結果から言えば、俺の召喚したサーヴァントはすごかった。
両手に持った剣から繰り出される剣戟はとても激しいようで、冷静に、冷酷に振るわれ、そこには一切の躊躇はなく、正確に相手の命を刈り取っていった。
また、俺たち魔術師が使う魔術とは根本的に違うモノ、魔法――とガブラスは呼んでいた――のようなモノも使っていた。
例えば、魔術師が火を魔術で出す場合、ある程度の準備を行ってから、決まった手順を踏むことで出すことができる。
しかし、ガブラスの場合、キーとなる関連ワードを使うという意思を持って言うだけでいい。「火よ」や「燃えよ」のような火を連想できる言葉を言いながら、火を使うイメージをするだけなのだ。
正直、ふざけてると思った。魔術…というか魔法にも長けており、武術もかなりのものだ。彼ほど優れたサーヴァントもなかなかいないだろう。
オルガマリー所長やロマニ、ダヴィンチちゃんに他のマスターとサーヴァントたちも驚いていた。
「俺もランサーとして召喚されてもルーン魔術が使えるが、今のキャスターのように使いこなせるわけじゃねえ」
と、途中で合流したキャスターこと、クー・フーリンも驚きを隠せなかったほどの実力者らしい。
こうして俺達は順調にこの特異点の原因があるらしい場所までこれたのである。
「ここに聖杯が…」
「下がれ!」
オルガマリー所長がその原因があるであろう洞窟へ近づこうとした途端、ガブラスが所長を後ろへ無理矢理下がらせ、手に持った剣で飛んできた何かをはじく。
「遠距離攻撃!?アーチャーか!?」
なおも連続で何かが飛んでくる、それをガブラスを中心にアルトリアとヴラドがはじく。
「あそこじゃな!」
そして場所を特定した信長が火縄銃でアーチャーがいるであろう場所を狙撃する。
信長の攻撃をかわしたアーチャーは俺たちの前に姿を現した。
「悪いが、ここから先へ行かせるわけにはいかんのでな」
このサーヴァントはしゃべることができるらしい。
「どうやら簡単に行かせてはくれないようね」
「まるでここ守る門番のようだ」
よっぽどこの先へ進ませたくはないのだろう。
「ガブラス。頼む」
「いいだろう」
ガブラスは俺たちの前へと出る。
「マスターの言うことを簡単に聞くとは。まるで犬のようだな」
アーチャーはどこからか双剣を出し、構える。
「それがどうした。野良犬である俺には、失うモノなど何もない」
ガブラスは双剣を分離させ、構える。
「はたしてお前に、守れるかな?」
「ふん。言われずとも守るさ」
「いいや、守りたいものほど守れはしない、違うか?」
「……」
その問答を最後に二人は黙る。
しばらくすると、どこかでガレキの落ちる音が聞こえ、それを合図にお互いの双剣がぶつかり合った。