光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~ 作:EDENCROSS
《前回までのあらすじ》
渓谷での戦いを終えたエルクとロティはプラネテューヌに向かう中、
ネプテューヌ達は一足先にプラネテューヌに到着していた。
ネプテューヌside
ネプテューヌ
「プラネテューヌにとうちゃーく!
第二の故郷よ! わたしは帰ってきたー!」
ノワール
「ちょっと、恥ずかしいからやめなさいよネプテューヌ!」
はい、ここからは今作の主人公にしてメインヒロインであるわたしが語りを務めるよ!
あのゲートの中でエルくんと別れたわたしたちは、
一足先にプラネテューヌに着いたんだ!
わたしの国に似てるこの近未来的な街並みがまた懐かしいな。
ケーシャ
「これから真っ直ぐ教会へ向かうんですか、ネプテューヌさん?」
ネプテューヌ
「そうだね。 ここにいても何も始まらないし、さっそく行こう!」
わたしたちは、さっそく教会へ向かうことにした。
でも本当に久しぶりだなぁ。
ぷるるんにぴー子にいーすん、みんな元気にしてるかな。
今から会うのがとっても楽しみだよ!
━ プラネテューヌ教会 ━
ネプテューヌ
「みんなー久しぶりー! 元気にしてた?」
???
「ねぷてぬー!!」
ネプテューヌ
「ぐふぇっ!」
プラネテューヌ教会に入って声をかけたと同時に、
もはや恒例と言っていいほど強力強烈ななタックルが飛んできた!
ネプギア
「お、お姉ちゃんっ!?」
うずめ
「おいおい大丈夫か、ねぷっち?」
ネプテューヌ
「いたたた・・・。
相変わらずのタックルだね、ぴー子。
ってかさらに強くなってない?」
シーシャ
「ネプテューヌちゃん、誰だい?
このバイタリティー溢れる元気な女の子は?」
ネプテューヌ
「あ、そっか。
新規に参戦したシーシャ達は知らなかったっけ?
この子はピーシェ、ぷるるんと同じくわたしの心の友と書いてマブダチにして、
女神のイエローハートだよ!」
ぴー子にタックルで押し倒され、わたしに馬乗りになっている状態でも
きちんと紹介できるわたしって、まさに主人公兼メインヒロインの鏡だよね! ドヤァ!
???
「わ~ねぷちゃん、久しぶり~!」
ネプテューヌ
「あ、ぷるるんっ! うん、久しぶりー! 元気にしてた?」
ぴー子に続いて、青紫色の三つ編みの女の子がわたしの名前を呼びながらやって来た。
わたしとぷるるんことプルルートは、お互いに手を取ってぴょんぴょん跳ねながら
久しぶりの再開を喜んだ。
ラム
「ピーシェ、いい子にしてた?」
ロム
「ピーシェちゃん、ひさしぶり」
ピーシェ
「おーっ! ろむ、らむ、ひさしぶりー! ぴぃはいつもいい子だよ!」
イーシャ
「・・・ネプテューヌさん達にとって、久しい再開のようですね」
ノワール
「まあ、あの時から猛争事件やその収拾で忙しくてなかなか会えなかったからね。
ネプテューヌがあんなにはしゃぐのも無理ないわ」
ネプテューヌ
「ねえねえぷるるん、いーすんは?」
プルルート
「うん、いるよ~。 いーすん~、ねぷちゃんたちが来たよ~」
イストワール(神)
「はい、お待ちしておりました、ネプテューヌさん。
そして超次元のみなさん」m(_ _)m
ぷるるんに呼ばれて、いーすんがやって来た。
超次元のいーすんは大人びた感じだけど、こっちのいーすんは小さくてロリっぽい感じなんだ。
でも仕事しろ仕事しろってうるさいのは超次元と同じなんだけどね。
イストワール(神)
「あなたが、超次元のわたしが言っていたユリウスさんですね?」(・_・?)
ユリウス
「ああ。 イストワール、今回の件、本当に感謝s「わー、キラキラひかってるー!」む?」
プルルート
「ホントだ~、きれ~!ユリウスさんっていうの~?
あたしはプルルート~、よろしくね~」
ピーシェ
「ぴーはね、ぴーっていうんだよー!」
ネプテューヌ
「ぴーじゃわからないよ、ぴー子。 ピーシェ、でしょ」
ピーシェ
「ぴーは、ピーシェー!」
イストワール(神)
「すみません、ユリウスさん、なんだか騒がしくて・・・」\(_ _)
ユリウス
「いや、気にしないでくれ。 そなたが謝ることではない」
イストワール(神)
「ありがとうございます。 そういえば彼はどこに?」(・д・ = ・д・)
ユリウス
「・・・エルクなら、この次元に来る途中ゲートの中で起きたある事情ではぐれてしまった」
イストワール(神)
「そう・・・ですか。
エルクさんは無事なんでしょうか?」(;゚Д゚)
ユリウス
「エルクに宿るホーリィクリスタルを通じて分かる。
少なくとも命に別状はないようだ。
不幸中の幸いと言うべきか、エルクもこの場所を目指しているはずなのだが・・・」
イストワール(神)
「そうですか・・・。
では彼が来るのを待つだけということですね」
ユリウス
「ああ・・・」
ユーくんはいつも冷静だから、こういう時もクールでいるんだろうけど、
心の中じゃエルくんのことをとても心配してるんだろうな・・・。
もちろんそれはわたしたちも同じだけどね。
プルルート
「ねえねえ、そのエルくんってどんな人なの~?」
ネプテューヌ
「んーとね、女の子みたいな顔と綺麗な緑髪でとても優しい男の子だよ。
それでね、困った時は助けてくれてとても頼りになるんだよ!」
プルルート
「そうなんだ~。 あたしもねぷちゃんのお友達に会ってみたいな~」
ネプテューヌ
「ぷるるんもすぐに仲良くなれるよ。ねえうずめ」
うずめ
「ああ、そうだな。 っと自己紹介がまだだったな。
俺は天王星うずめ。 よろしくな、ぷるっち、ぴーしぇっち」
プルルート
「うん、よろしくね~うずめちゃん~」
ピーシェ
「あー! おっきいねぷてぬがいるー!」
プルルート
「わ~本当だ~! ねえねえ、あなたもネプテューヌっていうの~?」
ネプテューヌ(大)
「やっぱり分かっちゃうかー。そうだよ、わたしはネプテューヌ。
次元を股にかける昆虫ハンターだよ!」
プルルート
「お~、カッコいい~!」
シーシャ
「自己紹介というのなら、アタシ達もだね。
アタシはシーシャ。 超次元ではハンター兼ゴールドサァドをやっている。
よろしくね、ふたりとも」
ビーシャ
「わたしはビーシャ。同じくゴールドサァドだよ。
よろしくね、プルルート、ピーシェ」
エスーシャ
「同じくゴールドサァドエスーシャだ。 よろしく頼む」
イーシャ
「イーシャと言います。 よろしくお願いします」
ケーシャ
「ケーシャです。 わたしも皆さんと同じくゴールドサァドをしています。
仲良くしてくださいね」
プルルート
「うん、こちらこそよろしくね~」
ピーシェ
「よろしくー!」
ノワール
「ねえプルルート、そういえばこっちの私達はどうしてるの?」
プルルート
「ノワールちゃんたちはお仕事で忙しいんだって~。
なんか黒くて変なモンスターが出るようになったらしくて大変なんだって~」
イストワール(神)
「
暗黒エネルギーのようなもののことですか?」(-ω- ?)
イーシャ
「どうやらクロノスがこの次元に来ているのは間違いないみたいですね」
ピーシェ
「たとなす~? ねぷてぬ、なにそれ?」
ネプテューヌ
「たとなすじゃなくて
ユリウス
「
人間の持つ負の感情によって生み出される邪悪な力の事だ。
そしてそれに侵蝕されたモンスターは
通常の手段では倒す事が出来ないのだ」
プルルート
「それじゃあ、そのモンスターは倒せないの~?」
イストワール(神)
「通常の手段では倒せないとなると、確かにそれは脅威ですね・・・」(-_-;)
ピーシェ
「みんななにか知ってるの?」
ユリウス
「ああ、本来ならエルクと合流してからその事を話すつもりだったが、
そなた達には事前にホーリィクリスタルと
ユーくんは、ぷるるんたちに簡単に説明した。
わたしも♯5の時に聞いたけど、むずかしくていまいちわからなかった。
あ、ちなみにこっちのいーすんの名前の横に(神)ってつけて
向こうのいーすんと区別化してるからね!
ネプテューヌsideend
えっ!? ちょっと待って!
わたしの語りってもう終わりなの!?
こういうのって本当に久しぶりなんだから、もうちょっとやらせt───
ネプテューヌsideend!!
エルクside
ロティ
「さあ、着いたよ師匠! ここがプラネテューヌだよ!」
ワイバーンを倒して無事に渓谷を抜けた僕とロティは、
ようやくプラネテューヌに到着した。
超次元のと比べてもあまり大差はなく、こちらも技術の進んだ未来都市って感じだ。
エルク
「ここまでありがとう、ロティ。 もう道案内は大丈夫だよ」
ロティ
「いや・・」
エルク
「エっ?」
ロティ
「ここで師匠とお別れなんていやだ!
やっと師匠の弟子になれたのに、1日も経たないうちになんて・・・」
エルク
「ロティ・・・」
ロティ
「それに、まだギルドに報告してないしもっと一緒にいてもいいでしょ?」
エルク
「うん、そうだね。
僕もここに来たばかりで教会までどう行けば分からないし、引き続き頼むよ」
ロティ
「そうこなくっちゃ!」
悲しんだと思いきや、今度は喜ぶと表情が豊かな子だな。
確かに僕は自分を弟子にしてくれと懇願してきたロティを受け入れてそうした。
もちろん今後の僕達の行動を考えた上で判断した。
でもそうなると今度はこの事を皆にどう説明しようか悩む。
しかしそんな中、僕はロティにひとつ確認しておきたい事があった。
エルク
「ねえロティ、君に家族はいるの?」
ロティ
「・・・いないよ。 パパもママも事故で死んじゃったから・・・」
エルク
「あっ、ごめん・・・」
ロティ
「師匠が気にすることじゃないよ。
それに昔のことだし、あたしならもう大丈夫だからさ」
まだ子供ながらに家族を亡くしても明るく振る舞い、
毎日人々のためにモンスターと戦っているなんて、心身共に強い子なんだな。
僕も彼女を見習って強くならなければ。
ロティ
「あ、そうだ。 教会に行く前にギルドに寄って報告したいんだけど、いいかな?」
エルク
「うん、もちろんだよ。 それじゃあ行こうか」
ロティ
「うんっ!」
───────────────
━ プラネテューヌ ギルド ━
受付
「討伐お疲れ様でした。 こちらが今回の報酬になります」
僕達はギルドに着くなり早速手配モンスターの討伐を報告した。
ロティは受付嬢に報告して報酬を貰った。
額にして2万クレジットだ。
しかし、ギルドと言うだけあって結構なハンターと冒険者の数だ。
ある者はパーティを組んでクエストへ行き、ある者は報酬を受け取って喜び、
またある者はどのクエストを受けるかクエストボードを見て迷っている。
超次元のギルドも同じようにハンターや冒険者達だけでなく、
依頼を出すために一般人や、時には小さな子供も来ていた。
ロティ
「ありがとうございます!」
エルク
「これで一段落だね、ロティ」
ロティ
「うん! それもこれも全部師匠のお陰だよ! 本当にありがとう!
よかったらこれ、感謝の気持ちとして受け取ってよ」
そう言うとロティはその報酬の入った封筒を僕に手渡してきた。
エルク
「・・・いや、これは受け取れないよ。
だってこれは君自信の意思と力で得たものなんだから」
ロティ
「師匠・・・」
ロティは「ありがとう」と言い、受け取った報酬をポーチにしまった。
???
「おや? そこにいるのは自称ハンターのロティちゃんじゃないか。
今日もハンターごっこで忙しそうだねぇ。 ふっふっふ」
そんな時、無駄に装飾の多い派手な防具を身に付けた金髪の少年が絡んできた。
見た感じ僕と同い年くらいだろうか。
ロティ
「げっ! あんたは・・・!」
エルク
「ロティ、知り合い?」
ロティ
「うん。 前に話したと思うけど、ギルドであたしを馬鹿にしてくる
ヤツがいるっていったよね? 他にもいるんだけど、特にこいつがそうなの」
???
「まったく、こんな子供が遊びでハンターをやっていては、
僕達本物のハンターの質が下がってしまうというものさ。
皆もそう思うだろ?」
エルク
「なんて言ってますけど?」
中年ハンター
「ああ気にすんな、言わせとけばいいんだよ。
アイツはここいらじゃあ有名な金持ちの息子、つまりボンボンだからな」
青年ハンター
「大方誰も請けようとしなかった危険種モンスターを討伐したのが面白くないだけだろ?」
ロティ
「ごめんね師匠、こんなヤツに会わせちゃって・・・」
エルク
「君のせいじゃないよ、ロティ」
???
「師匠? ハッ、これは面白い!
ハンターごっこの次はそこの彼に弟子入りかい?
君も苦労するねぇ、こんな遊びでハンターをやっているようなお子様を弟子に持つとさ。
どうせロティが無理矢理君n「ねえ、そう言う君こそ誰?」・・・は?」
無駄に口数の多い金髪の少年がハンターを黙らせるように彼の言葉を遮り、
僕は口を開いて言葉を続ける。
エルク
「君がどこの誰でどれ程の実力者か知らないけど、この子の力は本物だよ。
実際僕の目の前でワイバーンを倒したんだから」
???
「ワ、ワイバーンをっ!? 嘘だ! そんな馬鹿な・・・!」
エルク
「嘘? なんで嘘って分かる。
君はロティがモンスターと戦っている所を見たことがあるのか?」
???
「そ、それは・・・」
エルク
「もし、仮に君の言う通り遊びでやってるなら周りのハンター達のロティに対する評価は
どう説明する? 一部のハンター達はロティに何て言ってる知らないけど
この子の事を何も知らないで侮辱するのはやめろっ!」
ロティ
「・・・」
ハンター達
「「「「「・・・っ」」」」」
目の前にいるフリードだけでなく、その場に居合わせたハンター達にも聞こえるように
僕はわざと大きな声でそう言う。
???
「な、なんだよ急に・・・弟子の前だからって偉そうにっ!
どうせ君だって大したことないんだろ!
そうだ、そうに違いない!」
自分のなんの根拠もない勝手な決めつけで好き勝手な事を言っている彼に呆れた僕は、
溜め息を吐いて何も言い返さずにその場を離れようとした。
ロティ
「は? あんた何言ってんの? あたしの師匠は強いよ。
あんたなんて足元にも及ばないくらいね」
その時、ロティは僕の腕を掴んで少年に言う。
???
「ふっ、あははははっ! それは一体何の冗談だい?
君みたいに遊びでハンターをしてる子供を弟子に取る人の実力なんてたかが知れてるよ!」
ロティ
「そんなに言うなら、師匠と勝負してみる?」
と、笑いながら右手で前髪を靡かせる少年にロティはそう言い返す。
???
「なんだって?」
ロティ
「だから、そんなに言うなら勝負してみるかって言ってんの。
人のことを大したことないとかなんとか言ってるくせに、まさか逃げる気?」
フリード
「逃げるだって? この僕が? いいよ、いいだろう!
そこまで言うなら相手をしてやろうじゃないか!
僕はフリード、君は?」
エルク
「エルクだ」
フリード
「じゃあエルク、僕の名前を覚えておくといい!
将来このプラネテューヌの重役を担い、ハンター達の頂点に立つ男の名前をね!」
プラネテューヌの重役・・・幹部といったところか。
それにしてもそれとハンターの頂点───ゴッドハンターと言ったか
それは確かな実力と実績を持ち、数多の困難に立ち向かい多くの人々を救った
ごく一握りのハンターに送られる称号だと、以前シーシャさんから聞いたことがある。
別に彼を見下しているわけではないが、とてもそれに、なれる器のある男とは思えない。
そもそも幹部とゴッドハンターは両立できるものなのだろうか?
ロティ
「ゴッドハンターって、あんたが? それこそ無理ってもんでしょ」
フリード
「うるさいっ!
・・・ここでは無駄なオーディエンスが多いみたいだし、まずは場所を変えよう。
────バーチャフォレストなんてどうだい? あそこなら邪魔が入らないしね」
エルク
「分かった」
フリード
「では、僕達は先に行かせてもらうよ。 逃げずに来てくれよ、お師匠様?
あーっはっはっは!」
再び前髪を靡かせて高笑いしながら取り巻き達と一緒に、フリードはギルドを出た。
ロティ
「ムッキー! なんなのあいつ!
って勝手に決めちゃってごめんね、師匠」
エルク
「気にしないで、ロティ。
正直僕も我慢の限界だったから・・・」
気が付けば僕の手は怒りに小さく震えていた。
それは自分が侮辱されたからではなく、強くなるためにこれまで血の滲む努力をしてきた
ロティを何も知らないで侮辱した事に、僕は強い怒り感情を抱いていた。
エルク
「確か場所はバーチャフォレストだったよね?」
ロティ
「うん、そう言ってた。
プラネテューヌを出て東に真っ直ぐ行ったとこにあるよ」
エルク
「ありがとう、ロティ。 それじゃあ早速行こう」
中年ハンター
「話は聞かせてもらったぜ、兄ちゃん。
あんたあの坊っちゃんと戦うんだって?
オレたちも見に行っていいか?」
ロティ
「もちろんだよ! ねえ師匠?」
エルク
「何て言うかノリ気だね、ロティ」
ロティ
「そりゃあそうだよ!
あんな露骨にバカにされたら誰だって腹が立つし、どうせならあいつが師匠に
フルボッコにされる姿をみんなに見てもらって赤っ恥かかせたいじゃん?」
エルク
「フルボッコって・・・。
別に僕はそこまでするつもりはないよ?」
ロティ
「たとえばの話だよ。
とにかく師匠を応援してくれる人たちも得たことだし、行ってみよー!」
エルク
「う、うん。 そうだね・・・」
テンションの上がったロティに若干気圧されながらも、
僕達はフリードが指定したバーチャフォレストへ向かった。
───────────────
━ バーチャフォレスト ━
フリード
「やあ、随分と遅いご到着だね?
てっきり逃げたのかと思って心配したよ」
ロティ
「いや、あれから言うほど時間経ってないじゃん」
超次元のと比べてやや鬱蒼とした雰囲気のバーチャフォレストで
フリードは僕達を待ち構えていたようにそう言った。
開口一番に嫌味を言う彼だが特に気にせず、入ってすぐの所にあるひらけた場所で
ギルドで言ったように決闘が始まろうとしていた。
フリード
「それじゃあ、早速始めようか!
言っておくけど僕は手加減なんてしないよ?」
ロティ
「あっそ。 師匠、ちゃーんと手加減してあげてね!」
フリード
「うるさいなぁ・・・!
僕と戦うのは彼であって君じゃないんだから黙っててくれ!」
その場所の中央で、僕を挟んでロティがフリードを攻撃ならぬ口撃する。
フリード
「まったく、男同士の決闘に水をささないでほしいいね。
そういえば君、彼女があのワイバーンを倒したって言ってたけど、あれって本当かい?
とてもそうには見えないけどねぇ?」
ロティ
「ほ、本当だよ! でも、それは───」
フリード
「僕は君じゃなくてエルクに聞いているんだ。
で、どうなんだいお師匠様?」
エルク
「・・・ああ、本当だよ。
僕とロティの二人で戦って、トドメはロティが刺した」
フリード
「っ!? ふっ、はははははっ! 本当に嘘が下手だね!
ワイバーンはこのプラネテューヌで一番凶暴で知られるモンスターだよ?
それを彼女がどうやって倒したって言うんだい?」
ロティ
「あ、あいつ~!」
中年ハンター
「おいおい、なんて言い草だよ」
青年ハンター
「言いたい放題だな、こりゃ」
エルク
「・・・まあ、信じるも信じないも君の勝手さ。
それで、言いたいことはそれだけ? 僕は人を待たせてるんだ。
始めるなら早く始めよう。 僕も君みたいな人を相手にするほど暇じゃないんだ」
相変わらず好き勝手言っているフリードにそう言い返し、僕は神威をコールする。
フリード
「へぇ・・・僕みたいな、ねぇ・・・。
どういう意味なのかあえて聞かないでおいてあげるよ。
だけどね・・・僕に・・・この僕にそんな口を利いたんだ。
徹底的に痛め付けてあげるよ!」
そう言ってフリードも、剣をコールした。
それには宝石が埋め込まれ、美しいと言うよりも派手でゴテゴテしていると言う
表現の方が正しい明らかに実戦には不向きな片手剣で、所謂観賞用剣のようだった。
ロティ
「うわ、何あの剣、趣味悪ーい!
ああ言うのって成金って言うんだよね?」
フリード
「ふん! 君みたいなお子様には、この剣の美しさは到底理解できないだろうね。
それに比べてなんだい、君のその剣は?
真っ白ではっきり言って悪趣味だよ。 そしてその構えだって変だ。
剣も抜かずに、今更怖じ気付いたのかい?」
エルク
「お構いなく、これが僕の武器でスタイルだから」
フリード
「あっそ・・・。 それじゃあ行くよ───はぁっ!」
フリードは勢いよくエルクに斬り掛かった!
しかしその動きはあまりに遅く、加えて直線的な太刀筋だった。
もちろんエルクはそれを軽々受け止める。
フリード
「な、何っ!? 僕の剣が止められた!?」
フリードはいったん後退して再び斬り掛かるも、今度はそれをかわしてがら空きになった
背中を鞘尻で小突いてフリードを転倒させる。
フリード
「うわ! く、くそっ!」
エルク
「なんとも軽い剣だね。
まるで君自身を見ているみたいだ」
フリード
「う、うるさい! い、今から、今から本気で行く!
さあ、勝負はここからだよ!」
エルク
「そうか・・・なら、今度は僕から行かせてもらうよ!」
抜刀して剣と鞘の二刀流にシフトしてフリードに迫る!
エルク
「十連白夜ッ!」
剣による斬撃と鞘による打撃の10連撃の連続攻撃で攻め立てる!
フリード
「ひっ! ちょ、ちょっと待って!」
エルク
「真剣勝負に待ったなし!」
一撃一撃が重い攻撃に怯み、フリードは待ったをかけるが
エルクの容赦なく立て続けに技を繰り出す!
エルク
「双連衝ッ!」
フリード
「痛っ!」
素早く納刀しながら鞘で突き、怯んだ所を間髪入れず当て身を繰り出す!
その二段攻撃を受けきれず、防いだ剣の腹が自分の顔面に強打し、
その勢いで鼻血を出しながら尻餅をついて転倒した。
フリード
「ひっ! ち、血だ、鼻血だ! い、痛いーっ!」
足をバタつかせ、涙と鼻血を出しながら喚くフリード。
エルク
「痛いか? それが剣を持って戦うってことだよ。
あのギルドでも言ったが、お前はロティが戦っている所を見たことがあるのか?
あの子はあんな小さな体で剣を持って、その痛みの中で戦って強くなったんだ。
それに比べてなんだお前のその体たらくは。
相手のことを何も理解しようとせず、幼稚な決め付けで侮辱するだけのお前が
簡単に笑っていい相手じゃないんだよ」
ロティ
「師匠・・・」
エルク
「そんなことすら分からないお前が、この程度で音を上げるお前如きが
ハンターの頂点に立つゴッドハンターになるなんておこがましい!
分かったらその悪趣味な剣と不快な取り巻き共を連れて帰れ。
・・・それとも、まだ続けるか?」
フリードに剣先を向けてドスの効いた低い声で軽く脅しを掛けながら
冷たく見下ろすエルク。
フリード
「く、くそっ! この僕に剣を向けるばかりか侮辱するなんて・・・!
君の顔と名前は覚えたよ、エルク!」
エルク
「そうか・・・。
で、帰るのか続けるのか、どっちだ?」
フリード
「ひっ! こ、このままじゃ済まさないからな!
パパに言いつけてやる~!」
取り巻き達
「「「フ、フリードさーん!」」」
ありきたりな捨て台詞を吐きながら走り去って行くフリードを追い掛けるように
彼の取り巻き達も去っていった。
エルク
「ふう、まったく・・・」
ロティ
「師匠ー!!」
エルク
「ぶべらっ!」
神威をコールアウトしたのとほぼ同時に、ロティが真横から僕の腕に抱き着くように
突撃してきた!
エルク
「ロ、ロティ、いきなり抱き着いてきたら危ないよ・・・」
ロティ
「あはは、ごめんごめん! にしてもスッキリしたよ!
だってフリードのあの顔! 思い出しただけで・・・ぷぷっ!」
中年ハンター
「やるじゃねえか、兄ちゃん!
ま、あんたなら勝って当然だったかもな」
エルク
「うーん、でもやり過ぎたかな?
少し脅せばいいクスリになると思ったんですけど」
青年ハンター
「そんなことないさ。
ロティの言う通り見ててスッキリしたぜ!
これであいつも、少しは大人しくしてくれればいいんだけどな」
中年ハンター
「だな。 今日はいいもん見せてくれてありがとうな!
そんじゃあオレたちも帰るとしようぜ」
そして、観戦していた二人組のハンターも、プラネテューヌへ帰っていった。
エルク
「・・・でも、結局フリードは何がしたかったんだろう」
ロティ
「さあ? あいつのことだから、どうせ自慢でもしたかったんじゃない?
って日が暮れてきたね。 師匠はどこか泊まるとこでもあるの?」
エルク
「ううん。 本当はこのまま教会まで案内を頼みたいんだけど、
もうすぐ夜になるからそれは明日お願いするよ。
だから今日はプラネテューヌでホテルを取ろうと思ってたんだけど・・・」
ロティ
「そうなんだ。
それじゃあさ、あたしが今お世話になってるホテルに来ない?」
エルク
「・・・うん、そうだね。
ここは君のお言葉に甘えさせてもらうよ」
ロティ
「そうこなくっちゃね! そうと決まれば善は急げだよ、師匠!」
エルク
「わわっ! ちょっと、ロティ!
今まで何度か言ってると思うけど腕を引っ張らなくても自分で歩けるから!」
ロティが力強く僕の腕を引っ張って行く形で、僕たちも日が沈んで暗くなってきた
バーチャフォレストを後にした。
───────────────
━ プラネテューヌ ホテル入り口前 ━
ロティ
「着いたよ師匠! ここがあたしがいつもお世話になってるホテルだよ!」
僕は今、ロティに連れられて彼女がいつも使っているプラネテューヌのホテルの入り口に
立っている。
あれからさらに日が沈み、すっかり夜になっているのに昼間と変わらず賑やかで、
暗い街中に浮かぶカラフルな光がネオンを演出している。
しかし、僕はホテルに入る前にひとつ確認しておきたい事がある。
エルク
「ねえ、ロティ。 聞くまでのことじゃないと思うけど、
僕達が寝る部屋ってもちろん別々だよね?」
ロティ
「え? 別々? なんで?
同じ部屋に決まってるじゃん」
僕の当然の問いに、何言ってるの? と首をかしげてそう言うロティ。
エルク
「いやいやいや! 男女が同じ部屋でいいわけないでしょ!?
渓谷でも言ったけど、ロティも年頃の女の子なんだから
そういうのを意識した方がいいよ」
ロティ
「えーそうかなぁ?
あたしだってあの時言ったみたいに師匠だったら別に気にしないけどなぁ」
エルク
「君がそうでも僕が気にするの!
・・・とにかくそういうことだから、部屋は別々にするからね」
ロティ
「はーい・・・ちぇっ」
エルク
「なんで残念がってるのさ・・・」
渓谷で分かったことだけど、やっぱりロティは異性に対して無防備だ。
僕だったら大丈夫ということは、自分に何もしてこないという信頼なのか
はたまた男として見られていないのか、どちらにしてもそこは意識してほしい。
もし後者だったらそれはそれで複雑だけど・・・。
支配人
「おお、いらっしゃい、ロティちゃん」
ロティ
「あ、支配人、こんばんは! 部屋は空いてるかな?」
ロティと話していると、カウンターの奥からサングラスを掛けた黒髪の女性が出てきた。
どうやら彼女がこのホテルの支配人のようだ。
支配人
「ああ、もちろんさ。 いつも君のために一部屋空けてるからね。
って隣の人は誰だい? ひょっとして、ロティちゃんの彼氏?
いやーロティちゃんもそんな年頃かぁ。 隅に置けないねぇ!」
ロティ
「か、かかか彼氏!?」
エルク
「そ、そうですよ! 僕がロティの彼氏だなんてあり得ないですよ!
僕とロティはその・・・師弟関係ってだけで・・・!」
ロティ
「そりゃあ、あたしと師匠はそうだけどさぁ。
そんなに必死に否定しなくたっていいじゃん・・・」
エルク
「エっ? 何か言った、ロティ?」
ロティ
「別に~? なんでもないよーだ!」
エルク
「ど、どうしたの、いきなり!?」
支配人
「(ふーん、なるほどねぇ・・・)
とまあ冗談はさておき、今日はもう泊まるのかい?」
ロティ
「うん、お願いします」
支配人
「はいはい、了解っと。 そういえば君、名前は?」
エルク
「はい、エルクって言います」
支配人
「エルク君ね。 それじゃあロティちゃんと相部屋だけど、いいかな?」
エルク
「いや、それはちょっと・・・」
支配人
「どうしたんだい? 何か不都合でもあんの?」
エルク
「はい。 もし部屋がそこだけしか空いてないなら僕だけ別のホテルに泊まろうかと・・・」
支配人
「なんで? ロティちゃんと同じ部屋に泊まればいいじゃない」
エルク
「待ってください! 年頃の男女が同じ部屋に泊まるっていうのはさすがに・・・!」
ロティ
「別にいいじゃん。 あたしは気にしないし、師匠が気にしすぎなんだよ」
エルク
「それはさっき話し合ったし、当然の配慮だと思うけど?」
支配人
「まあまあ、いいんじゃないの? ロティちゃんもこう言ってくれてるんだしさぁ。
ここはお言葉に甘えるってことで、ね?」
エルク
「いや、でも・・・」
ロティ
「もう、じれったいなぁ。
あたしがいいって言ってんだからそれでいいじゃん! ねえ、支配人」
支配人
「そうだねぇ・・・エルク君だっけ?
駄々をこねる男は女の子に嫌われちゃうよ?」
エルク
「駄々って・・・なんで僕が我が儘を言っているみたいになってるんですか・・・」
支配人
「まあ、どうしてもって言うなら止めやしないけど、
ここはもちろん他所のホテルも結構繁盛してるから、
どうせ行っても満員って言われるだけだと思うけど?」
エルク
「うっ、それじゃあ野宿は・・・?」
支配人
「それもなくはないけど、テント持ってんの?」
エルク
「・・・持ってないです・・・」
ロティ
「ねえ、師匠。 そんなにあたしと一緒じゃあ嫌・・・?」
エルク
「べ、別に嫌ってわけじゃなくて、こういうのはやっぱり・・・」
ロティ
「師匠はあたしのことが嫌いなんだ! ひどいよ師匠・・・!」
支配人
「あーあ、ロティちゃんが泣いちゃった。 どうするエルク君?
このままじゃ他のお客さんに迷惑になるけど?」
エルク
「な、なにも泣くことないじゃないか!
~っ分かったよ、分かったからとにかく泣くのやめてよ、ロティ。
お言葉に甘えさせていただきますから!」
ロティ
「うぅ・・・本当?」
エルク
「本当。 だからもう泣かないで」
ロティ
「うん、ありがとう」
ロティ·支配人
「「((計画通り!))」」
と、ロティは嘘泣きをしながらエルクに分からないように支配人と目を合わせて
互いに心の中でそう思うのであった。
支配人
「時には女の子のお願いを聞いてあげるのも男ってもんだよ、エルク君」
エルク
「・・・そういうものなんですか?」
支配人
「ああ、そういうものだよ。
それじゃあ話はまとまったみたいだし、
夕食を用意させるから先に部屋に行って休んでてよ。
はい、これが部屋の鍵ね」
ロティ
「ありがとう! それじゃあ行こ、師匠!」
エルク
「う、うん・・・」
さっきまで泣いていたのが嘘のように、今度は鼻唄混じりの上機嫌で部屋の鍵を受け取って
エレベーターに乗るロティと僕。
一体何がそんなに嬉しいのか分からないが、女の子って難しいんだなと思う僕だった。
それからしばらくして運ばれてきた夕食を済ませた僕達は、改めて部屋でくつろいだ。
ロティ
「ふう、あたしもうお腹一杯だよ」
エルク
「はは。 ロティ、たくさんおかわりしてたからね」
ロティ
「だって、あの村からここまで来るのにすっごく体力使っちゃったんだもん。
そりゃあ嫌でもお腹が空いちゃうよ」
エルク
「まあ、ラステイションからプラネテューヌまでかなり距離があったのと
あれから飲まず食わずだったからね。
おまけに手配モンスターとの戦闘があったから余計にね」
ロティ
「そーそー、さすがの体力に自信のあるあたしも疲れちゃったよ。
あ、そういえば知ってる? ここの温泉って露天風呂でしかも疲れに効くらしいよ。
それに混浴なんだって」
エルク
「へ、へぇー・・・そうなんだ///」
ロティ
「師匠、顔が真っ赤だけど、何を想像したの?」
エルク
「べべ、別に何も想像なんてしてないよ!?
ってか疲れに効くっていうんならロティが先に入ったらどう?」
ロティ
「うーん、さっき食べたばっかだからあたしは後でいいよ。 師匠が先に入ったら?」
エルク
「まあ、そういうことならお先に・・・」
ロティ
「はーいごゆっくり~」
ロティから混浴であることを聞き、多少そういった想像しつつも僕は温泉へ足を運んだ。
ロティ
「あんなに顔赤くしちゃって、師匠もウブなとこもあるんだなぁ。
・・・よーし、そういうことなら!」
まるで何かを思い付いたかのような悪戯な笑みを浮かべるロティに、
エルクがそれに気付く由もなかった。
───────────────
エルク
「これがロティの言ってた露天風呂か・・・」
脱衣場に着き、服を脱いで腰にタオルを巻いて風呂場に出ると、温かい湯気が立ち込め、
ふと夜空を見上げるとそこには見事な美しい満月が浮かんでいた。
そして同時に空高く聳え立つライトアップされたプラネタワーがあった。
エルク
「綺麗な満月だ・・・。 明日は快晴かな?
それにしてもかなりの広さだ。
向こうのプラネテューヌの風呂と同じくらいかな?」
???
「ねえねえ、なんでもいいから早く入ろうよ。
せっかくの露天風呂なんだしさ!」
エルク
「うん、そうだね。
体を冷やすといけないし・・・エっ・・・?」
立ち込めた湯気に包まれながら、夜空に浮かぶ満月を見ていると、
背後から何やら聞き覚えのある少女の声がしたので、恐る恐る振り向くと───
ロティ
「やっ! いやー今宵は月がキレイだね、師匠!」
エルク
「ロ、ロティ!? な、なんで君がここにっ!?」
ロティ
「えへへ、来ちゃった///」
と、まるで彼氏の家に遊びに来た彼女のように、バスタオル姿のロティがそう言う。
エルク
「いや、来ちゃって・・・。 さすがにこれは駄目だよ!」
ロティ
「だって、あたしもお風呂に入りたかったんだだもん」
エルク
「そ、そう・・・それじゃあ君が出たら次に僕が入るから、どうぞごゆっくり・・・」
ロティ
「待って、師匠!」
風呂から出ようとすれ違うのと同時に、ロティが僕の腕を掴む。
エルク
「ロ、ロティ・・・?」
ロティ
「ほ、本当はあたしだって恥ずかしいよ?
だって一応男と女だし、さ・・・///」
エルク
「なら、無理しなくても・・・」
ロティ
「別に無理してるってわけじゃないよ。
ここまで師匠には助けられっぱなしだし、あたしだって役に立ちたいんだ。
何かしてもらいっぱなしっていうのは嫌だから・・・」
エルク
「僕は別にロティに何かしたってほどのことはしてないと思うけど?」
ロティ
「そんなことないよ!
初めて会ったあの海岸で黒いモンスターと戦った時、
師匠が来てくれなかったらあたし、きっとやられてた。
それに、フリードの時だってあたしのためにあんなに怒ってくれたじゃん」
エルク
「あれは君を放っておけなかったし、君を馬鹿にした彼を許せなかったってだけだよ」
ロティ
「ありがとう、師匠。 師匠にとってはそれだけのことかもしれないけど、
あたしにとっては助かったし、すごく嬉かった」
エルク
「ロティ・・・」
ロティ
「けど、フリードとの決闘の時のあれ、ちょっと芝居臭かったね」
エルク
「ロティ、それは言わないで・・・。 僕もそう思ってるから・・・」
ロティ
「あはは、ごめんごめん。
だからさ、あたしはそんな師匠の弟子になれて本当によかったって思ってるんだ!
あたしを弟子にしてくれてありがとう、師匠!」
と、無邪気な子供のように眩しい笑顔でロティは言う。
ネプテューヌとあまり年の変わらないこの子がベテランと言われるハンターになるまで
一体どれくらいの努力を積み重ねてきたのかは分からない。
でも、それが一朝一夕で身に付くものではないということは僕にも理解できる。
なぜなら僕もはじめは何も出来なかったのだから。
ロティ
「それにしても、師匠って何気にいい体してるよね!
筋肉ついてるし、腹筋だってちょっと割れてるし」
エルク
「ちょ、くすぐったいよ、ロティ」
僕の体をまじまじと見て、つつくように触れる。
ロティ
「ああ、ごめん師匠。
服の上からだと分からなかったけど、やっぱり男の人の体なんだなって思ってさ。
・・・顔は女の子みたいなのにね」
エルク
「・・・最後の一言の余計だよ」
ロティ
「まあまあ、機嫌直してよ。
お詫びに背中流してあげるからさ」
エルク
「い、いいよ、それくらい自分でやるから!」
ロティ
「遠慮なんてしなくてもいいんだよ?
さっきも言ったけど、何かの役に立ちたいし、何かしてあげたいんだ。
だから
エルク
「いや、でもですね・・・」
ロティ
「あーもう! これじゃあラチが明かないよ!
いいからあたしに任せて!」
エルク
「は、はいっ!」
誰かの役に立ちたい。
僕だってもっとネプテューヌ達の役に立ちたいし助けになりたいと思ってる。
だからこそロティの気持ちも理解できる。
そういえば前にネプテューヌとネプギアに背中を流してもらった記憶がある。
あれから半年も経っていないというのにかなり昔の事のように思えて懐かしい。
ロティ
「へぇー、師匠って色白なんだね。
それに髪もサラサラだし、正直羨ましいよ」
エルク
「ありがとう。 仲間達からもよく言われるよ。
皆にも言ってるけど、特別な事はしてないんだけどね」
ロティ
「何もしてないでこれなの!?
あたしなんて手入れしてるけど全然キレイにならないんだもん!」
エルク
「そ、そうかな?」
ロティ
「そうだよ!
剣も魔法も使えてその上女のあたしよりキレイなんてずるいよ師匠!
ずるいずるい!」
エルク
「っと言われましても・・・」
ロティ
「あたしももっと女の子らしくした方がいいのかな?
師匠と比べるとなんだか自分が女子力皆無って感じがするよ・・・」
エルク
「そんなことないよ。 ロティの髪だって十分綺麗だよ。
それに、心配しなくても僕から見ても君は女の子らしいよ」
ロティ
「ほ、本当?」
エルク
「だってそうじゃなきゃ自分の身嗜みのことなんて考えないし、
君の手だってそれを気を遣って手入れしてを綺麗にしてるんでしょ?
あんなに大きな剣を使ってるのに、手にたこがないのがその証拠だよ」
ロティ
「ほえー、そんなことまで分かるんだ」
エルク
「僕も剣士だからね。 そういうのもよく分かるんだ」
ロティ
「それじゃあ、師匠もミダシナミってのに気を遣ってるんだ?」
エルク
「うん。 僕は女神様と一緒に───あっ・・・」
ロティ
「女神様? 女神様ってプラネテューヌやラステイションを治めてるっていう
あの女神様のこと?」
エルク
「あ、いや、それは・・・」
しまった、つい口を滑らせてしまった・・・。
ここはなんとか誤魔化さないと・・・。
ロティ
「まあ、師匠も人には言えないことのひとつやふたつあるよね。
本当はすっっっごく気になるけど、あたしは詮索するつもりなんてないから
安心してよ、師匠」
エルク
「・・・ありがとう、ロティ。 そう言ってくれると助かるよ」
ロティ
「えへへ! あたしっていい弟子でしょ?」
そう言って胸を張るロティ。
僕達はクロノスを追ってこことは異なる超次元という世界からやって来た人間だ。
仮にここでロティにそう話しても信じてはもらえないかもしれない。
この子に僕達の戦いに巻き込むわけにはいかないと言っておきながら
弟子に取ってなんだが、やはり心配になる。
いざとなったら無理矢理にでも突き放すことになるかもしれない。
こんながんばり屋で真っ直ぐな子に、そんな非情な事はしたくない・・・。
ロティ
「はい! 終わったよ師匠!」
エルク
「ありがとう、ロティ」
ロティ
「それじゃあ、次は前だね!」
エルク
「・・・エっ?」
僕の背中を流し終えたロティが、次は前と言い出した!
当然これは女の子にさせるわけにはいかないので、断固拒否して自分で洗った。
そしてその後、ロティも自分の体を洗いに個室用のシャワールームを使い、
帰ってきたロティと一緒に湯に浸かった。
ロティ
「う、う~ん! いい湯加減で気持ちいいね、師匠!」
エルク
「・・・うん、そうだね」
両腕を伸ばして本当に気持ち良さそうに湯に浸かるロティ。
本当なら一人でゆっくりしているはずだったんだがと思いつつ、
温泉の湯気と温度でそうなっているのか、はたまた女の子と一緒に入っているのか
分からないが、自分の事だけに体温が上がっているのがよく分かる。
一度プラネテューヌでネプテューヌとネプギアと入ったことがあるけど、
やはり慣れそうにない。
あの時は二人が突撃してきたんだが・・・。
こうしている間にも、ネプテューヌ達はどこで何をしているのか、
プラネテューヌに辿り着けたのだろうかと色々心配になる。
・・・でももし、僕が女の子と一緒に風呂に入った事を皆が知ったらどうなんだろう?
ネプテューヌのネクストフォームによって超強化された次元一刀で
処刑されるかもしれない・・・。
ロティ
「そいえばさぁ、師匠の仲間ってどんな人たちなの?」
エルク
「心強くて頼もしい人達だよ。 個性豊かで皆僕の大切な仲間だ」
ロティ
「具体的には?」
エルク
「一人はいざという時誰よりも頼りになって。
一人は努力家で正義感が強くて。
一人は頭がよくて腕っぷしも強くて。
一人は優しくて綺麗で───」
ロティ
「ちょっと待って、師匠の仲間って何人いるの?」
エルク
「えっと───全員で16人だよ」
ロティ
「16人!? それって大所帯じゃん!」
エルク
「まあね。 初めは少なかったけど、皆と接していくうちに段々増えちゃってね。
さっきも言ったけど、皆僕の大切で自慢の仲間達だよ」
ロティ
「大切な仲間、か・・・。 なんだか羨ましいな。
あたしにはそこまで言える人がいなかったから・・・。
ほら、あたしってハンターじゃん?
だから今まで一人でクエストこなしてたから、そういうのに縁がなかったんだ」
エルク
「でもロティ、それは・・・」
ロティ
「うん、分かってる。 でも今は師匠がいてくれる。
あたしはもう独りじゃないんだってね!」
エルク
「そうだね。 ロティももう僕の大切な仲間だよ」
ロティ
「ありがとう、師匠!
それはそうと気になったんだけど、師匠の仲間ってみんな女の人?」
エルク
「エっ? そ、そうだけど、よく分かったね?」
ロティ
「確証ってわけじゃないんだけど、キレイで優しいって言ってたから
そうかもって思ったんだ。 ふーん、なるほどねぇ・・・」
エルク
「な、なに?」
ロティ
「それって所謂、ハーレムってやつじゃない?」
エルク
「ハ、ハーレム!?
そりゃあ皆女の人だけど、でも今まで僕はそんなこと───!」
ロティ
「あはははは! 冗談だよ、冗談。
顔赤くしちゃってカワイイな師匠は」
エルク
「と、年上をからかうんじゃありません!」
ロティ
「むっ、確かにあたしは師匠より年下かもしれないけど、あまり子供扱いしないでよね。
あたしだってほら、胸だってあるんだよ?」
ロティは立ち上がって、自分の胸に触れてそう言う。
エルク
「ぶっ! ロ、ロティ! だからそういう所が駄目なんだってば!」
この子は時々こういったことを無意識にすることがある。
同性同士ならともかく僕は異性なんだからこういったことはやめて欲しい。
ロティにとってはもちろん、僕にとっても理性的に困る。
・・・僕もそういう耐性を付けた方がいいのだろうか?
ロティ
「師匠、見てよ! ほら!」
エルク
「いい加減にしてくれーーっ!」
そして、僕の声が露天風呂に響いた。
───────────────
ロティ
「ふう、サッパリした! 気持ちよかったね、師匠!」
エルク
「うん、そうだね・・・」
ロティの問い掛けに、僕はさっきと同じ返事で返す。
露天風呂を十分堪能したロティに比べ、僕は緊張しっぱなしで全然リラックスできなかった。
だって考えてもみてよ、年頃の男女がタオル一枚のあられもない姿で一緒に入ってたんだよ!?
そんな状態で一体どうやってリラックスしろと!?
むしろその真逆の僕の心の臓が常時バクバク鳴りっぱなしで破裂するかと思ったよ!
って僕は何を言っているんだろう・・・。
ロティ
「あれ、どうしたの師匠?
なんかぐったりしてるけど、のぼせちゃった?」
エルク
「誰のせいだと思ってるのさ・・・」
ロティ
「ごめんごめん、悪ノリして悪かったよ! 師匠のリアクションが面白くてつい。
お詫びに牛乳奢るからそれで許してよ、ね?」
ロティは自販機へ行くと、そこで自分と僕の分の牛乳を二本買い
マッサージチェアにぐったりもたれ掛かった僕はそれを受け取る。
エルク
「ありがとう、ロティ」
ロティ
「どういたしまして。 これくらいお安いご用だよ。 ではでは───」
手にしたもう一本の牛乳ビンのふたを開けて、左手を腰に当てて一気に飲み干す。
ロティ
「っぷはーっ! やっぱ風呂上がりには
エルク
「なんていうか男前だね、ロティ」
ロティ
「むぅ、女の子にそれはないんじゃないかなぁ?」
エルク
「あはは、ごめんごめん。
それじゃあ僕もロティを見習って───ごく・・・ごく・・・ぷはぁ!
確かに、風呂上がりの一杯は格別だね!」
ロティ
「でしょー! あたし風呂から出た時は必ず牛乳を飲んでるんだ!」
エルク
「うん。 火照った体に染み渡るみたいで美味しいしね」
ロティ
「もちろんそれもあるけど、あたし、もっと大きくなりたいんだ。
ほら、あたしって背が低いでしょ?
だから大きくなって強くなりたいんだ」
エルク
「そんなに焦らなくたっていいんじゃないかな?
僕もそうだけどロティも成長期なんだし、自然と大きくなると思うよ?」
ロティ
「だといいんだけどなぁ・・・」
エルク
「毎日牛乳を飲んでれば、嫌でも大きくなるさ」
ロティ
「そっか、そうだよね!
よーし、これから牛乳という牛乳を飲んで飲みまくるぞー!」
エルク
「さすがにそれはお腹を壊しかねないからやめようね・・・」
ロティは炎のように赤い瞳を輝かせながらそう力強く言う。
しかしこうして見ると、風呂上がりで火照った若干赤くなった肌が浴衣と相まって
少し色っぽく見える。
・・・ロティの言う通り僕も少し逆上せたのかもしれない。
ロティ
「ん? どうしたの師匠? なんかぼーっとしてるけど」
エルク
「ううん、なんでもない。 僕は先に部屋で休ませてもらうよ。
牛乳ありがとう、君はどうする?」
ロティ
「あたしはもう少ししてから部屋に戻るよ」
エルク
「うん、分かった。 それじゃあお先に」
ロティ一人を残し、僕は先に部屋へ戻って休むことにした。
───────────────
エルク
「ふう、今日はいろんな事があったな・・・」
部屋に戻るなり、畳に敷かれた布団に倒れ込むかのように仰向けに寝転がる。
エルク
「ネプテューヌ達、心配してるだろうな・・・。
今日は早めに休んでプラネテューヌ教会へ行かなくちゃ」
そう思っていると、次第に瞼が重くなる。
これまでの疲れが溜まっていたのか、僕はそのまま眠りについた。
─────────────────────────
──────────────
「はあ、はあ・・・!」
ある森の中、息を切らしながら走る一人の少年がいた。
「くそっ! 一体何が起きてるんだ!」
何かが燃えるような臭いのする長い森を抜け、
それに顔を歪ませながらある場所を見下せる丘に着き、それを見下ろす。
「あ・・・あああ・・・!」
その少年の眼前に広がっていたのは、全てを焼き尽くさんとする赤い業火。
そしてその場所をを囲うかのように黒い霧のようなものが生物のように蠢いていた。
「そんな・・・皆ーーっ!!」
そんな絶望的な光景を目の当たりした少年は、急いで丘を下った。
その途中足が縺れて転倒してしまい、それによって受けた傷や痛みなど省みず
無我夢中で走る。
傷だらけになりながらも、少年はその場所へと着く。
しかし少年を待っていたのはさらなる絶望だった。
その黒い霧が立ち込めたそこに、異形の化け物達が互いに殺し合い、共食いをしていた
「な、なんだよ・・・なんなんだよ、これ・・・!
こんなことって・・・!」
自分の目の前で起きている、一切の希望の入る余地のない残酷な現実を受け入れられず
理解も出来ずただ絶望し、少年は膝をついていた。
そして、そんな少年に追い打ちを掛けるかのように、黒い化け物が襲い掛かった!
「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
──────────────
─────────────────────────
エルク
「うわあぁぁッ!」
変な夢を見た。
本来夢とは目覚めた後にその内容を忘れるものだが、
今見た夢を僕ははっきりと覚えている。
一人の男の子が傷だらけになりながら森の中を走り抜け
着いたその先で黒い化け物に襲われるという夢にしてはリアルなものだった。
そしてうなされていたのか着ていた浴衣が激しく乱れていた。
時計を見ると深夜の3時を指しており、僕の隣でロティが寝ていた。
声を上げて起きたはずなのに、それに動じず掛け布団を蹴飛ばした足を投げ出し
いびきのような寝息をたてていた。
よほど疲れていたのだろう、どうやら熟睡しているようだ。
仕方なく僕は彼女に掛け布団を掛け直した。
今思えば神次元に来てからロティには道案内をしてもらったり
こうして宿を提供してくれたりと世話になりっぱなしだ。
もし、ロティと出会わずに自分一人だけだったらここまで来れなかっただろう。
エルク
「ありがとう、ロティ。 君のお陰でここまで来ることが出来た。
明日には皆と合流出来そうだ」
そう感謝の言葉を言って、僕は優しくてロティの頭を撫でた。
ロティ
「えへへ・・・。 もう、師匠ってば大胆なんだから~・・・」
エルク
「・・・君の夢の中の僕は一体何をしているの・・・?」
そんなロティの寝言を聞き、部屋の窓から見える満月を見て僕は再び眠りについた。
冠の雪原クリアしました!
皆さんは氷タイプの【ブリザポス】とゴーストタイプの【レイスポス】の
どちらにしましたか? 僕は後者の【レイスポス】にしました!
ストーリーも面白かったですね!
最初はたまたまだったけどストーリー後半ではピオニーが
バドレックスに乗っ取られてるのが当たり前のようになってて面白かったw
現在ダイマックスアドベンチャーに挑戦中です!