オリジナルライダー設定集   作:名もなきA・弐

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 キュウレンジャーの次の戦隊を情報を読んで思いついたネタです。
 仮面ライダーカギトを思い切って全リメイクです!


カギトリメイク・仮面ライダーアルセティル KAMEN RIDER ARSETELE

ウィリアム・キッドことキャプテンキッドが島に埋蔵されたとされる隠し財宝、一分間も光り続けたとされる呪われたホープダイヤモンド、嘘か真かすらも曖昧な徳川の埋蔵金etc…。

この世界には、現実と虚構問わず数多くの財宝が存在する…それは多くの人間によって発見し、伝わり続けてきた。

しかし、この世界では人々を不幸へと陥れる呪われた財宝が存在していた。

これは歪んだオタカラだけを狙い、無辜の人々を救う義賊(仮面ライダー)の物語…。

 

 

 

 

 

時刻は夜の七時、街灯が黒い街を色取りどりに照らしている。

そこにあるとあるビルの屋上には一人の人間がいた…その人物は明かりを照らさず、ただただ両手に持っている自身のコレクションに視線を向けている。

それは一枚の絵画で女性の上半身や男性の全体像を描いたような作品を地面に置いて鑑賞しているのだ。

それだけならば、少し変わった芸術好きの男だっただろう。

しかし……。

 

『苦しい…苦しい…!』

『助けて、助けて……!!』

 

鑑賞していた作品が揺らぎ、動き始めたのだ。

それぞれがそれぞれ、悲痛な表情と声で口々に助けを求める。

そんな普通ではない作品を鑑賞していた男も、普通ではなかった……いや、人間ですらなかった。

 

『良いぞ、良いぞぉ…やはり、人間で作った絵画は最高だぁっ…私の魂を揺さぶってくれるっ、実にアメイジングだっ』

 

やがて、月の光がビルの屋上を照らす。

その姿は巨大な額縁を胴体に張り付け、絵の具のチューブやパレットで無理やり画家を作り上げたような怪物『トレシャドー』…「トレシャドーダイヤル」と呼ばれるアイテムによって無機物から誕生した怪人である。

彼は絵の具セットを媒介とした『ペイント・トレシャドー』で自分が気に入った人間を額縁に閉じ込めて鑑賞していたのだ。

歪んだ欲望に従うようにただただ干渉を楽しむペイント……。

だが、彼の楽しみはここで終わることとなる。

 

「…っ?何だ、この音は?」

 

突如、鳴り響いてくる音にトレシャドーが顔を上げる。

楽しみを邪魔するその雑音に不快な表情(とはいってもあまり変化はないが)と共に音の発生源を探す。

しかし、その独特な音は増々大きくなり、それどころか自分の方に向かっているような気がしてくる。

段々と近づいてくる、それでいて聞き覚えのある音に「まさか」と一人ごちた時だった。

 

『んなっ!?』

 

振り向いたペイントの視界に入ったのはスタイリッシュなデザインをしたオレンジと黒でカラーリングされたバイクが、凄まじいスピードで突っ込んでくる姿…。

バイクは速度を緩めることなく、そのままペイントを吹き飛ばす。

 

『うぎゃああああああああああああああああああっっ!!?』

 

勢いよく吹き飛ばされたペイントは無様に地面を転がる結果になる。

気にすることなくバイクの運転手はヘルメットを外して少しだけパーマがかった童顔を露わにすると、少年はそのまま絵画として囚われた人々を拾い上げて安全な場所に確保する。

ようやく起き上がったペイントは地団太を踏み、突如自身の邪魔をした少年を忌々しく睨みつける。

そんな怪人が放つ殺気に怖気つくことなく、少年『芦川玲斗』は涼しげな表情で微笑む。

 

「お楽しみの時間はここまでだよ、トレシャドー」

『誰だか知らんが、邪魔をするなっ!!』

 

彼の呑気とも言える態度に憤慨したペイントは絵の具を模した破壊エネルギーを威嚇として放つがそれを難なく躱すと、宝箱と錠前、鍵を模したダークグリーンのバックル…『アルセティルドライバー』を軽く腰に当てる。

瞬間、バックルから銀のベルトが伸びて完全に腰へ巻きつくとドライバーへとなる。

そして、彼は怪盗とシルクハットを模した黒いダイヤルがあるフィギュアのようなアイテムを取り出してダイヤルを捻った瞬間、アップテンポの音楽が流れる。

 

『っ!?』

 

スタンダードダイヤルをセットしたと同時にジャズのような軽快な待機音声にペイントが驚く様子に口元に笑みを見せる玲斗。

そして…。

 

「変身っ!」

【ガチャリ!STANDARD!…STA・STANDARD! FEVER!!】

 

右側に存在する鍵型のサイドハンドル『スタートキー』を回した瞬間、錠前の開く音と共に新たな電子音声が響き渡る。

そうして変身を遂げた瞬間、最後の電子音声と共に打ち上がったオレンジ色の花火がその姿を照らした。

黒い装飾がある鮮やかなオレンジカラーのスーツに右肩にはコートを模したオレンジの裏地の黒いマントを羽織っており、シルクハットのようなバイザーの下にある赤く丸い複眼がペイントを見据える。

 

『な、何だ貴様はっ!?』

「俺は『仮面ライダーアルセティル』。アルセーヌ・ルパンとスティールを組み合わせてアルセティル、以後お見知りおきを…てねー」

 

驚愕するペイントに何処かおどけたような口調で、変身前と変わらない調子でそう名乗った『仮面ライダーアルセティル スタンダードフォルム』は右手の人差し指をゆっくりと向けて宣言する。

 

「お前の心、頂くぜ!」

『ほざけっ!!』

 

ペイントに一直線向かったアルセティルは勢いを殺すことなく敵の内側を捉えると、一気に距離を詰めた先制の飛び膝蹴りを叩き込む。

 

『うぐっ!!』

 

スピードに任せた一撃の重さでバランスを崩したペイントを転ばせると、地面に倒れたその隙に追い打ちを仕掛ける。

このまま攻撃を続けようと、拳を振り上げたアルセティルの動きが止まる。

ペイントが絵の具のチューブから放つエネルギーで彼の首を拘束する。

 

「しまっ!ぐっ!」

 

不意打ち気味に放たれた攻撃に回避することも出来ず、締め上げる首に意識が向いてしまう。

体勢を立て直したペイントは起き上がり力を強める。

 

『今度は、こっちの番だっ!!』

 

「今までの仕返し」と言わんばかりに更にに締める強さを増していくが、どんな危機にあってもアルセティルは片手をドライバーにセットしたスタンダードダイヤルを再度捻る。

 

【LET'S ILLUSION!!】

『なっ、なぁっ!?』

 

軽快な音声と共に、スモークが噴出するとアルセティルの姿は二体・三体へと分裂したのだ。

突然の奇怪な現象にペイントは思わず拘束を緩めてしまう。

それが命取りとなってしまった。

 

『ぎっ、ぐっ、がっ!?』

 

三人のアルセティルが仕掛けるスタイリッシュな動きと攻撃に怯む。

その拍子に完全に拘束から解放されたアルセティルはアッパーカットでペイントの顎を捉えると、そのまま拳のラッシュでペイントの身体に浴びせる。

 

「そらよっ!!」

『ぐおわあああああああああああああっっ!!』

 

そして、「フィニッシュ」と言わんばかりのストレートキックが完全に胴体にある額縁部分を命中させると、続けて放った中段回し蹴りで、ペイントを吹き飛ばす。

地面を激しく転がりながらも、起き上がるペイントに対して余裕の姿勢を崩さないアルセティルはスタートキーを操作する。

 

「終わり?そんじゃ止めと行きますかー」

【頂きました!STANDARD TRICK! DOKKA-N!!】

 

電子音声が鳴り響いた後、低く姿勢を沈めたアルセティルの右脚にエネルギーがチャージされると、錠前のようなエフェクトがペイントを拘束するように浮かび上がる。

 

「はぁぁぁ……!!」

 

そして、加速に乗ると高く舞い上がり、飛び蹴りの姿勢に入る。

逃げ場を完全に失ったペイントは何とか起き上がって逃走しようとするが……。

 

「せやあああああああああああっっ!!!」

『ぐぎゃああああああああああっ!!』

 

軽快な音楽をバックに放たれた必殺のキック『アルセティルフィーバー』がペイントの胴体を貫いた。

貫かれたペイント・トレシャドーは悲鳴と共に爆散、そして絵の具セットと同時に落ちたトレシャドーダイヤルが砕け散る。

 

「後は…ショウイチ叔父さんに連絡、とー…」

 

変身を解除して、そう一人ごちた玲斗は叔父へと連絡を取るべくその場を後にするのだった。




 完全な一発ネタです。

トレシャドー
特殊なアイテム『トレシャドーダイヤル』によって無機物が有機生命体へと変化した姿で日本では古くから「付喪神」と呼ばれていたりもした。生物的なデザインをしており、バックル部にある金庫のようなダイヤルが特徴。
媒介となった無機物に因んだ能力で、それぞれの欲望を満たすために行動しており我の強い個体が多い。
『アルカディア』というキーワードを口にする。
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