オリジナルライダー設定集   作:名もなきA・弐

7 / 46
 活動報告で設定を書いたオリジナルライダーの短編です。
 それでは、どうぞ。


オリジナルライダー設定集
仮面ライダーカリバー KAMEN RIDER CALIBUR


――――これは…ある世界で誕生した怪人と戦う、一人の戦士の物語

 

 

 

 

 

某市に存在する公園…時刻は既に夜中を指しており、子どもたちや家族で賑わう誰もいないその場所にオレンジ色に発光する現象が起こっていた。

それを起こしている犯人は見えず、もしこの場に人がいたとしても大半が「気のせいだ」と気にすることはないだろう。

しかし、目には見えずとも『彼』はその場にいたのだ。

正確には街の治安を守っている監視カメラが内蔵するデータに、彼は膨れ上がった自らの自我に満足していた。

 

『ああ、ああっ!うざってぇっ、この目に映る何もかもがうざったいぜっ!!』

 

吐き捨てるように、感情を抑え込むように彼は監視カメラから零れる光を放ちながら一人ごちる。

なぜ自分がここまで激情を隠せないのか分からない、自分が憑代として選んだ人間の存在(データ)が原因なのだろう。

だが、彼にとってはどうでも良かったのだ。

『暴れたい』という自身の欲求と人間が望んだ『上司や同僚への不満』は、自分が存在を得るためのデータとして都合が良かったのだ。

そうして彼はオレンジ色の光を漏らしながら、彼は監視カメラから姿を現した。

 

『はぁぁぁ……!!』

 

念願の現実世界へと足を着くことが出来たことへの解放感で彼は歓喜に満ちた声をあげる。

一言で表現するなら、溶岩と炎で構成されたライオンであろうか…黒く固まった岩の継ぎ目からは赤い溶岩から光っており、鬣もその溶岩が煮え滾っている。

 

『はははっ、これで俺は暴れられる……いけ好かねぇ連中の家族諸共焼き潰してやるよっ!!』

 

実態を持った身体を得たことで誕生したデジタル生命体『マグマ・デジタント』は、標的の一つである場所へ向かおうとゆっくりと歩を進める。

獲物を探す狩人のように、彼は雑草を燃やしながら道すがら周囲を燃やそうとした時だった。

一台の青いバイクが彼の進行を遮るように止まる。

突如自分の邪魔をするように現れた存在に、不機嫌な感情を隠そうしない彼の様子を気にすることなく、バイクに跨った人物はヘルメットを外す。

納めた長く青いツインテールを靡かせながらその少女はバイクから降りる。

可愛らしさのある美貌に恵まれた長身に青い上着とフリルのあるミニスカート、黒いハイソックスを身に着けた豊満な身体の持ち主である。

 

『ヒュー♪こんな夜中にドライブか?危ないぜお嬢ちゃん』

「……」

 

明らかに嘲笑の籠った気障な物言いに少女『剣立(きょう)』は何も言わず、鋭い視線を向けたままバックルのような銀色の物体を取り出した。

左側にはジャックとキング、クイーンのトランプカードのイラストが彫られたプレートがあり右側にはサイドレバーがある。

杏はそのバックル『ジョーカーズドライバー』を腹部に軽く当てると、そこから赤いベルトが伸びて完全に彼女の腰に巻きつく。

そして、ドライバーのカバーを開けた彼女は上着の懐からスペードと一頭身の騎士の絵柄があるディスク『ポーカーディスク』を取り出してボタンを押した。

 

【FOOL・SPADE!】

 

「0」と刻まれた『フールスペードディスク』を起動させた杏はジョーカーズドライバーにセットし、カバーを閉じるとそのままバックルのロックを解除する。

それと同時に待機音声が鳴り響く中、右腕を斜め上にゆっくりと上げる。

 

【Grab a Trump Card! Grab a Trump Card!…】

「…変身っ!」

 

手首の向きを変えた後、掛け声と共に両腕をドライバーの近くまで持っていって包み込むように構える。大きく回す。

そして両腕を大きく回してから広げると同時にジョーカーズドライバーも回転した。

 

【JOKER'S SELECT! 未知の可能性!切り札掴め!お前の名前はSPADE KNIGHT!!】

 

電子音声が鳴り響いた瞬間、彼女の姿はスペードのスートがあるA~Kのトランプカードが宙を舞うと黒いスーツとなって纏わり付き、『愚者』のタロットカードが青い鎧へと変化する。

そこに現れたのは一人の騎士とも武者とも言える戦士…明治を思わせるような青いブーツと手甲を装備しており、西洋甲冑のプロテクターが装着されている。

『仮面ライダーカリバー ザ・フールスペード』……世界に害をなす怪人から人々を守る戦士。

 

『お、お前っ!!仮面ライダーだったのか!?』

「その通りです。切り札を、この手に掴む」

 

宣言したカリバーにマグマは動揺しながらも剛腕による一撃を振り被る。

ライオンのパワーと溶岩による高熱を纏ったその攻撃を受けたら一たまりもないだろう。

だが、それは相手が一般人だったらの話である。

 

「ふっ!」

 

子ども騙しに等しいその攻撃速度と軌道にカリバーは難なく躱す。

攻撃が単調なことに気づかず、マグマは拳を主体とした攻撃を華麗に躱し、時折受け流す。

掌底を主軸としてその攻撃を受け流している彼女にしびれを切らしたマグマは赤い溶岩を纏った拳を振り下ろすが、それをスウェイで躱した後は右の肘打ちで打ち込む。

吸い込まれるように鳩尾に叩き込まれたマグマが怯んだ一瞬の隙を逃すことなく、捻りを加えたハイキックを浴びせる。

次第に彼女の繰り出す攻撃は軽やかに、スピーディになっていく。

攻撃を連鎖的に行うカリバーにマグマはなす術もなく追い詰められる。

 

「はっ!ふっ!はぁっ!」

『ぐおおおおおおおっ!?』

 

連続キックの次に衝撃を流すような掌底に吹き飛ばされて地面を転がるマグマを見たカリバーは専用の武器である『ポーカーウェポン』を取り出して構える。

薄く発光するような青い色は日本刀型のデバイスとなっており、刀身にはJ・Q・Kのトランプカードを模したボタンが取り付けられている。

 

【JACK!…ONE PAIR!!】

「ふっ!」

 

ボタンを押して電子音声を鳴らしたカリバーは攻撃力を上げた『ポーカーソード』で攻撃を行う。

一つの太刀から繰り出される変幻自在な斬撃にマグマの身体から火花が激しく飛び散る。

続けるようにQのボタンを押して2ペアによる斬撃を浴びせる。

流れに乗った斬撃の合間に繰り出す右フックからの回し蹴りによって、マグマは思い切り吹き飛ばされてしまった。

 

『ごあああああああああああっっ!!!』

 

激しい攻撃を受けた彼に対して、カリバーは臆することなく剣先を突きつける。

その行為を挑発だと受け取ったマグマは全身に力を込めて岩の継ぎ目から熱を漏らすと、そこと鬣から次々と火炎球を撒き散らす。

炎が辺りを着弾する中、カリバーは流れるような動作でそれを躱しながら彼と距離を取る。

基本モチーフがライオンだからかその威力は生半可なものではなく、ライオンの顔を模した火炎球が牙を剥いて襲い掛かる。

 

「くっ!(このままじゃ…ならっ!)」

 

デジタントのレベルが想定していたよりも高いことに苦虫を噛み潰したような表情を仮面の下で見せた彼女は攻撃を避けながら、スペードディスクを抜き取ると「VI」と刻まれた赤いポーカーディスクを取り出して起動させる。

 

【LOVERS・HEART!】

 

最初の待機音声が鳴り響く中、カリバーはハートと弓兵を思わせるような一頭身のキャラクターがある『ラバーズハートディスク』をカバーが開いたままのバックルにセットして最初の変身のようにシークエンスを終えると、ドライバーを回転させた。

 

【JOKER'S SELECT! 以心伝心!あいつのハートを狙い撃ち!その名はHEART SHOOTER!!】

 

派手な電子音声と共にジョーカーズドライバーからハートのカードと『恋人』のカードが宙を舞うと、カリバーに張り付いて姿を別の物へと変える。

弓兵を思わせるような赤いロングコートと軽鎧が装着される。

『仮面ライダーカリバー ザ・ラバーズハート』へと完了した彼女はドライバーのボタンを押す。

 

「これで終わらせてあげます」

【JOKER!】

【STRAIGHT!!】

 

召喚したポーカーウェポン『ポーカーアロー』にハートディスクをセットして、電子音声を鳴り響かせたカリバーは弓を思い切り引き絞る。

すると、カリバーの姿は二人に分裂を開始する。

限界まで引き絞っていた手を放した瞬間、大きな矢型のエネルギーを飛ばしたことで、無数の矢へと変化したエネルギー弾は寸分の狂いもなくマグマへと向かった。

 

『ぐおわああああああああああああああっっ!!!』

 

『ハートストレート』が全弾命中したことで既に限界へと来ていたマグマ・デジタントは爆散し、そこからはデータして囚われていた男性も現れる。

脈を確認して生きていることに安堵した瞬間、変身を解除した杏のスマホに着信が入る。

 

「っ?…あっ」

 

誰からの着信か確認した彼女の表情が一瞬で気まずいものへと変わる。

 

「お父さん…」

 

自分の父親からの電話…考えてみれば帰りのメールを送ってから何時間も立っている。

一先ず、それを無視して警察と救急車を呼んだ杏は慌てて過保護気味な父親への言い訳を考えるのであった。

 

 

 

 

 

カリバーがデジタントと戦う世界とは別に、新たな戦士…仮面ライダーも存在していた。

黒いスーツには白狼を思わせるような白く刺々しいデザインの装甲を各部に装着した戦士は、黄色く光る複眼で満月を見上げる。

銀色のバックルにはメカニカルな狼とデジタルカメラが合わさったような大きめのデバイスがはめ込まれるように装備されている。

その仮面ライダーは気怠そうに右手を軽くスナップすると、目の前で対峙する怪人へと走るのであった。




 ブレイドを平成二期風にしたオリジナルライダー…仮面ライダーカリバーです。
 あまりは多くは語りませんが設定は載せておきます。最後に戦っていた仮面ライダーは別の世界に存在する仮面ライダーだったりします。
 ではでは。ノシ

仮面ライダーカリバー 
医大生の少女「剣立杏(キョウ)」がジョーカーズドライバーにポーカーディスクをセットして変身する仮面ライダー。長く青い髪をツインテールにした長身の美少女で誰かを救いたいと願う大らかな性格をしている。
青いスーツにスペードを模した一本角と銀色の西洋甲冑を上半身に纏っており、初見では声を聴かない限り細身な男性型と勘違いされる。スペードディスクは剣士としての集中力とスピードが上昇する。
刀剣型のポーカーウェポンにはJ・Q・Kのトランプカードを模したボタンがおり、押した順番によって使用する技が異なる。また必殺技としてジョーカーが存在する。

デジタント
発達する電脳や電波のバグから発生したデジタル生命体であり、欲望を持った人間のデータ(存在)を奪うことで現実世界に干渉する身体と明確な自我を得られる。
そこで政府は新感覚スマホポーカーバトル「キングオブポーカー」で遊ぶ人間たちの中から、ポーカーディスクに適合する人間を探していた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。