光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~   作:EDENCROSS

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光ネプ第64話

《前回までのあらすじ》
皆と合流したエルクは、プラネテューヌ教会で一夜を共にし、
クロノスが造り出したとされる黒い塔が、ラステイションに現れたと知った一行は、
早速そこへ向かうのであった。


♯ 64 女神メモリー

エルク

「・・・よし、今日もバッチリ!」

 

 

現在の時刻は、朝の10時。

今日はラステイションに現れた例の【黒い塔】に行く日。

おそらくクロノスが造り出したものと思われるが、その真相は定かではない。

しかし、僕達が神次元にやって来たタイミングから考えてその可能性は高い。

ちなみに今、僕はプラネテューヌ教会のある個室にいる。

昨日風呂から出て寝る時、ネプテューヌとロティが皆で一緒に寝ようなどと

これまたとんでもない事を言い出し、流石にそれはいけないと思い、

僕だけたまたま空いていた個室で寝かせてもらった。

 

 

エルク

「もう時間だ。 皆を待たせちゃ悪いし、そろそろ行こう」

 

 

僕は個室を出て、そのまま皆のいるリビングへ向かった。

 

 

ネプテューヌ

「あ、おはよう、エルくん。 眠れた?」

 

エルク

「おはよう、ネプテューヌ。 お陰さまでぐっすり眠れたよ。 君は?」

 

ネプテューヌ

「もちろん、わたしもだよ!」

 

 

リビングに入ると、ネプテューヌと他の皆が僕を迎え入れる。

 

 

ロム

「おはよう、おにいちゃん」

 

ラム

「おにいちゃん、おはよう!」

 

エルク

「おはよう、ロムちゃん、ラムちゃん」

 

 

それに続いて、ロムちゃんとラムちゃんが僕の下まで駆け寄った。

 

 

ロティ

「ロムちゃんとラムちゃんって、本当に師匠になついているよね」

 

ブラン

「ええ。 あの子たちがエルクと一緒にいる時、いつも笑顔なの」

 

ロティ

「みたいだね。 その気持ち、あたしも分かるよ。 でも・・・」

 

ブラン

「でも?」

 

ロティ

「ああして気軽に師匠に甘えられる二人が羨ましいなって」

 

ブラン

「確かにそうね。 わたしも時々そう思うわ」

 

エルク

「ごめん、ひょっとして待たせちゃったかな?」

 

プルルート

「ううん、そんなことないよ~。 あたしたちも今起きたばかりだから~」

 

イストワール(神)

「おはようございます。 みなさんお揃いですか?」m(_ _)m

 

 

ネプテューヌ達と話しているところに、イストワールさんがやって来た。

 

 

ネプテューヌ

「おはよう、いーすん。 みんないるよ!」

 

プルルート

「今日はみんなでラステイションに行くんだよね~?」

 

イストワール(神)

「はい。 昨日言った例の黒い塔の調査です」

 

イーシャ

「あれもクロノスが造ったものなんでしょうか?」

 

ノワール

「それはまだ分からないわ。 けど・・・」

 

ユリウス

「ああ、十中八九奴の仕業と考えた方がいい」

 

ネプギア

「でも、ここからだとラステイションまでかなり距離がありますよね」

 

ネプテューヌ

「だよね。 ぱっと行く? っていう機能があればいいんだけどなー」

 

エルク

「何、そのぱっと行くって?」

 

ネプテューヌ

「ねえ大きいわたし、ラステイションまでワープできないかな?」

 

ネプテューヌ(大)

「うーん、それはクロちゃん次第かな? どう、クロちゃん?」

 

クロワール

「そうだな・・・ちょっと待ってな」

 

 

クロワールは目をつむって集中し始めた。

 

 

クロワール

「・・・よし、問題なく行けそうだぜ」

 

ネプテューヌ(大)

「ホントに?」

 

クロワール

「ああ。 超次元の時はできなかったけど、

 ここでならそう遠くない場所ならワープで行けそうだ」

 

エルク

「でも、なんで神次元ならできるんだろう?」

 

ユリウス

「おそらく、奴がこの次元に来てからまだ日が浅く、

 それほど邪力(タナトス)の影響を受けていないからだろう」

 

エルク

「なるほど・・・」

 

イストワール(神)

「では、話はまとまりましたね?

 どうかみなさん、お気を付けて・・・」

 

ネプテューヌ

「任せといて、いーすん!」

 

プルルート

「ねえねえいーすん、あたしとピーシェちゃんもねぷちゃんたちと一緒にいっていい~?」

 

イストワール(神)

「はい、お願いします」m(_ _)m

 

ピーシェ

「ねぷてぬ、ぴぃも一緒に行くよ!」

 

ネプテューヌ

「もちろん! 二人とまたパーティーを組むなんて久しぶりだなぁ!」

 

エルク

「そういえば、ピーシェちゃんも女神様なんだっけ?」

 

ピーシェ

「そだよ! おっきくなったらぴぃ強いよ!」

 

ブラン

「そうね、とても大きくなるのよね・・・」

 

ユニ

「はい、なんだか理不尽なくらいに・・・」

 

ベール

「わたくしのアイデンティティーが危ういほどに・・・」

 

 

なんだか三人の表情が暗くなった気がするけど、どうしたんだろう?

それに本人がここまで言うんだからかなりの戦闘力だろう。

今回は戦闘に可能性が高い、その時は頼りにさせてもらおう。

 

 

ネプギア

「それじゃあお姉ちゃん、お願い」

 

ネプテューヌ(大)

「オッケー! クロちゃんワープ!」

 

ネプテューヌ

「それじゃあいーすん、行ってくるね!」

 

プルルート

「行ってきま~す」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ━ ラステイション 執務室 ━

 

 

突然現れたあの黒い塔、一体なんなのかしら・・・。

国民達からは不安の声が上がってる・・・。

どこの誰の仕業か知らないけど、これ以上私の国で好き勝手させないわ!

けど、私一人の力じゃ・・・「とうちゃーく!」えっ!? のわあぁぁぁぁっ!」

 

 

ラステイションを一望できる最上階のオープンテラスでそう思っていた時、

クロワールのゲートが頭上開き、そのままネプテューヌの下敷きになった。

 

 

ネプテューヌ

「ここが、神次元ラステイションだよ、みんな」

 

エスーシャ

「超次元とは違う次元のはずだが、向こうのと比べてあまり違いはないんだな」

 

ネプテューヌ

「でしょー? わたしもはじめてこっちに飛ばさせれた時さ───」

 

???

「ちょっと! いつまで人の上にいるつもりなのよ、あなた達は!」

 

ネプテューヌ

「ねぷっ!? ノワール、そんなとこで何してるの?」

 

ノワール(神)

「それはこっちのセリフよ!

 あなたこそいつまでも上に乗ってないではやく退きなさい!」

 

ネプギア

「ご、ごめんなさい、ノワールさん! 大丈夫ですか!?」

 

ノワール

「なんていうか、苦労してるわね、こっちの私も・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノワール(神)

「久しぶりね、皆。

 見ない顔もいるけど、ここに来たってことはやっぱり・・・」

 

ノワール

「ええ、この国に現れたあの塔を調べに来たの。 早速だけど状況は?」

 

ノワール(神)

「今のところ直接的な被害はないわ。

 けど、国民達からは不安の声が上がってて、教会にその問い合わせが殺到してるのよ」

 

ネプテューヌ

「まあ、あんなものがいきなり出てきたら誰でもびっくりするし、不安にもなるよ」

 

プルルート

「うん~。 もしプラネテューヌに出たらあたしもびっくりするかも~」

 

ノワール

「それで、その塔はどこにあるの?」

 

ノワール(神)

「ここから南の方向よ。 ほら、あそこよ」

 

 

神次元のノワール(以後(神)と付ける)が指をさした方向を見ると、

そこには山を跨いだ先にある場所に建っており、その塔を中心として放たれる黒い霧が、

周囲の空を局地的に覆っていた。

 

 

ネプテューヌ

「なにあれ? あそこだけ曇ってるけど、雨でも降るのかな?」

 

ノワール(神)

「そんなわけないでしょ。 あれはそんなものじゃないわ。

 きっと別の危険ななにかよ」

 

エルク

「ホーリィクリスタルが反応してる・・・。

 間違いない、あれは邪力(タナトス)だ」

 

ノワール(神)

「あなたが、イストワールの言ってたエルクね?

 概ね事情は聞いてるわ。 やっぱりあなたには分かるのね?」

 

エルク

「はい。 僕に宿ってるホーリィクリスタルが教えてくれるんです」

 

ノワール(神)

「それじゃあ、あの塔と何か関係してるの?」

 

エルク

「話すと長くなりますが、実は・・・」

 

 

僕は、これまでの事の全てをノワールさんに説明した。

 

 

ノワール(神)

「つまりあなた達はそのクロノスって奴を追って、この次元までやって来たって事ね?」

 

ネプテューヌ

「うん、そうだよ。

 で、いーすんに何か心当たりがないか聞いたら、あの塔のことを聞いたんだ」

 

ノワール(神)

「なるほどね。 でも、向こうのあなた達の自国の事はいいの?」

 

ノワール

「それについては大丈夫よ。

 私達がいない間、教祖のケイがギルドのハンター達を指揮して

 国を守ってくれているから」

 

ブラン

「こっちの他国はどうなの? やっぱり今回のことを警戒してるの?」

 

ノワール

「ええ、当然ルウィーとリーンボックスも今回の事に対してかなり警戒してるわ。

 なにせ今までになかった事だから」

 

ブラン

「そう・・・。 本当ならこのままルウィーの様子を見に行きたいところだけど・・・」

 

ベール

「ええ。 今のわたくし達にそのような時間はありませんものね」

 

エルク

「ノワールさんはこれからどうしますか? 僕達と一緒に行きますか?」

 

ノワール(神)

「そうしたいのは山々だけど、女神である私が今教会を離れるわけにはいかないわ」

 

ノワール

「・・・そうね、そうした方がいいわ。

 この非常時に女神がいなくなったら混乱しかねないもの」

 

ノワール(神)

「ごめんなさい、迷惑かけて・・・」

 

ノワール

「気にしないで、次元は違えど同じラステイションを放っておく事なんて出来ないわ」

 

ノワール(神)

「ありがとう、私」

 

ネプテューヌ

「あ、あの素直じゃないツンデレぼっちのノワールが謝り、

 そしてお礼を言った・・・だと?」

 

ノワール·ノワール(神)

「「誰がツンデレよ! そして私はぼっちじゃない!」」

 

プルルート

「お~。 ハモった~!」

 

アイエフ

「同一人物なだけあって、息もぴったりね・・・」

 

コンパ

「所謂、阿吽の呼吸です」

 

ユニ

「こっちのお姉ちゃんも、同じようにネプテューヌさんにいじられてるのね・・・」

 

エルク

「うん、そうみたいだね・・・」

 

 

超次元のノワールと、神次元のノワールさんの二人が並んで

ネプテューヌにツッコミを入れているのがなんだかとてもシュールだ。

 

 

ネプテューヌ

「ごめんごめん、こっちのノワールに会うのも久しぶりだからつい・・・」

 

ノワール(神)

「まったく・・・」

 

ノワール

「ふざける場合じゃないって事くらい、あなたでも分かるでしょ」

 

ネプギア

「それでは早速、塔へ向かいますか?」

 

ノワール(神)

「その前に、ネプテューヌとネプギアはともかく、他の皆は女神メモリーは持ってるの?」

 

うずめ

「女神メモリー? なんだそりゃ?」

 

ネプギア

「神次元で女神化するのに必要なアイテムで、それがないと変身できないんです」

 

ネプテューヌ

「わたしとネプギアは前作のVの時に手に入れたからいいけど、

 そういえばそうだったね。 わたしとしたことがすっかり忘れてたよ。

 

ブラン

「確かにいざ戦闘になった時に女神化できないと不味いわね」

 

ベール

「ええ、大きな戦力ダウンになりますわ」

 

ビーシャ

「それがないとねぷねぷたちが女神化できないってことは、

 わたしたちの場合はどうなるんだろう?」

 

ケーシャ

「私達が変身できるのはゴールドクリスタルの力で、

 シェアクリスタルで変身するわけじゃないから大丈夫なんじゃないですか?」

 

エスーシャ

「私達の事はともかく、その女神メモリーというのはどこにあるんだ?」

 

ノワール(神)

「そう言うと思って、あらかじめ調べておいたわ。

 今ではもう使われてないクザラッド工場って所に女神メモリーがあるわ」

 

ネプテューヌ

「本当っ!? さっすがノワール!

 ぼっちだけど仕事が早いね! ぼっちだけど」

 

ノワール(神)

「これくらい当然よ! 私を誰だと思ってるの? ってぼっちは余計よ!」

 

ネプテューヌ(大)

「ねえクロちゃん、そこまでワープできない?」

 

クロワール

「しょうがねえな、ちょっと待ってろよ・・・」

 

 

クロワールの少しの沈黙の後、僕達の目の前にワープゲートが現れた。

 

 

ノワール(神)

「ワープゲート・・・。 あなた達がいきなり現れたのはこういう事だったのね」

 

ロム

「でも、女神メモリーを取りに行ってるあいだ、ラステイションは大丈夫なのかな?」

 

ブラン

「大丈夫よ、ロム。

 ノワールの話じゃそれくらいの時間はあると思うわ」

 

ノワール(神)

「ええ。 私には優秀な秘書官がいるから、彼が対応している間は大丈夫よ」

 

ラム

「そうよ、ロムちゃん!

 わたしはこっちでもロムと一緒に女神になりたいわ」

 

ロム

「うん、わたしもおねえちゃんとラムちゃんと一緒に女神になりたい!」

 

ノワール

「今から女神メモリーを取りに行けば遠回りになるけど、戦力のためなら仕方ないわね」

 

シーシャ

「急がば回れ、だね」

 

エルク

「それでもあまり時間は掛けられない。 行こう、皆!」

 

ロティ

「了解だよ、師匠! あんな塔ぶっ壊して、早く国民の人たちを安心させなきゃね!」

 

ノワール(神)

「・・・ねえ私、あの子さっき彼を師匠って呼んでたけど、強いの?」

 

ノワール

「ええ。 強いわよ、エルクは。

 なにせ私達女神と互角に戦えるんだから」

 

ノワール(神)

「女神と互角!? 信じられないんだけど・・・。

 こう言ってはなんだけど、なんか頼りない感じがするのよね」

 

ノワール

「ま、まあ私も最初はそう思ってたわ。けど彼には何度も助けられたわ。

 それに、私を親友って言ってくれたしね・・・///」

 

ノワール(神)

「・・・もしかして、好きなの? 彼の事が」

 

ノワール

「・・・ええ、好きよ///」

 

ノワール(神)

「正直なのね」

 

ノワール

「自分に隠したって意味ないもの」

 

ノワール(神)

「ふふ、そうね」

 

ネプテューヌ

「どうしたの、ノワールー? みんな先行っちゃったよー?」

 

ノワール

「今行くわ! それじゃあ、行ってくるわね!」

 

ノワール(神)

「ええ、がんばってね!」

 

 

超次元のノワールと神次元のノワールは握手を交わす。

そして先行した僕達を追うように、ノワールもワープゲートを潜って

女神メモリーのあるクザラッド工場へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              ━ クザラッド工場 ━

 

 

ネプテューヌ

「とうちゃーく! そして一番乗りっと!」

 

ユニ

「ここが、こっちのお姉ちゃんの言ってたクザラッド工場ね」

 

 

クザラッド工場、そこは以前ラステイション生産工場として使われていた場所である。

しかし今では朽ちた屋根が日の光を遮りそのせいか工場の中は薄暗く、

そこに放棄された機械も使われなくなって長いのか

所々錆びついていてその機能は完全に停止している。

 

 

ロム

「本当にここに女神メモリーがあるのかな?(はてな)」

 

ノワール

「こっちの私のことだから、きちんと調べた結果、ここにあるって断言したんでしょ。

 それに私が間違えるはずないわ」

 

ネプテューヌ

「まあ、ノワールの自信過剰なのは置いといて、なんかちょっと暗いね?」

 

プルルート

「うん~。 なんだか歩きにくいかも~」

 

エルク

「そうだね。 それじゃあ明るくしようか」

 

 

僕は魔法の詠唱を始める。

 

 

 

エルク

「-眩しき光よ、暗き道を照らせ- ウィルオウィスプ」

 

 

魔法を唱えると、小さな光の球体が現れてそれが工場全体を照らし、明るくなった。

 

 

エルク

「これで明るくなったね」

 

ピーシェ

「おおー! 明るくなった!」

 

ネプテューヌ

「エルくんって、いろんな魔法持ってるよね!」

 

うずめ

「それじゃあ皆、女神メモリーを探すとしようぜ!」

 

アイエフ

「そうね。 モンスターもいるみたいだから、注意しながら進みましょ」

 

 

アイエフの言葉に皆が頷き、改めて女神メモリー探索を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ネプギア

「わあ! これって全部ラステイションで使われてた機械だよね!

 超次元のラステイションのと比べて型が古いみたいだけど、

 こっちのノワールさんにお願いして譲ってもらおうかなぁ?」

 

ネプテューヌ

「ここにきて、我が妹ネプギアのメカオタ症状が出てしまった件について・・・」

 

ユニ

「ほらネプギア、今はそんなことよりも女神メモリーが先よ!」

 

ネプギア

「あっ、ちょっと待って、ユニちゃん! ちょっとだけだから!」

 

ユニ

「いい加減にしろ! このメカオタク! ロム、ラム、手伝って!」

 

ラム

「はーい! ほらネプギア、行くわよ!」

 

ロム

「ネプギアちゃん、早く行こ?」

 

 

ユニ、ロムちゃん、ラムちゃんの三人は、

まるで小さな子供のように駄々をこねるネプギアを、

しがみついている機械から引き剥がし、そのまま連れていくのであった。

 

 

コンパ

「ぎあちゃんのメカ好きも、相変わらずですね」

 

アイエフ

「みたいね。 普段は真面目な子なんだけど、機械を見るとああなっちゃうのよね」

 

ビーシャ

「わたしのバズーカを見た時、改造させてってしつこかったもんね」

 

ネプテューヌ

「まあ、それがネプギアって感じもするんだけどね」

 

ノワール

「ほら、無駄話してないで進むわよ。

 こうしてる間にもラステイションに被害が及んでるかもしれないんだから」

 

ユニ

「ごめん、お姉ちゃん」

 

ケーシャ

「・・・ノワールさん、少し焦ってますね。

 やっぱり違う次元とはいえ、同じラステイションだからでしょうか?」

 

シーシャ

「多分、そうだろうね。

 ノワールちゃんは真面目だから自分の国のことのように思ってるんだろう」

 

イーシャ

「自分が治めている国だから、必死になるのも無理もないわ」

 

エルク

「うん、そうだね。 ノワールが無理しないよう、僕達で支えなきゃね」

 

 

一人で先に進もうとしているノワールを追うように、

自分達も仲間としてノワールを支えて助けようと話し合う僕達。

初めは視界も悪く足場も悪かったが、僕の光魔法で難なく進み、

しばらく歩き続けたが女神メモリーらしきアイテムは発見できなかった。

 

 

ネプテューヌ(大)

「うーん、こうして闇雲に探し回ってても効率悪いよね。

 ねえクロちゃん、気配察知とかそういうサーチ系の能力ってないの?」

 

クロワール

「オレにそんな能力ねえからわかんねえな。

 生物だったいけたかもしれねえけど」

 

エスーシャ

「そもそも、女神メモリーというのはどういう形をしているんだ?

 それが分からないと探しようがないぞ」

 

ロム

「そういえば、こっちのノワールさんに聞いてなかったかも・・・」

 

ロティ

「ねえねぷさん、何か覚えてない?」

 

ネプテューヌ

「えっと、確かひし形で真ん中にマークのついたやつだったような・・・」

 

ロティ

「ひし形でマークのついたやつか・・・。 それってどんなマーク?」

 

ネプテューヌ

「それはね───」

 

ユリウス

「皆、その前に敵襲のようだ。 注意しろ」

 

 

女神メモリーを探す僕達の目の前に、モンスターの群れが現れた。

工場だっただけに機械系モンスターが多く、その中には大きなスライヌいた。

 

 

シーシャ

「結構な数だね。 あたしたちの倍は居るんじゃないか?」

 

ベール

「では、一人10体倒せば行けるのではなくて?」

 

ブラン

「どこかで聞いたことあるような言い方ね。

 でもだかといって下手に突っ込むとすぐに囲まれてしまうわ」

 

ネプギア

「加えて女神化できるのは私とお姉ちゃんと、

 後プルルートさんとピーシェちゃんの四人だけ・・・」

 

ユニ

「そう考えると少し厳しいかも・・・」

 

うずめ

「大丈夫だってゆにっち、こんな奴ら変身するまでもねえよ!」

 

ノワール

「ええ、さっさと片付けて先に進むわよ!」

 

 

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戦闘曲

ゼノブレイド2

BATTL 1

通常戦闘曲

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

エルク

「とりあえず、後衛は敵に近付かれないように距離を保って、

 僕達前衛は後衛を守るように戦うってことでいいかな?」

 

ユリウス

「ああ、それが基本的かつ、ベストな戦術だろう」

 

ピーシェ

「ぴぃ、わるいモンスターやっつける!」

 

うずめ

「頼もしいな、ぴーしぇっち! 俺も負けてらんねえな!」

 

ネプテューヌ

「わたしも最初からクライマックスだよ! 行くよ、ネプギア!」

 

ネプギア

「うん!」

 

 

ネプテューヌとネプギアは、光に包まれ女神に変身した!

 

 

パープルハート

「変身完了。 悪いけど、早々に倒させてもらうわ」

 

パープルシスター

「神次元での戦闘も久しぶりだなぁ。 油断せず行かなきゃ!」

 

プルルート

「ピーシェちゃん、あたしたちもいくよ~!」

 

ピーシェ

「うん! へんしんー!」

 

 

少し遅れて、プルルートとピーシェの二人も女神化する。

 

 

???

「うふふ、あたしの前に立つなんて、とんだマゾヒストなモンスターもいたものねぇ!」

 

???

「ぴぃも変身完了だよー!」

 

 

変身した二人の女神の内の一人は、ネプテューヌ達とは少し異なるデザインの

ボンテージ風のスーツに、まるで鞭のような剣を装備した青紫色の髪をしており、

もう一人は両腕に大きな鉤爪を装備した白のプロセッサスーツを纏った

黄色の髪の女神だった。

 

 

アイリスハート

「この姿では初めましてねぇ。 あたしはアイリスハート。

 よろしくね、エ・ル・く・ん」

 

イエローハート

「ぴぃはね、イエローハートっていうんだよ!」

 

 

神次元の女神アイリスハートとイエローハート。

アイリスハートは変身前と比べてどこか攻撃的な雰囲気を出しており、

イエローハートはあまり変化はない。

あるとするならさらに活発的になった事だろうか。

人格的な変化こそないが・・・。

 

 

エルク

「・・・///」

 

イエローハート

「えるく、どこ見てるの?」

 

アイリスハート

「エルくんも男の子ねぇ」

 

エルク

「エっ!? いや、あの、それは・・・///」

 

 

そう、ネプテューヌ達は女神化すると身体的な変化もある。

だがピーシェの場合は身長はもちろん、特に胸が劇的に成長している。

グリーンハートもそうだが、サイズだけで言うならイエローハートは

それ以上のものだった。

 

 

ブラン

「くそっ! 大きいからって見せびらかしやがって・・・!」

 

ユニ

「アタシなんて変身したら軽量化するのに、

 なんでこのシリーズはアタシにきびしいのよ!」

 

ベール

「お、大きさだけが美しさではありませんわ!」

 

 

と、後ろからなにやら恨めしそうな声が聞こえるが、気のせいだろうか。

 

 

アイエフ

「ほら、お約束みたいに見惚れてないで行くわよ、エルク!」

 

エルク

「お約束って、別に見惚れてなんて・・・」

 

ロティ

「そんなに顔を赤くしても説得力ないよ、師匠」

 

エルク

「うっ・・・」

 

ユリウス

「エルク、気を引き締めろ! 来るぞ!」

 

キングスライヌ

「ぬらぁ~!」

 

 

エルク達のやり取りにしびれを切らしたのか、

キングスライヌがのしかかるように襲いかかってきた!

 

 

パープルハート

「危ない、避けて!」

 

エルク

「ノワールっ!」

 

ノワール

「・・・えっ? っきゃあ!」

 

 

ネプテューヌ達はそれぞれ回避し、エルクは自分の近くいたノワールを咄嗟に抱き寄せて

キングスライヌの攻撃を回避した。

 

 

ロティ

「師匠!」

 

エルク

「こっちは大丈夫! ノワール、怪我はない?」

 

ノワール

「え、ええ、ありがとう、エルク。

 私なら大丈夫だから、その・・・///」

 

エルク

「ああ、ごめん! 咄嗟の事だったから・・・!」

 

ノワール

「い、いいの、気にしないで! 私を助けるためだって分かってるから」

 

 

ノワールを離し、少し気まずくなって両者黙り込んでしまう。

そんな中エルクは口を開いてノワールに話し掛ける。

 

 

エルク

「ノワール、君が焦ってる理由は分かる。

 それは自分も同じラステイションの女神様だから、でしょ?」

 

ノワール

「・・・やっぱり、あなたにはお見通しってわけね」

 

エルク

「うん。 でも、僕だけじゃなくて皆も気付いてたよ」

 

ノワール

「そう・・・。 ごめんなさい、余計な心配をかけて・・・」

 

エルク

「そんなことないよ。 僕は女神様じゃないけど、ノワールの気持ちは分かるよ。

 だから君一人だけが気を張る必要はない。 だって、僕達は仲間でしょ? 

 僕はもちろんネプテューヌ達も必ず力を貸してくれるはずだよ」

 

ノワール

「エルク・・・」

 

 

本当は自分でも分かっていた。

エルクが、頼れる仲間達が居るということを。

しかし性格なのか素直になれず、次元は違えど自分の治める超次元と同じラステイション

に問題が生じているとなると冷静さを欠き、いてもたってもいられなかった。

だが、エルクは面と向かって自分達を頼って欲しいという真っ直ぐな言葉が、

ノワールにとって嬉しい言葉だった。

 

 

ノワール

「・・・そうね。 あなたの言う通りね。

 ありがとう、エルク」

 

エルク

「どういたしまして」

 

ブラン

「話が終わったのならこっちに加勢してくれないかしら?」

 

シーシャ

「エルク君、ノワールちゃん、今は戦闘中だ、お喋りなら後で頼む!」

 

エルク

「ごめん、皆。 行こう、ノワール」

 

ノワール

「ええ! 遅れた分は取り戻さないとね!」

 

 

エルクとノワールは、仲間達が交戦しているモンスターの群れへと駆け出す!

 

 

ノワール

「燃え尽きなさい! ヴォルケーノダイブッ!」

 

 

モンスターの群れに飛び込むように跳躍し、着地と同時に火柱を起こして

前方のモンスター達を蹴散らす!

 

 

エルク

「五ノ型───穿煌ッ!」

 

 

腰を落として突き出す構えから放たれる穿煌による光線で、

1列に並んでいたモンスターのを串刺しにして倒す!

 

 

イエローハート

「おおー! えるくとのわるも強いー!」

 

アイリスハート

「やるじゃない! なら、あたしも負けないように派手にいかせてもらおうかしらぁ!」

 

 

そう言ってプルルートは、手にした剣を構える。

 

 

アイリス

「これでまとめてイきなさい! ファイティングバイパー!」

 

 

技を繰り出すのと同時に、剣がまるで鞭のようにしなり、

周囲のモンスター達に襲いかかり斬り刻む!

 

 

イエローハート

「よーし、ぴぃもいくよー! ヴァルキリークロー!」

 

 

そしてピーシェは、両手に装備した鉤爪でモンスター達を斬り裂きながら突撃する!

 

 

ビーシャ(ゴールドフォーム)

「す、すごい・・・!

 あれだけのモンスターを一瞬で倒しちゃうなんて・・・!」

 

ロティ

「これってもしかして、あたしたち必要ないんじゃないの?」

 

 

流石は一国を治める女神なだけあって強い。

プルルートの使う剣の攻撃範囲が暴力的な性能をしており、

ピーシェの一点突破の火力もかなりのものだ。

 

 

イエローハート

「ぷるると、後ろ!」

 

アイリスハート

「っ!」

 

エルク

「二ノ型───刹那ッ!」

 

 

プルルートの背後を取ったモンスターが攻撃しようとした時、

エルクの光速移動を伴った刹那で素早く駆けつけて斬り裂いた!

 

 

エルク

「大丈夫、プルルート!」

 

アイリスハート

「ありがとう、エルくん。 お陰で助かったわぁ。

 お礼に後でいいことしてあげるわねぇ」

 

エルク

「えっと、遠慮しておきます・・・」

 

アイリスハート

「つれないわねぇ、エルくん」

 

パープルハート

「ぷるるん、エルくんをからかうのはそこまでにしてちょうだい。

 シーシャも言ったけど今は戦闘中よ」

 

アイリスハート

「分かってるわよぉ。 ねぷちゃんってば真面目ねぇ」

 

エルク

「でも、プルルートとピーシェちゃんのお陰でモンスターの数も減ってる。

 皆の力を合わせれば勝てない相手じゃない!」

 

ロティ

「そうだね、師匠!

 っていうか二人が強すぎてあたしの出番ないかも・・・」

 

アイリスハート

「そんなことないわよぉ。

 エルくんはもちろん、剣を振り回して戦うロティちゃんも素敵よぉ?」

 

ロティ

「そ、そうかな? 女神様にそう言ってもらえると嬉しいな」

 

キングスライヌ

「ぬらぁ~!」

 

ノワール

「相手は随分やる気みたいね!」

 

ロティ

「向かってくるなら倒すだけだよ!」

 

 

ロティは大剣を振り上げて、上段の構えを取る。

 

 

ロティ

「行くよ! エア・スラッシュッ!」

 

 

そこから大剣を振り下ろし、その斬撃が地面を抉りながら突き進み、

それが向かってきたキングスライヌを斬り裂いた。

 

 

ロティ

「クリーンヒット!」

 

アイリスハート

「やるじゃない、ロティちゃん!」

 

パープルハート

「わたしたちも行くわよ、ネプギア!」

 

パープルシスター

「うんっ!」

 

イエローハート

「ぴぃもいくよー!」

 

エルク

「-我祈るは仇なす者を屠る強き力なり- 増強祈祷(エンハンス)!」

 

 

ロティの技に怯んだキングスライヌに向かって駆け出す三女神。

初めにネプテューヌがクロスコンビネーションで仕掛け、

次にネプギアがミラーズダンスで斬りつけ、

最後にピーシェがガードストライクを繰り出すタイミングを合わせて

聖祈祷(オラクル)増強祈祷(エンハンス)発動し、

それによって強化されたピーシェの強力な一撃が炸裂し、

キングスライヌの巨体が吹き飛んだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロム

「えい! えい!」

 

ラム

「しびれなさい! サンダーストーム!」

 

ビーシャ(ゴールドフォーム)

「それそれーっ!」

 

ケーシャ(ゴールドフォーム)

「排除する!」

 

ユニ

「狙い撃つわ!」

 

ブラン

「テンツェリントロンペッ!」

 

 

一方、乱戦で分断されたロム達は、キングスライヌと同等の大型の機械系モンスターと

それに追従するモンスター達と交戦していた。

分断された味方の数が減り不利かと思われたが、二人の強力な魔法に加えて

ゴールドフォーム化したビーシャとケーシャ、そしてユニの援護射撃もあり、

ブランのテンツェリントロンペで追従するモンスターを巻き込みように蹴散らし、

確実に撃破して行く。

 

 

ネプテューヌ(大)

「レイジングラッシュッ!」

 

アイエフ

「ソウルズコンビネーションッ!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「大剣乱舞ッ!」

 

イーシャ(ゴールドフォーム)

「援護します! サンダガ!」

 

 

ネプテューヌ(大)とアイエフとシーシャの連続攻撃に、イーシャのサンダガで追撃する。

 

 

ベール

「シレットスピアーッ!」

 

エスーシャ(ゴールドフォーム)

「そこだ、斬鉄剣ッ!」

 

うずめ

「本気で行くぜ! 夢幻粉砕拳ッ!」

 

 

さらにエスーシャの斬鉄剣とベールのシレットスピアーで大型モンスターの足を斬り裂き、

すかさずうずめが怒濤のラッシュで反撃の隙を与えず、攻め立てる!

 

 

〆タルギア

「ギ・・・ギギ・・・!」

 

ラム

「ロムちゃん、あれでいくわよ!」

 

ロム

「うん、まかせて!」

 

ロム·ラム

「「せーの───ライトニングインパクトッ!」」

 

 

ロムとラムよる合体魔法のトドメの雷魔法が発動し、

その激しい雷によって〆タルギアは大ダメージを受けた!

 

 

〆タルギア

「ギ、ギギ・・・ウィーン・・・!」

 

ネプテューヌ(大)

「うそっ! あれだけやってまだ動けるの!?」

 

クロワール

「見た目以上にタフな野郎だな」

 

コンパ

「な、なら、もう一度攻撃すればいいです!」

 

シーシャ(ゴールドフォーム)

「そうだね。 それじゃあさっそく───」

 

ベール

「待って、シーシャ! 何かが飛んできますわ!」

 

 

雷魔法を受けて黒焦げになりながらも立ち上がろうとする〆タルギアに、

再び攻撃しようとするシーシャをベールが止める。

その時ピーシェが吹き飛ばしたキングスライヌが〆タルギアとぶつかり、

その衝撃によって爆発して二体のモンスターを倒した。

 

 

イエローハート

「やったー! ぴぃの勝ちー!」

 

パープルシスター

「すごい・・・。 あの大きなモンスターを吹き飛ばすなんて・・・!」

 

ユリウス

「ああ、この次元の女神は凄まじいな」

 

うずめ

「よお、こっちは終わったぜ! 皆大丈夫か?」

 

エルク

「うずめ。 うん、僕達は大丈夫だよ。 そっちは?」

 

ブラン

「わたしたちも問題ないわ。 大型のモンスターだったけど、所詮数だけだったわね」

 

エルク

「そっか、それはよかった───」

 

イエローハート

「えるくー!」

 

エルク

「ぶべらっ!」

 

 

戦闘が終わり、僕達とうずめ達の互いの無事を確認していたその時、

突然女神化状態のピーシェちゃんが物凄い勢いで抱き着いてきた!

抱き着くと言うよりも、それはもはやタックルに近かった。

 

 

エルク

「ぐふぅ・・・ピ、ピーシェちゃん、急にどうしたの!?」

 

イエローハート

「ぴぃ、モンスター倒したよ! カッコよかった!?」

 

エルク

「う、うん、カッコよかったよ。

 っていうかちょっと離れて、苦しい・・・!」

 

ネプテューヌ

「こ、こらー! ピー子! エルくんから離れろー!」

 

 

そんな様子を見て、女神化を解いたネプテューヌが引き離そうと

ピーシェちゃんの腕を掴む!

そして僕の顔は変身したらピーシェちゃんの大きくなった胸に押し当てられているので、

うまく呼吸が出来ない。

 

 

ブラン

「ちっ! なんだよ、結局胸なんじゃねえか!」

 

ユニ

「お兄ちゃん、やっぱ大きい胸がいいんだ・・・」

 

ベール

「胸とは大きさではなく形・・・。 ああ、いけませんわ!

 これはわたくしが今まで聞いてきた敗者の台詞ですわ!」

 

ロティ

「師匠のむっつりスケベ! 女は胸だけじゃないんだよ!」

 

クロワール

「なんつーか、もう見慣れたな。 オメェもそう思うだろ、ネプテューヌ?」

 

ネプテューヌ(大)

「スタイルなら、わたしも負けてないよー!」

 

クロワール

「ってオメェもかよっ!」

 

ネプテューヌ

「くぅ、さすがピー子、力が強い!

 ノワール、ブラン、ベール、手伝って!」

 

ノワール

「ええ、任せなさい! エルク、今助けるわ!」

 

ブラン

「おう! デケェからなんだってんだ!」

 

ベール

「ピーシェちゃん、抱き着くのは姉であるわたくしの特権ですわー!」

 

イエローハート

「ねえねえエルク、どうだった? ぴぃ、すごかったでしょー!」

 

エルク

「凄かった! 凄かったしカッコよかった離れて!

 押し当てられ苦しいし、それ以上に皆が怖いからっ!」

 

 

もはやお約束のように揉みくちゃにされる僕。

なんでいつもこうなるんだろうか・・・。

 

 

プルルート

「ピーシェちゃん、エルくんが苦しそうだからやめてあげて~!」

 

エスーシャ

「カオスだな・・・」

 

ユリウス

「ああ、やれやれだな・・・」

 

 

そして、この二人の掛け合いで締めるのであった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眼前に現れたモンスターの群れを倒した僕達は、さらに奥へと進む。

奥に進むにつれ、以前ここで生産された部品が山積みにされて放置されている。

そのどれもが錆び付いていて、全てスクラップ化している。

 

 

ケーシャ

「結構進みましたけど、なかなか見つかりませんね」

 

エルク

「確かひし形でキラキラ光るマークの入った石、だったっけ?」

 

アイエフ

「ええ。 私も実物を見たわけじゃないからどんなものか分からないけど、

 もしそんなものがあったら一目で分かるはずよね」

 

イーシャ

「はい。 光る石なんてそうそうあるものではありませんから」

 

エルク

「ちなみにネプテューヌは女神メモリーをどこで見つけたの?」

 

ネプテューヌ

「わたしの時は、ぷるるんとこっちのノワールと一緒に行った遺跡で見つけたんだ」

 

エルク

「それじゃあ、その時女神様に?」

 

ネプテューヌ

「うん、そうだよ。

 でもぷるるんの女神化をはじめて見た時はびっくりしたよ。

 ゲシュタルト崩壊なんて余裕で通り越した、もはやまったくの別人だもんね」

 

プルルート

「え~そうかな~? ねぷちゃんだって変身したら全然違うと思うけど~?」

 

ネプテューヌ

「いやいやいや、わたしもそれは自覚してるけど、ぷるるんほどじゃないよ。

 ねえネプギア?」

 

ネプギア

「えっ? う、うん。 そうだね、お姉ちゃん。

 確かにプルルートさんの方が変化が激しいかも・・・」

 

プルルート

「え~? それじゃあエルくんはどう思う~?

 エルくんはあたしと同じでそう思うよね~?」

 

エルク

「そ、そうだね、僕そう思うなー。 ははは・・・」

 

 

本当はどちらも変身後の変化は同じくらいだと思うけど、

どこか逆らってはいけない圧を感じたので、プルルートに同意する。

 

 

ユニ

「ネプギアはどこで見つけたの?」

 

ネプギア

「私はこっちのベールさんから貰ったんだ」

 

ネプテューヌ

「そうそう! でその時、その国で貰った女神メモリーで女神化したら

 その国の女神候補生になるっていうこっちのベールの話を信じちゃって、

 ネプギアと戦うことになったんだよね」

 

ロティ

「それって、ぎあさんがねぷさんを裏切ったってこと?」

 

ネプギア

「うぅ・・・。 あの時は本当にごめんなさい、お姉ちゃん」

 

ネプテューヌ

「いいよ、気にしないで。 もう随分昔のことなんだしさ」

 

プルルート

「そうだよぎあちゃん~。 それにあたしは楽しかったから~、

 もう気にしてないないよ~」

 

ネプテューヌ

「確かにあの時のぷるるん、とても楽しそうだったよね」

 

ネプギア

「ありがとうございます、プルルートさん。

 でも個人的にはもう勘弁してほしいです・・・」

 

ユニ

「プルルートさんに何されたのよ、アンタ・・・」

 

ブラン

「大体の想像はつくわね・・・」

 

 

皆と雑談しながら改めて女神メモリーの特徴を確認してそれを探しながらさらに奥へと進むと、

なにやら大きく広けた場所に出た。

入り口の時とは違って屋根だけでなく、壁も全壊して崩れており、

屋内と言うよりも屋外と言う感じだった。

 

 

ネプテューヌ

「やっぱ中よりも外の方がいいね!

 なんだかかいほうされた気分だよ!」

 

プルルート

「なんだかあたし~、眠くなってきちゃったかも~」

 

ノワール

「がんばって、プルルート。 後少しなんだから」

 

シーシャ

「本当にプルルートちゃんはマイペースだね」

 

ピーシェ

「あっ! ねぷてぬ、あれ!」

 

 

ピーシェちゃんが声を上げて指をさす。 するとそこには光る物体があった。

それがなんなのか確認するため近付いてみると、

複数のひし形の小さな結晶が落ちていた。

 

 

コンパ

「これってもしかして女神メモリーですか?」

 

エスーシャ

「ひし形にゲーム機の電源ボタンのようなマーク・・・。

 確かにそれの特徴と一致しているな」

 

ビーシャ

「それじゃあ・・・!」

 

ネプテューヌ

「うん! 正真正銘本物の女神メモリーだよ!

 いやーここまで長かったよー!」

 

ネプギア

「あれからそんなに時間は経ってないと思うよ、お姉ちゃん・・・」

 

うずめ

「これが女神メモリーってやつか。 はじめて見るな」

 

ノワール

「ええ。 でもこれで私も女神になれるわ」

 

 

ノワールは手にした女神メモリーを、自分の胸に当てる。

すると光に包まれブラックハートが姿を現した。

 

 

ブラックハート

「変身完了っと。 やっぱり女神化できると安心するわね」

 

ネプテューヌ

「ノワールってば思い切ったね。

 もし女神になれなかったらモンスターになるのにさ」

 

ノワール

「はいっ!? なにそれ聞いてないわよ!?」

 

ネプテューヌ

「いやあ、元々女神のノワールが女神メモリーを使っても大丈夫かと思ってさ」

 

ブラックハート

「だからってあなたねぇ・・・」

 

ユニ

「ネプテューヌさんの話を聞いたら、なんだか不安になったんですけど・・・」

 

ブラン

「気持ちは分かるわ、ユニ。 でも躊躇っていても仕方ないわ」

 

ラム

「それじゃあお先に、ユニ!」

 

ロム

「わ、わたしも、えいっ!」

 

ユニ

「あっ! ロム、ラム! ~っア、アタシだって・・・えいっ!」

 

 

ブラン、ロムちゃん、ラムちゃん、ユニの四人は、

それぞれ女神メモリーを使って女神化する。

 

 

ホワイトハート

「よしっ! やったぜ!」

 

ホワイトシスター(ロム)

「やった! 変身できた!(ぶい)」

 

ホワイトシスター(ラム)

「当然よ! だってわたしたち女神だもん!」

 

ブラックシスター

「よかった・・・アタシも女神になれた!」

 

ブラックハート

「当たり前でしょ。 あなたは私の妹なんだから」

 

ブラックシスター

「お姉ちゃん・・・!」

 

ベール

「では、残るはわたくしだけですわね」

 

 

ブラン達に続いて、姉さんも女神メモリーを使って女神化する。

 

 

グリーンハート

「ふう。 分かり切っていた事とはいえ、

 ネプテューヌの話を聞くと少し緊張しますわね」

 

ロティ

「これが女神様・・・! なんだか感激だなぁ!」

 

ブラックハート

「そうかしら?」

 

ロティ

「そうだよ! だってあたし、女神様をこんなに一度に見たことなんてないんだもん!

 普通に生活してたら絶対にお目にかかれないし、

 こうして話すことだってできないしさ!」

 

 

と、興奮してそう話すロティ。

確かに彼女の言う通り、一度に8人の女神様に会えるなんて奇跡的なことだ。

僕も最初はロティと同じ気持ちだったから分かる。

 

 

グリーンハート

「ふふっ、ロティちゃんは素直ですわね。

 そう言っていただけると嬉しいですわ」

 

ロティ

「あ、でも、女神メモリーがひとつあまってるけど、どうするの?」

 

ネプギア

「あ、本当だ。 どうしよう、お姉ちゃん」

 

ネプテューヌ

「うーん・・・あ、そうだ! ロティちゃんが持ったらどう?」

 

ロティ

「えっ、あたしが? でも、いいのかなぁ?」

 

ネプテューヌ

「いいのいいの! これも何かの縁かもしれないしね。

 お守りとして持っていけばいいよ」

 

ロティ

「お守りか・・・。 うん、そういうことなら貰っておくね!」

 

ブラン

「一応言っておくけど、もし使うのならやめた方がいいわ。

 ネプテューヌも言ったように、下手をしたらモンスターになるかもしれないから」

 

ロティ

「ごくり・・・。 う、うん、気を付けるよ・・・」

 

 

ブランの忠告を受け、ロティは腰に付けたポーチに女神メモリーを入れた。

 

 

アイエフ

「それじゃあ、全員女神化できたことだし、ここは一度ラステイションに戻りましょ。

 ノワール様もそれでいいですか?」

 

ノワール

「ええ、構わないわ。

 あまり時間経ってないとはいえ、一度ラステイションの状況を確かめておきたいしね」

 

 

 

女神メモリーで全員女神化出来ることは確認した僕達は、

ラステイションへ戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              - ラステイション教会 -

 

 

クロワールのワープにより、ラステイションに戻った僕達は、

執務室でノワールさんと話をしていた。

 

 

ノワール

「そう、あれからそんなに時間も経ってないっていうのに・・・」

 

 

ノワールさんの話によると、僕達が女神メモリーを取りに行っている間に

ラステイションに聳え立つ黒い塔から放たれていた黒い霧が濃くなり、

それが徐々にこちらまで迫っているらしい。

 

 

ノワール(神)

「ええ。 それに、あの黒い霧みたいなのに包まれたモンスターは

 それと同じように黒くなって凶暴化して、こっちの攻撃が効かなくなるみたいなの。

 こんな事今まで初めてよ」

 

エルク

「間違いない、邪力(タナトス)だ」

 

ユリウス

「ああ、そのようだな」

 

ノワール(神)

「あなたは、人・・・なの?」

 

ユリウス

「お初にお目にかかる。 私はユリウス。

 エルクのホーリィクリスタルに宿る者だ」

 

ノワール(神)

「ホーリィクリスタル・・・。

 確かその邪力(タナトス)とそれに侵触された邪力(タナトス)モンスターに対抗できる

 力なのよね?」

 

ネプテューヌ

「その通り! エルくんの力があれば敵なしだよ!」

 

ノワール(神)

「それは頼もしいわね。 でも、あなたが話したクロノスっていうのは何者なの?」

 

エルク

「それは、僕にも・・・」

 

ネプテューヌ

「むしろこっちが聞きたいよ。

 急に現れていかにもラスボスっぽい雰囲気出すんだもん。

 あの子っていったいなんなの、ノワール?」

 

ノワール(神)

「会った事のない私に分かるわけないでしょ・・・。

 とにかく、今回のこれはそのクロノスってやつの仕業なのね?」

 

ノワール

「ええ、それは間違いないわ」

 

プルルート

「ねえねえノワールちゃん~、あの塔に行かなくていいの~?」

 

ノワール

「っと、そうだったわね。 それじゃあ私達はもう行くわ。

 女神メモリーも手に入れたしね」

 

ノワール(神)

「じゃあ、皆女神化できるのね?」

 

ノワール

「ええ。 だから、これで全力で戦えるわ」

 

ネプテューヌ

「そういうことだから、後はわたしたちに任せてよ、ノワール!

 こっちにはエルくんがついてるからさ!」

 

ベール

「エルちゃんが居れば、なんの問題もありませんわ」

 

うずめ

「えるっち、あいつらとの戦闘になった時は頼むぜ!」

 

コンパ

「エルクさんの力があれば百人力です!」

 

ノワール(神)

「・・・皆から頼りにされてるのね、あなた」

 

エルク

「はい、嬉しい限りです。

 だからノワールさんも僕達を頼ってください。

 ほぼ初対面の男に言われても難しいかもしれませんけど、あなたの分まで戦います!」

 

ノワール

「エルク・・・」

 

ノワール(神)

「ありがとう、エルク。 あなたがなぜ皆から信頼されてるのか分かるわ。

 この件が片付いたら私の国の国民にならない? 歓迎するわよ」

 

ノワール

「ちょ、ちょっと! なにどさくさに紛れてエルクを引き抜こうとしてるのよ!」

 

ネプテューヌ

「そ、そうだよ! エルくんはわたしの国民だよ!」

 

エルク

「えっと、お気持ちは嬉しいんですけど、その・・・」

 

ノワール

「あなたも返事に困らない!」

 

ネプテューヌ

「そこははっきり断るとこだよ! エルくん!」

 

エルク

「す、すみません・・・」

 

ノワール(神)

「ふふ、冗談よ。 それにしても、相変わらず緊張感がないわね、あなた達は」

 

ブラン

「それはわたしも常々思ってるわ。 でも・・・」

 

ベール

「ええ、これがわたくし達ですから」

 

ノワール(神)

「それについてはこっちの私達と変わらないわね。

 それじゃあ気を付けてね、皆。 どうかお願いね」

 

エルク

「はいっ!」

 

ネプテューヌ(大)

「そんじゃあ、話がまとまったところで、クロちゃんワープ!」

 

クロワール

「へいへいっと!」

 

 

僕達は、クロワールの開いたワープゲートを使って例の黒い塔へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今更ながら、ワールドトリガー第二期がついに放送されましたね!
ダビングした前回の第一期の大規模侵攻編をFFXIIIの【閃光】を聴きながら
見るのがマイブームです。 あ、後ゼノブレの【機の律動】も。





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