光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~ 作:EDENCROSS
《前回までのあらすじ》
遺跡での調査で得た情報を整理し、一週間後に神次元へ行く事を決めたエルク。
そんな中、ビーシャから自分が働いているゲームショップに行かないかという
誘いを受けた。
ビーシャちゃんの誘いで、彼女が働いているチューコショップと言う
ゲームショップに来た僕。
店頭には、【チューコのゲームショップ】と黄色とオレンジの
可愛らしい看板があった。
ビーシャ
「ここが、わたしが働いてるチューコショップだよ。
さあ、入って入って」
彼女に言われるまま、店内に入る。
そこにはたくさんのショーウインドウがあり、
その中には様々なゲームハードやゲームソフト、
そして今まで見たことのないソフトがあった。
何気にこうして誰かとゲームショップに来たのははじめてだ。
???
「ちゅ? お客っちゅか?
何にするっちゅ・・・って、誰かと思えばビーシャっちゅか。
お前は今日休みだったはずっちゅけど?」
と、カウンターの奥から一匹のネズミが出てきた。
ビーシャちゃんと知り合いのようだけど・・・。
ビーシャ
「あ、ワレチュー。 ねえ、店長いる?」
ワレチュー
「チューコっちゅか?
今は出掛けていて留守っちゅよ」
ビーシャ
「そうなんだ。 どこに行ったかわかる?」
ワレチュー
「さあ? 少し前に出掛けてくると言ってそれっきり帰ってきていないから、
どこに行ったかまでは知らないっちゅ」
ビーシャ
「そっか、知らないんだ・・・」
ワレチュー
「まったく、早く帰ってきてほしいものっちゅ。
それまでオイラがずっと店番をしてなきゃいけないっちゅから」
ワレチューと言うネズミは、腕を組んでそう言う。
しかし、彼が着ているのはこのお店の制服だろうか?
黄色とオレンジの前掛けと、表にあった看板と同じデザインだ。
ワレチュー
「そういえば、一緒にいる男は誰っちゅか?」
エルク
「はじめまして、僕はエルク。
君はビーシャちゃんの友達?」
ワレチュー
「そんなんじゃないっちゅ。
こいつとはここで働いている同じ店員っちゅ。
そんなこともわからないなんて、お前頭悪いっちゅね」
ビーシャ
「もー、相変わらず口が悪いなぁ。
ごめんね、エルク」
ワレチュー
「で? 今日はなにしにきたっちゅか?」
ビーシャ
「今日は店長に会いに来たんだ。
エルクを紹介したくてね。
でも、いないんじゃ仕方ないな・・・」
どうやらビーシャちゃんは、僕を店長さんに紹介したかったようだ。
一体、どんな人なのかな?
ワレチュー
「だったら何か買ってけっちゅ。
ずっと立ってるだけの店番なんて退屈なだけっちゅ」
ビーシャ
「退屈って、お客さんは来ないの?」
ワレチュー
「来るには来るっちゅよ?
でも、チューコが居ないと分かると、みんな帰ってくっちゅ」
ビーシャ
「・・・それって、ただあんたの接客態度が悪いだけなんじゃないの?」
ワレチュー
「この店に客が来ないのをオイラのせいにされても知らないっちゅ。
言い掛かりも甚だしいっちゅ」
ビーシャ
「またそんなこと言ってー。
なんで店長はこんなネズミのことを・・・」
ワレチュー
「ちゅ? 何か言ったっちゅか?」
ビーシャ
「なんでもないよ。
帰ってこない店長も心配だけど、どこに行ったのか分からないんじゃ探しようがないね。
一度出直そっか、エルク」
エルク
「そうだね。 それじゃあ、また来るよ」
ワレチュー
「・・・結局冷やかしっちゅか。
まあ、もしチューコが帰ってきたらお前らが用事で来たことを伝えておいてやるっちゅ」
どうやらチューコさんと言う店長さんは何処かへ出掛けていて留守のようだ。
そして、ワレチューも店長さんの行方を知らないようだ。
僕とビーシャちゃんは仕方なく、店を後にしようと出口へと向かう。
コンパ
「こんにちはですー」
ワレチュー
「コ、コンパちゅわーん!」
コンパ
「あ、ネズミさん。 お久しぶりですー」
ワレチュー
「お久しぶりっちゅー!
お元気だったっちゅか?」
コンパ
「はいです。
エルクさん、やっぱりここにいたですね」
エルク
「コンパちゃん。 どうしたの?」
その時、店の出入口からコンパちゃんが入ってきた。
僕を探してたみたいだけど、どうしたんだろう?
ワレチュー
「ちゅ″!?
(エルクって言ったっちゅか? なにやらコンパちゃんと親しいみたいっちゅけど、
まさか彼氏っちゅかっ!?)」
コンパ
「実は、チューコさんのことでお話があるんですけど・・・」
ビーシャ
「コンパも店長に用なの?
でも、今は出掛けてて居ないんだよね。
どこに行ったかも分からないし・・・」
エルク
「ねえ、コンパちゃん。
チューコさんがどうかしたの?」
コンパ
「詳しいことは外で待っているあいちゃんが説明してくれるです。
エルクさん、わたしと一緒に来てくださいです」
エルク
「・・・分かった、一緒に行くよ」
ビーシャ
「待って、コンパ。
店長のことで話があるならわたしも一緒に行くよ」
コンパ
「ビーシャさん・・・。
はいです、もちろんです」
コンパちゃんは、僕とビーシャちゃんの手を取って急いで店を出た。
ワレチュー
「・・・コンパちゃんがあいつと手を繋いでたっちゅ・・・。
いったいあの男はコンパちゃんのなんなんっちゅかーーっ!?」
僕達が出た後に店内に響くワレチューの叫びは、
誰にも聞こえることはなかった・・・。
───────────────
コンパ
「あいちゃん、エルクさんとビーシャさんを連れてきたです」
アイエフ
「ありがとう、コンパ。
やっぱりこの店に居たわね」
エルク
「さっき、コンパちゃんも言ってたけど、どういうこと?」
アイエフ
「ここに来る前、ビーシャがエルクを誘ってたのを聞いたのよ。
だから、ここに来てるんじゃないかってね」
ビーシャ
「あー、なるほど」
アイエフ
「それにしても、ねぇ・・・?」
エルク
「エ? な、なに・・・?」
アイエフ
「いえ、別に? まさかあんたがビーシャとデートしてるなんてと思ってね。
ビーシャも中々大胆じゃない」
ビーシャ
「デ、デデデデート!?/// そ、そんなんじゃないよ、アイエフ!
わたしはただ、エルクにゲームを見てもらおうと思っただけで、
別にそんな・・・///」
エルク
「お、落ち着いて、ビーシャちゃん!
アイエフちゃんも急にどうしたの!?」
アイエフ
「別にどうもしないわよ。
私だって、たまにはあんたと・・・」
エルク
「エ? 何か言った?」
アイエフ
「なんでもないわよ」
コンパ
「あいちゃん、そろそろ・・・」
アイエフ
「と、そうだったわね。
チューコのことなんだけど、この先の街道で見たっていう情報があったのよ」
ビーシャ
「街道って・・・そんなモンスターの出る所になんで店長が?」
アイエフ
「そこまでは分からないわ。
でも、確かな情報だから間違いないわ」
コンパ
「なら、早く街道に行ってチューコさんを探すです。
モンスターさんの餌食になる前に!」
エルク
「え、餌食って・・・。 そうだね、急ごう!」
アイエフ
「場所は私が案内するわ! こっちよ!」
ビーシャ
「待っててね、店長! 今、助けにいくから!」
僕達はチューコさんを探すため、モンスターの出る街道に向かうこととなった。
でも、なんでそんな危険な場所に行ったんだろう?
理由はなんであれ、とにかく急ごう!
ワレチュー
「コンパちゃんがいたから出てきたっちゅけど、
なんだかえらいことになってるっちゅね・・・。
ここはいいところを見せて、あいつからコンパちゃんを振り向かせてみせるっちゅ!」
そんなワレチューのやる気に気付かず、エルク達はそのまま街道へと向かった。
────────────────────
そして、僕達はチューコさんが居るとされる街道にやって来た。
ここは、プラネテューヌと隣街のハネダシティを結ぶ街道で、
多くの商人や旅人がよく通る道でもある。
しかし、それと同時にモンスターもよく出る場所でもあるので、
通る時には必ずハンター同伴であることが義務づけられている。
そんな所に一匹で来ているチューコさんは、
本当にただのゲームショップの店長なのだろうか?
ビーシャちゃんから聞いた話だと、白いネズミらしいけど・・・。
エルク
「こうして街道に着いたわけだけど、チューコさんはどこに居るんだろう?
心配だよ」
ビーシャ
「だね。 店長、モンスターと戦ったことなんてない一般ネズミなのに・・・」
アイエフ
「あれから時間も経ってるから、確かにそうね。
でも、諜報部の方から正確な場所を教えてもらってるから」
コンパ
「それはどこですか、あいちゃん?」
アイエフ
「ここから北東よ」
ビーシャ
「北東って、確かそこには花畑があったような・・・」
エルク
「なんでそこに居るか分からないけど、とにかく急いだ方がよさそうだね」
アイエフ
「ええ、行きましょう、みんな!」
さっそく僕達は北東へ向かい、ビーシャちゃんの言っていた花畑に到着した。
そこにはありとあらゆる花が咲き乱れ、花の蜜の甘い香りに誘われて蝶が飛び交い、
それらが互いに引き立たせ合って美しい景色を作り出している。
エルク
「ここが花畑か・・・なんていうか、綺麗だね。
この国にもこんな所があったなんて知らなかったよ」
アイエフ
「そうね。 こんな時じゃなかったら、ゆっくりしたいわね」
エルク
「アイエフちゃんって、花が好きなの?」
アイエフ
「ええ、まあね。 それがどうかした?」
エルク
「ううん、別に。
普段はクールだけど、花が好きなんてやっぱりアイエフちゃんも女の子なんだなって」
アイエフ
「何よ、私が花が好きじゃ駄目だっていうの?」
エルク
「いや、別に駄目だってわけじゃないけど、
バイクを乗り回してるからそういったクールな印象と正反対だったから、つい・・・」
アイエフ
「はいはい、どうせ私には似合わないわよ。 悪かったわね」
エルク
「そんなことないよ。
だって、アイエフちゃんも皆に負けないくらい可愛いと思うよ?
だから花も似合うと思うけど?」
アイエフ
「わ、私が可愛いって・・・!
もう、どうしてあんたはそんなこと平気で言えるのよ!///」
エルク
「どうしてって、僕はただ思ったことを言っただけなんだけど、嫌だった?」
アイエフ
「べ、別に嫌ってわけじゃないけど・・・ああ、もう!
今はチューコを探すわよ!」
エルク
「う、うん、そうだね・・・」
ビーシャ
「・・・ねえ、コンパ。
あの二人って、ホントに仲良いよね」
コンパ
「はいです。 エルクさんとあいちゃんはとっても仲良しです」
ビーシャ
「みたいだね。 なんか、妬けちゃうな・・・」
コンパ
「ビーシャさん、もしかして、エルクさんのこと・・・」
ビーシャ
「・・・うん、好きだよ。
最初は憧れだったけど、でも今は、強くて優しいエルクのことが///」
両手の人差し指を突きながら、頬を赤くしてそう言うビーシャ。
ヒーローに憧れる彼女でも、年頃の乙女でもあるため異性に好意を持つことだってある。
エルクと出会った当初は、モンスターを怖れず立ち向かい、
その姿に自分が思い描きそれを目指すヒーローと重ねていたが、
先のベヒーモスとの戦いで、傷を負いながらも奴に殺されかけた自分を
身を挺して助けてくれた時のあの背中、そして自分を心配してくれたあの言葉に
胸を打たれ、彼を好きになったのだ。
ビーシャ
「このことはエルクには秘密にしておいてね!
自分の口から言いたいからさ・・・///」
コンパ
「ふふ、もちろんです」
ビーシャ
「ありがとう、コンパ。
コンパはエルクのことどう思ってるの?」
コンパ
「えっ!? わ、わたしですか!?
そ、それは、確かにエルクさんは優しくていい人ではありますけど・・・///」
ビーシャ
「けど?」
コンパ
「えっと、その・・・ラ、ライバルが多いです!」
ビーシャ
「だよね。 きっと、ねぷねぷたちもエルクが好きなんだろうね」
コンパ
「あいちゃんもエルクさんのことが好きだと思うです。
でも、エルクさんはそっちのことは鈍いですから・・・」
ビーシャ
「・・・そうだね。
アイエフの反応を見れば分かるのにね」
と、エルクとアイエフの二人から少し離れたら所でそう話すコンパとビーシャ。
確かにアイエフの反応を見れば、彼女がエルクに好意を抱いていることは明白である。
しかしエルクは、今までに恋愛経験など皆無であり、
異性から自分に対するそういった気持ちなど気付く由もなかった。
エルク
「くしっ!」
アイエフ
「どうしたの、風邪?」
エルク
「いや、ただ鼻がムズムズしただけだよ」
アイエフ
「誰かがあんたの噂をしてるのかもね」
エルク
「僕の? まったく心当たりがないんだけど・・・」
アイエフ
「・・・まあいいわ。
それより、早くチューコを探しましょう。
情報によると、この辺りにいるはずよ」
僕達はチューコさんを見つけるべく、花畑周辺を捜索した。
エルク
「うーん、見つからないね、チューコさん・・・」
アイエフ
「おかしいわね、確かな情報のはずなんだけど・・・」
ビーシャ
「もしかして、入れ違ったとか?」
アイエフ
「その可能性もあるわね」
コンパ
「こうしている間にも、チューコさんがモンスターさんに襲われてるかもしれないです」
エルク
「考えたくないけど、最悪それもあり得るね」
捜索をはじめてから約30分。
ビーシャちゃんの言う通り入れ違いになったかもしれないし、
コンパちゃんの言う通りモンスターに襲われているのかもしれない。
前者ならまだしも、後者の場合は言葉通り最悪だ。
そうなる前に早くチューコさんを見つけなくてはならない。
エルク
「でも、これだけ探して見つからないとなると、
もう帰っちゃったかもしれないね」
アイエフ
「・・・そうね。 けど、念のためもう少し探してみましょう」
コンパ
「けど、もうここら辺は全部探したですよ?」
アイエフ
「もう一度諜報部に連絡してみようかしら」
アイエフちゃんがポケットからスマホを取り出して、
諜報部に電話しようとしたその時、どこからともなく声が聞こえてきた。
???
「だ、誰か~、助けてっちゅ~!」
エルク
「アイエフちゃん!」
アイエフ
「ええ! 私にも聞こえたわ!」
ビーシャ
「でも、どこから・・・?」
コンパ
「あそこの木の下から聞こえたです!」
コンパちゃんが指をさしたのは大きな木。
そして、その木の根本には大きな穴があり、その中から聞こえてきた。
僕達はその穴の所まで行き、ビーシャちゃんがその中を覗いてみる。
するとそこにいたのは、白いネズミだった。
ビーシャ
「あ、店長! 大丈夫!?」
コンパ
「あいちゃん、チューコさんです!」
チューコ
「ビーシャ、コンパちゃん、助けてー!」
アイエフ
「チューコ、なんでこんな所にいるのよ!?」
エルク
「っ!?」
その時、僕は背後にモンスターの気配を感じた。
ユリウス
「エルク、気付いたか?」
エルク
「うん、かなり大きいね・・・!」
コンパ
「エルクさん、どうしたですか?」
エルク
「皆、気を付けて! モンスターだ!」
アイエフ
「モンスター!? こんな時に・・・!」
三人が振り向くと同時に、地面から大きな赤い蕾のようなものをつけた
植物モンスターが現れた!
その巨体の全長は、約3mくらいといったところだろうか。
_________________________________________
戦闘曲
ブレイブリーデフォルト
戦いの果てに
ボス戦闘曲
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
エルク
「あのモンスター、前にギルドの手配書で見たことがある・・・!
確か、ラフレシアだっけ」
アイエフ
「なるほど、こいつがそうなのね」
ビーシャ
「知ってるの、二人とも?」
アイエフ
「ええ。 このモンスターのせいで、街道を通る人たちに被害が出てるのよ」
エルク
「商人達の運ぶ物資が使い物にならなくなって、
プラネテューヌとラステイションの貿易にもそう出てるって聞いたことがある」
ビーシャ
「何それ!? それが本当ならこんなやつ放っておけないよ!」
コンパ
「はいです! 悪いモンスターさんにはお仕置きです!」
チューコ
「あのぉ・・・なんだか外が騒がしいようでちゅけど、何かあったんでちゅの?」
ビーシャ
「店長、待っててね! モンスターを倒したらすぐ助けるから!」
チューコ
「モ、モンスターでちゅの!?
でもビーシャ、あなたはモンスターが・・・」
ビーシャ
「・・・うん、正直今でも少し怖いよ。 でも・・・!」
ビーシャはゴールドクリスタルを手に取り、
黄金の光に包まれてゴールドフォームに変身した!
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「でも、今はみんながいるからわたしは戦える!
前の時みたいに、もう逃げないよ!」
チューコ
「ビーシャ、あなた・・・!」
エルク
「チューコさん、でしたっけ?
僕達がモンスターを倒すまでそこに隠れていてください!」
チューコ
「は、はいでちゅわ!」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「行くよ、みんな!」
アイエフ
「ええ! 食らいなさい、魔界粧·轟炎!」
アイエフの火の魔法、魔界粧·轟炎がラフレシアに炸裂すると、
不気味な悲鳴を上げて苦しみ出す!
コンパ
「こうかはばつぐんです!」
アイエフ
「植物だけあって、火の攻撃には弱いみたいね!」
ラフレシア
「ギギイィ・・・!」
ラフレシアは二つの太く長いツルを伸ばして、
アイエフを捕らえようと迫る!
アイエフ
「っ!?」
エルク
「させるかっ! 火魔威太刀!」
エルクはアイエフを庇うように前に立ち、火魔威太刀でそれを焼き斬った。
アイエフ
「ありがとう、エルク」
エルク
「これくらい当然さ」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「みんな、見て、あれ!」
斬り落とされたツルの断面から新しいツルが生えて、元通りになった!
コンパ
「は、生えてきたです!?」
アイエフ
「これも植物の生命力ってやつね・・・」
ユリウス
「いや、ただの生命力というわけではなさそうだ」
エルク
「どういうこと?」
ユリウス
「奴の周囲の花だけが枯れている。
恐らく、斬り落とされたツルが再生したのも、それから養分を吸収したからだろう」
コンパ
「あんなに綺麗だった花が枯れてるです・・・」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「もう許さないよ! くらえっ!」
ビーシャが撃ち出した砲弾がラフレシアの蕾に命中し、
それによって先程受けた火の攻撃よりも激しく苦しみ出した!
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「どうだっ!」
エルク
「どうやら火だけじゃなく、あの蕾も弱点みたいだね!」
アイエフ
「なんとも分かりやすいわね」
弱点を攻撃され、尚も苦しんでいるラフレシア。
エルク
「ちょっと待って、皆。 何か様子が変だ!」
苦しみ出したと思いきや、急に動かなくなった。
しかし、しばらくすると大きな蕾が開き、赤い花が咲いた。
それは、周囲の綺麗な花に比べて赤黒く、不気味なものだった。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「な、なにあれ、気持ち悪い・・・!」
エルク
「なら、あれごと本体を斬るだけだ!」
神威を鞘に納めて身を屈め、勢いよく跳躍する!
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「と、飛んだっ!?」
空中で再び抜刀して、上段の構えのまま落下の勢いを乗せて振り下ろす!
エルク
「三ノ型·断空ッ!」
しかし、断空を繰り出すも二本のツルだけでなく、
体から伸ばしたそれらのよってエルクは捕らえられてしまった!
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「エルク!」
エルク
「くっ、しまった!」
太く丈夫なツルで体を拘束され、エルクは身動きを封じられてしまった!
コンパ
「あいちゃん、エルクさんがモンスターさんに捕まっちゃったです!」
アイエフ
「まずいわね・・・!」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「この・・・エルクを離せー!」
ビーシャは捕まったエルクを助けるため、ラフレシアに向けてバズーカを撃つ!
ラフレシア
「・・・」
エルク
「なっ・・・ぐああぁぁっ!」
自分に向かってくるビーシャの砲撃を見て、
ラフレシアは捕らえたエルクを盾にしてそれを防いだ!
アイエフ·コンパ
「エルクっ!「エルクさんっ!」」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「そ、そんな・・・!」
エルク
「くっ・・・ぐあ・・・!」
ビーシャの砲撃によってエルクはダメージを受け、ラフレシアに投げ飛ばされたエルクは、
空中で体制を整えることも受け身も取ることも出来ずに地面に叩きつけられた!
エルク
「がはっ!」
アイエフ
「エルクをカバーするわ! ビーシャ、援護して!
・・・ビーシャ?」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「わたしのせいだ・・・。
わたしのせいでエルクが・・・!」
アイエフ
「・・・あんたのせいじゃないわ、ビーシャ。
今は戦いに集中しましょう。 反省するのはそれからよ」
自分のせいでエルクを傷付けてしまった・・・。
そういった現実が彼女を自責へと追い込み、それによってビーシャは震え出す。
しかし、アイエフはそんな彼女を励ますようにそう言葉をかける。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「アイエフ・・・うん、分かった!」
そして、ビーシャはバズーカを担いで構える。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「エルクとアイエフに近づくなー!」
アイエフ
「エルク、ほら、私に掴まって!」
エルク
「うっ・・・アイエフちゃん・・・。
ごめん、足を引っ張って・・・」
アイエフ
「そういうのはいいから、行くわよ!」
ビーシャは砲撃でラフレシアがアイエフに近づかないように援護し、
アイエフは傷付いたエルクに肩を貸すようにしてコンパの元まで連れて行く。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「(わたしが余計なことをしなきゃエルクは・・!)」
ラフレシア
「シャアァァッ!」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「うわわっ!」
エルクと同じように捕まえようとツルを伸ばす!
しかし、ビーシャはそれを紙一重でかわす。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「(捕まってたまるか!
わたしのせいでエルクが傷ついたんだから、わたしがエルクを守るんだ!)」
自分のせいでエルクを傷付けてしまった事に負い目を感じながら、
コンパに彼を回復させるために、ビーシャは必死に時間を稼ぐ。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「今だ、当たれーっ!」
一瞬の隙を突き、ラフレシアの赤い花の部分に砲撃を放つ!
ラフレシア
「ギャアァァァッ!」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「どうだ!」
弱点を攻撃され、それによってダメージを受ける。
それと同時に、ラフレシアはツルを地面に突き刺す。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「(ツルを地面に? いったい何のつもり?)」
そう思っていたその瞬間、突然地面から飛び出したツルがビーシャの左足を捕らえ、
そのままま宙吊りにする。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「きゃあっ! は、離せ、このぉっ!」
捕まった足をほどくため、逆さのままラフレシアにバズーカを向ける。
ラフレシア
「っ!!」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「わっ!?」
しかし、それを見たラフレシアはツルでビーシャの持つバズーカをはたき落とした。
そしてビーシャを丸飲みにしようと、ゆっくり自分の大きな口に近付ける。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「や、やだっ!」
アイエフ
「烈火死霊斬!」
その時、アイエフの二刀のカタールに炎を纏わせた烈火死霊斬でツルを焼き斬った!
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「アイエフ! あいたっ!」
アイエフ
「遅くなったわね、ビーシャ!」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「いたた・・・。 助かったよ、アイエフ。
それより、エルクは?」
アイエフ
「あいつなら、もう大丈夫よ」
エルク
「火焔剣·
ラフレシア
「ギャアァァァッ!」
次にエルクの魔法剣、赤火閃でアイエフと同じように炎を纏わせた神威で、
左袈裟斬りから素早く逆手に持ち変え、右袈裟斬りで切り返してX字に斬りつける。
そしてその斬撃が赤く燃え上がり、ラフレシアを包み込む!
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「エ、エルク・・・」
エルク
「ビーシャちゃん、大丈夫!?」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「う、うん・・・わたしは平気だよ」
エルク
「そっか、よかった!」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「ね、ねえ、エルク、さっきはその・・・」
アイエフ
「ビーシャ、今は戦闘中よ。
さっきも言ったけど、戦いに集中して!」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「う、うん!」
エルクの繰り出した赤火閃の炎によって今も苦しんでいるラフレシアを見て、彼は言う。
エルク
「火の攻撃が有効だからといって、それで攻めたとしても・・・」
アイエフ
「ええ、さっきみたいに回復されたら厄介ね。 コンパ!」
コンパ
「はいです! アルカンシェル!」
アイエフの掛け声に答えるように、
コンパはラフレシアの頭上に向かって注射器から魔力弾を撃ち出すと、
それが空中で弾けて降り注ぐ!
エルク
「輝剣·光雨!」
コンパの攻撃に続けて光雨を放ち、
アルカンシェルと同じく空中から光の斬撃が雨のように降り注ぐ!
アイエフ
「一気に畳み掛けるわ! 真魔烈皇斬!」
アイエフは、まるで舞うかのように幾度にも斬りつける。
炎上効果に加えてエルク達の連続攻撃で、さらに苦しみ出すラフレシア。
エルク
「だいぶ弱ってきたね」
コンパ
「はいです! あと一息です!」
アイエフ
「ビーシャ、トドメをお願い!」
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「っ! うん!」
そう強く頷いたビーシャは、バズーカを拾って立ち上がり、それを構える!
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「行くよ! それそれそれー!」
バズーカを連射しながらラフレシアに接近するビーシャ。
そして、バズーカをコールアウトして高く跳躍する。
するとビーシャの体が黄金に輝き出す!
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「これでトドメだ! ビーシャキーーック!」
空中から繰り出されるビーシャの飛び蹴りが、
眩い黄金の軌跡と共に突撃し、それがラフレシアの体に大いにきな風穴を開けて貫き、
ラフレシアは大きな断末魔を上げて果てた。
ビーシャ(ゴールドフォーム)
「成·敗っ!」
左肘を曲げて、右腕を斜めに伸ばしてヒーローポーズを取るビーシャはそう言って
ゴールドフォームを解いた。
エルク
「ビーシャちゃん」
ビーシャ
「あ、エルク・・・」
エルク
「やったね、ビーシャちゃん! 凄くカッコよかったよ!」
ビーシャ
「えへへ。 そ、そうかな?///」
最後の一撃でモンスターを倒した時のあの姿はヒーローそのものだった。
それはとても頼もしく、それと同時に輝いて見えた。
ビーシャ
「それよりもさ・・・エルクの方は大丈夫なの?
わたしのせいでケガしちゃったわけだし・・・」
エルク
「あの時のこと? 全然大丈夫!
ってわけじゃないけどね・・・」
ビーシャ
「・・・ぁ・・・」
僕の後ろに回って背中を見ると、ビーシャちゃんはその痛々しい傷跡に声を漏らす。
ビーシャ
「ごめん! ごめんね、エルク!
わたしのせいで、わたしが余計なことしたせいで・・・!」
そんな僕の背中に手を当てながら、ビーシャちゃんは涙声で僕に謝る。
アイエフ
「ビーシャ・・」
エルク
「・・・ビーシャちゃん、僕なら大丈夫だよ。
だから、もう泣かないで」
ビーシャ
「で、でも・・・こんな傷をつけたのはわたしなのに」
エルク
「誰も君のせいだなんて思ってないよ。
だって、ビーシャちゃんは僕を助けようとしてくれたんでしょ?」
ビーシャ
「・・・うん」
エルク
「ねえ、ビーシャちゃん」
ビーシャ
「えっ・・・」
僕は振り向いて、ビーシャちゃんの頭に手を置いて言う。
エルク
「確かに僕は傷を負った。 でもそれは君のせいじゃなくて、
モンスターに捕まった僕を助けようとして起きた事故だったんだ。
さっきも言ったけど、僕ならもう大丈夫だから元気出してよ、ね?」
ビーシャ
「ホント・・・? 許してくれるの・・・?」
エルク
「うん、ホント。
それに、許すもなにも助けようとしてくれたその気持ちだけで嬉しいよ。
僕の方こそ迷惑をかけてごめんね。
そしてありがとう、ビーシャちゃん」
ビーシャ
「エルク・・・!」
溜め込んでいた涙が、感情が溢れ出るように流しながら、
僕の胸に飛び込むようにビーシャちゃんが抱き着いた。
そして、しばらくの間その状態が続き、僕は優しく彼女をなだめた。
───────────────
エルク
「もう大丈夫、ビーシャちゃん?」
ビーシャ
「うん、平気だよ!
ヒーローがいつまでも泣いてるわけにはいかないからね!」
エルク
「そっか、よかった。
やっぱり君は笑ってた方が可愛いよ」
ビーシャ
「えっ!? そ、そうかな?
今までそう言われたことなんてなかったからわかんないや・・・///」
アイエフ
「・・・なんでエルクって、あんな恥ずかしいこと平気で言えるのかしら?」
コンパ
「きっと、それはエルクさんが優しいからだと思うです」
アイエフ
「そうね、私も思うわ。
それが、あいつっていう人間なんでしょうね」
コンパ
「あいちゃん・・・。 うふふ」
アイエフ
「な、なによ、コンパ・・・?」
コンパ
「あいちゃんも、エルクさんのことが好きなんですね」
アイエフ
「は、はぁっ!?///
な、なんで私があいつを好きになんなきゃいけないのよ!
そりゃあいい奴ではあるけど・・・///
っていうか、そういうコンパはどうなのよ?」
コンパ
「わ、わたしですか!?
それは・・・えっと・・・その・・・///」
アイエフ
「(コンパのこの反応、この子もエルクが好きなのね)」
エルク
「アイエフちゃん、コンパちゃん・・・って、あれ?
どうしたの二人共、顔が赤いけど?」
アイエフ·コンパ
「なんでもないわ!「なんでもないです!」」
エルク
「う、うん・・・」
アイエフ
「・・・それで、そっちはもういいの?」
ビーシャ
「うん。 ごめんね、アイエフ、コンパ」
コンパ
「気にしないでくださいです。
ビーシャさんが元気になってよかったです」
ビーシャ
「ありがとう、コンパ」
アイエフ
「それじゃあ、改めてチューコを助けましょう」
ビーシャ
「あ、そうだった! すっかり忘れてたよ」
エルク
「ビーシャちゃん・・・」
ビーシャ
「えへへ、ごめんごめん・・・」
モンスターを倒した僕達は、チューコさんがいた穴の所まで戻った。
チューコ
「もう、外に出ても平気でちゅの?」
ビーシャ
「うん、もう大丈夫だよ店長。 待たせてごめんね」
コンパ
「でも、どうやって助けるですか?」
アイエフ
「それなら問題ないわ。 ねえ、エルク?」
エルク
「うん、あの魔法があるからね」
僕は光魔法シルバチェーンを唱えて、
それでチューコさんを捕らえて穴から引っ張り出した。
チューコ
「この度は、助けていただきありがとうでちゅわ」
ビーシャ
「店長、大丈夫? どこかケガしてない?」
チューコ
「下に落ちた時、柔らかい土がクッションになったから大丈夫でちゅわ」
ビーシャ
「よかったぁ、店長にケガがなくて」
ビーシャちゃんから聞いた通り、本当に白いネズミだな。
大きさはゲームショップで見たワレチューと同じくらいで、
店頭にあった看板と同じ黄色とオレンジの前掛けをしている。
実際にこうして見ると、なんだか可愛い。
チューコ
「あなたがエルクさんでちゅね?」
エルク
「はい、そうですけど・・・なぜ、僕の名前を?」
チューコ
「ビーシャがわたしのお店で働いている時、
いつもあなたの話をしているんでちゅのよ」
エルク
「僕の話、ですか? それはどういう・・・」
チューコ
「それはもう、わたしの憧れのh「わーわー! 店長ストップー!」」
と、いきなりビーシャちゃんがチューコさんの言葉を遮るように大声を上げる。
ビーシャ
「ちょっと、店長!
その話は内緒にしてって言ったでしょ!?」
チューコ
「そ、そうでしたわね! わたしとしたことが、ついうっかり・・・」
エルク
「憧れ? 憧れってどういうこと?」
ビーシャ
「なんでもないよ、エルク! ねえ、店長?」
チューコ
「ええ、ええ! こちらの話でちゅわ!」
ビーシャ
「それより、なんで店長がこんな所にいるの?
モンスターが出て危ないのに」
アイエフ
「確かに、何の意味もなく来たなんて考えにくいわね」
チューコ
「実は・・・お花を摘みに来たんでちゅの」
コンパ
「お花をですか?」
チューコ
「ええ、元々ハネダシティに用があって出掛けたんでちゅけど、
帰りにこのお花畑を見つけて花を1本摘んで帰ろうとしたら・・・」
アイエフ
「あの穴に落ちたってわけね」
コンパ
「でも、そのお陰でモンスターさんに襲われなくてよかったです」
───────────────
ワレチュー
「・・・コンパちゃんにいいところを見せようと追いかけてきたのはいいっちゅが、
結局なにもできなかったっちゅ・・・」
木々に隠れ、先程のコンパ達の戦闘を様子を見ていたワレチューだったが、
モンスターが現れた時、コンパを守ろうとしたが四人の戦いを見て呆然としていため、
何も出来ずにただ見ているしかなかった。
ワレチュー
「コンパちゃんのピンチに颯爽と現れ、
モンスターをやっつけてカッコよく決めるつもりだったちゅが、
ただ見ていただけなんて我ながら情けないっちゅ・・・」
本来自分は戦闘向きではないことは分かっている。
だが、好きな人のためにいいところを見せようというのは男なら誰しもあるのかもしれない。
ワレチュー
「・・・なんか虚しくなってきたっちゅ・・・」
と、ワレチューが肩を落として寂しそうに帰ろうとした時、
一体のモンスターがコンパ達に向かっていくのが見えた。
ワレチュー
「あ、あれはモンスターっちゅか!?
コンパちゃんが危ないっちゅ!」
ワレチューは、急いでコンパ達の元へと走り出した!
───────────────
アイエフ
「さて、無事にチューコを助けることもできたし、帰りましょうか」
コンパ
「はいです。 きっとお客さんもネズミさんも心配してるです」
チューコ
「本当に申し訳ないありませんでしたわ・・・」
ビーシャ
「もういいよ、店長。 こうして無事だったんだから。
ねえ、エルク」
エルク
「うん、そうだね。 無事で本当によかったです」
僕達はプラネテューヌに向けて歩き出す。
しかし、その時!
ビッグスライヌベス
「ぬら~っ!」
オレンジ色の大きなスライヌが、近づいてきた!
エルク
「っ!? 皆、モンスターだ!」
アイエフ
「なんですって!? こんな時に・・・!」
完全に背後からの不意打ちだったため、
後ろにいたコンパちゃん、チューコさんが狙われた!
アイエフ·ビーシャ
「コンパ!「店長!」」
エルク
「(くそっ! これじゃあ間に合わない!)」
不意討ち故に反応が遅れてしまい、コールアウトした神威を再びコールしてから抜刀し
斬りかかるまで間に合わない! このままでは二人が危ない!
ワレチュー
「オイラのコンパちゃんに手を出すなっちゅ!
とりゃぁーーーーっ!!」
その時、どこからともなくワレチューが現れ、
そのままモンスターに飛び蹴りを繰り出した!
コンパ
「ネ、ネズミさん!?」
ワレチュー
「コンパちゃん、大丈夫っちゅか!
オイラの後ろn「ぬらぁっ!」ち″ゅー!」
しかし、すぐさま逆襲を受けて吹き飛ばされてしまうワレチュー。
アイエフ
「なんであのネズミがいるのか分からないけど、一気に行きましょう、エルク!」
エルク
「了解ッ!」
そして、素早くモンスターを倒した僕とアイエフちゃんは、
のびているワレチューをコンパちゃんの治療を施して起こした。
アイエフ
「で? どうしてあんたがここにいるわけ?
店の方はどうしたのよ?」
ワレチュー
「オイラはただコンパちゃんの危機に駆けつけただけっちゅ。
女神のおまけのお前にとやかく言われる筋合いはないっちゅ」
アイエフ
「誰がおまけよ、誰が!」
エルク
「ねえ、ワレチュー、お店はどうしたの?」
ワレチュー
「コンパちゃんが危険な場所に行ってるって時に
のんびりと店番なんてやってる場合じゃないっちゅ!
そんなものは放ってきたっちゅよ」
エルク
「いや、お店を放ってきたなんていくらなんでもそんn「何をやっているんでちゅの、
あなたは!」うわっ!」
ワレチュー
「ち″ゅっ!?」
チューコ
「そんなものとはなんでちゅの!?
あれだけお店とお客様は大事にと言ったのに何も分かっていないようでちゅね!」
ワレチュー
「でも、オイラはコンパちゃんを助けに・・・」
チューコ
「今頃お客様が待っているはずでちゅわ!
さあ、帰りまちゅわよ、ワレチュー!」
そう言って、チューコさんはワレチューの腕を掴む。
ワレチュー
「ちょ、ちょっと待てっちゅ!
もう少しコンパちゃんとお話を・・・!」
チューコ
「そんなことより、早くお店に帰りまちゅわよ!
まったく、あなたというネズミは・・・!」
ワレチュー
「コ、コンパちゃん、助けてっちゅー!」
コンパ
「ネズミさん、お仕事がんばってくださいです!」
ワレチュー
「ち″ゅち″ゅち″ゅーっ!!」
そして、そのままワレチューを引きずっていく形でプラネテューヌに戻る
チューコさん達だった。
エルク
「・・・なんていうか、色々凄い人だったね」
アイエフ
「チューコの商売人魂も、相変わらずね」
ユリウス
「確かに只者ではなさそうだな」
ビーシャ
「わたしも店長と一緒に働いてて本当にそう思うよ。
店長も優しくすればポイント高いのにね」
コンパ
「チューコさんもがんばってほしいですね」
エルク
「ねえ、ポイントって何のこと?
仕事のことならがんばってると思うけど?」
ビーシャ
「いや、そういうことじゃないんだよねぇ・・・」
コンパ
「エルクさん・・・」
アイエフ
「そういうあんたはブレないわね・・・」
エルク
「エ? 僕、何か変なこと言ったかな、ユリウス?」
ユリウス
「いや、そなたは何も変なことは言っていない。 ただ・・・」
エルク
「ただ、なに?」
ユリウス
「・・・なんでもない。
他者から教わるより、自分で知るべきことだからな」
エルク
「?」
皆がやれやれと呆れた表情を浮かべる中、僕だけが何のことだか分からなかった。
ワレチューはチューコさんのお店の店員なんだから彼もしっかり仕事をするべきだし、
チューコさんも優しく接した方がワレチューも仕事を覚えてきちんとするのでは?
という話じゃないのかな? う~ん・・・全く分からない・・・。
アイエフ
「まあ、少しトラブルもあったけど、私達も帰りましょうか」
ビーシャ
「そだね」
コンパ
「はいです」
三人は、僕を放っておくかのように歩き出す。
エルク
「ちょ、ちょっと待ってよ、皆!」
そして僕は、三人を追い掛けるように走り出すのであった。
一方、その頃。
プラネテューヌに向けて帰りの道中、ワレチューとチューコさんはというと・・・。
ワレチュー
「いい加減離すっちゅ!
コンパちゃんを助けに来たはずがなんでお前と一緒に帰らないといけないっちゅか!」
チューコ
「それはあなたがわたしのお店を勝手に留守にしたからでしょ!
わたしは、あなたをまっとうな真ネズミにすると決めたんでちゅの!」
ワレチュー
「大きなお世話っちゅ!
オイラがなにをしようがお前には関係ないっちゅ!」
ワレチューは、チューコの手を振り払う
チューコ
「関係なくないでちゅわ。
前にあなたがプラネテューヌで悪さをして捕まりかけた時、
わたしが身元引き受け人になったんでちゅから。
それに・・・」
ワレチュー
「それに、なにっちゅか?」
チューコ
「あなたに助けられたのは、今回で二度目でちゅわね・・・」
ワレチュー
「二度目? 今回はコンパちゃんを助けたつもりが、
ついでにお前も助けた形になったっちゅけど、最初は覚えがないっちゅよ?」
チューコ
「ほら、前にあなたがあの変な人からわたしを庇ってくれたあの時でちゅわ」
ワレチュー
「変な人・・・? 女神たちが言ってた、暗黒星くろめのことっちゅか?
あれはその・・・咄嗟にやったことで、別にお前のためじゃないっちゅ」
チューコ
「それでも助けてくれたことに変わりありませんわ。
今回のことも含めて、改めてお礼を言わせてもらいまちゅわ。
ありがとう、ワレチュー」
ワレチュー
「オ、オイラが勝手にしたことに、お前に感謝されるいわれはないっちゅ!
それに、今日はコンパちゃんのためであって、お前のためじゃないっちゅ!」
チューコ
「はいはい、そういうことにしておきまちゅわ」
ワレチュー
「なんなんっちゅか・・・」
チューコ
「ほら、早く帰りまちゅわよ。
さっきも言いましたが、あなたをまっとうな真ネズミにしてあげまちゅわ!」
ワレチュー
「いたたっ! だから腕を引っ張るなっちゅ!」
チューコは再びワレチューの手を取って、まるで引っ張るように歩き出す。
この時、チューコはビーシャのある言葉を思い出す。
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「店員ももう少しワレチューに優しくしてあげれば、ポイント高いと思うよ?」
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チューコ
「(や、優しくっちゅね・・・。
いままでそんなこと思ったことなんてなかったっちゅから
どう接したらいいか分からないでちゅわね・・・。
とりあえず・・・)」
チューコはワレチューの腕を離し、
ワレチューと向き合って思いついた言葉を言ってみる。
チューコ
「ねえ、ワレチュー」
ワレチュー
「ちゅ? なにっちゅか?
オイラの手を掴んだり離したりと忙しいやつっちゅね。
雑に扱わないでほしいっちゅ」
チューコ
「そ、その・・・帰ったらゲームでもしませんか?
今ならおやつもありまちゅわよ?」
ワレチュー
「・・・」
チューコ
「(優しく言ってみたけれど、どうかちら?)」
ワレチュー
「なんちゅか、急に・・・?
なんだか気持ち悪いっちゅ」
チューコ
「き、気持ち悪いとはなんでちゅか!
人がせっかく優しくしてあげようと思ったのに!」
ワレチュー
「な、なに怒ってるっちゅか!?」
チューコ
「もういいでちゅわ!」
ワレチュー
「わけが分からないっちゅ・・・」
チューコ
「はぁ・・・。
(ビーシャの言った通りわたしなりに優しくしてみたけど、
やっぱりなかなかうまくいかないものでちゅわね・・・)」
先の猛争事件で、その力にあてられたせいでモンスターになって凶暴化し、
街中を暴れ回った罪で捕まりかけたが、
女神達に協力するならというイストワールのはからいで罪には問われず、
自分が身元引き受け人として彼を自分の店で働かせている。
あれから半年経つが、いままで一度も優しくしたことがない。
ビーシャの助言でそうしてみたが、それはチューコにとって難しいことだった。
ワレチュー
「・・・なにしてるっちゅか? 早く帰るっちゅよ」
チューコ
「ワレチュー、あなた・・・」
ワレチュー
「か、勘違いするなっちゅ!
オイラは面倒な仕事を終わらせてゲームをしてのんびりしたいだけっちゅ!!
ほら、さっさと行くっちゅよ!」
チューコ
「素直じゃないでちゅのね。
まあ、それはわたしも同じかもしれないでちゅわね・・・」
ワレチュー
「なにか言ったっちゅか?」
チューコ
「なんでもないでちゅわ。 (我ながら、前途多難でちゅわね・・・)」
チューコとワレチューは、肩を並べてチューコショップへと帰るのであった。
━ プラネテューヌ チューコショップ ━
ビーシャ
「で、店員。
いったい何の用でハネダシティに行ってたの?」
チューコ
「ハネダシティにわたしの友人がいて、
その子から貸りていた物があったからそれを返しに行っていたんでちゅの」
アイエフ
「そうならそうで、ギルドに行って護衛を頼めばよかったのに」
チューコ
「・・・そうでちゅわね。 次からはそうさせてもらいまちゅわ。
本当に申し訳ありませんでしたわ」
コンパ
「そういえば、ネズミさんはどうしたですか?」
チューコ
「ワレチューなら、裏で商品の整理をしてもらってまちゅわ」
ビーシャ
「今更かもしれないけど、裏方ならともかく、
ワレチューに接客なんてできるのかなぁ?」
チューコ
「それについては大丈夫でちゅわ!
このわたしが、責任を持って彼をまっとうな真ネズミにしてみせまちゅわ!」
ビーシャ
「がんばってね、店員!」
コンパ
「わたしも応援してるです!」
チューコ
「ええ、がんばりまちゅわ!」
アイエフ
「さて、これで無事仕事は終わりね。
私は報告しに戻るけど、コンパはどうする?」
コンパ
「わたしもこれから仕事がありますから、今日は帰るです」
エルク
「今から仕事って、さっきモンスターと戦ったばかりなのに休まなくていいの、コンパちゃん?」
コンパ
「はい、大丈夫です!
今までねぷねぷたちと世界中を旅をしてましたから平気です」
エルク
「そうなんだ。 それじゃあ、仕事がんばってね。
今日はありがとう、また明日ね」
コンパ
「は、はいです・・・///」
コンパちゃんは顔を赤くして店を出ていった。
アイエフ
「・・・」
エルク
「な、なに、アイエフちゃん?」
アイエフ
「別に? なんでもないわ。 それじゃあね、エルク、ビーシャ。
今日は助かったわ、ありがとう」
エルク
「う、うん。 またね、アイエフちゃん」
コンパちゃんに続いて、アイエフちゃんも店を出た。
店内には、僕とビーシャちゃんとチューコさんが残った。
エルク
「なんだったんだろ、今の・・・?」
チューコ
「なるほど、あなたは優しいんでちゅのね、エルクさん」
エルク
「皆からそう言われるんですけど、よく分からないんですよね・・・」
チューコ
「無自覚ってとこでちゅか・・・。
これは、ビーシャもうかうかしてられないでちゅわね」
ビーシャ
「な、なんでそこでわたしが出てくるの、店長!」
チューコ
「だって、最近エルクさんのことばかり話すものでちゅから、
わたしはてっきり・・・」
エルク
「そういえば、憧れがどうとかって言ってたけど・・・」
ビーシャ
「な、なんでもない! なんでもないよ、エルク!
大した話じゃないから気にしないで!」
両手を振って必死にそう言うビーシャちゃん。
その姿に気圧されながらも、正直どんな話をしていたのか気になるが、
無理に聞き出すのはやめておこう。
チューコ
「ねえ、ビーシャ。
アイエフさんやコンパさんたちとも仲が良いということは、
ひょっとしてネプテューヌ様たちとも・・・?」
ビーシャ
「うん、そうだよ。
アイエフとコンパだけじゃなくて、ねぷねぷたちもエルクが好きなんだと思う」
チューコ
「そうなんでちゅの・・・。 でも、諦めてはダメでちゅわ!
女は度胸でちゅわよ! ビーシャ!」
ビーシャ
「店長・・・。 うん、がんばるよ!」
ビーシャちゃんとチューコさんがなにやら小声で話している。
一体何の話だろう? お店の話かな?
エルク
「どうしたの、二人とも?」
ビーシャ
「ううん、なんでもないよ。 ねえ、店長?」
チューコ
「ええ、乙女の秘密でちゅわ」
エルク
「そ、そうですか・・・」
乙女の秘密か・・・。
女の子には色々あるんだな。
ビーシャ
「それより、今日はごめんね、エルク。
せっかく誘ったのに・・・」
エルク
「気にしないで、ビーシャちゃん。
こうしてゲームショップに来て色んなゲームがあって見てて楽しかったし、
それになによりチューコさんを無事に助け出せて本当によかったよ」
チューコ
「ありがとうございまちゅ。
でも、わたしのせいでせっかくのお休みが・・・」
ビーシャ
「あ、店長のせいじゃないよ!
わたし、そういうつもりで言ったわけじゃないから」
チューコ
「分かってまちゅわ。
エルクさんはこれからどうしまちゅの?」
エルク
「これといって予定はないですね」
ビーシャ
「ねぷねぷを手伝わなくていいの?」
エルク
「そう思ったけど、やっぱりネプテューヌ自身がやるべきだし、
それにネプギアも居るから大丈夫でしょ」
ビーシャ
「そういえば、エルクが他の国に体験入国に行ってた時、
ねぷねぷが仕事ができる女神になってエルくんを驚かせてやるんだって言ってたよ」
エルク
「そうなんだ。
それじゃあ、尚更本人に任せた方がいいかもね」
ビーシャ
「あ、そうだ。
店長、わたしまた休みをもらうことになるかもしれないんだけど、いいかな?」
チューコ
「そうでちゅわねぇ・・・これから忙しくなりまちゅから
ビーシャに抜けられるのはちょっと・・・」
ビーシャ
「そっか・・・なら、仕方ないk「チューコさん、僕からもお願いします!
お店が忙しいのは分かります! でも、どうしても彼女の力が必要なんです!
だから、お願いします!」エルク・・・」
僕がクロノスを追って神次元に行くと決めたあの時、
ビーシャちゃんは僕に協力してくれると言ってくれた。
だから僕は、そんな彼女の思いを無駄にしないために、
チューコさんに頭を下げて懇願した。
チューコ
「はぁ・・・ちょっと、おふざけが過ぎたようでちゅわね」
エルク·ビーシャ
「エ?「え?」」
チューコ
「あなたがお休みが欲しいという時は決まって、
誰かのためだということは分かっていまちゅわ」
ビーシャ
「店長・・・」
チューコ
「だから、ビーシャ、がんばりなちゃい!」
ビーシャ
「で、でも、大丈夫なの、店員?
人手が足りなくなるのは本当なんでしょ?」
チューコ
「それなら心配ありまちぇんわ。
ワレチューに今の倍以上はたらいてもらいまちゅから!」
ワレチュー
「ち″ゅっ!? い、今、なんだか悪寒がしたっちゅ・・・。
イヤな予感がするっちゅ・・・」
ビーシャ
「厳しくするのも必要かもしれないけど、
優しくした方がポイント高いと思うよ、店長?」
チューコ
「わ、分かっていまちゅわ///」
エルク
「よかったね、ビーシャちゃん」
ビーシャ
「うん! ありがとう、エルク!
今度はわたしがキミの力になるからね!」
エルク
「頼りにしてるよ、ビーシャちゃん!」
ビーシャ
「任せてよ!」
チューコ
「(フフ、本当に仲が良いんでちゅのね。
でも、見た感じだとエルクさんはビーシャの気持ちに気付いていないみたい
でちゅわね・・・。
命短し恋せよ乙女、でちゅわ、ビーシャ!)」
ビーシャ
「それじゃあさ、予定がないならわたしとゲームしない?
おもしろいゲームがたくさんあるんだ」
エルク
「エ、いいの?」
ビーシャ
「もしエルクがよかったらだけど。 いいよね、店長?」
チューコ
「ええ、もちろんでちゅわ。
せっかくのお休みがなんでちゅから、エルクさんと楽しんでいきなちゃい」
ビーシャ
「ありがとう、店長!」
僕とビーシャちゃんは、チューコさんの部屋を借りてゲームを楽しんだ。
古いタイプのゲームだったけど、今の綺麗なグラフィックによるゲームにはない
レトロで懐かしい感じがあってとても楽しかった。
エルク
「それじゃあビーシャちゃん、今日はもう帰るね」
ビーシャ
「うん、今日はありがとう。 とても楽しかったよ!」
二人で時間を忘れたかのようにゲームをプレイしていると、
気が付けば外はすっかり真夜中になっていた。
帰りが遅いと、ネプテューヌ達が心配するので帰ることにした。
ビーシャ
「もしよかったら、また一緒にゲームしない?
その時はもっとおもしろいゲームを用意してるからさ」
エルク
「もちろん、その時は是非!
楽しみにしてるよ、ビーシャちゃん」
ビーシャ
「それとさ・・・わたしのことはビーシャって呼び捨てで呼んでくれないかな?
エルクとは、もっと仲良くなりから・・・///」
エルク
「分かったよ、ビーシャ。
それじゃあお休み。 また明日ね」
ビーシャ
「お休み、エルク。 またね」
ビーシャSaido
エルク、最初の時に比べて強くなったなぁ。
あの時はわたしもああいうヒーローになりたいっていう憧れだったけど、
自分が傷つきながらもベヒーモスから守ってくれた時のあの背中、
とても大きくてカッコよかった。
コンパにも言ったけど、わたしはエルクのことが好き。
強さと優しさの両方を持ったエルクが。
でも、ねぷねぷやアイエフ、それと他のみんなもそうだろうから
ライバルが多いなぁ・・・。
だとしても、店長が応援してくれてるんだから、がんばらないとね!
ありがとう、強くて優しいわたしのヒーロー。
大好きだよ!
ビーシャSaidoend
チューコショップでビーシャと別れた僕は、
夜になっても電灯で明るく照らされ、まるで昼間のような賑やかな夜道を歩き、
プラネテューヌの美しい夜景を眺めながら、
ネプテューヌ達の待つ教会へと帰るのであった。
文字数過去最高の20456文字! なっっっっが!
執筆期間2か月! なっっっっが!
そりゃあそんだけかかりますわな・・・。
っというわけで、遅れてすみませんでした!