何処に存在するのかも分からない荒涼とした山地の中、常識を疑うほどの激戦が繰り広げられていた。
耳をつんざくような爆音が周囲に轟く。
それが引き金となって連鎖し、数多くの轟音が周囲に戦場となった殺風景な山地に響き渡る。
轟音の元は爆発だけではなく、何十もの、幾重に連なる音が聞こえてくる。
目一杯アクセルを回したような猛々しいエンジン音と共に仮面の纏った戦士たちがそれぞれの専用バイクで大地を駆ける。
彼らだけではない……黒いレールを生成しながら、搭載された武装を乱射する白い電車が、洋風の城塞と融合したかのような寸胴で巨大なドラゴンが、凄まじい雄叫びを上げる赤い龍が、空を舞っている。
彼らは自分たちを襲う『何か』を打倒するべく、自身が持てる限りの力を持って『何か』の元へと向かう。
本来なら、強大な敵を打ち倒したことのある戦士たちが苦戦することなどなかった。
しかし、結論を言えば彼らは敗北した。
仮面の戦士たちは『何か』によって数を減らされつつあった。
その存在によって召喚された、仮面の戦士を模倣したような『異形』が彼らに襲い掛かったのだ。
目の当たりにする強大な悪意と戦闘能力によって苦戦を強いられつつある中で、やがて吸血鬼を彷彿させる金色の輝く皇帝が悪魔を模した怪人によって腹部を貫かれた。
貫かれた皇帝は透明なクリスタルに全身を包まれた瞬間、この場から消滅する。
それに続くように武装をした赤い鬼が、トランプのキングのような仮面の騎士が、カブトムシを模したメカニカルな太陽の神が…各々を模した異形たちの手によって次々と消滅していく。
九人の仮面の戦士…『仮面ライダー』が消滅した瞬間、金色に輝く鬼が『何か』…マゼンタの戦士に武器を構えて襲い掛かる。
銀色のサイドハンドルが存在する、何処となくカメラを連想するような白いバックルを腹部に巻きつけている戦士はプレートの刺さった頭部にあるエメラルドの複眼を少しだけ向ける。
まるで吟遊詩人を彷彿させるような灰色のローブを纏った鬼は己の武器の一つであるエレキギターを模した槍もしくは大剣『音撃弦・轟炎』を突き立てようとするが、マゼンタの戦士の方が速かった。
サイドにあった白いブックケースを手に取って銃へと変形させると、引き金を引いてエネルギー弾を鬼に放つ。
彼はどうにかそれを防げるが、それが命取りとなった。
【FINAL ATACK・RIDE!…DE・DE・DE・DECADE!!】
「しまっ…ぐあああああああああああああっっ!!?」
黄色のカードをバックルにセットしていたマゼンタの戦士の銃撃が命中し、爆発する。
『仲間』を止めようと奔走しようとした鬼『仮面ライダー
完全に戦闘が終了したのを確認したマゼンタの戦士『仮面ライダーディケイド』は異形たちを率いてこの場から去ろうとする。
しかし。
「ま、待て…!!」
マゼンタの戦士によって倒され、黒々とした煙があちこちに上る戦場…その中で一人だけ、ディケイドに酷似したシアンの戦士はもう一度立ち上がる。
プレートの刺さった仮面の下の瞳は目の前の戦士を睨んでおり、動かすことを拒否する身体を内に宿る闘志で立ち上がる。
そして、彼は自らの纏う色と酷似したタッチパッドの画面に触れる。
【G4! RYUGA! ΩRGA! GRAVE! KABUKI! CAUCASUS! ARK! SCULL!】
【FINAL KAMEN・RIDE!…DIEND!!】
画面に映る紋章を順にタッチすると、胴体の装甲に様々な戦士の顔が描かれたカードが八枚出現し、設置される。
シアンの戦士は白のラインと装飾が入った強化形態『仮面ライダーディエンド コンプリートフォーム』へと姿を変える。
「ツカサ…お前は、お前は俺が止めるっ!!」
そう叫んだディエンドは己の武器であるシアンの銃『ディエンドライバー』に二枚の黄色いカードをセットする。
【ATACK・RIDE!…GEKIJOBAN!!】
【FINAL ATACK・RIDE!…DI・DI・DI・DIEND!!】
「たああああああああああああああああっっ!!!」
八体の仮面の戦士の力を己の右足に収束させた彼は、そのまま地を蹴って跳躍して渾身の跳び蹴りを浴びせようとする。
それに対抗するように、「ツカサ」と呼ばれたディケイドも黄色いカードをバックルに挿入した。
【FINAL ATACK・RIDE!…DE・DE・DE・DECADE!!】
「……はぁっ!!」
迫りくるディエンドの攻撃に、ディケイドはカウンターを決めるように回し蹴りを炸裂させる。
両者の攻撃は、けたたましい音と共に周囲を閃光に包み込むのであった。
鳴鬼はオリジナルライダーです。能力は特にありませんが、音撃棒・音撃管・音撃弦の三つを使いこなします。