光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~ 作:EDENCROSS
《前回までのあらすじ》
ベールと共にヘイロウ森林のモンスターを討伐したエルク。
その次の日、彼はリーンボックスにある公園である人物を待っていた。
昨日の戦いから一夜明け、教会で朝食を済ませた僕は、
姉さんからある人に会ってその人に協力してほしいと頼まれ、
その待ち合わせ場所である公園に来ている。
大きいは正義がモットーである姉さんが治めるだけあって、
公園にあるブランコや滑り台、ジャングルジムといった全ての遊具が大きい。
ブランコは片方でで二人乗れるんじゃないか、
ジャングルジムは高すぎるんじゃないのか、
滑り台は、滑って下っている途中で落ちて怪我をするんじゃないかと、
ブランコはともかく、まるで母親ように心配になる。
でも、僕のそんな思いも裏腹に、
子供達はそれに遊び慣れているかのように楽しく遊んでいる。
他の三国家の子供達が見たらきっとビックリするだろうな。
???
「緑の髪・・・お前がエルクか?」
エルク
「はい、そうですけど」
公園を見てそう思っていると、
銀髪の黒いサングラスを掛けた、黒を基調とした
白い腰マントが特徴的な服を着た女性が僕に話し掛けてきた。
???
「そうか・・・ふっ!」
突然、その女性は僕に斬り掛かってきた!
エルク
「くっ! いきなり何をするんだ!」
???
「ほう、今のを防ぐか。
完全に不意討ちだと思ったんだがな」
エルク
「なぜこんな事を! 一体何が目的なんだ!」
???
「目的か、それならもう果たした」
エルク
「なに?」
???
「ちょっと、エスーシャちゃん!
剣なんて抜いてなにしてるの!?」
エスーシャ
「レディか、なんでもない。 ただの腕試しだ」
レディ
「それにしたって、子供達の集まる公園でやらなくったっていいじゃない!
子供達が怖がってるわん」
レディと呼ばれたスライヌの顔と肌の色をした赤いビキニを身に付けた女性がそう言う。
???
「おーい! 君達、なにをやっているんだい? ケンカはよくないよ!
オイラのこの全身の筋肉のように仲良くするんだ!」
すると今度は黒いブーメランパンツを身に付けたマッチョなスライヌがやって来た。
そのマッチョスライヌは、マッスルポーズを取りながらそう言う。
エルク
「・・・」
この時、僕はそんな二人の奇怪な姿に言葉を失う。
しかし、あのマッチョスライヌの筋肉は見事だ。
レディ
「あなたがベールちゃんの言ってたエルクちゃんね?
はじめまして、わたしはレディ。
エスーシャちゃんの従者をしているわん」
ヌマン
「オイラはヌマン。
同じくエスーシャの従者をしている。 よろしく!」
エスーシャ
「エスーシャだ。 お前の事はベールから聞いている。
さっきはすまなかったな」
エルク
「ああ、はい・・・」
そんな僕にお構いなしに自己紹介をする三人。
レディ
「それで、エスーシャちゃん。
その腕試しはどうだったのかしらん?」
エスーシャ
「ああ、ベールから聞いていた通り腕の立つ奴だ。
これなら問題ない」
レディ
「それはよかったわねん」
エルク
「えっと、エスーシャさんでしたっけ?
一体何の話をしてるんですか?」
エスーシャ
「エスーシャでいい。 これからある男に会いに行く」
エルク
「ある男?」
エスーシャ
「そうだ。 ヌマン、その男の居場所は分かったか?」
ヌマン
「ああ、もちろんさ!
オイラ達の一族のネットワークを駆使すれば簡単さ!」
一族って・・・。
ヌマンさんみたいなスライヌがたくさんいるってことか・・・。
見たいような見たくないような・・・。
エスーシャ
「それで、そいつは今どこにいる?」
ヌマン
「彼は今、アリオ高原にいるみたいだよ」
エスーシャ
「分かった、今すぐ行こう」
エルク
「ねえ、エスーシャ。
なんでその人に会いに行くの?」
ヌマン
「それは・・・」
エスーシャ
「・・・そうだな、女神から信頼のあるお前になら話してもいいだろう。
ある時、死にかけた私をイーシャは助けてくれた」
エルク
「そのイーシャさんって人は今どこに?」
エスーシャ
「私の中・・・いや、私の魂と共にある。
この体は、イーシャの体だからな」
エルク
「それはつまり、エスーシャが死にかけた時、
イーシャさんが自分の体を依り代として差し出したから、
エスーシャは死なずに済んだって事?」
エスーシャ
「そうだ。 その時、私の体は消滅してしまったからな」
エルク
「それじゃあ、今回その人に会いに行くのって・・・」
エスーシャ
「ああ、その男の錬金術で新たな体を造り、
その体に私の魂を移してこの体をイーシャに返すためだ」
レディ
「エスーシャちゃん、やっぱりあきらめてなかったのねん」
エルク
「前に何かあったの?」
ヌマン
「前に猛争事件で、エスーシャがベール様とネプギアちゃんと戦った時、
自分の魂を犠牲にして体を返そうとしたんだけど、
イーシャがそれを望んでいないって事が分かったのさ」
エルク
「なら、なんで・・・」
レディ
「それだけイーシャちゃんの事が大切なのよん。
だから、錬金術で体を造ってそれに自分の魂を移して
あの子と本当の意味で一緒にいたいっていう、
エスーシャちゃんの考えだと思うわん」
エスーシャ
「それに、これはイーシャへの恩返しでもある」
エルク
「そんな事があったんだね・・・。
でも、錬金術で造った体に人の魂を移す事なんて本当に出来るの?」
エスーシャ
「・・・イーシャは禁呪を犯してまで、自分の体に私の魂を移して助けてくれた。
ならば、禁呪とはいかなくとも錬金術でならそれが出来るかもしれない。
だからこそ、これは賭けなんだ」
エルク
「エスーシャ・・・」
ユリウス
『エルク、その事についてだが』
エルク
『ユリウス? 錬金術について何か知ってるの?』
ユリウス
『ああ。 錬金術はゲイムギョウ界に古くからある秘術で、
それは死んだ人間をも蘇らせる事も可能だったそうだ』
エルク
『じゃあ、それって・・・!』
ユリウス
『うむ。 新たな体を造ることはもちろん、魂を移す事もおそらく可能だろう。
だが、今と昔では世界の在り方が大きく異なるため確証はない。
この事はエスーシャには黙っておいた方がいいだろう。
これはただの可能性の話だからな』
エルク
『・・・そうだね。 変に期待させておいて出来なかったってなった時、
エスーシャが可哀想だからね・・・』
レディ
「どうしたの、エルクちゃん?」
ヌマン
「なにか悩み事かい?」
エルク
「悩み事って言うか、考え事だよ。 気にしないで」
レディ
「気になるわねん。 どんな考え事?」
エスーシャ
「お前の考え事なんて興味ないね。
そいつの居場所が分かったのなら急ぐぞ」
エルク
「分かった。 行こう、エスーシャ」
僕とエスーシャ、ヌマンさん、レディさんの四人は、アリオ高原へ向かった。
- アリオ高原 -
場所は変わって、僕達は例の男がいるとされるアリオ高原へやって来た。
風が高原を吹き抜け、そこにある高台からはリーンボックスを見下ろす事ができ、
その眺めはまさに絶景だった。
しかし、それと同時にそこから落ちたら命はなく、
加えて凶暴なモンスターも棲み着いている言われている危険な場所でもあった。
ヌマン
「さあ、到着したよ。 ここがアリオ高原さ!」
エスーシャ
「ヌマン、その男がいるのは正確にはどこだ?」
ヌマン
「この高原の奥にある大きな高台に小屋があって、そこに住んでるみたいだよ」
エスーシャ
「そうか、分かった。
ヌマンとレディはその男と入れ違いにならないようにここで待機していてくれ。
ここからは私とエルクで進む」
ヌマン
「了解だよ、エスーシャ!」
レディ
「ええ、分かったわ。 二人とも気を付けてねん」
エスーシャ
「では、行くぞ、エルク」
エルク
「うん」
ヌマンさんとレディさんを入り口に待機させて、
僕とエスーシャはアリオ高原の奥にある小屋を目指して進む。
エルク
「ねえ、エスーシャ。
あの二人を置いてきてよかったの?」
エスーシャ
「その事なら問題ない。 ああ見えて腕の立つやつらだ。
伊達に私の従者をしていないからな」
エルク
「そうなんだ。 それなら大丈夫だね」
エスーシャ
「それよりも、お前はどうなんだ?
それなりに剣を使えるようだが」
エルク
「それこそ問題ないよ。
僕も足手まといになるつもりはないからさ」
エスーシャ
「そうか。
私の一撃を止めたその腕なら大丈夫だろうな」
エルク
「そうだ、エスーシャに紹介するよ。 ユリウス」
ユリウス
「ああ」
小さな光が人の形となり、ユリウスが姿を現した。
ユリウス
「はじめまして、私はユリウス。
エルクのホーリィクリスタルに宿る者だ」
エスーシャ
「そうか、お前がユリウスか。
お前の事もベールから聞いている。
イーシャとの約束を果たすため、力を借りるぞ」
ユリウス
「うむ、元より我々もそのつもりだ。
エルク共々よろしく頼む、エスーシャ」
エスーシャ
「ああ」
ユリウスの自己紹介が済み、そのまま抗原を進んで行くと、
なにやらキラキラ光る赤い物体があった。
エルク
「なんだろう、あれ。 なにか光ってるけど?」
エスーシャ
「あれはワープ装置だ。
触れることで、それに指定された場所まで飛ぶことができる。
アリオ高原は広大だからそうやって進むんだ」
エルク
「詳しいんだね、ここに来たことがあるの?」
エスーシャ
「ああ、何度かな」
エルク
「よし、それじゃあ早速・・・ってわけにもいかないみたいだね」
エスーシャ
「そうだな。 その前にあの邪魔なモンスター達を片付けるぞ」
そのワープ装置の前にいきなり二体のモンスターが現れ、
僕達はそれぞれ武器をコールして構える。
相対するは、両腕に大きな鋭い鉤爪を持った機械系モンスターのカーモクロー。
そして、右手に大きな水晶玉の物を持ち、
フクロウのような姿をしたビッグオウルと言うモンスターだ。
エルク
「両方とも体が大きくて強そうだね」
エスーシャ
「怯むな、勝てる相手だ」
エルク
「そうだね。 それに、大きさだけが強さじゃないってね」
エスーシャ
「そういうことだ。
エルク、女神から信頼を得たお前の剣技、見せてもらぞ」
エルク
「うん、任せて」
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戦闘曲
ファイナルファンタジー XⅢ
閃光
通常戦闘曲
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
カーモクロー
「ウィーン」
先制したのは、その鋭く大きな両爪を振り下ろしてきたカーモクローだった。
僕とエスーシャはそれをバックステップして回避する。
が、後方に控えていたビッグオウルが手にした水晶を掲げると、
赤いレーザービームを撃ち出した!
エルク·エスーシャ
「うわっ!「くっ!」」
ビッグオウルが撃ったレーザーは地面を抉り、大きな風穴が開いていた。
ユリウス
「奴のあの攻撃、中々に厄介だな」
エスーシャ
「そうだな。 ならば、奴から先に倒す」
エスーシャは剣を構えて駆け出す!
しかし、カーモクローはエスーシャにミサイルを撃つ!
エルク
「させないよ! 輝剣·光牙連閃!」
僕は光牙連閃を放って、三つのミサイルを斬り裂いた。
エルク
「-我祈るは仇なす者を屠ふる強き力なり。 その力我が友に宿らん-
エスーシャ
「(っ! 力が湧いてくる・・!
これがベールの言っていた
エスーシャはビッグオウルの持つ水晶に向かって跳躍して距離を詰める。
エスーシャ
「行くぞ、斬鉄剣!」
空中で体を捻り、遠心力をつけた強力な斬撃でそれを一刀両断して破壊した。
エスーシャ
「よしっ」
エルク
「やったぁ!」
ビッグオウル
「ホホーゥッ!」
その攻撃によって自分の水晶が破壊されて怒りだしたビッグオウルは、
エスーシャに迫る!
エスーシャ
「ふっ、自分の物を壊されて怒ったか? 単純な奴め」
エルク
「エスーシャ、後ろっ!」
エスーシャ
「何っ!?」
カーモクロー
「ウィーンッ!」
エスーシャ
「うあっ!」
カーモクローの鉤爪攻撃を受けたエスーシャに、ビッグオウルが追撃を仕掛ける!
エルク
「エスーシャ! させるか!」
僕は神威の刀身を左手の平でなぞるように魔力を集中させる。
その間にもビッグオウルがエスーシャに迫る。
エルク
「輝剣·光破!」
神威を地面に突き立てて光破を繰り出し、
ビッグオウルを退けてエスーシャの元まで駆け寄る。
エルク
「一ノ型·咆哮!」
そして、咆哮でカーモクローにダメージを与えて怯んだ隙に
エスーシャを抱えて二体のモンスターから距離を取る。
エルク
「大丈夫、エスーシャ!」
エスーシャ
「ああ。 すまない、借りができたな・・・」
エルク
「今、回復するから」
僕はエスーシャに
エルク
「回復出来たよ。 どう、行ける?」
エスーシャ
「ああ、当然だ。 この程度で倒れる私じゃない」
エルク
「よし。 それじゃあ、今度はこっちの番だね!」
エスーシャ
「そうだな。 これ以上、イーシャの体をキズつけるわけにはいかない。
すぐに終わらせるぞ」
エスーシャは差し出した僕の手を取って立ち上がる。
エスーシャ
「しかし、あの巨体から繰り出される攻撃は中々の威力だな」
エルク
「なら、耐久力を上げるだけさ」
エスーシャ
「どういうことだ?」
エルク
「こういうことさ」
僕はホーリィクリスタルに語り掛けるように意識と魔力を集中して、詠唱する。
エルク
「-我祈るは堅牢なる守りなり。 その力我が友に宿らん-
エスーシャ
「これもお前の力か?」
エルク
「うん。 これで、あいつらの攻撃を喰らっても平気なはずだよ」
エスーシャ
「そうか。 なら、お前も早くそれを自分に掛けろ」
エルク
「・・・本当ならそうしたいんだけど、この力は自分に対しては効果がないんだ」
エスーシャ
「なぜだ」
ユリウス
「エルクの
つまり自分の祈りを力に変えて相手にその恩恵を与える能力だ。
それ故に術者はその恩恵を受ける事が出来ないのだ」
エスーシャ
「・・・そうか。 なら、奴等は私が倒す」
エルク
「私達、でしょ、エスーシャ。 君は一人じゃない、僕もいるんだ。
だから、僕達二人で倒そう」
エスーシャ
「・・・分かった。 出遅れるなよ、エルク」
エルク
「うん、任せて!」
ユリウス
「来るぞっ!」
カーモクローはボディのまるで目玉のような部分からビームを撃ち出し、
僕とエスーシャはそれぞれ左右に飛んで回避する。
そして僕は二体のモンスターから距離を取って、魔法の詠唱を始める。
エルク
「-煌めくは数多の輝き- ブライトスフィア!」
詠唱が終わり魔法が発動すると、複数の小さな光の球体が炸裂し、
カーモクローとビッグオウルにダメージを与える。
そしてそれを受けて怯んだビッグオウルに、エスーシャが追撃を加える。
エスーシャ
「キラーソフト!」
自分の目の前に四枚の半透明の黄金のカードが現れ、その内の一枚を手に取って掲げると、
それが淡い光の粒子となって剣に宿って雷を纏った。
エスーシャ
「行くぞ、エクサスラッシュ!」
そして、雷を纏った剣で斬り裂いてビッグオウルを倒した。
エスーシャ
「ふっ、あの時と逆だったな」
カーモクロー
「ウィーンッ!」
残ったカーモクローは、その鉤爪でエスーシャを引き裂こうと両腕を振り下ろす!
エスーシャ
「っ!」
しかし、エスーシャは軽々剣で受け止める。
エスーシャ
「なるほど、確かに耐久力が上がっている。
さっきのやつといい、エルクの力は本物のようだな」
そしてエスーシャは、受け止めた状態からそのままの剣で弾き返す!
エスーシャ
「エルク!」
エルク
「五ノ型·穿煌!」
構えた剣先から光のレーザーを撃ち出し、
あの目玉のようなビームの発射口を貫くと、ショートを起こして動きが止まる。
カーモクロー
「ビビ・・・ギ、ガガ・・・!」
エルク
「これでトドメだ!」
神威を鞘に納め、足に魔力を集中させて高く跳躍して再び神威を抜刀して上段に構える。
エルク
「三ノ型·断空!」
空中から落下の勢いを乗せて繰り出された光を纏った強力な斬撃が、
地面もろともカーモクローを両断し、爆発を起こして果てた。
エルク
「ふぅ、なんとか倒せたね。 エスーシャ、お疲れ様!」
エスーシャ
「ああ。 それにしても、大した剣技だな」
と、エスーシャは断空によって出来た大きな裂け目を見ながらそう言う。
そういえば、ラステイションのゼタステーションの時も同じ事をしたっけ・・・。
自分の技ながら加減が難しい。
エルク
「・・・確かにこれはやり過ぎたかもね・・・」
エスーシャ
「だが、これで邪魔者はいなくなった。 先に進むぞ」
エルク
「それもいいけど、少し休んでいかない?
ちょうどこの近くに休める場所があるみたいだしさ」
エスーシャ
「そんなものに興味ないね。
もう少しでイーシャを救えるかもしれないんだ。
それに比べたら、私のことなんて・・・」
エルク
「エスーシャ・・・」
たとえ自分の身を犠牲にしてでも大切な人を助けたい。
エスーシャのその気持ち、僕にも分かる気がする
エルク
「ねえ、エスーシャ。
例えば自分が犠牲になることでイーシャさんが救われたとしても、
一人になったイーシャさんは喜ぶかな?」
エスーシャ
「何・・・? どういう意味だ」
エルク
「そのままの意味だよ。
イーシャさんはエスーシャを助けるために自分の体に君の魂を宿したんだよね?
禁呪を犯してまでエスーシャを助けるなんて、
それだけイーシャさんが大切に思ってるってことだよ」
エスーシャ
「・・・」
エルク
「もしよかったら聞かせてくれない?
なんで、エスーシャが死にかけたのか。
本当なら聞くべきじゃないことなんだけど・・・」
エスーシャ
「ああ、聞かせてやろう。 哀れな女の話を・・・」
エルク
「・・・」
ユリウス
「・・・」
エスーシャ
「なぜ、私が死にかけたのか、それは・・・」
エルク
「それは・・・?」
エスーシャ
「映画だ」
エルク
「・・・」
ユリウス
「・・・」
エスーシャ
「・・・」
エルク
「・・・エ? 映画・・・ですか?」
エスーシャ
「そう、映画だ」
んー・・・ちょっと待って、意味がわからない。
映画って、それを作ってる最中に事故で死にかけたってこと?
これにはユリウスも「は?」という顔をしていた。
無理もない、僕もそうだもん。
と、僕がそう思っている中、エスーシャは話を続ける。
エスーシャ
「それによって死にかけた時、イーシャは自分の体に私の魂を宿すことで
なんとか一命はとりとめた」
ユリウス
「それだけか・・・?」
エスーシャ
「ああ、それだけだ」
エルク
「えっと・・・映画作りで死にかけたって、その最中や撮影中の事故で?」
エスーシャ
「まあ、そんなところだ」
エルク
「そ、そうなんだ・・・」
エスーシャ
「たいして仲がいいわけでもなく、
どちらかと言えば、ライバルのような私を彼女は救おうとしてくれた。
だが、既に私の体はイーシャの魔法すら受け付けられないほど手遅れだった」
ユリウス
「だから、イーシャは禁呪を用いてそなたの魂を自分の体に宿らせたと」
エスーシャ
「その通りだ。
だからこそ、私は自分の魂を新たに造った体に移し、
イーシャにこの体を返さなくてはならない。
元々人の体というのは、二つの魂を共有出来るようになっていないからな」
エルク
「そうなの? 僕はなんともないけど・・・?」
ユリウス
「エルク、そなたの場合はホーリィクリスタルをその身に宿し、
その恩恵を受けているからな。
エスーシャとは、似て非なる別物だ」
エスーシャ
「つまり、エルクの場合は特別ということか」
ユリウス
「そういうことだ」
言われてみれば今まで自分の体に違和感を感じた事なんてなかった。
それどころか、あの遺跡でホーリィクリスタルを見つける以前に比べたら
体が軽くなった気がする。
エルク
「でも、エスーシャの気持ち、僕にも少し分かる気がするな」
エスーシャ
「何? お前に何が分かる」
エルク
「・・・実は僕も、プラネテューヌでネプテューヌ達とある遺跡の調査に行った時、
そこでホーリィクリスタルを見つけたんだ。
その時に大きな黒いエンシェントドラゴンに襲われて皆を庇って致命傷を負って
死にかけたんだ」
エスーシャ
「・・・」
エルク
「僕はここで死ぬのかなって、もう駄目かと思った。
でも、そのホーリィクリスタルに宿るユリウスが助けてくれたんだ」
ユリウス
「正確にはホーリィクリスタルの癒しの力によるものだがな」
エルク
「まあね。
そして、今こうして僕の中にユリウスが存在してる。
だから分かるんだ、エスーシャの気持ちがね」
エスーシャ
「なるほど、境遇が似ているということか」
エルク
「だからこそ、僕は君の力になりたいんだ。
僕に出来る事があるならなんでも言ってよ」
エスーシャ
「なぜ、お前は私に・・・私達にそこまで・・・」
エルク
「言ったでしょ? 君の気持ちは分かるって。
他人事じゃないみたいで放っておけないんだ」
エスーシャ
「・・・お節介な男だな、お前は」
エルク
「でも、これが僕だから」
エスーシャ
「分かった。 そこまで言うなら最後まで協力してもらうぞ、エルク」
エルク
「うん、任せて、エスーシャ!」
ユリウス
「では、先に進もうと言いたい所だが、先はまだまだ長そうだ。
ここでしばらく休むとしよう」
エスーシャ
「・・・ああ、そうだな」
エスーシャとイーシャさんとの関係を知った僕は、
改めてエスーシャに協力する事を約束して、休息を取るのだった。
今回はここまで!
我等が主人公エルクとエスーシャの絡みはいかがだったでしょうか?
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