウス
「いや、礼を言うのは此方の方だ。
美しい夜景と楽しい時間を感謝する」
ユリウスはブラン達に礼を言うと、小さな光となって僕の胸の中へと消えた。
ブラン
「いい思い出になれそうでよかったわ」
エルク
「うん。皆、本当にありがとう」
僕もユリウスと同じくお礼の言葉を言う。
そして、僕達はそれぞれ自分達の部屋へと戻った。
ブランside
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「妹達の事はもちろん、自分の事以上に相手を思いやれる
優しい女の子だってわかったんだ」
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自分が無愛想ですぐキレる乱暴な所があるっていう自覚はあった。
そのせいでエルクに嫌われるんじゃないかってとても不安だった。
でも、エルクのその言葉を聞いて嬉しかった。
いつからかしら、わたしが彼を意識し始めたのは・・・。
たぶん、彼の優しさに触れて、わたしの悩みを聞いて真剣に考えてくれた時かしら?
それに、見た目に関係なくわたしのことが好きって言ってくれたけど、
それは友達や仲間として・・・。
これは振り向かせるのは苦労しそうね・・・。
ネプテューヌやノワールと連絡を取っていた時の二人の話からして、
きっと二人もエルクのことが好きなんでしょうね。
これは女神として・・・彼を好きになった女の子として負けるわけにはいかないわ。
大好きよ、エルク・・・。
ブランsideend
━ ルウィー教会 自室 ━
エルク
「明日はベールさんが治める国、リーンボックスかぁ・・・。
一体どんな国なんだろう、今から楽しみだな」
部屋に入り、寝るためいつもの寝巻きのジャージに着替える。
そして、僕はおもむろに昨日撮ったブラン達が写った写真を手に取る。
エルク
「(ありがとう、ブラン、ロムちゃん、ラムちゃん、ミナさん。
君たちの優しさ、忘れない・・・!)」
手に取った写真を元の場所へ置き、僕は感謝と楽しみを胸に眠りについた。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALアドベンチャーモード
【灯火の星】クリアしました!!
プレイ時間にして21時間って本当に長かったけど、超絶楽しかったです!
そして、次なる戦いの舞台はネット対戦へ・・・!