光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~ 作:EDENCROSS
《前回までのあらすじ》
うずめとプラネテューヌを回り、楽しんだ次の日の朝、
エルクはある人物に叩き起こされることに・・・
エルク
「zzz・・・」
現在の時刻は朝7時30分。
イストワールから休みをもらっているエルクは、
たまにはこのまま昼まで寝ようかと思っていたその時。
???
「ワープ! 到着・・・って、うわーっ!」
突如エルクが寝ているベッドの真上にゲートが開いた。
エルク
「ぐぼっほっ!」
案の定、空中に放り出されたネプテューヌのボディプレスが
ドスン! という音を立てて、寝ている無防備なエルクに容赦なくのしかかった!
クロワール
「はははっ! ぐぼっほっ! だってよ!」
ネプテューヌ(大)
「もーっ、クロちゃん!
そうだ、エルくん、大丈夫?」
エルク
「・・・」
クロワール
「おいおい、こいつ白目向いてんぞ?
よっぽどオメェのが効いたみてえだな」
ネプテューヌ(大)
「わ、わざとじゃないもん!
エルくん、起きて! エルくーん!」
それからしばらくして・・・
エルク
「う、う~ん・・・」
若干意識が朦朧とし、重いまぶたを開くと、そこは見慣れた天井があった。
そう、ここは僕の部屋だ。
昨日は確か、うずめと一緒にプラネテューヌを回って遊びに出掛けていた。
そして日付が変わって、ベッドに寝ていたはずなのに、
まるで何かに押し潰されたかのような感覚に襲われ、それから覚えていない。
それにしても、柔らかくて、いい匂いがしたような気がする。
一体なんだったんだろうか?
ネプテューヌ(大)
「あ、エルくん。 よかったー、目が覚めて」
と、色々思っていると、ネプテューヌさんが僕の顔を覗き込むように話し掛けてきた。
クロワール
「よ、エルク。 災難だったな、大丈夫か?」
エルク
「ネプテューヌさん? それに、クロワールまで・・・。
どうして僕の部屋に?」
上半身を起こし、それまで僕の部屋に居ないかったはずの二人にそう聞く。
ネプテューヌ(大)
「えーっと・・・なんて説明したらいいのかな?」
クロワール
「どうもこうも、オメェが寝てるこいつの上に落ちたからこうなったんだろ?」
ネプテューヌ(大)
「でもでも、ちゃんと座標は指定したよ?
あっ、まさか、クロちゃん!?」
クロワール
「待て待て! オレは何もしてねえぞ!」
エルク
「クロワールのワープ能力のこと?
じゃあ、なんで僕の部屋にワープしてきたの?」
ネプテューヌ(大)
「ホントはバーチャフォレストにワープするつもりだったんだけどね・・・。
クロちゃん、なにかしらない?」
クロワール
「さあな。 でも待てよ・・・そういえば飛んでる時、
なんか次元の乱れを感じたな・・・」
ネプテューヌ(大)
「次元の乱れ?
なにそれ、どういうこと?」
ユリウス
「恐らく、クロノスの
ネプテューヌ(大)
「あ、ユーくん、久しぶり!」
クロワール
「おいおい、マジかよ・・・。
次元にまで干渉してくるなんてとんでもねえな、そりゃあ」
ネプテューヌ(大)
「なんかもう、なんでもありって感じだよね・・・」
久々にユリウスを交えて四人で話が進んで行く。
つまり、ワープ先の座標を指定して飛んだけど、
その途中で
ベッドで寝ていたちょうど僕の真上に・・・。
ネプテューヌ(大)
「そういえば、小さいわたしは?」
エルク
「ネプテューヌ達なら、用事で出掛けたよ。
なんでも、女神様達だけでやる事があるらしいよ」
クロワール
「オレたちに隠れて、秘密の特訓でもやってんじゃねえか?」
エルク
「これからの事についての会議かもしれないよ?」
ユリウス
「うむ、それもあり得るな」
クロワール
「ま、オレとしてはどっちでもいいけどな。
つーか、あのうるせえのもいねえな。
イストなんとかだっけか? あいつも出掛けてんのか?」
エルク
「イストワールさんね。
あの人もネプテューヌ達と一緒に出掛けたよ」
クロワール
「そっか、そりゃあよかったぜ。
もしあいつがいたらめんどくせえことになってたろうからな」
エルク
「あはは・・・」
う~ん、あり得るだけに反論できない・・・。
エルク
「ところで、ネプテューヌさんはバーチャフォレストに何の用で行くつもりだったの?」
ネプテューヌ(大)
「うん、実はこの前みんなで遺跡調査し行った時、あの森を通ったでしょ?
その時に珍しい虫を見つけたんだけど、
状況が状況だったから改めて今日捕まえに行こうと思ったんだ」
エルク
「珍しい虫か・・・なんか面白そうだね」
ネプテューヌ(大)
「でしょー? あ、そうだ。
ねえ、よかったらエルくんも一緒に行かない?」
エルク
「エ、いいの?」
ネプテューヌ(大)
「もちろんだよ! 一人より二人の方が楽しいし」
クロワール
「・・・一応、オレもいるんだけどな」
ネプテューヌ(大)
「ああ、ごめんごめん。
それとユーくんも入れて四人だね」
クロワール
「で、どうすんだ? 一緒に行くのか?」
エルク
「うん、一緒に行かせてもらうよ。
話を聞いてるうちに、僕も気になちゃったしね」
ネプテューヌ(大)
「そうこなくっちゃ!」
ユリウス
「では、移動は徒歩ということでいいのか?」
クロワール
「ああ。 オレの能力でワープしたら、
またさっきみたいに違うところに飛ばれるかもしれねえからな」
ユリウス
「うむ、その方がいいだろう」
ネプテューヌ(大)
「よーし! それじゃあしゅっぱーつ!」
━ バーチャフォレスト ━
所変わって、ここはバーチャフォレスト。
もはや誰もがお馴染みのプラネテューヌの近くにある森。
快晴の空とそれを照らす日の光が眩しく、吹き抜けるそよ風がなんとも涼しい。
ネプテューヌ(大)
「見てよクロちゃん、上天気だよ上天気!
これは絶好の昆虫ハント日和だね!」
クロワール
「あーはいはい、そうだなぁ・・・」
エルク
「クロワール、珍しく乗り気じゃないね?
楽しそうな事が好きな君が珍しいね」
クロワール
「まあな。 こいつにとっては珍しい虫を捕まえりゃあそれでいいんだろうが、
オレにとってはその分本の中のスペースが狭くなっからいい迷惑だぜ。
ただでさえ、こうして封印されて自由がきかねえってのによ・・・」
今さらかもしれないけど、ネプテューヌさんのあのノートって、一体なんなんだろう?
ノートに捕らえた生物の能力を使えるなんて、どう考えても普通じゃない。
もしかして、あれも
ネプテューヌ(大)
「あの時見た虫、まだいるかなぁ?
ここにいてくれるといいんだけど・・・」
エルク
「ねえ、ネプテューヌさん。
その虫って、どんな虫なの?」
ネプテューヌ(大)
「えーっとね、キレイな羽を持ってて、あとキラキラ光ってたよ。
きっとあれは、まだ見ぬ超激レアな虫に違いないよ!
わたしの昆虫ハンターとしての勘がそう言っている!」
エルク
「綺麗な羽を持った光る虫か・・・。
確かに、新種虫かもしれないね!
なんだか僕もワクワクしてきたよ!」
ネプテューヌ(大)
「でしょでしょー!
やっぱりエルくんって、話がわかるねー!」
クロワール
「単純だな、こいつらは。
虫なんかのどこがいいんだよ」
ユリウス
「ふむ、光る虫か・・・」
クロワール
「どうしたんだ、ユリウスの旦那?」
ユリウス
「いや、少し気になることがあってな」
ネプテューヌ(大)
「気になることって、わたしたちが探してる虫のこと?」
ユリウス
「ああ、以前見掛けたことがあるかもしれん」
エルク
「そうなんだ。
でも、ユリウスが知ってるとなると、新種じゃないかもしれないね」
ネプテューヌ(大)
「それはそれで、ロマンに欠けるんだけどなぁ・・・」
エルク
「はは、とにかくその虫を探してみようよ。
新種かどうかは別として、どんな虫なのか楽しみだね」
ネプテューヌ
「そうだね。
それじゃあ、行こっか」
その綺麗な羽を持った光る虫を探しに、僕達はバーチャフォレスト内を歩く。
僕は虫に詳しくないけど、それがとても珍しい虫だということは分かる。
光る虫と言えば蛍なんてそうだけど、特徴が一致しないからこれは違う。
皆でそう思い、そんな話をしていると、クロワールがなにかを見つけたようだ。
クロワール
「おい、見ろよ、あれがそうじゃねえか?」
ネプテューヌ(大)
「え、どこどこ? あ、いたいた!
エルくん、あれだよ! わたしが見たっていう虫は!」
エルク
「どこ?」
ネプテューヌ(大)
「ほら、あそこの木の枝にとまってるあれだよ!」
そう言ってネプテューヌさんが指をさした先を見ると、
確かに一本の木の枝に、一匹の虫がとまっていた。
ネプテューヌさんの言う通り、その虫は虹色に光っていて、
蛍の光とは比べのもにならないほどの美しさだった。
あれほど美しい虫なら、昆虫ハンターのネプテューヌさんはもちろん、
昆虫マニアやコレクターなら喉から手が出るほど欲しいんだろうな。
ネプテューヌ(大)
「見つけたのいいけど、どうやって捕まえよっか?
このまま近付いたら絶対逃げられるよね?」
エルク
「そうだね・・・。
ねえ、クr「やんねえぞ、オレは」いや、まだなにも言ってないじゃないか・・・」
クロワール
「どうせオレに、あの虫を捕まえてこいってんだろ?
言われなくても分かるっての」
ネプテューヌ(大)
「お願い、クロちゃん。
分かってるんなら協力してくれないかな?」
クロワール
「オレは別にあれに興味ねえからな。
オメェらに協力してやる義理なんてねえよ」
ネプテューヌ(大)
「もう、クロちゃんの意地悪・・・」
ユリウス
「仕方ない、ここは私が行こう」
ネプテューヌ(大)
「いいの、ユーくん?」
ユリウス
「ああ、私も個人的に確かめたいことがあるのでな。
一度見ておきたい」
エルク
「分かった。
それじゃあよろしくね、ユリウス」
クロワール
「よかったな、ネプテューヌ。
ユリウスの旦那が捕まえてくれるってよ」
ネプテューヌ(大)
「うん、ありがとう、ユーくん!」
ユリウス
「では、行ってくる」
ユリウスは僕の元を離れ、徐々に虫に近付いていく。
しかし、本来なら警戒心の強いはずなのに一向に逃げようとしない。
女神様と縁のない者にはユリウスの姿は見えないから、ひょっとして、それでだろうか?
相手は虫だけど・・・。
ネプテューヌ(大)
「でも、こうして見るとユーくんもあの虫と同じに見えるね」
クロワール
「ははっ、確かにな。
だから同じ仲間だと思われてんじゃねえか?」
ネプテューヌ(大)
「あははっ、確かにね」
エルク
「ふ、二人共・・・」
まあ、二人の言っていることは分からなくはない・・・。
ユリウス
「(よし、もう少しだ・・・!)」
ネプテューヌさんとクロワールがそう話しているうちに、
ユリウスは例の虫との距離を詰めて行く。
エルク
「いいよ、ユリウス。
そのままそのまま・・・!」
クロワール
「これはもう、捕まえたんじゃねえか?
なあ、ネプテューヌ」
ネプテューヌ(大)
「うん、そうだね!
さすがユーくん・・・ねっ、ねっ・・」
クロワール
「ね? どうしたんだよ、ネプテューヌ?」
なにやら、ネプテューヌさんがおかしくなった。
いや、これはひょっとして・・・。
ネプテューヌ(大)
「ねーっぷしょいっ!!」
と、ネプテューヌさんの大きなくしゃみが響く!
それによって驚いたのか、その虫はどこかへ飛んで行ってしまった・・・。
クロワール
「バ、バカヤロー!
もう少しで捕まえられそうだったってのによー!」
ネプテューヌ(大)
「ごめんごめん。
鼻がムズムズしちゃってさぁ・・・てへぺろ」
クロワール
「ったく、オメェはいつも肝心な所でよぉ・・・」
ネプテューヌ(大)
「でも、そういうクロちゃんだって最初はノリ気じゃなかったのに、
今じゃすごいハマってるじゃん」
エルク
「だね。 ユリウスがもう少しって所で捕まえられそうだった時なんて、
興奮してたもんね」
クロワール
「なっ! あ、あれは、その・・・悪ぃかよ///」
ネプテューヌ(大)
「あっ、クロちゃんが赤くなった!
かーわーいーいー!」
エルク
「確かにね。 普段からそうしてればいいのに」
クロワール
「だぁーもううるせえな!
なんなんだよ、オメェらはよ!」
エルク·ネプテューヌ(大)
「「ははは」」
クロワール
「二人して笑ってんじゃねえ!」
それにしても、この二人は本当に仲が良い。
前にネプテューヌさんから聞いたけど、自分がまだ神次元にいた時に偶然見つけて
捕まえてからの付き合いで、それから旅行と称して色んな次元に行っては
昆虫を捕まえていたようで、今まで行った次元の中には、アイドルブームだったり、
映画を撮るために本物のゾンビと戦う学園もあったらしい。
ユリウス
「すまない、逃げられてしまった・・・」
エルク
「気にしないで、ユリウスのせいじゃないよ」
クロワール
「だな。 今のは全部こいつのせいだな」
ネプテューヌ(大)
「ごめんね、ユーくん。
せっかく捕まえようとしてくれたのに」
ユリウス
「それこそ気にするな。
過ぎてしまったことは仕方がない」
ネプテューヌ(大)
「・・・ありがとう、ユーくん」
エルク
「でも、どこへ飛んで行ったんだろう?
そう遠くへは行ってないと思うんだけど・・・」
ネプテューヌ(大)
「ねえ、クロちゃん。
今あの虫がどこにいるか探せる?」
クロワール
「おう、任せろ!」
ノートに封印しているクロワールに、ネプテューヌさんがそう話し掛けると、
それに浮かんでいるクロワールの羽の模様が光出す。
・・・っていうかクロワール、完全にノリ気だね。
クロワール
「・・・ここを真っ直ぐ行った先にある、大きな木にとまってるみたいだぜ」
ネプテューヌ(大)
「さっすがクロちゃん!」
クロワール
「へへっ! ま、オレにかかればこれくらい朝飯前だぜ!」
エルク
「クロワールって、そんな能力もあるんだね」
ネプテューヌ(大)
「うん! クロちゃんはワープ能力だけじゃなくて、
生き物の生命反応を調べることができるんだよ!
どう、すごいでしょ?」
ユリウス
「確かに、いい能力だ。
捜索に大いに活躍しそうだな」
クロワール
「ま、ワープ能力はともかくこっちはあんまり使わねえからな」
エルク
「なら、今回はその能力が光ったってことだね」
ユリウス
「だが、そういった能力があるのなら、なぜはじめから使わなかったのだ?」
エルク
「確かにそうだよね? そうした方が効率がよかった気が・・・」
ネプテューヌ(大)
「なーんていうツッコミはスルーして!
せっかくクロちゃんもノリ気になったことだし、
さっそく行ってみよー!」
露骨にスルーされてしまったが、
とりあえず僕達は、クロワールの言っていた大きな木まで行くことにした。
────────────────
それからしばらく進み、クロワールの言っていた大きな木に辿り着いた僕達は、
その木を調べる。
エルク
「変だな・・・どこにもいないよ?」
ネプテューヌ(大)
「本当にこの木で間違いないの、クロちゃん?」
クロワール
「ああ、間違いねえよ。
確かにこの木からあいつを感じるぜ」
ネプテューヌ(大)
「そっかー。 なら、もう少し探してみよっか」
エルク
「・・・」
ユリウス
「どうした、エルク」
エルク
「ああ、うん。 なんだかこの木から不思議な何かを感じるんだ。
気のせいかな?」
ユリウス
「・・・そうだな。
確かに何か力のようなものを感じるな。
それがなんなのか分からないが」
エルク
「ユリウスも感じるんだね。
なら、この木って一体なんなんだろう?
ただの古い大木ってわけじゃなさそうだけど・・・」
所々にコケが生え、葉も枯れ果ててしまい今にも朽ちてしまいそうな大木を、
僕とユリウスは見ていた。
見ればただの木なんだろうが、なぜかこの木から特別な何かを感じた。
ユリウスもそれを感じるということは、
この木には何かしらの力があるということなのだろうか?
クロワール
「おい、男共、なに話してんだ?
とっととあいつを捕まえっぞ」
エルク
「ごめん、すぐ行く」
ユリウス
「クロワールも随分とやる気だな。
初めの時とは大違いだな」
ネプテューヌ(大)
「あはは。 クロちゃん、面白そうなことがあると、いつもああなっちゃうんだ」
エルク
「まあ確かに、それ以外のことはどうでもいいって感じだよね」
ユリウス
「ならば、私も気合いを入れねばな」
ネプテューヌ(大)
「って、ユーくんもやる気十分だね。
ユーくんもクロちゃんみたいになっちゃうの?」
エルク
「さあ、僕もこんなユリウスを見たことないから分からないけど、
一度取り逃がしちゃったから、今度こそ自分の手で捕まえたいんじゃないかな?
まあ、男の意地ってやつさ」
ネプテューヌ(大)
「うーん、わたしには男の人のそういうのはちょっとわからないなぁ・・・」
クロワール
「おい、みんな来てみろよ! この木、中が空洞だぜ!」
ネプテューヌ(大)
「ホントだ! なんかすごいね、こういうの!」
ユリウス
「しかし、少々暗いな・・・。
これでは身動きが取りにくいな」
エルク
「大丈夫、任せて。
- 眩しき光よ、暗き道を照らせ - ウィルオウィスプ」
僕はウィルオウィスプを唱えて、明かりを照らす。
クロワールに呼ばれて来てみれば、
まさか本当に中が空洞になっていたなんて思わなかった。
クロワール
「へー、なかなか便利なもん持ってんじゃねえか」
ネプテューヌ(大)
「ありがとう、エルくん! これでよく見えるよ!」
エルク
「どういたしまして。
それじゃあ、例の虫を探そうか」
見た目はボロボロなのに、中に入ると日の光を通さないその作りは、
まさに不思議そのものだった。
ネプテューヌ(大)
「こうして中に入ってみたけど、やっぱりいないね。
光ってるなら見立つと思うんだけどなぁ・・・」
エルク
「いや、当たりみたいだよ。 皆、上を見て」
皆に上を見るように言って光を頭上にかざすと、
そこに僕達が探している例の虫がいた。
ネプテューヌ(大)
「あ、いたいた! あんな高い所に」
クロワール
「こりゃあ、オメェとエルクには無理だな」
ユリウス
「ならば、ここは私に任せてもらおうか」
ネプテューヌ(大)
「リベンジだね? それじゃあお願い、ユーくん」
クロワール
「頼んだぜ、旦那」
ユリウス
「ではエルク、明かりを頼む」
エルク
「うん。 気を付けてね、ユリウス」
ユリウス
「ああ、分かった」
見つけたと思いきや、それは僕達のずっと上にいた。
クロワールは、イストワールさんと同じく開いた本に乗って浮いているが、
飛んでいるわけではないので届かないようだ。
しかし、ユリウスは常時浮遊している状態なのでそういった制限はなく、
そのまま上部を目指して飛んで行く。
ユリウス
「(下からは暗くて分からなかったが、小さな枝で中は大分要り組んでいるようだ。
エルクの光が無ければ突破は難しかっただろうな)」
ユリウスと虫との距離が段々縮んで行く。
ネプテューヌ(大)
「よし、もう少し!」
クロワール
「おい、さっきみたいにくしゃみすんなよ?」
ネプテューヌ(大)
「分かってるって、クロちゃん」
ユリウスの手がそれを捕まえようと手を伸ばす。
そして・・・!
ユリウス
「捕らえたっ!」
エルク
「どうやらユリウスが捕まえたみたいだよ!」
ネプテューヌ(大)
「ホント? やったー!」
クロワール
「やったな、旦那!
そのまま持ってきてくれ」
ユリウス
「分かった。」
薄暗い木の中、ユリウスの言葉が木霊し、
それによって彼が捕まえたことを知った僕達に、ユリウスは捕まえた虫を持ってきた。
そしてその光る虫を間近で見る。
ネプテューヌ(大)
「わぁーっ! キレーっ!
ホントに光ってる!」
クロワール
「たしかにこりゃあ、オレも見たことねえな」
エルク
「見た感じ蝶・・・だよね?
僕もこんな蝶は初めて見たよ」
ネプテューヌ(大)
「それじゃあさっそく・・・それーっ!」
ネプテューヌさんがノートを開くと、その虫が吸い込まれ、
空いたページにその羽の模様が浮かび上がった。
やはり元が美しいため、虹色に輝いている。
エルク
「す、凄い・・・本当に吸い込んじゃった・・・」
クロワール
「オレもこんな感じで吸い込まれちまったんだよなぁ・・・」
ネプテューヌ(大)
「ねえ、ユーくん。
結局この虫ってなんだったの?
なんか知ってるぽかったけど」
クロワール
「だよな。 で、どうなんだ?」
ユリウス
「うむ。 この虫の正式な名称はナナイロアゲハと言って、
その名の通り七色に輝く美しい羽を持った、輝光虫と言われる虫だ」
ネプテューヌ(大)
「きこうちゅう? なにそれ?」
ユリウス
「輝光虫とは、自ら輝きを発する昆虫類のことだ。
絶滅したかと思ったが、まさか個体がいたとはな・・・」
ネプテューヌ(大)
「じゃあ、この子は・・・」
ユリウス
「ああ、恐らく最後の一匹だろうな」
ネプテューヌ(大)
「そっか・・・。
だったら───それっ!」
ネプテューヌさんは、再びノートを開くと先程捕まえたナナイロアゲハを逃がした。
クロワール
「お、おい! なにやってんだよ、オメェ!
せっかく捕まえたってのによ!」
ネプテューヌ(大)
「でも、さっきユーくんが言ったように、
この子が最後の一匹だったら自然に帰した方がいいと思うんだ。
わたしの勝手な都合で捕まえるのは違うと思うしね」
クロワール
「けどよぉ・・・」
確かにネプテューヌさんの言い分は分かる。
もし、天敵がいてそれから守るために保護することも出来るけど、
もしかすると他に同じ仲間がいるかもしれない。
だからネプテューヌさんは、あえて保護ではなくそうすることを選んだろう。
エルク
「・・・うん、そうだね。
僕もそうした方がいいと思う」
ユリウス
「私も同意見だ。
しかし、この事は教会に報告するべきだ」
クロワール
「そんなの黙ってりゃ誰も気付かねえって。
なあ、今からでも遅くねえから捕まえちまえよ、ネプテューヌ」
ネプテューヌ(大)
「ダーメ! もう決めたことなんだから」
クロワール
「へいへい、わーったよ。
後悔してもしらねえからな、オレは」
エルク
「でも、確かにユリウスの言う通り、この事は教会に報告するべきだね」
クロワール
「オメェもマジメだな、エルク」
エルク
「これくらい、当然でしょ?」
今回の事で、僕もクロワールと打ち解けてきた気がする。
時々悪ぶったりするけれど、こうして話してみると根は素直なのかもしれない。
エルク
「どうする? 今日はもう帰る?」
ネプテューヌ(大)
「そうだね。 わたしの用事はもう済んだしね。
クロちゃんもそれでいい?」
クロワール
「まあ、これ以上ここにいても面白えことなんかねえし、オレもそれでいいぜ」
ユリウス
「私もそれでかまわない」
ネプテューヌ(大)
「決まりだね!
それじゃあ・・・って、あれってさっきのナナイロアゲハじゃない?」
エルク
「本当だ、一体どうしたんだろう?
何か様子が変だけど・・・」
朽ちた木の内部から出て、先程逃がしたナナイロアゲハを再び見つけた僕達。
様子が変と言うよりも、何かから逃げていると言う感じだった。
クロワール
「オメェら、気を付けろ! モンスターが来るぜ!」
クロワールの言葉と同時に、木々を薙ぎ倒しながら頭に大きな角を持った
四足歩行のモンスターが、ナナイロアゲハを追いかけるように現れた!
ネプテューヌ(大)
「な、なにあれーっ!?」
ユリウス
「どうやらあのモンスターは、ナナイロアゲハを捕食しようとしているようだな」
ネプテューヌ(大)
「なんだってー!
わたしの目の黒いうちはそうはさせないよ!
行くよ、エルくん!」
________________________________________
戦闘曲
テイルズオブイノセンス
剣を以て打ち砕け
ボス戦闘曲
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ユリウス
「二人共、気を付けろ!
体が大きな分、攻撃も強力なはずだ!」
ネプテューヌ(大)
「了解だよ、ユーくん!」
エルク
「でもまずは、あいつをこっちに引き付けないと! 輝剣·光牙!」
エルクは神威をコールして光牙を放つ。
しかし、手応えはあったがよほど腹を空かせているのか、
目の前のナナイロアゲハに夢中でエルク達を完全に無視しているようだ。
クロワール
「効いてねえのか?」
エルク
「いや、手応えはあったから効いてるはずだよ。
たぶん、あのナナイロアゲハに夢中でこっちのことなんて眼中にないだけなのかも」
クロワール
「変わったモンスターもいたもんだな。
虫なんて食って腹膨れんのか?」
エルク
「ねえ、ネプテューヌさん。
もう一度あの子をノートに封印出来る?」
ネプテューヌ(大)
「うん、任せて! それ!」
ネプテューヌがノートを開き、そこから発せられた光がナナイロアゲハを捕らえ、
再び封印する。
ネプテューヌ(大)
「ごめんね。
あいつを倒したらまた出してあげるからね」
ユリウス
「なるほど。
ノートに封印することでナナイロアゲハの安全を確保しつつ、
モンスターの注意をこちらに引き付けることが出来る」
クロワール
「へえ、オメェ頭よかったんだな」
ネプテューヌ(大)
「さっすがエルくん!」
トライデント
「グルルル・・・!」
案の定、自分の獲物を横取りされたと思ったモンスターは激怒し、
エルク達を改めて敵と見した。
ネプテューヌ(大)
「うわぁ・・・かなり怒ってるよ?
激おこだよ、激おこプンプン丸だよ?」
クロワール
「オレは戦闘向きじゃねえからな、せいぜいやられねえように気張れよ」
ユリウス
「来るぞ! エルク、ネプテューヌ!」
そのモンスター、トライデントは槍のように鋭い角を突き立てて突撃してきた!
それをエルクとネプテューヌはそれぞれ左右に飛んで回避する。
ネプテューヌ(大)
「急に突っ込んできて危ないなぁ」
エルク
「まさに猪突猛進って感じだね・・・!」
ネプテューヌ(大)
「って、エルくん! 見てよあれ!」
初撃を避けたのはいいものの、それによってぶつかったエルク達の後ろにあった木に
大きな風穴が空いていた。
クロワール
「おいおい、あんなの喰らったら・・・!」
ネプテューヌ(大)
「オーバーキルもいいとこだよー!」
ユリウス
「加えてあの巨体でなかなかの速さだ。
どうする、エルク?」
エルク
「まずはあの角を叩き折りたいところだけど、
そう簡単にはいかないみたいだね・・・」
ユリウス
「ああ、そのようだな」
ネプテューヌ(大)
「ここはわたしの射撃の見せ所だね! それっ!」
ネプテューヌは左手に持った剣を地面に突き立てて、
左足のホルスターから銃を抜いて三発撃つ。
トライデント
「ギャッ!」
ネプテューヌ(大)
「よーし、全弾当ったりー!」
トライデント
「グルルル!」
ネプテューヌ(大)
「あ、あれぇ?
なんかわたしに対するヘイトがすごいんだけど・・・?」
トライデント
「グルガァッ!」
ネプテューヌ(大)
「ってこっち来たー!」
クロワール
「はははっ、ナイス囮だな!
いつからタンクになったんだよ、ネプテューヌ?」
ネプテューヌ(大)
「人を盾役みたいに言わないでよクロちゃん!
ていうかわたしはどっちかっていうとアタッカーだよー!」
と、何の話をしているか分からないが、
先程の射撃で完全にネプテューヌをロックオンしたトライデントは、
そのまま真っ直ぐ怒号を上げながらネプテューヌに突撃する!
エルク
「- 輝け、聖なる楔 - シルバーチェーン!」
エルクはシルバーチェーンを唱え、トライデントの角にそれを巻き付け、
動きを止めようと思い切り引っ張る!
エルク
「くっ、この・・・!」
ネプテューヌ(大)
「エ、エルくん、助かったよー!」
エルク
「どう・・・いたしまして───ってうおわっ!?」
トライデントは自分の角に巻き付けられたシルバーチェーンを振りほどこうと
力任せに角を振り、それによってエルクは空中に振り回されてしまう!
クロワール
「オメェも面白えことしてんな、エルク!」
ネプテューヌ(大)
「なんてこと言ってる場合じゃないよ、クロちゃん!」
エルク
「うわわわわっ!」
ユリウス
「エルク、魔法を解除しろ!」
エルク
「そ、そっか! その手があった!」
ユリウスの言う通り、エルクは魔法を解除する。
しかし、それによって空高く放り出されて宙を舞うが、
エルクは空中で体を捻って体制を立て直して地面に着地する。
ユリウス
「大丈夫か、エルク?」
エルク
「うん、なんとかね。
でも、少し酔ったかも・・・」
ネプテューヌ(大)
「すごいね、えエルくん! 身軽だね!」
クロワール
「面白えもの見せてもらったぜ。 ありがとな!」
エルク
「・・・それはなにより」
ネプテューヌ(大)
「よーしっ! 今度はこっちのターンだよ!」
銃をホルスターに納め、手にした二刀の剣を放り投げると、
それがトライデントを斬り裂き、再び銃を抜いて撃ちながら接近する。
すると先程の投げた剣がブーメランのように戻ってきてそれをキャッチして
間髪入れず怒濤の連続斬りを繰り出す!
ネプテューヌ(大)
「トドメの───ネプニカルコンビネーション!」
そして、二刀の剣でそれと同時に斬り抜けると、
トライデントの胴体にX字の傷ができ、苦しみ出す。
ネプテューヌ(大)
「ふっふ~ん♪ どう、決まったでしょ?」
クロワール
「バカヤロー! ネプテューヌ、後ろだ!」
ネプテューヌ(大)
「へ? きゃあっ!!」
クロワールの言葉で後ろを向くと、
トライデントの後ろ両足の馬キックで、ネプテューヌを蹴り飛ばす!
しかし、咄嗟に二刀の剣で防御したためダメージこそ少ないが、
その衝撃で崖まで押し出され、ネプテューヌは必死にしがみつく!
ネプテューヌ(大)
「わわっ! お、落ちるー!」
てかなんでここ崖になってるのー!?」
エルク
「ネプテューヌさん! くっ!」
トライデント
「グルルル・・・!」
ネプテューヌを助けに行こうとするエルクを妨害するように、
トライデントは彼の前に立ちはだかる!
トライデント
「シャアッ!」
その鋭い角を槍のように突き出しながら、次第にエルクを追い詰める。
そして、背中に木が当たって一瞬の隙ができたエルクに、
トライデントは串刺しにしようと容赦なく迫る!
ユリウス
「エルク!」
エルク
「くっ、なんの!」
しかし、エルクはそれをしゃがんで回避する。
始めの時とは違って、角が木に深く突き刺さって身動きが取れないようだ。
今がチャンスと思ったエルクは、すかさず攻撃を仕掛ける!
エルク
「圧殺の一撃! 波濤断破ッ!」
逆手に持った神威を納刀し、その鞘に纏わせた水圧で繰り出された強力な一撃で
トライデントの角は大きな音を立てて真っ二つになった!
エルク
「六ノ型·散華ッ!」
それによって怯んだトライデントに散華を繰り出し、追撃を加える!
エルク
「トドメだ! 一ノ型·咆哮ッ!」
トライデント
「ギャアァァァッ!」
最後に咆哮でトドメを刺し、トライデントは光の粒子となって消滅した。
クロワール
「おお、やりやがった!」
ネプテューヌ(大)
「え、なになに? 何が起きてるの?」
クロワール
「エルクがあのモンスターを倒したんだよ!
よかったな、仇を討ってもらえてよ」
ネプテューヌ(大)
「うん、これでわたしも安らかに───って、まだ死んでないよ!
てか早く助けてよ、クロちゃん!」
クロワール
「へいへい、世話が焼けんな───って、結構重いな、オメェ」
ネプテューヌ(大)
「お、重くないもん!
クロちゃんが貧弱なんじゃない!?」
クロワール
「んだとー! そういうオメェこそ少しは痩せやがれ!」
ネプテューヌ(大)
「な、なんだとー!
乙女に向かってなんてことをー!」
クロワール
「うわっ! おいバカ、暴れんじゃねえ!
落ちるだろうが!」
クロワールの言葉に怒るネプテューヌ。
ネプテューヌ(大)·クロワール
「「あっ」」
その時、ネプテューヌが掴んでいた崖の一部が崩れ、
そのままクロワールと共に海へと落ちて行く。
ネプテューヌ(大)
「うわわー! 落ちてる落ちてるー!
現在進行形で落ちてるー!」
クロワール
「お、おい、放せ!
なんでオレまでオメェと一緒に落ちなきゃならねえんだ!」
ネプテューヌ(大)
「逝く時は一緒だよ、クロちゃん・・・」
クロワール
「こんな時にふざけてる場合かー!」
もう駄目だ、海に叩き付けられる。
それだけではなく、その先には鋭く尖った岩があり、
この高さから落ちてそれらに打ち付けられたら
最悪・・・いや、間違いなく死んでしまうだろう。
ネプテューヌ(大)
「(こんなことなら、もっと色んな虫を見てみたかったなぁ・・・)」
クロワール
「くそっ! ゲートを開こうにも間に合わねえ!」
二人の前に、海面が迫る!
ネプテューヌ(大)·クロワール
「「も、もうダメだーー!!」」
二人は互いに抱き合い、その時を覚悟し目を瞑った。
エルク
「ネプテューヌさーーん!」
しかし、自分達を支える何かによってそれは免れた。
ネプテューヌ(大)
「あ、あれ・・・?
わたしたち、生きてる・・・?」
エルク
「うん、もう大丈夫だよ、二人共」
ネプテューヌ(大)
「エ、エルくん!? どうやってここまで!?」
エルク
「それは、これさ」
ネプテューヌさんにそう聞かれ、自分の右手を見るように言うと、
崖の上にあった大きな岩にシルバーチェーンを巻き付けて、
バンジージャンプのように飛び込み、左腕で二人を抱きかかえていた。
エルク
「それにしても間一髪だったね。
・・・ネプテューヌさん?」
ネプテューヌ(大)
「こ、怖かったよー!
ありがとー、エルくーん!」
ネプテューヌさんは、僕の背中に両腕を回して強く抱き締める。
エルク
「・・・うん、怖かったよね、ネプテューヌさん。
だけど、もう大丈夫だから」
ネプテューヌさんはネプテューヌに比べて背が高くて大人っぽいけど、
こうしてみるとやっぱり普通の女の子なんだなって思った。
でも、冷静に考えてみるとお互いに密着してるってことになる。
甘い香りに柔らかい体、そしてそこから覗く胸の谷間が見えて、結構ヤバい・・・。
エルク
「そ、それじゃあネプテューヌさん、上がるからしっかり掴まっててね」
ネプテューヌ(大)
「う、うん・・・///」
そして、ネプテューヌさんと気絶しているクロワールをかかえて
右手から出したシルバーチェーンを少しずつ短くしながら崖を登って行く。
───────────────
ユリウス
「三人共、大丈夫か」
ネプテューヌ(大)
「うん、なんとかね・・・。
エルくんのお陰で助かったよ」
クロワール
「う、う~ん・・・はっ!」
ネプテューヌ(大)
「あ、クロちゃんが起きた」
エルク
「大丈夫、クロワール?」
クロワール
「・・・死んでねえみたいだな。
オメェが助けてくれたのか、エルク?」
ネプテューヌ(大)
「そうだよ、クロちゃん。 ほら、お礼を言って」
クロワール
「その・・・次からはもっと早く来いよな。
怖かったんだからな・・・」
ネプテューヌ(大)
「もう、素直じゃないんだから・・・。
ごめんね、エルくん」
エルク
「ううん、気にしてないよ、ネプテューヌさん。
僕も二人を助けることが出来てよかったよ」
ネプテューヌ(大)
「ありがとう。 エルくんって優しいんだね。
それに、わたしたちを助けに来てくれた時のエルくん、かっこよかったよ」
エルク
「そ、そうかな///?」
クロワール
「なにオメェら二人してイチャついてんだよ」
エルク
「べ、別にイチャついてなんて・・・!
そもそも僕とネプテューヌさんはそんな関係じゃないよ!
ねえ、ネプテューヌさん? ・・・ネプテューヌさん?」
ネプテューヌ(大)
「べっつに~?
なにもそんなに必死に否定しなくてもいいじゃん。
エルくんのバカ・・・」
エルク
「エ? な、なんで怒ってるの?」
腕を組んで頬を膨らませてそっぽ向き、
まるで拗ねた子供のようにそう言うネプテューヌさん。
・・・なぜ、怒っているのだろうか?
ユリウス
「・・・まあ、なにはともあれ、無事でよかったな」
クロワール
「たしかにそれはよかったけどよ、結局なんの収穫なかったな」
エルク
「そうでもないよ、クロワール。
ほら、あれを見て」
クロワール達が僕が指をさした方向を見ると、
モンスターを倒して解放したナナイロアゲハが、僕達の所まで戻ってきた。
すると頭上で円を描くように回ると、キラキラ光るものが僕達に降り注ぐ。
クロワール
「なんだ? この光ってんのは?」
ネプテューヌ(大)
「わー! すごーい!」
ユリウス
「これは、ナナイロアゲハのリンプンだな」
クロワール
「なんだよ、そりゃ?」
ユリウス
「ナナイロアゲハのリンプンには回復効果があり、その昔に高値で取引され、
絶滅してしまったと聞いたことがある」
エルク
「それって、それを目的とした乱獲されてそうなったってこと?」
ユリウス
「ああ、そうだ」
ネプテューヌ(大)
「ひどい・・・」
クロワール
「でもよ、それで助かったヤツもいるんだろ?」
ユリウス
「ああ、それも事実だ。
しかし、どうやら彼がその少ないうちの一匹のようだな」
クロワール
「けど、なんでアイツ、オレたちのとこに来たんだ?
一度捕まってせっかく逃がしてくれたってのによ」
ネプテューヌ(大)
「たぶん、わたしたちに助けてくれてありがとうって言ってるんだと思うよ」
エルク
「・・・うん、そうだね。
僕にもこの子のその気持ちが伝わってくるよ」
ユリウス
「ああ、そうだな。 さあ、同胞達の所へ行くがいい」
ナナイロアゲハは、ユリウスの言葉を理解したように飛び去って行った。
ネプテューヌ(大)
「行っちゃったね・・・」
エルク
「無事に仲間達に会えたらいいね」
クロワール
「でもまあ、オレとしてはちと残念だったけどな」
エルク
「クロワール、最初と言ってたことと真逆だよ?」
クロワール
「あん時はあん時だ。
オレは面白けりゃなんでもいいんだよ」
エルク
「自由だね、君は」
クロワール
「悪いかよ?」
エルク
「いや? むしろそれがクロワールの魅力なのかもね」
クロワール
「はぁ? な、なんだよ、魅力って!
オレにそんなの必要ねえっての」
エルク
「そんなことないと思うんだけどなぁ。
ねぇ、ネプテューヌさん?」
ネプテューヌ(大)
「そーそー、何者にも縛られないフリーダムなスタイルってね!
それに、クロちゃんは可愛いんだから女の子らしい格好すればいいと思うよ!」
クロワール
「ったく、なんなんだよオメェら二人してオレをからかいやがって!
もうしらねぇー!」
そう言い残すと、クロワールはノートの中に戻った。
どうやら自分の意思で戻ることも出来るようだ。
ネプテューヌ(大)
「あらら、ノートに籠っちゃった。
ちょっとからかいすぎたかな?」
エルク
「まあ、いいんじゃない? たまにはさ」
ネプテューヌ(大)
「あはは、そうだね」
エルク
「でも、ネプテューヌさん、本当によかったの?
あれだけ捕まえるって言ってたのに逃がしちゃって」
ネプテューヌ(大)
「うん、いいんだ。
エルくんもユーくんの話を聞いてたでしょ?
もしわたしがあの子を捕まえたら、その人たちと同じになっちゃうからね」
エルク
「ネプテューヌさん・・・」
ネプテューヌ(大)
「それに、あの子は仲間たちと一緒にいた方が幸せだと思ったんだ」
エルク
「・・・そうだね。
僕もこうしてネプテューヌさんと一緒にいて楽しいし、幸せだしね」
ネプテューヌ(大)
「っ!?/// も、もう!
どうして君は平気でそんなこと言えるかなぁ!?」
エルク
「エっ!? ど、どうしてって、ただそう思ったから・・・」
ユリウス
「ネプテューヌ、エルクはこういう男なのだ」
ネプテューヌ(大)
「な、なるほど・・・これがたらしってやつだね」
エルク
「た、たらしっ!? 僕は別にそんなんじゃ・・・って、ユリウス!
誤解されようなこと言わないで!」
ユリウス
「私は事実を言っているだけなのだがな?」
エルク
「・・・ユリウスって、たまに意地悪になるよね・・・」
ユリウス
「さあ、なんのことだ?」
ネプテューヌ(大)
「こうして見てみると、ホントにエルくんとユーくんって、仲が良いんだね」
エルク
「まあ、ユリウスとはあの遺跡での出来事からずっと一緒にいるからね」
あれ以来、ユリウスは僕のよきパートナーである。
戦闘時に冷静なアドバイスをしてくれる、僕の大切な相棒だ。
ネプテューヌ(大)
「そういえばそうだね。
わたしとクロちゃんの関係みたいなものかな?」
ユリウス
「まあ、そんなところだな」
エルク
「じゃあ、ここでの目的は果たしたし、今日はもう帰ろうか?」
ネプテューヌ(大)
「そうだね。 流石のわたしも疲れたよ~」
ユリウス
「それでは、私も休ませてもらうとしよう」
ネプテューヌ(大)
「今日はありがとう、ユーくん」
ユリウス
「私も久々に楽しむことが出来た。
こちらこそ礼を言う、ネプテューヌ」
そう言ってユリウスは、光となって僕の中へ戻った。
ネプテューヌ(大)
「でも、 何度見ても不思議だよね。
ユーくんって、ホントにエルくんの中にいるんだね」
エルク
「正確には僕に宿ってるホーリィクリスタルに、だけどね」
ネプテューヌ(大)
「そうだったね。
体の方はなんともないの?」
エルク
「最初は不思議な感覚だったけど、
今じゃこれが当たり前って感じで、特になにもないかな」
ネプテューヌ(大)
「確かにエルくんとユーくんはいつも一緒にいるもんね。
それじゃあ帰ろっか?」
エルク
「うん」
日が暮れて夕方になり、僕達は教会に帰るため歩き出す。
そしてその道中・・・。
ネプテューヌ(大)
「ねえ、エルくん。
しつこいかもしれないけど、さっきは助けてくれてありがとう。
あの時、エルくんが来てくれなかったら、
わたしとクロちゃんは間違いなく海の藻屑になってたよ」
エルク
「も、藻屑って・・・。
僕も間に合って本当によかったよ」
ネプテューヌ(大)
「でも、まさかエルくんまで飛び込んでくるなんて思わなかったよ。
怖くなかったの?」
エルク
「・・・正直とても怖かったよ。
それでも、ネプテューヌさん達にもしものことがあったらと思うと、
僕はそっちの方が怖かった・・・。
だから気付いた時には体が勝手に動いてたんだ」
ネプテューヌ(大)
「そっか・・・。
やっぱり、エルくんはカッコいいよ」
エルク
「あ、ありがとう。
でも、僕はただ・・・」
ネプテューヌ(大)
「うん、分かってる。
だからこれは、そのお礼だよ───ちゅっ」
そう言うとネプテューヌさんは、僕に近付いて右頬にキスをした。
エルク
「ちょ、ちょちょ、ネプテューヌさんっ!?///」
ネプテューヌ(大)
「言ったでしょ? お礼って・・・」
エルク
「い、いや、だからって・・・///」
ネプテューヌ(大)
「わ、わたしも自分からしておいてなんだけど、
急に恥ずかしくなってきちゃったよー! うひゃー!///」
と、顔を赤くして両手を頬に当てて恥ずかしがるネプテューヌさん。
キスされたなんて、これで二度目だ。
ネプテューヌ(大)
「エルくん、顔真っ赤だよ?」
エルク
「そういうネプテューヌさんだって、真っ赤だよ?」
エルク·ネプテューヌ(大)
「「・・・///」」
僕達はお互いに黙り込んでしまい、その沈黙の中、教会へと帰るのであった・・・。
ネプテューヌ(大) side
わたしとクロちゃんが崖から落ちた時、エルくんは自分も怖いって思ってたのに、
そんな恐怖と危険を省みずにわたしたちを助けてくれた。
怖かったけど、わたしとクロちゃんにもしものことがあったらそっちの方が怖いって、
今までそこまで言ってくれたことなんてなかった。
エルくんのこと思ってたり、考えてたりしてると、
心が温まるこの感じって恋って言うのかな?
・・・たぶん、そうだと思う。
わたしはエルくんのことが好きになったんだね。
きっと、小さいわたしもみんなもエルくんが好きなんだろうなぁ・・・。
って、ライバル多いけど、わたしだって負けないよ!
だって、わたしにとってこれが男の子を好きになった初恋なんだから!
このことをクロちゃんが聞いたら、似合わないって笑われるかな?
ネプテューヌ(大) sideend
そして、教会に帰って今日のことをネプテューヌ達に話したら、
ネプテューヌとネプギアが少し不機嫌になったのはなんでだろう?
クリスマス、大晦日などリアルで忙しかったため投稿が遅れてしまいました・・・。
今年も、光ネプをよろしくお願いします!
・・・今年はもっと投稿数を増やすよう頑張りたいと思います・・・。