光次元ゲイムネプテューヌ~聖なる祈りと極光の守護神~   作:EDENCROSS

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光ネプ第97話

≪前回までのあらすじ≫
ガーネット家の依頼で、偽の婚約者を演じることになったエルク。
家長のローズと令嬢のルビィから詳しい話しを聞く間に、
先行していたプルルートとピーシェが、疑惑のあるサファイア家にメイドとして
潜入捜査をしていた。



♯ 97 ガーネット家の依頼②

            ― ガーネット家 屋敷 応接間 ―

 

 

時は戻り、現時刻。 エルク達は、ルビィとオライトのいる客室にいた。

ルビィは赤い宝石を散りばめた美しい白いドレスを着ており、

これから挨拶を兼ねたオライトからの保留にしていたプロポーズを正式に断るようだ。

 

 

ルビィ

「オライトさん、まずは紹介するわ。 こちらはエルクさん、わたしの婚約者よ」

 

エルク

「はじめまして、エルクと言います。 この度、ルビィさんと将来を誓い合い、

 婚約者となりました」

 

オライト

「は、はじめまして、オライトです。 ルビィさん、ということは・・・」

 

ルビィ

「はい。 以前あなたから受けたプロポーズをお断りすることになりました」

 

オライト

「そう、ですか・・・」

 

 

露骨に残念そうに、そして悲しそうにうつむくオライト。

青のフォーマルな正装に身を包み、緑の瞳に父と同じく青い髪をしており、

10才の少年らしいあどけなさがありつつも、

どこか大人びた雰囲気を持った端正な顔立ちな美少年である。

 

 

ネプテューヌ

「(うわぁ・・・なんだかかわいそうになってきたよ・・・)」

 

ネプギア

「(う、うん。 それに、イメージしてた子と全然違って、真面目そうな子だし・・・)」

 

イストワール

「(そうですね。 しかし、ローズさんからあのような話しを聞いてしまった以上は

そうならざるを得ないかと・・・)」

 

オライト

「失礼しました、あなたがエルクさんですね?

 あなたのことは我が父や執事とメイドの方たちから聞いています。

 あなたほどの実力と人望のある方なら、僕に勝ち目なんてありません。

 これなら僕にも諦めがつきます。

 ルビィさん、ぼくからの一方的なプロポーズ、すみませんでした」

 

 

オライトは悲しい表情から一変し、ソファから立ち上がって真剣な表情となり、

その眼差しでエルクにそう言って頭を下げた。

 

 

エルク

「あ、頭を上げてください、オライトさん。 何もそこまで・・・」

 

ローズ

「こちらとしても申し訳ありません。

 私が自分が選んだ殿方がいいと言ったばかりに・・・」

 

オライト

「いえ、気にしないでください。 あなた方が謝る必要はありません。

 ルビィさん自身のことはもちろん、問題は我がサファイア家のことでしょう。

 少し待っている間、扉の向こうから使用人の方々が話すのを聞きました。

 父のトーマは【力こそ正義】を信条とし、それを家訓としました。

 それがない者は弱者、そんな輩にあらゆる権利はない、そう思っているからこそ、

 父は警察やギルドといった組織と繋がりを築き、持ち前の武力に加えてそういった

 権力をも身につけ、たった一代でサファイア家を大きくしました。

 おそらく繋がりを持った組織の中に、犯罪組織がいるのかもしれません」

 

ネプギア

「そんなことが・・・」

 

ネプテューヌ

「持ち前の武力って言ったけど、君のお父さんってそんなに強いの?」

 

オライト

「はい。 父は元々ギルドに所属していたハンターでした。

 当時はハンターの中でも最上位の階級で、巨大な戦斧を振るって常に最前線で活躍し、

 その実力は今も健在です」

 

ネプテューヌ

「たしかに強そうだね。 でも、ハンターの最上位の階級って・・・」

 

エルク

「うん、確かゴッドハンターって言って、ゲイムギョウ界に数人しかいないって

 シーシャさんから聞いたことがある。

 その人が本当にそうなら、シーシャさんやロティより強いってことになる」

 

ネプテューヌ

「それに、どこにでも顔が利くって女神顔負けの顔の広さだよね」

 

ルビィ

「そのゴッドハンターって、そんなに強いの?

 わたし、戦いのことは全然わからなくて・・・」

 

イストワール

「オライトさん、ウロボロスという名前をご存知ですか?」

 

オライト

「ウロボロス・・・? いえ、知らない名です。

 それがなにか?」

 

イストワール

「ウロボロスというのは最近結成されたとされる犯罪組織の名です」

 

ゴンザレス

「実は以前、屋敷に―――」

 

ローズ

「いいわ、ゴンザレス。 私が話します」

 

ゴンザレス

「ローズ様・・・。 はい、失礼しました」

 

ローズ

「以前我が屋敷にある賊が押し入りました。

 相手は一人で何も盗まれることなく捕らえることができました。

 その犯人が凶器として所持していた刃物に貴方の・・・オライト家の家紋がありました。

 オライトさんは何か心当たりがありますか?」

 

オライト

「ガーネット家に賊がっ!? ・・・すみません、使用人の方たちが言っていたのは

 本当だったんですね。 しかし、父や執事長のリィルさんからは何も聞かせれてなかった

 ので、ボクはなにも・・・」

 

イストワール

「そうですか・・・」

 

ネプテューヌ

「自分の子供にまで内緒にするなんて、やっぱり怪しいなぁ」

 

エルク

「今回の件は名家同士のデリケートな事だから、オライトさんに気を遣わせたのかもしれない。

 でも、状況的に考えて怪しいと思わざるを得ないな」

 

オライト

「・・・ボクもそう思います。 父を信用できないわけではありませんが、

 ボクには父がなにかを隠しているように思えるんです。

 なんというか、ボクと目を合わせないようにしていて、

 どこかよそよそしいような・・・」

 

ネプテューヌ

「うーん、そう言われるとますます怪しいね。

 だってそれって、君に後ろめたいことがあるって言ってるようなものじゃん」

 

ルビィ

「ええ、それも露骨に」

 

オライト

「こう言ってはなんですが、父は不器用な人で隠し事が苦手なんです。

 だからボクに対してそんな態度を取ってしまっているんだと思います」

 

イストワール

「なるほど。 ですがそれはさらに疑念が深まるだけになります」

 

ローズ

「そうですね。 確かな証拠があるというわけでもありませんが、

 やはり懐疑的になってしまいますわね」

 

オライト

「父がすみません。 ガーネット家の方々だけではなく、

 女神様にまで迷惑をかけてしまって・・・」

 

ネプテューヌ

「オライト君が謝ることじゃないよ! すべては、そう!

 犯罪組織と結託してガーネット家を乗っ取ろうと企んでるサファイア家のトーマだよ!」

 

エルク

「ネプテューヌ!」

 

ネプテューヌ

「あ、ごめん、オライト君・・・。 まだそうと決まったわけじゃないのに・・・」

 

オライト

「気にしないでください、ネプテューヌ様。 ボクなら大丈夫ですから・・・」

 

ルビィ

「オライトさん・・・」

 

 

平気そうに振る舞っているが、彼もまたルビィと同じ10才の少年。

実の父が自分の知らないところで犯罪組織と手を組み、好意を抱いてプロポーズをした

ルビィのガーネット家を乗っ取ろうと企んでる可能性があり、疑いの素振りもあるという

のなら、内心不安になるのも当然であった。

 

 

オライト

「今回の一件で父が関わっている可能性は極めて高いでしょう。

 それでもボクは、父を信じています。 周囲からは武人として恐れられているけど、

 ボクには時に厳しいながらも、優しくて嘘もつかないから!」

 

 

しかし、オライトの瞳にはその不安や疑いを払いのける確かな強い言葉通りの父を信じる

想いがあった。

 

 

ローズ

「・・・オライトさんのお気持ちは理解しました。

 しかし、こちらとしましては一族の将来がかかっています。

 ルビィも言いましたが、私からも改めて今回の事をお断りさせていただきます」

 

ルビィ

「お母様・・・」

 

ネプテューヌ

「別に追い打ちかけなくったって・・・」

 

オライト

「いえ、ネプテューヌ様、当然のことです。

 ボクも父も立ち場が同じなら、きっと断っていたでしょうから。

 ボクのことよりも、これからどうするんですか?」

 

ゴンザレス

「ご予定としては、各国の女神様とその関係者様といった招待した方々が来られます。

 今回の一件にご協力してくれるとのことですので、ルビィ様とエルク様との

 婚約パーティーが開かれる事となっております」

 

ネプテューヌ

「あ、もうそんな時間なんだ。 急がないとね、エルくん」

 

ゴンザレス

「はい。 エルク様にはこちらでご用意させていただいたお召し物に

 着替えていただきます。 こちらへどうぞ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エルク

「ど、どうかな? 似合ってる・・・?」

 

 

エルクはゴンザレスの案内で更衣室へ行き、そこで用意された服に着替えて再び部屋

へ戻ってネプテューヌ達に見せた。

 

 

一同

「「「「「おおーーっ!!」」」」」

 

 

白を基調とし、首元には赤いネクタイを着けたガーネット家の象徴である赤を取り入れた

フォーマルな衣装を着こなしたエルクの問いに、その場にいた全員が賞賛的な意味を込めた

声を上げて答えた。

 

 

ゴンザレス

「大変よくお似合いですよ、エルク様」

 

ネプギア

「うん! 私も今までお兄ちゃんにそういう服を着てるのを見たことないから!」

 

イストワール

「はい、なんだか新鮮ですね」

 

ネプテューヌ

「だね! とってもカッコいいよ、エルくん!」

 

オライト

「ボクも皆さんと同じです。 やっぱりすごい人が着ると違うのかな・・・?」

 

ローズ

「こちらもご用意した甲斐がありますわ!」

 

ルビィ

「そ、そうね、お母様・・・///」

 

ネプテューヌ

「あれ? どうしたの、ルビィちゃん? なんだか顔が赤いけど―――あっ!

 もしかしてエルくんに見惚れちゃった?」

 

ルビィ

「ち、違うもん! そんなんじゃないもん!

 ただ・・・ちょっとだけかっこいいなって///」

 

ローズ

「まあ、この子ったら・・・」

 

ネプテューヌ

「でも、その気持ちもわかるよ。 エルくんって何着ても似合うだよねぇ。

 今回の一件が終わったら、今度はエルくんの着せ替えパーティーしない?」

 

ネプギア

「あ、それいいかも! 実は前から着てほしい服があったんだ!」

 

エルク

「勘弁してくれよ・・・」

 

ネプテューヌ

「あはは、ごめんごめん」

 

ゴンザレス

「皆様、そろそろお時間です」

 

ネプギア

「はい、わかりました。 お姉ちゃん、いーすんさん、私達も着替えないと」

 

ネプテューヌ

「そうだね、ネプギア。、それじゃあエルくん、またあとでね!」

 

エルク

「うん、また後で。 ではルビィさん、行こう」

 

ルビィ

「え、ええ・・・」

 

ローズ

「会場内にはギルドから派遣された手練れのハンター達を護衛につけています

 刺客が襲ってきても遅れを取る事はないでしょうが、もしもの時は娘を―――

 ルビィをよろしくお願いします」

 

ゴンザレス

「ローズ様・・・」

 

ルビィ

「お母様・・・」

 

 

愛娘の震える手を見たローズは、エルクにそう懇願した。

それは将来家督を継ぐ一族の跡取りとしてではなく、たた純粋にその身を心配し、

守ってほしいという母の願いだった。

 

 

ルビィ

「大丈夫よ、お母様! 何も怖いことなんてないわ!

 だってわたしには女神様と―――このエルクがいるのだから!」

 

ネプギア

「はい、任せてください!」

 

ネプテューヌ

「わたしも今回は張り切っていっちゃうから、泥船に乗ったつもりでいてよ!」

 

エルク

「それを言うならネプテューヌ・・・」

 

ゴンザレス

「大船、ですな」

 

ネプテューヌ

「そ、そうとも言う・・・」

 

ルビィ

「みんなに声かけてよかったでしょ、お母様」

 

ローズ

「ええ、そうね。 皆様、本当にありがとうございます」

 

ゴンザレス

「それではローズ様、ルビィ様、エルク様もご準備をお願いします」

 

エルク

「はい」

 

ローズ

「会場はここから離れた場所になります。 では、行きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             ー 同時刻、サファイア家の屋敷 ー

 

 

エルク達がパーティーに向けて準備をしている間、プルルートとピーシェの二人は、

トーマの私室の掃除をしていた。

皆んなより先駆けてこの屋敷に来てから1時間、今回の一件についての手掛かりがあるで

あろうこの部屋で掃除をするのと同時にそれを探していた。

 

 

プルルート

「うーん・・・ここにもない、どこにもない〜。 ピーシェちゃん、そっちはどう〜?」

 

ピーシェ

「・・・ううん、こっちにもないよ、ぷるると」

 

 

プルルートは机の引き出しと本棚を、ピーシェは壁に飾られた大きな鏡の裏や

床に敷かれたカーペットの裏など探していたが、何も見つけられずにいた。

 

 

ピーシェ

「ほんとうにここに手がかりがあるのかな〜?

 ぷるると、手がかりってどんなものなのー?」

 

プルルート

「メモとか計画書とかそんなのだと思うけど〜、もうちょっと探してみようよ〜」

 

 

プルルートはピーシェにそう言って、手掛かりとなる物の捜索を続けた。

当主の私室だけあって、そこにおいてある物は、オライトの私室にあった物よりも高価

な物だと一目でわかる。

テーブル、カーテン、棚、天井のシャンデリアや床に敷いているカーペットまで全ての

家具が高級品であり、コレクションと思われる骨董品の数々があった。

そして中でも目を引くのは、机の後の壁に飾られている大きな戦斧である。

一見真新しく思えるほどの鏡のように磨かれた刀身に刃毀れひとつなく、

手入れが行き届いているのがわかるが、それでも長年の戦いを共にしてきたであろう所々

に細かい傷がある。

リィルの言っていたように、歴戦の武人というのも納得できる。

 

 

プルルート

「ふえ〜、おっきい斧だね〜。 変身したブランちゃんが使ってるやつみたい〜」

 

ピーシェ

「・・・」

 

 

興味を持ったのか、それを見たピーシェはおもむろにジャンプしてそれに触れると、

それがレバーのように真横から斜めに傾いた。

 

 

プルルート

「わあ! ダメだよ、ピーシェちゃん〜!」

 

ピーシェ

「ぴ、ぴぃ、なにもしてないもん! ちょっとさわっただけだもん!」

 

 

起きたことに驚く二人。 その時、そこの壁に隠し通路が現れた!

 

 

プルルート

「お〜! これって隠し通路ってやつだよね〜?

 あたしはじめて見たかも〜!」

 

ピーシェ

「ぷるると、いってみよ!」

 

プルルート

「そうだね〜、この先になにがあるんだろうね〜?」

 

 

二人はその通路に入り、薄暗い中を進んだ。

その途中に階段があり、足元に気を付けながらさらに進むと、明かりが見えた。

 

 

ピーシェ

「あ、ぷるると、とびら!」

 

プルルート

「うん、入ってみよう〜」

 

 

明かりに照らされた扉を開いて中へ入ると、そこは普通の部屋だった。

ただ、そこにはひとつの宝箱のような入れ物が置いてあった。

 

 

ピーシェ

「あっ! お宝があるよ!」

 

プルルート

「あたしもゲームで見たことあるよ〜。 この中に手がかりがあるといいね〜」

 

 

それらしいものを見つけた二人は、それに手を伸ばす。

 

 

???

「まさかここを見つけるとは思わなかったぞ。 やはりただ者ではなかったか・・・」

 

プルルート・ピーシェ

「「えっ・・・!?」」

 

 

その時、背後から暗闇に紛れて威圧感のある男の声の言葉が聞こえたのだった―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ー ガーネット家 パーティー会場前 ー

 

 

ネプテューヌ、ネプギア、イストワールの三人が着替えている間、

エルク、ローズ、ルビィ、ゴンザレスの四人は先にガーネット家の屋敷とは別にある

パーティー会場の入り口に来ていた。

ここはガーネット家が代々催し物やパーティーを開く際に使われてきた離れである。

プラネテューヌのランドマークであるプラネタワーほどではないが、その存在感は屋敷

以上であり、それ以上の豪華な造りとなっている。

そしてエルクは、そのまま控え室へと案内され、そこでネプテューヌ達を待っていた。

 

 

ゴンザレス

「しかしエルク様、繰り返しになりますがその衣装、大変よくお似合いですよ」

 

オライト

「ボクをそう思います。 ボクももっと大人だったらなぁ・・・」

 

エルク

「ありがとうございます、お二人とも。

 ですが、着慣れない僕からすると、やっぱり・・・」

 

ゴンザレス

「少々窮屈に感じられますかな? その割には十分着こなしておられるようですが」

 

オライト

「ボクのサファイア家の者たちも、今のエルクさんの姿を見れば喜ぶと思いますよ。

 特にメイドの人たちが」

 

ローズ

「ふふ、そうですわね。 屋敷にいた時も、影でメイド達が嬉しそうに話していたのを

 聞きましたわ」

 

ルビィ

「ね、ねえエルクさん、もしよかったら後で写真を撮ってもいいかしら?

 その・・・記念にしたいから」

 

エルク

「はい、いいですよ。 その時は全て終わってからということになりますが」

 

ルビィ

「うん! 約束よ、約束!」

 

 

ルビィはそう言ってエルクの手を握った。

 

 

ネプテューヌ

「やっほー! お待たせエルくん! 君の愛しのネプ子さんが来たぞ・・・ってええ!?

 なにしてんさーっ!?」

 

エルク

「あ、ネプテューヌ。 それにネプギア、イストワールさんも」

 

ネプギア

「ルビィさんがお兄ちゃんの手を握ってる・・・」

 

イストワール

「お待たせしました。 エルクさんとルビィさん、仲がよろしいようで」

 

 

それと同じタイミングで、それぞれ紫のドレスに銀のティアラ、

ピンクのドレスに銀のネックレス、そして水色のドレスを来たネプテューヌ、

ネプギア、イストワールがやって来た。

そこでルビィに両手で包むように厚く握られているエルクを見たネプテューヌがそう声を

上げた。

 

 

ネプテューヌ

「ちょっとちょっと、エルくん! 

 わたしというものがありながら、他の女の子たぶらかそうっての!?

 君のメインヒロインはこのわたしだよーっ!」

 

イストワール

「一体何を言っているんですか、ネプテューヌさん・・・」

 

ルビィ

「ご、ごめんなさい! わたしったらなんてはしたない・・・///」

 

エルク

「い、いえ、お気になさらず・・・///」

 

ネプテューヌ

「おーい! こっちに戻ってこーい!」

 

ネプギア

「お、お姉ちゃん、落ち着いて!」

 

ゴンザレス

「ホッホッホ、賑やかですな」

 

オライト

「これから大変なことが起こるかもしれないというのに、余裕を感じられてなんだか

 心強いです」

 

ネプテューヌ

「あはは、これがわたしたちだからね。 ねえ、エルくん!」

 

エルク

「そうだね。 どんな戦いの前でもこうだったからね」

 

ルビィ

「やっぱり、エルクさんたちは戦いの中に身を置く人たちなのね。

 それに比べたらわたしなんて無力だわ・・・」

 

ゴンザレス

「ルビィ様・・・」

 

ネプテューヌ

「そんなことないよ、ルビィちゃん!「そんなことないですっ!」ねぷっ!?」

 

ルビィ 

「・・・え?」

 

オライト

「だってあなたは、自分が狙われているかもしれないのをわかっていてその身を晒して

 犯人をおびき出そうとしているんです。

 そんな強い人が自分を卑下にする必要なんてないですよ。

 それを言うならまさにボクがそうです。

 自分の家のことなのに、ボクだけが何も知らされず、ボクだけが何もできないでいる。

 そんな無力なボクがあなたに一目惚れしてプロポーズするなんて、

 愚かにもほどがある・・・!

 本当ならこの場皆さんと共に居る資格なんて・・・!」

 

ローズ

「・・・」

 

オライト

「わかってます。 今回のパーティーは犯人を・・・黒幕を暴くための偽装なんですよね。

 でも・・・それでもボクは今の自分にできることをしたい!

 だからボクにもルビィさんを守らせてください!」

 

イストワール

「お気持ちはわかりますが、それは危険を伴いますよ?」

 

オライト

「それもわかってます。 ボクも父から剣を学びました。

 微力ながらお力になれると思います」 

 

ネプギア

「えっと・・・どうしましょうか、ローズさん?」

 

ローズ

「・・・わかりました。 それではオライトさん、よろしくお願いします」

 

オライト

「っ! はい! ありがとうございます!」

 

ネプテューヌ

「これで戦力が増えたね! けど無理はしないでね、オライト君。

 そういうのはエルくんだけで十分だからさ」

 

エルク

「ネプテューヌ、いつ僕が無理をしたって?」

 

ネプテューヌ

「いつって、そりゃあ今までそうだったもん。

 最初の遺跡なんて死にかけてるし、あの黒くて大きなモンスターの攻撃からわたしたちを

 守って足場から落っこちたし、みんなのためってのはわかるけど、エルくんは働きすぎ

 なんだよね。 そんなんじゃ体もたないよ?」

 

エルク

「そんなこと言われても、僕にとっては当たり前っていうか」

 

ネプテューヌ

「ってことは無自覚ってことじゃん! なら余計に心配になるよ!

 ねえ、ネプギア?」

 

ネプギア

「そうだね、お姉ちゃん。 お兄ちゃんにはもっと自分に大事にしてほしいな」

 

エルク

「ネプギアまでっ!? まあ、心配してくれるのはありがたいんだけど・・・」

 

イストワール

「皆さん、話しが脱線していますよ?」

 

ネプテューヌ

「ああ、ごめんごめん。 まあそんなわけで、エルくんはとっても強いから大丈夫だよ!

 いざとなったらわたしたちも女神化して守るからさ!」

 

ネプギア

「一緒にルビィさんを守りましょう、オライトさん!」

 

オライト

「はい、よろしくお願いします!」

 

ルビィ

「・・・ありがとう、オライトさん。 わたしはあなたのプロポーズを断ったというのに」

 

オライト

「そんなことは関係ありませんよ、ルビィさん。

 それとは別にボクはただあなたを守りたいだけですから。

 そしてこれは同時にケジメでもありますから」

 

ルビィ

「ケジメ?」

 

オライト

「はい。 今回のこの一件、間違いなく我がサファイア家が関わっています。

 それこそ、その黒幕が父である可能性だって十分あり得ます。

 おそらくウロボロスという犯罪組織を裏で操っているんでしょう。

 それが今、あなたたちを脅かそうとしている。

 ならば一人息子であるボクが父を止めるべきです。

 ケジメというのはそういう意味です。

 もっともこれは、皆さんが協力してくださるからこそできることなのですが・・・」

 

ルビィ

「オライトさん・・・」

 

オライト

「はは、情けないですね。 結局ボクは一人じゃ何もでず、こうして手も震えてしまう」

 

ローズ

「オライトさん、貴方のそのお覚悟はご立派ですわ」

 

ネプテューヌ

「そうだよ、情けないなんてそんなこと「そんなことないっ!」ねぷっ!?

 今度はルビィちゃんっ!?」

 

ルビィ

「だってオライトさんは危険を承知でわたしを守るって言ってくれたのよ。

 わたしと同じ年で剣を持って戦う人のことを誰もそんな風に思ったりしないわ!」

 

オライト

「ルビィさん・・・」

 

ルビィ

「でもオライトさん、これだけは約束して。 絶対に無理はしないでください。

 それであなたになにがあったらわたしは・・・」

 

オライト

「ルビィさん・・・。 大丈夫です、ボクは死にませんっ!

 だってボクにも、これが終わったら・・・」

 

ルビィ

「終わったら?」

 

オライト

「そ、それはですね・・・///」

 

ネプテューヌ

「おーっと! それ以上は死亡フラグが立っちゃうからダメだよー!」

 

オライト

「し、死亡フラグっ!?」

 

ネプテューヌ

「まあ、カッコいいとこ見たいっていう気持ちはわかるけど、

 とにかく全部終わってからだよ、

 オライト君。 でも大丈夫! フラグクラッシャーネプ子さんがいるからね!」

 

オライト

「は、はあ・・・」

 

エルク

「ネプテューヌ、オライトさんが困惑してるからその辺で」

 

オライト

「えっと・・・?」

 

ネプギア

「つ、つまり、私達がルビィさんを守るので安心してくださいということです」

 

ローズ

「ですがオライトさん、ルビィを守るということは、この子を狙うサファイア家―――つまり

 貴方の身内と戦うということを意味します。

 もう一度聞きますが、貴方はその剣をそれらに向けることができますか?」

 

ネプテューヌ

「そっか、そういうことになるのか・・・」

 

オライト

「・・・はい、もちろんその覚悟はできています。

 さきほども言いましたが、ボクのできることをしたい。

 それはルビィさんを守るのとであり、父を・・・サファイア家と戦うということも 

 理解してます」

 

ゴンザレス

「実の父君と戦うなどと、なんとお辛いことか・・・」

 

ネプテューヌ

「・・・ねえ、この子、本当に10才なんだよね?」

 

イストワール

「はい。 子供が背負うにはあまりにも大きく、残酷すぎます・・・」

 

ネプギア

「それが、武家に生まれた男の子ってことなのかな?」

 

エルク

「きっと、今より小さい時から厳しくそう言い聞かされ、

 武術も教わりながら育ったんだと思うよ。

 ルビィさんと同じように、将来家督を継いで家を守っていくことになるから」

 

オライト

「その通りです。 父から毎日のようにそう言われ続け、

 時には剣の稽古もつけてもらっていました。

 その甲斐あって、こうして剣を握って皆さんと共に戦えるわけですが」

 

ローズ

「では、私から言えることはもう何もありませんね。

 これから私は会場へ行き、招待した方々との挨拶へ参ります。 ゴンザレス、

 後は頼みましたよ」

 

ゴンザレス

「はい、ローズ様。 お任せください」

 

 

彼にそう言うと、ローズは控え室から出て行った。

 

 

エルク

「ふう・・・」

 

ネプテューヌ

「どうしたの、エルくん? やっぱり緊張してる?」

 

ネプギア

「そういえばお兄ちゃん、こういうのに出る機会なかったもんね」

 

イストワール

「機会といえば、プラネテューヌに向けて侵攻してきたあの黒い巨人を倒したのも、

 全て女神の皆さんによるものということにしてほしいとのエルクさんからの希望で

 発表されたのでしたね」

 

ネプギア

「確かにそうでしたね。 あの後、マスコミとかが教会に押し寄せきたり、

 メディアが騒いだりで大変でしたから」

 

ネプテューヌ

「今にして思ったけど、あの時エルくんも出ればよかったのに」

 

エルク

「あの時は僕の力というより、ネプテューヌ達女神様の力で倒したとうことにした方が

 信仰が集まると思ったんだ。 

 仮に僕によるものだったとしても、たぶん信じてもらえなかっただろうしね」

 

イストワール

「確かにそのお陰で、プラネテューヌのシェアが上がりましたが・・・」

 

ネプテューヌ

「まあ、エルくんがいいっていうならそれでいいんだけどさぁ。

 エルくんはもっと目立っていいと思うんだよね!」

 

ネプギア

「だよね、お姉ちゃん。 だってお兄ちゃんは本当によく戦ってるんだし、

 お兄ちゃんの光の力がなかったらどうなってたか・・・」

 

エルク 

「ありがとう、皆。 でも、目立つのは今からまさにそうだと思うよ。

 とにかく今は、目の前のことに集中しよう」

 

イストワール

「はい、今はルビィさんを守ることだけを考えましょう」

 

ゴンザレス

「ルビィ様、どうかお気をつけて・・・。 皆様もよろしくお願いします!」

 

エルク

「僕も心の準備はできた。 ―――よし、行こう、皆っ!」

 

 

エルク達は、招待客の待つパーティー会場へと続く扉を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ポケモンZA明日発売!
・・・できればSwitch2でプレイしたかったなぁ。




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